「ナターシャ、ヘイムダル!俺が周りの雑魚を蹴散らす!30秒でいいから奴の相手を頼む!」
「承知した!」
「わかったわ!」
とりま周りにうじゃうじゃいるチタウリやアウトライダー達をフェイザーで薙ぎ払う。一瞬で蒸発するのマジやべえな。パワー・セルはしばらく持ちそうだからなんとかうまくいくかな?チタウリ達も懸命に反撃してくるけど格闘予測ソフトウェアが敵の攻撃を予測してくれるから全部避ける事が出来るし、それと同時に敵の行動パターンや弱点等を計算して視界に表示してくれる。だから効率よく敵を蹴散らせる。こっちだけズルして無敵モードだもんな。全くチート様々だぜ。
その間にナターシャとヘイムダルがグレイヴと激しくやりあっている。ヘイムダルはアスガルドの番人として数々の戦いを生き抜いてきた立派な戦士だ。そんな彼でもグレイヴの前では防御に徹するしかないみたい。でも彼は1人で戦っている訳じゃない。
「下がって!」
ナターシャが叫びながらショックグレネードを投擲。反応が遅れたグレイヴはショックグレネードの電撃にやられて身動きが取れない。そのタイミングを見逃さず、ナターシャはNV4でグレイヴにマガジン1個分の弾丸を叩き込んだ。グレイヴの金ピカボディアーマーがほとんどの弾丸を無力化したが、1発の弾丸がグレイヴの左目を消し飛ばした。
「ぐっ!?」
「くらえ!」
そしてグレネードの効果が切れると同時にヘイムダルがグレイヴに斬りかかる。ヘイムダルの剣がグレイヴの体を切り裂くも、その傷は浅いものだった。お返しと言わんばかりにグレイヴは反撃を開始。傷を負っているのにヘイムダルより強いのは何で?しかも動きが早すぎてナターシャが援護できていないな。
「ナターシャ、雑魚は粗方始末したから周囲の警戒を頼む。俺がヘイムダルを援護する!」
「お願い!」
フェイザーをしまいつつ取り出すのはもちろんダークセーバー。ヘイムダルを蹴り飛ばして刺し殺そうとしていたグレイヴに黒いプラズマブレードで襲いかかる。グレイヴはすぐに気付いてブレードを受け止めるが、極めて高熱のプラズマブレードのせいでグレイヴのハルバードが加熱されて真っ赤になっていく。
「何だその武器は!?」
「ちょっとアツアツなだけだよ!」
そのままグレイヴと激しい戦いに。左目が見えないのにグレイヴはなかなか強い。でも俺には格闘予測ソフトウェアがある。グレイヴの攻撃の全てがスローモーションに見えるし、次の攻撃の完全な予測が出来る為、ダークセーバーで全てを防ぎつつ敵を追い詰めていく。
「クソっ!何故お前達は邪魔をする!?宇宙を救済する為にサノスや我々は立ち上がったのだ!それを邪魔するなど言語道断だ!」
「馬鹿な事言うな!宇宙の資源に限りがあるのは理解できる!だが全宇宙の生命体の半分を消し去ってバランスを取るなんて頭がイカれてる!それを救済だとか言ってるお前ら全員狂ってるよ!」
「何だと!?この野郎!」
グレイヴに腹を蹴っ飛ばされて吹き飛ぶけど想定内。一度相手から離れるのが目的だ。
「ヘイムダル、一緒に行こう」
「ああ、行くぞ!」
イドリス・エルバと肩を並べて戦えるとかマジで興奮するわ。それはともかく俺はチェストリグからダークセーバーをもう1つ取り出して二刀流でいく事にした。普通の剣と違ってライトセーバーやダークセーバーは手元に伝わる感覚が柄の重みしかない。だから取り扱いに注意しないと自分の手足をぶった切る事になる。
それは置いといてグレイヴは一気に劣勢になった。攻撃スピードが早い俺と、スピードは若干劣るものの攻撃が強いヘイムダルから激しい攻撃を受けているからだ。しかも左目を失っているせいでグレイヴは俺達の攻撃をひたすら受け流したり避けたりを繰り返す。そうしていると徐々に攻撃を受けるようになり、グレイヴの体に傷が増えていった。
そろそろ止めを刺そうかね。まず俺が前に出て2本のダークセーバーを上から振り下ろす。当然グレイヴはハルバードを水平に構えてダークセーバーを受け止める。が、ただでさえ高熱のプラズマブレードを2本も受け止めた結果、ハルバード全体が真っ赤になりグレイヴの両手が焦げ始めた。
