文字通り"ウマ娘"が居ない世界線、それもう学園日常系のオリジナルで良いじゃんって言う声は聞こえません。

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 育成してる時に不意に思い付いた作品、ノリと勢いで書いたので暖かい目で見てくれるとありがたいです!


"ウマ娘"が居ない世界

    ウマ娘、それは馬と人の要素を併せ持つ神秘的な生命である。

 種族としては女性しか存在せず、その体躯からは考えられない程の力を秘めている。

 そして何より、殆どのウマ娘に共通している点として、"レース"に対する思いが人一倍強い、という事である。

 G1レースやトゥインクル・シリーズなどを目指し、彼女らは"トレーナー"と呼ばれる人間と共に日々練習に励んでいる   

 

 

「……なんて、夢を見たんだがどう思う、南雲(なぐも)

「いやー、(そら)ちゃん的には数分の睡眠でどうやってそこまで見たのかの方が気になるよーな気がしますよー?」

「む……体感三十分ぐらいの解説を聞いていたつもりだったんだがな……まぁそれは置いといて、どう思う?」

「どう思う、と言われてもですねー……やっぱり夢、なんじゃないんですかねー?こっちにウマ娘、なんて人居ませんし」

「だよな……あまりにも鮮明に覚えてるのと、ありそうな設定に一瞬現実か、と考えてしまった」

「安心してくださいよセンセーさん、こっちが現実です、お昼寝マイスターの私が言うんだから間違いありません!」

「それもそうだが……流石に授業中にまで寝るのは辞めておいた方が良いと思うぞ?南雲」

「おやおや?センセーさんの授業の時、寝てない筈なんですけど?」

「ちゃんと悪評がこっちまで流れてきてんだよ、寝てる癖に質問なんかには答えられるからタチが悪いってな」

「にゃはは、照れますねー」

「褒められて無いぞ……」

 

 

 こののほほんとしてるのは南雲(なぐも)青空(ますみ)、うちのクラスの生徒の一人であり、教員の間で問題児扱いされているメンバーの一人である。

 成績はそこそこ優秀なのに授業中寝ている、嗜める為に不意に質問しても答えられるので強く注意にならないし出来ない、ってな。

 

 

「そういうセンセーさんこそ、色々噂をよく聞きますよ?」

「ん?そうなのか?」

「そうなんですよー?」

 

 

 噂されるような事は特にした覚えはないんだがな。

 

 

「例えばですね……対問題児最終兵器だとか」

「それは……他の先生方が匙を投げたから俺が担当しただけ……だと思うぞ」

 

 

 問題児、と言って一括りにはしているものの、中身は色々だからな。

 目の前の南雲の様に、素行が悪いが、強く注意し難かったり、単純に注意しても治らない生徒。

 態度は悪く無いが、性格面で支障をきたしている生徒や、単純に見捨てられた生徒など様々である。

 最後の選択肢は出来るだけあって欲しくないが起こっている、それは教員(こちら)側の腕が悪い、なんて言われかねないから誰も関わろうとしない、だから俺が担当しているわけだが。

 

 

「……多くの女子生徒を手篭めにしている、だとか」

「女子校でそんな扱いを受けたら終わりだと思うんだが?」

「いやー、センセーさんなら許されそうですねー……センセーさんだし」

「流石に許されんだろ、生徒もだが、何より親御さんが許さんだろうしな」

「……あ、そう言えばじいちゃんがまた今度釣りに行こうって言ってましたよ?」

「ん?おお……わかったって言っといてくれ……あの人も中々パワフルだよな……あの歳でまだ山釣りを続けてるんだから」

 

 

 南雲の祖父とは釣り仲間である、と言っても俺が友人に連れて行かれ放置、やり方が分からずにいる所を助けて貰ったので師弟の方が近いかもしれんが。

 

 

「じいちゃんが同年代以外の人と釣りに行こうって言うのは珍しいですからねー、気に入られてるんじゃないんですか?」

「そうだな……ま、俺の釣りの腕はまだまだだからな、勉強させてもらうさ」

「……にゃはは、頑張ってくださいセンセーさん……そー言う事じゃないんだけどなー

「なんか言った「センセー!だーれだ!」……春野(はるの)か?」

「わー!当たり!凄いねセンセー!」

「そりゃ毎回やってればわかる、所でどうしたんだ?」

「あのねあのね!わたしね!テストで40点取れたんだよ!」

「おお、凄いな春野、大躍進だぞ」

「うん!だからね!センセーに一番に伝えたかったんだー!

