アングロアラブ ウマ娘になる   作:ヒブナ

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第46話 雷鳴(トレノ)vs稲妻(レビン) 後編

 

「さァ…ウチと競ろーや!!」

 

『ここでタマモクロスが加速!ポジションを再び前の方に持ってきた!!』

 

 抜かれるとき、一瞬だけどタマモクロスから、白いオーラのようなものが出ているのが見えた、アレがおそらく…領域だ。

 

 さっき前を走ってた時とは、全然違う、別次元の走りになってる。

 

 とてつもなく速い、余裕なんか全く無い。

 

 でも、こうもされたら絶対に負けたくはない、何が何でも喰らいついていく…勝ちたい……でも、それをこんなに意識した事は初めてだ。

 

 同じ芦毛で、同じく小柄なウマ娘が相手だから…?

 

 いや…そんなの今は関係ない、とにかく絶対…この勝負で勝ちたいんだ!!

 

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「タマモクロス…領域を出したか」

「そのようね」

 

 シンボリルドルフとマルゼンスキーは、タマモクロスから領域が出た事を認識していた。

 

「スペちゃん達も、出してくれると良いのだけれど」

「そうだな」

 

 マルゼンスキーは柵に寄りかかりながらそう言い、シンボリルドルフはそれに答えた。

 

 領域が出るのは、強いウマ娘の中でも極一部のみである、そして、最近は実力は十分有れども、領域を出すウマ娘が殆ど居らず、二人はそれを見たがっていたのであった

 

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『ここでタマモクロスが加速!ポジションを再び前の方に持ってきた!!』

 

(これが…領域…)

 

 アラビアントレノだけでなく、スペシャルウィークもタマモクロスの領域を見ていた。

 

(……日本一のためには…私も、あんな風に…)

 

 スペシャルウィークはタマモクロスの走りを見て、走りへのモチベーションを上げていった。

 

『各ウマ娘、向正面を駆け抜けていく、もうすぐ2回目の淀の坂だ、先頭シンボリマルモン、、ヌーベルスペリアー、坂に備えて少し抑えた、マチカネグランザム、その内トーセンイムホテプはまだ控えている、トウショウメッサー、その外を行くヘルゴラントとクラウゼヴィッツも続く、上がってきたタマモクロス、それにピッタリと張り付くアラビアントレノ、上げつつあるのはスペシャルウィーク、メジロランバート、キングヘイローも追従の構え、しかし外からエリモコマンドーが様子を伺う』

『動きにばらつきが見られそうですね、目が離せません』

 

(アラビアントレノさん…今日は…私が!!)

(スペシャルウィークさん…)

(スペ…まさか)

 

 キングヘイロー、そしてメジロランバートは驚いた、スペシャルウィークの目からは、僅かに光が漏れつつあったからである。

 

『さて、坂に入り、ここで外からアラビアントレノが上げてきた!!』

 

(あのスムーズな繋がりよう…どうして?)

 

 キングヘイローは前を走るアラビアントレノが、流れるように走法を変化させるのを見て、頭に疑問を走らせた。

 

 

(まだまだまだまだ……)

 

 そして、アラビアントレノは、少しでも速いスピードでコーナーを曲がるべく、ブレーキをかけるタイミングを測っていた。

 

(抑えて登って曲がるところを、あえて仕掛けて突っ込んで登って曲がる…そんでもってコーナーのスピードと末脚を合わせて、ちぎるつもりやな?やけど…このまま走り続ければ、最後の直線、ウチはベストのルートで行ける…つまり、立ち上がりのスピードでは有利っちゅーことや)

 

 アラビアントレノとタマモクロスはどちらも身長が低めのウマ娘であり、コーナーでかかる遠心力は小さい、そして二人共スタミナに秀でている、この2つの点は同じである。

 

 しかし、二人の特性は全く別のものと言える存在であった。

 

