アングロアラブ ウマ娘になる   作:ヒブナ

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第19話 ゴール

 

 靴の紐を締め、ズレがないか確認する。

 

 尻尾…きっちりと穴に通ってる。

 

 耳飾り…きっちりとついている…行こう。

 

「じゃあ、行ってくる」

「ああ、頑張って来い…!」

 

 トレーナーはそう言って私の肩を軽く2回叩いた。

 

 私は控室の扉を開け、パドックに向かった。

 

 

 

────────────────────

 

 

『今年もやって参りました、福山三冠の序盤戦、“福山ダービー”、9人の選ばれしウマ娘が、パドックに揃いました!』

 

 今日の対戦相手は…みんな強敵揃い。

 

『本日の1番人気、ワンダーグラッセ、重賞を2連勝した末脚をここでも発揮していきたいところです』

 

 ワンダー…いつものように落ち着き払っているけれども、その頭の中は勝利への情熱で溢れているのだろう。

 

「2番人気、キングチーハー、皐月賞では大健闘した彼女、今日の好走にも期待したいところです」

 

 チハは皐月賞での敗北をバネに強くなっているだろう。強くなっているのは、私だけじゃないという事を、忘れてはいけない。

 

「3番人気、エアコンボハリアー、持ち前のスタミナを、この1800mの距離でフルに活かしてほしいですね」 

 

 コンボは“不満”といった顔をしている。…確かに、コンボの走りなら一番人気でも何らおかしくない。

 

「4番人気、セイランスカイハイ、この娘の知略は怖い存在ですね」

 

 ランスはいつもと変わらず思考を読めないような表情をしている。

 

「5番人気、サカキムルマンスク、今年になって好調の彼女、怖い存在ですね」

 

 サカキ……ここまで来たんだ、思えば、私が一番一緒に走っているウマ娘はサカキ…今日一番負けたくない相手だ。

 

「6番人気、アラビアントレノ、今までの主戦場の中距離と違い、距離が短い今回のレース、仕掛けるタイミングに注目ですね」

 

 今回のレースの作戦は……追込、久しぶりのロングスパート作戦でいく、ジムカーナで身につけたテクニックを…見せるときだ。

 

 

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 ゲートに向かうアラ達を見た後、俺は一人出走表を見る。

 

1ワンダーグラッセ

2ローズティべ

3ノシマスパイラル

4セイランスカイハイ

5エアコンボハリアー

6サカキムルマンスク

7アラビアントレノ

8キングチーハー

9メイショウタカカゲ

10クルシマウェイブ

 

 強敵揃いだが、その中同期の4人の育成しているウマ娘達、そして何かとアラと共に走っているサカキの5人が特に怖い。

 

「アラ…信じてるぞ」

「慈鳥君、こんなところにいたのか」

「先輩…!?」

 

話しかけてきたのはサカキのトレーナーである先輩だった

 

「隣、失礼するよ」

「は、はい!」

 

俺は先輩のために隣においていた荷物を急いでどかす。先輩は福山でも一二を争うほどのベテラン、俺は少し緊張気味だった。

 

「日本ダービーは『最も運の良いウマ娘が勝つ』と言われている、だが、この福山ダービーは…」

「『最も柔軟なウマ娘が勝つ』ですね…」 「そう、キツいコーナー、それもスパイラルカーブでバラけるバ群、1800mという仕掛けどころを選ぶ距離、それら乗り越え、勝利の栄光を勝ち取ることのできるウマ娘はただ一人、このレースはまさしく『レースに絶対は無い』を体現したレースになる」

 

先輩はそう言って、アラ達のいるゲートを見た。俺もそれに続いて視線をそちらにやった

 

『福山三冠の一戦目、激戦を勝ち抜き、その柔軟性を証明するのはどのウマ娘か、SP1、福山ダービー、今…』

 

ガッコン!

