ジャグラーさんがトレセン学園でなんかやらかすようです。   作:気まぐれな富士山

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第3話 熱血!蛇倉トレーナー!

 

蛇倉とバンブーメモリーが担当契約をして1週間。

 

「お疲れ様っス!トレーナー!」

「バンブーも授業お疲れ。んじゃ、トレーニング始めようか。」

 

蛇倉のトレーニングは思ったよりもハードであり、バンブーメモリーのそれを上回るものだった。

 

「ぜェ、ぜェ⋯⋯坂路10本終わりましたっス!」

「よし次。直線10本。」

「お⋯⋯押忍!」

 

彼女の得意とする距離はマイルと短距離。

そして、短距離系はスピードとパワーの強化が必須である。

持ち前の勝気と根性を生かし、自分を追い込んでいくのが得意なバンブーメモリーとハードなトレーニングを適切に組み込んでくる蛇倉トレーナーは、かなり相性のいいチームだった。

 

「おいどうした〜?直線落ちてるぞ!」

「押ぉ忍!うぉぉぉ!」

 

バンブーメモリーはかなり癖の強いウマ娘だ。

走りの短所や細かな癖を1本1本指摘していく。

 

「次はそうだな、背筋伸ばすこと意識してみろ。」

「背筋っスか?どうしてそこを⋯⋯⋯⋯」

「お前、前に行きたがるのはわかるが、意識だけが独り歩きしてるぞ。腰が引けてる。」

 

適切な説明でわかりやすい。

トレーナー試験の首席は伊達でないらしい。

 

「さあ行ってこい!」

「了解っス!」ダッ

「あの様子なら、メイクデビューは期待できそうだ。流石に厳しいな。蛇倉トレーナー。」

「生徒会長、いや、ターフの上ではシンボリルドルフかな。」

「そう呼んでもらうと助かる。」

「生徒会長も色々大変だな。生徒の間じゃ、完全に雲の上の存在だよ。」

「生徒会長として威厳がある、といえばいいのだろうが、私としてはあまり本意ではない。もっと頼ってもらえないものか模索しているのだが⋯⋯⋯⋯」

「その術が思いつかないと。あるあるだな。気にすんな。」

「⋯⋯⋯⋯彼女は。バンブーメモリーは君から見てどう取れる?」

 

初対面の時のような質問。

それを見て、何を思うか問われる。

 

「熱血で硬派で、良くも悪くも真っ直ぐなやつだ。脚質としては、あの差しは中々見応えがある。育てればあの『怪物』だって敵じゃない。」

「⋯⋯⋯⋯ほう?あの『怪物』も敵じゃない、か。それは期待が持てそうだ。」

「存分に期待しておいてくれ。『皇帝』サン。」

 

『怪物』オグリキャップ。

バンブーメモリーが選抜レースで敗北したウマ娘。

地方出身で、その頃からその才能を遺憾無く発揮し、日本トレセン学園からの強い推薦もあって中央に移籍してきた。

その走りは、異名の如く『怪物』。

選抜レースの走りも十分じゃなかった。

恐らく次当たるまでに格段と成長しているだろう。

 

「バンブーメモリーの差し能力と、オグリキャップの末脚。一体どっちが勝つのか⋯⋯⋯⋯。トレーナーとしてあまりこういうことを言うのは良くないんだが、2人の勝敗を見てみたいと思ったのさ。」

「確かに気になるな。⋯⋯⋯⋯フフッ。」

「?何か可笑しなところがあったか?」

「いや、すまない。バンブーメモリーについて語っている君の顔が、夢を見る少年のようで。つい。」

「夢?」

 

夢など、見ているつもりはなかった。

目的もなくただ宇宙を放浪している蛇倉ことジャグラー。

闇の力に魅入られ、闇の道へ進んでいく。

そんな自分が夢を見ている?

本人も信じられなかったが、

 

「⋯⋯⋯⋯夢か。悪い気はしないな。」

 

だそうだ。

 

「トレーナー!残り5本終わったっス!っと、会長!お疲れ様っス!」

「バンブーメモリー。いい走りだったよ。」

「本当っスか!?ありがとうございます!」

「水分と塩分取って、ダウンしろよ。」

「押忍!それじゃ会長!失礼しますっス!」

 

シンボリルドルフに褒められて嬉しかったのだろう。

尻尾も耳も喜んでいる。

 

「彼女、風紀委員長として朝早く学校に来るんだが⋯⋯⋯⋯」

「え、アイツ風紀委員だったの?」

「そこからか。」

 

どうやらまだまだコミュニュケーションの必要があるようだ。

 

 

〜トレーナー室〜

 

 

「あ〜⋯⋯疲れたっス⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

「お疲れ。」

 

制服に着替えたバンブーメモリーは、トレーナー室に戻り、ソファに腰掛ける。

 

「そういえば、前から気になっていたんだが。」

「何がっスか?」

「お前、なんで竹刀持ち歩いてんだ?」

「そりゃあもう!風紀委員長として、先輩として!後輩に舐められないようこれでビシバシやってくんスよ!」

「風紀委員長が竹刀持ってるって大分怖いけどな。」

 

そりゃあ調子乗る後輩もいない訳だ。

 

「なんにせよ、委員会もトレーニングも両立してるとは、お前なかなかやるな。」

「文武両道っス!両方できなくして、強いウマ娘にはなれないっス!」

 

やはりどこかが前の部下に似てる。

 

「じゃあ、アタシそろそろ寮に帰るっス。」

「おう。渡したストレッチメニュー、風呂上がりにちゃんとやっとけよ。」

「押忍!お疲れ様でしたっ!」

 

バンブーメモリーは、元気に部屋を後にした。

 

『お疲れ様です隊長!』

『チェストーーッ!!』

 

「お前似のバカがこんなとこにも居たぜ。ハルキ。」

 

遥か遠くの宇宙でウルトラマンとして戦う元部下。

あの熱い顔を思い出す。

 

「ダークリングもねぇ、ゼットライザーもねぇ。もう俺はただの巨大化できない宇宙人だ。⋯⋯⋯⋯でも、」

 

そして思い出される。

新人のウルトラマンと、相棒にして宿敵、ウルトラマンオーブ、クレナイ・ガイのことを。

しかし、自分には甘すぎて、眩しすぎる世界だ。

だから。

 

「やめだやめだ!やっぱヒーローってめんどくせぇ!こんなこと考えても仕方ない、バンブーのメニュー作るか。」

 

今はまだ、夜明けの珈琲を啜ることにする。

 

 

 




カイチョーの四字熟語がムズい⋯⋯⋯⋯!
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