 まず、アラビアントレノは、馬術競技にも使用される事があるアングロアラブのウマ娘故、横へ進む力が他のウマ娘より弱く、加速力においては他より劣るものの、縦に踏み込む力は強い、そのため、コーナーでバランスを崩さずに曲がることのできる速度では勝る、すなわち突っ込みに強い。

 

 その一方で、タマモクロスはサラブレッドのウマ娘である、横に進む力は強いが、踏み込む力は劣る、そのため、コーナーリングでは一歩譲るとしても、加速の鋭さでアラビアントレノを凌駕する、すなわち彼女は最終コーナーでの立ち上がり、そして最終直線での加速において強い。

 

 そして、二人は事前に集めた情報、そして今までのレース運びから、お互いの特性を理解しあっていた。

 

『各ウマ娘、坂の頂上へ、先頭シンボリマルモン、2番手ヌーベルスペリアー、ここで疲れの色が、マチカネグランザム、トーセンイムホテプに変わりましてトウショウメッサーあるいはヘルゴラント、クラウゼヴィッツそして、タマモクロス、外から並びかける、アラビアントレノ、スペシャルウィーク、メジロランバート、キングヘイローも迫る、エリモコマンドーも続いているぞ!』

 

(…速いペースで登ってきただけあって…ちょっとでも気を抜いたら、かなりヤバい、ただ負けるだけじゃ済みそうにないから…)

 

 アラビアントレノはこの長丁場で、かなりの消耗を強いられていた。

 

(…きっちり通らないと、転んだら無事では帰れないわね)

(荒れたバ場に追い詰められることだけは避けないと)

(外からなら…抜けられるかなぁ…)

 

 それは他のウマ娘も同様である。

 

(…ほとんどやったことのあらへん戦術取ったツケが回ってきおったか…やけど……末脚を使うタイミングを測る頭は残せとる……持ちこたえて見せるで…)

 

 そして、タマモクロスも例外ではなかった。

 

 ウマ娘達は周りの出走者だけでなく、疲弊していく自分とも戦いながら、淀の坂を駆け下りる体制を取っていった。

 

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『各ウマ娘、坂の頂上へ、先頭シンボリマルモン、2番手ヌーベルスペリアー、ここで疲れの色が、マチカネグランザム、トーセンイムホテプに変わりましてトウショウメッサーあるいはヘルゴラント、クラウゼヴィッツ、いやタマモクロス、外から並びかける、アラビアントレノ、スペシャルウィーク、メジロランバート、キングヘイローも迫る、エリモコマンドーも続いているぞ!』

 

「このままじゃ、ちぎられちゃうよ?スペシャルウィーク達も上がってきてるし」

 

 ミスターシービーは疑問を持った顔をして慈鳥に聞いた。

 

「……アラにはこのコースがどういったコースなのか、一周目で把握してもらってる、だから信じてほしい」

 

 慈鳥は落ち着いた顔をして、そう答えた。

 

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『各ウマ娘、坂を下っていきます!先頭変わってシンボリマルモンからヌーベルスペリアーへ、マチカネグランザム、トーセンイムホテプ、そしてタマモクロス上がってきた!トウショウメッサーとヘルゴラントにクラウゼヴィッツ、外からはスペシャルウィークとキングヘイローそしてメジロランバート、アラビアントレノは最内!エリモコマンドーは外からまくりの構え!』

 

(アラビアントレノ、前が詰まったわね、このコースの状態では、とてもじゃないけど抜け出すことはできないわ、あとはスペシャルウィークさんとタマモクロス先輩ね)

(アラビアントレノ破れたり、あとはタマモクロス先輩)

 

 キングヘイロー、メジロランバートはアラビアントレノをターゲットから外した。

 

(このまま…外から……!!)

 

 一方、スペシャルウィークは外からごぼう抜きをする準備を完了していた、彼女の全身は、ほのかにではあるものの、オーラに包まれつつあった。

 

(アラビアントレノ…長い戦いやったが、この勝負、ウチがもろたで、ねばってねばって…一着取らせてもらう!!)