 

『スタートしました!』

 

 

=============================

 

 

『スタートしました!各ウマ娘、出遅れることなく綺麗なスタートを切った、先行するはやはり4番のセイランスカイハイ、ブルーグレーが先頭を走る!続いて2番、ワインレッドのローズティベ、、1バ身離れ5番エアコンボハリアー、身に纏う衣服は零戦カラー、外を回ります、9番メイショウタカカゲ、その後ろ、オレンジカラーを身に纏う栗毛、1番ワンダーグラッセ、その内には6番サカキムルマンスクと8番キングチーハー、その後ろには内から7番アラビアントレノ、3ノシマスパイラル、10番クルシマウェイブです』

 

(悪くないスタート………えっ…!?)

 

 遅れることなくスタートを切ったアラビアントレノだったが、安心したのも束の間、彼女はある事実に気付いていた。

 

(…私…マークされてる…)

 

 アラビアントレノの思考は当たっていた、彼女はニシノバラデロとグラスザンジバルの二人にマークされていたのである。

 

(思い描いたラインでコーナーを曲がらせてはくれない…か……なら、スタミナマネジメントはしっかりと…)

 

 だが、アラビアントレノは状況を素直に受け入れ、コーナーを素早く曲がることから、スタミナを温存することに意識を移したのだった。

 

『各ウマ娘、4番セイランスカイハイを先頭にして一度目の第3第4コーナーに入ります、まとまらず縦長にならずの展開です。』

 

(内側から少し離れて………)

 

 アラビアントレノはいつも走っている内ラチ沿いから少し離れ、身体にかかる遠心力を抑える走りを行った。

 

(やっぱり感覚が違う)

 

 スタミナが節約できる事を感じながら、アラビアントレノはコーナーを曲がっていった。

 

 

 

(こうやって先頭走ってると…やっぱりプレッシャーがビリビリ来るなぁ)

 

 先頭を走るセイランスカイハイは、後ろのウマ娘達から発せられる突き刺すようなプレッシャーを感じつつ、先頭を走っていた。

 

(……一番怖いのは…ワンダー…いや、でも一人に意識を飛ばしすぎるのは良くないってトレーナーは言ってた、今は流れるように走るだけ)

 

 セイランスカイハイは現段階で深く考えることを避け、先頭を進んでいった。

 

 

 

────────────────────

 

 

『各ウマ娘、スタンド前へ、先頭4番のセイランスカイハイ、続いて、3バ身離れて2番ローズティベ、半バ身離れ5番エアコンボハリアー、外を回りますクリームカラー、9番メイショウタカカゲ、その後ろ、1番ワンダーグラッセ、少し上がって外を回って様子をうかがう臙脂色、8番キングチーハー、その後ろ、紅白の体操服、6番サカキムルマンスクと内から続く白黒カラーは7番アラビアントレノ、3番、ピンクの体操服ノシマスパイラル、しんがりはブルーカラー、10番クルシマウェイブです!』

 

(ランス、やっぱり逃げるかぁ……でも、バ場は、デコボコしてるから、ラストスパートまでにスタミナはかなり消耗するはず)

 

 エアコンボハリアーはセイランスカイハイがどうなるのかを予測する。

 

(控えてるアラ、ワンダー、チハも怖い、だけど、先の展開が読めないのは…向こうも同様!)

 

 エアコンボハリアーは呼吸を整え、スタンド前を駆け抜けていった。

 

 

 

(もう少しで半分…ここから良い位置を確保する準備をしていきたいところですが、コーナーでの展開が読めない以上、迂闊に動くのは危険ですね、遠心力でぶつかる可能性も…なきしにもあらず)

 

 ワンダーグラッセは、リスクマネジメントを行い、無理に位置取りを行わない策を取った。

 

(しかし……荒れたバ場、集うは強敵……誰が勝つのかは分からない………面白い勝負ですね…ウマ娘の本能が…昂ぶってくるというもの!)