苦悶の表情を浮かべながら耐えるグレイヴだったが、彼の忍耐力よりハルバードの耐久力の方が先に音を上げた。ハルバードは中心部から真っ二つになり、グレイヴは勢いで後ろに吹き飛ぶ。そのタイミングで俺はその場でしゃがむ。するとヘイムダルが俺の上を飛んでいき、武器を失い体勢を崩したグレイヴの胸に剣を深々と突き刺した。
「ごはっ!?」
「終わりだ、グレイヴ。お前達は宇宙の救済者なんかじゃない。ただの犯罪者として生を終えろ」
「ば…か、な…」
ヘイムダルが剣を引き抜くとグレイヴの胸からどんどん血が流れていく。どう見ても助からない傷だ。しかしグレイヴはまだ諦めていない。折れたハルバードを掴んでヘイムダルに斬りかかろうとした。しかしアスガルド最強の番人であったヘイムダルにとってその攻撃を察知するのは簡単だった。素早く振り返りつつヘイムダルは剣でグレイヴの首を刎ねた。
グレイヴの首が飛んでいくのをミッドナイトは戦いの最中に見てしまった。なんと彼女とグレイヴは夫婦だったのだ。グレイヴは戦いの前に、
『この戦いが終わり宇宙の救済が完了したら、1週間ぐらい休みを貰ってバカンスにでも行かないか?ちょっと早いけど結婚記念日も近いしな。美味しいものでも食べてのんびり休もう』
という話をしていた。ミッドナイトは知らなかったが、これはいわゆる死亡フラグというやつだった。そして見事フラグは成立してしまった。
「おのれええええ!!!」
愛する夫を喪ったミッドナイトは怒りに身を任せて激しい攻勢に出た。ピーター、ガモーラ、ネビュラは避けるのに必死だ。電撃を発する三又の槍で3人を黒焦げにしようとするも、回避されたりシールドで弾かれたりした。カークのシールド発生装置は極めて高性能だったからだ。
「シールドなんて卑怯な物を使いやがって!」
「うるせえ!使えるものを使って何が悪い!」
ピーターが愛用のクアッドブラスターを乱射しながらミッドナイトを牽制する。その間にガモーラをネビュラが一気に距離を詰めて白兵戦に持ち込む。本来ならミッドナイトは白兵戦で負けるような人物ではない。しかし夫の死を目の当たりにして彼女は冷静ではいられなくなっていた。
「コーヴァスの仇!!」
ミッドナイトは2人に槍で素早い攻撃を繰り返す。だがガモーラは愛剣のゴッドスレイヤーでその攻撃を受け流し、ネビュラは電気ショックスタッフで反撃する。2人の姉妹は完璧なコンビネーションでミッドナイトの攻撃を跳ね除け、それどころか押し返し始めた。
「今がチャンスよ!」
「わかってる!」
まずネビュラが電気ショックスタッフでミッドナイトを後ろに弾き飛ばす。そして素早く腰のホルスターから愛用の電気ショックブラスターを抜いて乱射。数発は槍で防いだが、残りはミッドナイトに命中した。それでも彼女は倒れない。発射されるエネルギーボルトは、一発で並の種族を射殺できるほどの威力を有しているのだが、ミッドナイトは気合いと怒りで耐えきった。
しかし動きが止まったタイミングをガモーラは見逃さない。ゴッドスレイヤーを2本の刃に分割させ、長剣でミッドナイトの左腕を、短剣で脇腹を切り裂いた。それと同時にピーターがクアッドブラスターを発射、ミッドナイトは5メートル以上後ろに吹っ飛んだ。
「ぐううううう!!!」
だがミッドナイトはまだ諦めていない。左腕は切れかかっているし、脇腹からも大量出血、そして胴体はブラスターのせいで複数の穴が空いている。普通なら間違いなく死んでいる筈なのだが、ミッドナイトは槍を使って何とか立ち上がる。そして左腕をチラッと見た彼女は槍を使って無言で左腕を切り落とした。
「嘘だろ…なんでまだ動けるんだ?」
ピーターが思わず呟くのも無理はない。彼女は左腕と脇腹を槍から出した電撃で焼いて塞いだ。ボロボロの鎧を脱ぎ捨て、ボディーアーマーから複数の注射器を取り出して首に突き刺す。何を打ったのかは不明だがミッドナイトはブルブル痙攣し始めた。それを見たガモーラとネビュラはドン引きしている。
「あれは鎮痛剤か?それとも興奮剤?」
「なんかヤバそうね…でもあの傷だから長くはないはず。畳み掛けましょう」