 

 タマモクロスは末脚を使うために、脚に力を込める前、一瞬後ろを伺った、しかしその時。

 

彼女の視界に、なびく芦毛が現れた

 

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『各ウマ娘、坂を下っていきます!先頭変わってシンボリマルモンからヌーベルスペリアーへ、マチカネグランザム、トーセンイムホテプ、そしてタマモクロス上がってきた!トウショウメッサーとヘルゴラントにクラウゼヴィッツ、外からはスペシャルウィークとキングヘイローそしてメジロランバート、アラビアントレノは最内!エリモコマンドーは外からまくりの構え!』

 

 外から差しに行く予定だったけど、上手く行かなかった。

 

 皆、内側のバ場を走ることを避けている

 

 デコボコだし、所々芝がはがれて濡れた土が露出していて、足が取られやすい

 

…………濡れた土…?

 

 こうなったら、一か八か、加速の悪さは、下り勾配で誤魔化せる、あの荒れたバ場は、雨の日の学園近くの走路と同じ…無理やり通って、最短ルートを行ってやる。

 

 …私は………勝つ…勝ってやる…!

 

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(何ィ…!?)

 

『アラビアントレノが来た!アラビアントレノが内から飛んできた!!あのぬかるんだ内側を凄まじい速さで通って来た!!』

 

 

 更に、芝の下には、土が敷かれている。アラビアントレノは、雨の日も福山トレセン学園近くの走路を走りこんでいる。そして福山の走路は土である、故に彼女は、自然とぬかるみに適応した走りが身についていたのである。

 

 そして、アングロアラブのウマ娘であるアラビアントレノは、縦に踏み込む力が強い、そのことが、湿地と表現されるまでに荒れたバ場に脚を無理矢理突き刺して安定させ、踏み固めて蹴る走りを可能にしていた。

 

(……初っ端から最後まで、おもろいやん、ええで、こっからはガチンコの叩き合い、延長戦の第4ラウンドといこか!!心臓バックバク、アドレナリンどっぱどぱや!!)

 

 タマモクロスのモチベーションは、最高潮だった。

 

(えっ…!?)

 

 そして、スペシャルウィークは、驚愕のあまり、一瞬であるが隙が生まれてしまった、今回のレースは3200m、彼女が今までレースを行ってきた中でも最長の長丁場である。さらに、彼女は前走に2200mのレース、AJCC(アメリカジョッキークラブカップ)を選んでおり、中距離用に頭を使う調整を行った影響が、ほんの僅かであるが残っていた。そのため、一瞬思考が止まったのである、そして、それはスペシャルウィークだけではない。

 

(……何が…?)

(起きたの…!?)

 

 スペシャルウィークと同じく前走にAJCCを選んだメジロランバート、そして前走が東京新聞杯、即ち1600mのキングヘイローも、例外ではなかった。

 

(まだまだ…!!)

 

 それでもスペシャルウィークは負けじとスパートをかけ、前に出た。

 

『各ウマ娘第4コーナーを抜けて最後の勝負へ!状況は混戦状態!!シンボリマルモン、ヌベールスペリアー、マチカネグランザム、トーセンイムホテプの四人の間を真ん中から突き抜けて、タマモクロス上がってきた!最内からはアラビアントレノ!トウショウメッサーとヘルゴラントを抜いて外からはスペシャルウィーク、遅れてキングヘイローそしてメジロランバート、アラビアントレノは最内!エリモコマンドー大外から行った!』  

 

(アラビアントレノ、よう来たな…やけど…譲らへんで…!!)

「ウチが勝つ!!」

 

 タマモクロスの白いオーラはどんどんと高まっていく。

 

「……ッ!」

 

 スペシャルウィークは、疲労が限界を迎えつつも必死に追走していた。

 

(下りでスピードは乗った、あとはこのまま…行けぇっ!!)