 

 ウマ娘は普通の人間より闘争心が高い、ワンダーグラッセの士気は上がっていった。

 

 

 

『各ウマ娘、第1第2コーナーへ、ここでバ群がバラけた!』

 

「やっぱり、チハ君はコーナーが苦手のようだね、でも、軽鴨君もそれを分かっているようだ、内でも外でもない真ん中あたりを走らせている」

 

 サカキムルマンスクのトレーナーはコーナーでのバラけようを見て、キングチーハーが膨らんだのは敢えてのことであると見抜いた。

 

「そうですね…」

「ふむ…アラ君は他のウマ娘が動いたのを見て内に入ったか…だが…最内はアラ君だけの指定席では無いんだよ」

 

 サカキムルマンスクのトレーナーは、第1コーナーを抜け、第2コーナーに入っていくウマ娘達に目を向けた。

 

『ここで6番、サカキムルマンスク、内に入ってきた!』

 

「何っ!?」

「…“逆マーク”…私が考案した技だ、普通のマークは目の前にいる相手の後ろや横に控えるもの、しかし、“逆マーク”はわざと相手の前に陣取って斜め後ろをマーク、予想外の動きを行って奇襲をかける技だ……簡単そうに見えるが、そう簡単に真似できる物ではないよ」

 

 

 

(サカキ…最内に入ってくるなんて…)

 

 アラビアントレノはサカキムルマンスクの突然の動きに驚いた。

 

『もうすぐ第2コーナーを抜け、各ウマ娘、向正面へ』

 

(……………!)

 

 その時、アラビアントレノはある事実に気づいた。

 

(コーナーを抜けるときは…少し外に出ないといけないのに…サカキが前に出てきた事に驚いて一瞬そっちに目が行った)

 

『各ウマ娘、向正面へと入った!』

 

 福山レース場、1800mのスタート地点は、第2コーナー奥のポケットである。それ故、出走ウマ娘達は、向正面を二度通過することになり、当然バ場、特に内側は荒れる、更に福山ダービーの発走前にもレースは行われており、多くのウマ娘が向正面を通っているため、その荒れようはコーナーの比ではなかった。

 

 そのため、いくら荒れたバ場が得意なアラビアントレノでも、向正面の最内だけは通る事を避けようとしていた。

 

 だが、サカキムルマンスクの奇襲に注意を引かれ、判断の遅れたアラビアントレノは内側に取り残されてしまった。

 

(…やっぱり…デコボコしてる…内を出たいけれど、もう少し我慢だ…まだ勝負が決まった訳じゃない!)

 

 アラビアントレノは頭を冷やし、荒れた内側を進んでいった。

 

 

(……体力は温存できている、4コーナー入り始めから…足を使っていきたいわね)

 

 一方で、内と比べればさほど荒れていない外側を進むキングチーハーは、ラストスパートについて考え始めていた。

 

(………スタミナを強化して外からゴリ押し…単純だけれど…強力…!)

 

 キングチーハーの皐月賞での敗北は、彼女にスタミナ強化という課題を与えた。

 

 強化したスタミナは、その分末脚に回すことができる、その結果、キングチーハーはコーナーで無理に内に入らずとも、スタミナを残して外から撫で切るという、単純明快にして、有効な戦法を確立していた。

 

 

 

『向正面ももうすぐ半分を切ろうとしています、各ウマ娘、最後のコーナーに向けて調子を整えていきたいところ、先頭4番セイランスカイハイ、二番手の差は縮んでいるぞ!』

 

(………)

 

 内を走るアラビアントレノは、息を入れて周りを見渡した。

 

(……やるしかない…このタイミングだ…!)

 

 アラビアントレノはカッと目を見開き、姿勢を横に、傾けた。

 

ビュッ! スッ!

 

『おっーと、アラビアントレノ、姿勢が崩れ…えっ…!?アラビアントレノ、なんと最内を抜け出した!』

 

(まだまだ!外に……!)

 

カクン! スッ…!

 

『また動いた!忍者の如く素早い動き!アラビアントレノ、外側へ!』

 

(行けた…!ジムカーナのおかげ…そして…ここから)

 

ズッ…ドォン!