「おー……春野見たいなまっすぐな生徒を持てて俺も嬉しいぞ」

「えへへ、センセーありがとー!」

 

 

 天真爛漫なこの子は春野(はるの)麗華(れいか)、最後の選択肢に当てはまってしまった生徒である。

 本人は努力家だし、何事にも楽しそうに取り組む姿勢は見てて微笑ましいんだが……奔放な性格が災いしたのか中々結果に出ないことが多かった。

 教員も最初は手伝ったらしいが……尤も、勉強しろ、もっと努力しろの一点張りで手伝ったなんて言って良いものなのかは不明であるが。

 それはさておき、今は春野の成長を……ん?

 

 

「……」

「どうした?南雲」

「……いやー、流石手篭めセンセーさん、ハルちゃんも手篭めにしてるとは流石ですねー!」

「いやなんで怒ってるんだ?それに手篭めになんかしてないぞ……俺は年下趣味って訳じゃねぇし」

「……別に怒ってないですよーだ、鈍感ロリコンセンセーさんは小学校にでも転勤してて下さい」

「だから言い方を「センセー、ろりこん?って何?」春野、まだ知らなくて良い事だから忘れような?」

「ふーん……わかった!忘れる!」

 

 

 ご機嫌斜めな南雲と純粋な春野、どっちも微笑ましいよ全く(割と親目線、ちなみにまだ二十代である)……南雲のはよく分からんが。

 

 

「……先生」

「……今度は琲荒木(ひいらぎ)か、どうした」

「いえ……また"あの子"が先生の近くに居たので……」

「"お友達"の子か……なんで俺に寄ってくるんだろうな」

「……先生が、そういう"もの"を引き寄せやすいのかもしれません」

「おいおい、だったら気を付けないとな……あぁ、この前お薦めしてくれた銘柄、とても美味しかった、ありがとな」

「……なら、良かったです」

 

 

 独特な雰囲気を纏っているのは琲荒木(ひいらぎ)珈奈(かな)、よく名字を柊やらと間違えられるらしい、まぁ見ないからなこの名前と苗字。

 コーヒーに詳しく、よく俺もオススメの銘柄を教えて貰っている、夜の作業にはもってこいだしな。

 まぁ琲荒木も例に漏れず……と、そろそろ職員会議の時間か。

 

 

「ま、多分一度は来れるとは思うが、来なかったら下校時刻までには帰れよお前ら、鍵は閉めてから俺の机に置いとけば良いからな」

「あれ、もう行くんですかセンセーさん、もう少しいましょーよー」

「ただでさえ目の上のたんこぶ見たいな扱い受けてんのに失敗なんてしたら面倒だ、遅れるわけには行かねーよ」

「むー、仕方ないですねー」

「頑張ってねセンセー!」

「おー、ありがとな春野」

「……今日は"あの子"以外誰も付いていないので……大丈夫だと思います」

「ん?そりゃ良いな、琲荒木もそういうのには気を付けろよ」

 

 

 今いる三人を部室に残し、職員室に向かう。

 

 

「琲荒木にはああ言ったが……」

 

 

 窓の外に映る曇天を見るとどうしても勘繰ってしまう、大体曇りの日には教員方がネチネチしているのだ、とても。

 

 

「まぁ気を取り直して……お、あそこにいるのは」

 

 

 額の部分に入った一本の白いメッシュが特徴的で、ルンルンと言う効果音が付いていそうなステップで跳ねているのは   

 

 

「よ、東海(とうみ)、相変わらず元気だな」

「はちみーはちみーはっちっみー……あ!センセー!こんな所でどうしたの?」

「これから職員会議でな、行く途中で東海を見かけたから声をかけたんだよ」

「へー……あ、センセーもはちみー飲む?ボクのおすすめだよ!」

「知ってる、あと流石に生徒に奢られてたら教師の面目がないからな、遠慮しとくよ」

 

 

 この子は東海(とうみ)王那(おうな)、自身の生き様を名前にちなんで帝王伝説なんて呼んでるが、実際優秀だから誰も否定していない。

 この学校の生徒会長を目標にしており、会長とも姉妹の様に仲が良い。

 あとは……はちみつドリンクをとても好んでいるな、独自の歌も作って歌っているのをよく見る……ってやべ!?

 

 

「むー、ボクは気にしないんだけどなー」

「俺が気にするんだよ……そろそろ時間やべぇから行くわ、部室にも寄ってけよ……じゃ」

「あ、じゃあね!センセー!」

 

 

 南雲にああ言っといて遅れたらやばい、さっさと行かねえとな。




マンハッタンカフェの名前は殆ど当て字です。
セイウンスカイやハルウララ、トウカイテイオーは、青雲空、春麗、東海帝王って感じに読めるんですけど、マンハッタンカフェは難易度が高かった……。
それでも東海帝王も難しかった、結局、帝は入らなかったですし。
ちなみにウマ娘の選択理由は不明です、ノリと勢いで書いたらこの四名が選ばれました。

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