 

 アラビアントレノも、残しておいた末脚を使い、スパートをかけた。

 

「………!!」

 

 そして、彼女は同時に、何かを感じていた、一つは、限界の走りをしているのに、まだノビがあるということ、そして、もう一つは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分と競り合っているタマモクロスから発せられている白いオーラが、何故か弾けて消えてしまったいうことであった。

 

 

「………何だと…!?」

「…信じられない…!」

 

 その光景を見たシンボリルドルフ、マルゼンスキーは驚愕した、二人の手は震えていた。

 

 

「…なるほど…こんなこともあるのかぁ…ハハハッ!!面白い、いいね、いいね!!」

 

 その一方で、ミスターシービーは目の前に現れた未知に面白さを感じ、純粋な興味を示し、若干興奮気味になるという、シンボリルドルフとマルゼンスキーとは正反対な反応を示していた。  

 

 

【挿絵表示】

 

 

(えっ……)

(タマモクロス先輩から…)

(光が…出なくなった)

 

 スペシャルウィークは、領域が出るのが止まっていた、キングヘイロー、メジロランバートもそれを見ていた。

 

 

(何ィ…!?領域が…なんちゅう事や!!他人の領域を吹っ飛ばしてまうとか、そういうんは…無しやろ!?)

 

 そして、タマモクロスも、アラビアントレノと競り合う中で自分の領域が消えてしまったことを確認していた。

 

(長いこと走っとるウチだって…そんなのは…見たことも…聞いたことも…)

 

『アラビアントレノだ、アラビアントレノが抜け出した!!』

 

(いや、諸行無常…こんなことも…あるっちゅーことやな)

 

 抜かれる瞬間、タマモクロスはニヤリと笑った。

 

『アラビアントレノ、ゴール前で差し切ってゴールイン!!3200でも強さを見てつけて勝利!!瀬戸内の怪童、ここでも雷鳴を響かせてくれました!!』

 

ワァァァァァァァ!!

 

「二人共すごい戦いだったぞ!!」

「雷鳴と稲妻、また見てみたいなぁ!!」

 

 観客たちは先程まで凄まじい競り合いを行なっていた二人に興奮していた。

 

「……領域が…」

「……凄かったですね」

「……こんな事が…」

「起こるなんて…」

「…すごいこともあるもんだな…」

「剛毅果断、そして領域を打ち消す走り…また見てみたいものです」

 

 タマモクロスの応援に来たベルノライト、メジロアルダン、オグリキャップ、スーパークリーク、イナリワン、ヤエノムテキはそれぞれ様々な反応を示していた。

 

────────────────────

 

 タマモクロスに勝った私は、どうやらラストスパートでかなり消耗したようで、少しふらつき、芝の上に仰向けになった。

 

 …なぜ、タマモクロスが発した領域のオーラは、消えてしまったんだろう。

 

 …よく考えてみれば、今回の競り合いは、まるで…誘導馬だったときの“放馬したサラブレッドの横に並びかけて、走りから意識を逸らせる”時の状況に、よく似ていた、たまたまその時と同じようになったのか…それか…

 

 セイユウの影響か

 

「オイ!アラビアントレノ、立てるんか?」

 

 考えを巡らせていた私の視界の中に、タマモクロスが現れ、手を差し伸べる。

 

「…はい、何…とか…」

「わわっ!?凄い汗やな、アンタ…こんなぎょうさん汗が出るんか?」

「ええ…まあ…」

 

 差し出された私の手を掴んだタマモクロスは私の発汗量に驚いていた。

 

 そして、立ち上がった私は、タマモクロスと向き合った。

 

「…アンタ、ホンマおもろいな」

「……私が…ですか?」

「ウチのゾーンを打ち消すなんて、想像できひんかった、こんなこと今まで無かったで」

「……」

 

バシン!