 

『ここでアラビアントレノ、久しぶりのロングスパートだ!』

 

 ウマ娘レースでは、身体を横に傾けることを、コーナーの遠心力を殺す以外の場面で用いる事は無い。

 

 しかし、アラビアントレノの行っていたトレーニングであるジムカーナは、コーンの周りを回り、ジグザグの進路を通るトレーニングである。

 

 その為、速いタイムを出すためには、敢えて体を傾け、重心移動をすることで、脚への負担を最小限に抑えることが必要不可欠だった。

 

 つまり、アラビアントレノは、ジグザグに走るテクニックをレース中のバ群を避ける技術に応用していたのである。

 

 さらに、アラビアントレノの小柄な体格も、抜け出しやすさを高めるのに一役買っていた。

 

(………!)

 

 そして、この状況に驚いたのは、出走しているウマ娘の全てであった。

 

 特に、逃げ切れるか否かの瀬戸際にいるセイランスカイハイには効果てきめんであり

 

『ここで5番エアコンボハリアー、少しずつだが上がってくる』

 

 後ろを走っているエアコンボハリアーの接近を許していたのだった。

 

『レースは第3コーナーから第4コーナーへ、先頭4番のセイランスカイハイ、続いて、1バ離れ5番エアコンボハリアー、2番ローズティベ、1番ワンダーグラッセ、9番アイルオブスカイ、その後ろ、ここで仕掛けるか、8番キングチーハー、その後ろ6番サカキムルマンスクも仕掛けた!内から外へ上がっていく!7番アラビアントレノの斜め前方へ、3番ノシマスパイラル、10番クルシマウェイブも負けじとペースを上げる!、固まってきたぞ!最初に立ち上がるはどの娘だ?』

 

 

(まだ脚は残ってる…アラちゃんには…どうしても…勝ちたい…!) 

 

 アラビアントレノはサカキムルマンスクに負けたく無いと思っていたが、それは相手も同様であった。

 

(勝つのは…私…!)

 

ドンッ!

 

『サカキムルマンスク、外からどんどん上げていく!しかしアラビアントレノも追いすがる!最終コーナーを抜けてあとは最後の直線!ちぎるかエアコンボハリアー逃げ切るかセイランスカイハイ!?いや、キングチーハー、ワンダーグラッセも前に出てきた、6人が争っている、しかし後続も追ってきているぞ!』

 

(……もう一度…!セカンドスパート!)

 

ボキッ…!

 

 サカキムルマンスクの体内で、鈍い音が響いたのは、その時だった。

 

 

 

『…6番サカキムルマンスク、姿勢が歪んだ!これは…サカキムルマンスク!サカキムルマンスクに故障発生!』

 

(……!)

 

 私はバランスを崩したサカキを重心移動でなんとか避け、前に進んだ、正直、皆動揺しているだろう。

 

でも………私は…

 

「でやあぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

『アラビアントレノ、サカキムルマンスクをうまく避けて上がった!ワンダーグラッセも上がる、二人が僅かに抜け出た!二人並ぶようにしてゴールイン!アラビアントレノ、僅かに体勢有利か!?』

 

 私は掲示板を見る。

 

一番上には『7』という数字がはっきりと刻まれていた

 

 私はそれを認めると直ぐに走った道を逆走し、サカキの所へと向かった。

 

 

 

「…………」

 

 一方、観客席のある場所では、サカキムルマンスクの故障を目の当たりにしたエアコンボフェザーが苦しい顔をしていた。

 

「……フェザー、気持ちはわかる、でも、私達は見届ける義務がある」

 

 エコーペルセウスは優しく、だが厳しい様子でエアコンボフェザーにそう言う。

 

「……フェザーさん!ペルセウス会長!あれを!」

 

 すると、二人とともに観戦していたハグロシュンランがコースの方を指差した。

 

「あれは……」

 