ところがミッドナイトはとんでもなく素早い動きでガモーラに接近し、一瞬でゴッドスレイヤーを砕いた上、腹に強烈なキックをお見舞いした。シールドで守られているがそれでも凄まじい衝撃だった。そして驚くネビュラに槍を突き立てようとするが、ピーターがブラスターを乱射した為、ミッドナイトは後ろに下がった。
「なんなのあれ!?」
「あんな薬見たことないわ…」
ピーター達は知らなかったが、ミッドナイトが打った薬はとある惑星でサノスが回収した植物をベースに開発された戦闘用興奮剤と鎮痛剤のミックスだった。どちらも効果は絶大であり、興奮剤は思考スピードを高め、アドレナリンが常時出っぱなしになる。そして鎮痛剤は戦闘で生じる痛みを完全に遮断してくれる。副作用として過剰摂取すると10分前後で確実に死んでしまうというものがある。
しかし愛する夫を喪ったミッドナイトに躊躇はなかった。コーヴァスはもう帰ってこない。10分以内にこいつらを皆殺しにして、他の連中も殺せば問題ない。彼女はそう考えて規定量の3倍の注射を打ったのだ。もう彼女に恐れるものなどない。
「もういい。言葉など既に意味をなさない。死ね。お前達に出来るのはそれだけだ」
ピーターはブラスターを構えるが、ミッドナイトが急接近してきたのでジェットブーツで逃げようとした。しかし彼女は槍の電撃でピーターのブーツをピンポイントで破壊した。シールドが地面と干渉してうまく機能しなかったのだ。右足のブーツが壊れたせいでピーターは飛行を制御できなくなり、くるくる回りながら明後日の方向に飛んでいった。
ガモーラが持っている武器はスイッチブレードのみ。これだけではミッドナイトに対抗できない。ネビュラは自身のブラスターをガモーラに投げ、電気ショックスタッフでミッドナイトと対峙した。幾ら薬で強化されているとはいえ、左腕を失い血液も大量に流れている。しばらく耐えれば間違いなくミッドナイトは死ぬだろう。
ミッドナイトは攻撃の手を緩めない。大きな傷は焼いて塞いだが激しい戦闘で徐々に傷口から出血している。それにピーターのブラスターは肺を貫通しているらしく、呼吸がうまく出来ていない。それでも薬のせいで痛みを感じる事はなく、彼女の脳はとにかく眼前の敵を殺せと叫んでいた。
体のあちこちから血を流し、右手だけで槍を振り回し、しかも口から血の泡を吹きながら襲いかかってくるミッドナイトは恐怖でしかなかった。後日ガモーラは夢にミッドナイトが出てきて寝小便をしかけたとか。
それに臆する事なくネビュラは分割したスタッフでミッドナイトを攻撃する。横からガモーラがブラスターを放つ。2人の攻撃をミッドナイトは完全に防ぐ事は出来なかった。更にそこに文字通り飛んできたのはピーターのジェットブーツだった。片方だけじゃ役に立たないと判断したピーターが、エンジンを起動したままミッドナイトに投げつけたのだ。
ミッドナイトはガモーラ・ネビュラを蹴り飛ばしてからブーツを槍で破壊したが、ブーツ内部のエンジン燃料やらが爆発したせいで、近くの瓦礫まで爆風で飛ばされた。すぐに槍を探したが手元にない。視線を上げるとガモーラがミッドナイトの槍を持っていた。
「これ、あなたのよね?返してあげる!」
ガモーラは全力で槍を投擲。白兵戦最強の戦士と言えど、飛んでくる槍を素手でどうにか出来る訳では無い。槍はミッドナイトの胸を貫き、背後の瓦礫に縫い付けられた。それを見たピーターが叫ぶ。
「今度こそやったか!?」
ミッドナイトは自分を貫く槍をしばらく見つめていたが、慌てる様子を見せずに槍を掴んで抜き始めた。ガモーラが投げた槍はミッドナイトの心臓を破壊してなかったのだ。ゆっくりと槍を引き抜き再び立ち上がるミッドナイト。そんな彼女を3人は呆然と見つめていた。
だがそこで薬の副作用が現れた。槍を引く抜く事には成功したがミッドナイトの体は限界を迎えた。両膝から前のめりに倒れた彼女は、頭を上げて何かを見ながらゆっくりと右手を伸ばしながら息絶える。右手の先にはコーヴァス・グレイヴの死体があった。
いやーグレイヴは強敵でしたね!ピーター達もミッドナイト倒したみたいだし、オブシディアンとマウも既に死んでるね。雑魚のチタウリやアウトライダーも全滅だから全員でサノスをボコボコにしてやんよ!
オブシディアンとマウを端折ったのは映画を見ていないからです。ご了承下さい。