 

 どう返していいのか分からなかった私の肩を、タマモクロスが叩いた。

 

「そんな申し訳無さそうな顔、せえへんでええ!!プロセスはどうとはいえ、アンタはウチとガチンコの叩き合いをやって勝ったんや、この結果は変わらへん!!」

「タマモクロスさん…」

「これからは、アンタみたいな“周りを驚かせるウマ娘”が、時代を作ってくのかもしれへんな…」

「周りを驚かせるウマ娘…」

「せや!」

「…ライバル…」

「アラビアントレノ、レースで速いやつが、一番カッコええんや、そんなカッコええアンタと、また競り合いたいもんや、やけど、それまでは、アンタを応援するで、やから…」

 

 そう言うと、タマモクロスは私の手を取り…

 

「胸張って、頑張るんやで!」

 

 天高く突き上げた。

 

ワァァァァァァァァァ!!

 

 その光景を見た観客たちは、私達に声援を送っていた。

 

====================================

 

 観客席では、慈鳥とミスターシービーが声援を受ける二人を見ていた。

 

「…勝った…か」

「サイコーに面白いレースだったよ…おっ、トレーナーさんからだ、“もうすぐ中距離が始まる”だってさ」

「中距離か、なら、ランスとハードの対決になるな」

「そうだね、でも、同じグループにはリギルのグラスワンダーがいる、さてさて、どんな勝負になるんだろうね」

 

 ミスターシービーは、期待を込めた声でそう言った。

 

────────────────────

 

「………」

「………」

「………」

 

 一方で、敗北したスペシャルウィーク、キングヘイロー、メジロランバートは黙ってしまっていた。

 

「胸張って、頑張るんやで!」

 

ワァァァァァァァァ!!

 

 スペシャルウィークはタマモクロスと共に立つアラビアントレノの方を見た、しかしすぐに視線を下に落とした、その視界は、涙で揺らめいていた。

 

「スペシャルウィークさん…気持ちは私も同じよ、行きましょう…」

「うん、ありがとう、キングちゃん…」

 

 キングヘイローはスペシャルウィークの肩に手を置き、地下バ道へと入っていった。

 

────────────────────

 

 キングヘイローはスペシャルウィークをスピカのメンバーの所まで送り届けたあと、控室に戻っていた、そこではキングヘイローのトレーナーが、キングヘイローを待っていた。

 

「すまない、キング……またお前を勝たせてやれなかった」

 

 キングヘイローのトレーナーはキングヘイローに謝罪する。

 

「あなたは…ホント……おばかね」

 

 しかし、キングヘイローはそう言って笑った。

 

「…今回のレースは、今までで一番の長丁場だったわ、でも、掲示板の中に入ることはできた……あなたは私の気持ちを汲んで、あらゆる距離の重賞に挑戦させて、そして成長させてくれている、むしろ感謝してるのよ」

 

 キングヘイローはトレーナーの目を見た。

 

「キング…」

「トレーナー…私はもっと強くなってみせるわ」

「ああ……キングは更に強くなる、俺がそうして見せる…いや、違うな、チーム…俺達で強くなっていこう」

「…ええ!!」

 

バタン!!

 

 その時、扉が開け放たれた。

 

「ト、トレーナーさん!キングさん!大変です!」

 

 入ってきた生徒は、キングヘイローの取り巻きの一人であり、チームメンバーであった。

 

「長距離に出走していたライアン先輩が、負けました!!」

「なっ……」

「何ですって…ライアン先輩が…それで…誰に?」

「ゼンノロブロイさんです…」

 

 その生徒は声を絞り出した

 

「……」

「……」

 

 菊花賞の時と同様、キングヘイローは胸の奥に、ざわついた何かを感じていた、そしてそれは、自らの先輩が負けたから悔しいという思いとは別のものであると、彼女は何となくであるが気づいていた、しかしそれが何であるかまでは分からなかった。

 

 




お読みいただきありがとうございます。

新たにお気に入り登録、誤字報告をしていただいた方々、ありがとうございますm(_ _)m

作中、度々アラビアントレノの汗の描写が出てきていますが、これはアングロアラブがサラブレッドに比べ、発汗量の多い品種である事を元ネタとしています。

ご意見、ご感想等、お待ちしています。
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