 3人の目に写り込んだのは、倒れたサカキムルマンスクの方に向かって走っていくアラビアントレノ、そしてそれに続く同期の四人だった。

 

 

=============================

 

 

「サカキ!」

 

 私はサカキのもとに駆け寄り、直ぐ側に座り込んだ。

 

「アラ……ちゃん」

 

 サカキは絞り出すように声を出す、砂がクッションになって、追加で怪我をしてはいない…そこは一安心だ。

 

「サカキ…」

「……アハハ…ゴールまで…着けなかった…」 

 

 サカキの手は、ゴールに向けて伸びていた。

 

「サカキ!救護班がすぐに来るから」

 

 ハリアー達もこちらまで駆け寄ってきた

 

「アラちゃん…皆、一つ…わがまま言って良いかな?」

「……サカキ…?」

「私を…ゴールまで…連れてって」

「何言ってるの!無理に動かしたら…治る怪我もそうでなくなるかもしれないのよ!」

 

 チハがサカキを叱る。

 

「大丈夫…自分の身体のことぐらい…分かってるから」

 

 サカキは涙を流しながら右足を指し示し、そう答えた、だから私は…

 

「皆…サカキをゴールまで、連れて行こう」

「…………」

 

 私が皆を見ると、皆無言で頷いた。

 

「…ハリアー、ランスはサカキの両肩、ワンダーはサカキの右足を地面につけないように支えて、私とチハは後ろから」

 

 私達は、サカキを地面から浮かせるような形で一歩一歩、ゴールに進んでいった。

 

 

 

 頭の中で、前世見てきた記憶がフラッシュバックする。

 

『…嫌だ…嫌だ…嫌だ…』

 

 最後まで抵抗するもの。

 

『……待って、自分はまだ…!』 

 

 人間達に必死に訴えかけるもの。

 

『…無念…』

 

 全て受け入れるもの。

 

 

 様々だった。

 

 でも…サラブレッド達のほぼ全てが、決まって発している言葉があった。

 

 それは…

 

『ゴール』

 

 だった。

 

 

『サカキムルマンスク、5人に運ばれ、今、ゴールイン!』

 

 私達に称賛の声が飛ぶ、すると、サカキが口を開いた。

 

「…皆…ありがとう、私から…もう一つお願い、ライブは…しっかりとやってきて…私、絶対に見るから…」

 

 私達にそう言って、サカキは救護班の人たちに運ばれていった。

 

 

=============================

 

 

 先輩は、あの光景を見て、泣いていた。

 

 そして、俺達5人に礼を言った。

 

 だが、同時に…

 

「…担当を骨折させるとは…………私ももう、引き際なのかもしれないな」

 

 と言っていた。

 

 

 

────────────────────

 

 

 俺達は5人のウイニングライブを見届ける事になった。

 

 今回使われる曲は「Grand symphony」

ペルセウスが製作にかなり関わっている曲らしい。

 

『We are proud of the true youth stories.

We will never forget those glorious days!』

 

 この歌は、サカキと先輩に届いているだろうか?

 

『例え行く道が いつか分かれようとも

芽生えた絆は 消えはしないから』

 

 …サカキがこれから、どうしていくのかは分からない。

 

 だが……アラの大切な友人であることは紛れもない事実。

 

 たとえ違う道を歩もうとも、その絆は消えることは無いだろう。

 

『We will never forget those glorious & bright days!』

 

ワァァァァァァァァァ!

 

 大きな歓声と共に、俺達の福山ダービーは幕を閉じた。

 

 波乱に満ちたレースを乗り越え、『最も柔軟なウマ娘』の称号を手にしたアラ、それは彼女が注目株になるという可能性を示していた。

 

 これからは、更に厳しい戦いになる。

 

 歓声を聞きながら、俺はそう思っていた。

 

 

 

 





 お読みいただきありがとうございます。

 ストックの方ですが、なんとか修復できないか頑張っているところです。

 ご意見、ご感想等、お待ちしています。

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