男「…分かった、何処から来たんだ?」
吹雪「…舞鶴の市街です。嵐に巻き込まれたので家に帰れないんです」
時雨(吹雪、もう少しまともな嘘をつきなよ…)
男「そうか、気になってな。まあ上がれ」
吹雪「意外に分かってないようだね」ヒソヒソ
時雨「そうなのかな…?」
男「…」
―居間―
男「雨に濡れて冷えているだろう、今沸かしてくる」
時雨「意外に狭いね…」
男「何か言ったか?」
時雨「ううん!何でもないよ!」
吹雪「突然すいません…」
吹雪「!」
魚が囲炉裏で焼かれている。近くでは鍋の中で煮込まれているものが会った。
吹雪「…お腹減ったな…」
男「お前…怪我をしているな。手当てをするよ」
時雨「そうかい…。ありがとう…」
―風呂―
吹雪「あ~…寒かった…」ヌギヌギ
吹雪「お邪魔します」ガラッ
吹雪「何だろう?このお風呂」五衛門風呂
吹雪「蓋が浮いているから取って…」※蓋ではなく踏み台。取って入ると火傷する
吹雪「お、お邪魔します」チャポッ
吹雪「あちちちちち!!」尻、足裏火傷
吹雪「これ…どうやって入るの…?」
男『あ…言い忘れたが浮いている木の板を踏んで入ってくれ』←ドア越しの声
吹雪「早く言って下さいよ…」グスッ
吹雪「…久しぶりにお風呂入ったな…」
吹雪「温かい…」
ー居間ー
時雨「グググ…いだっ!」
男「銃弾が取れたぞ。今から消毒する」
時雨「…なんでそこまでするんだい」
男「…気まぐれだ」
時雨「変な人…」フフフ
男「染みるぞ…」
時雨「痛った!」
吹雪「上がったよ」
時雨「あ…吹雪」
吹雪「温かったよ」
時雨「…僕も入ろう」
ー10分後ー
時雨「ありがとう」
吹雪「急に押しかけてすいません…」
男「気にするな」
コンコン…
吹雪「!」
時雨「憲兵隊かな」
吹雪「隠れよう!」ガサゴソ…←隠れ
男「はい、なんですか?」
ガラッ!
憲兵「おい!ここに少女2人が入って来なかったか!」
吹雪(憲兵隊だ!)襖に隠れ
時雨(やっぱり僕達を追って来たんだ)同上
男「どのような子ですか?」
憲兵「二人とも黒髪で一人はセーラー服、もう一人は黒い制服で肩に傷を負ってる」
吹雪(私達の事だ)
時雨(あの男の人は何て言うんだろう…)
男「...確かに私の家に来ました」
吹雪(ばらされる!)
時雨(白露、夕立…ここまでのようだ。僕があの人を信じた事が…)
男「しかし追い返しましたよ」
吹雪、時雨(?!)
男「見ての通り家はボロ家、食料もその日暮らしです。しかもこんな嵐の夜に訪ねてきたら追い返しますよ」
憲兵「う…うむ」
男「それよりここは県境、もうあの子たちは福井県に逃げたのでは?」
憲兵「そ...それは大変だ!後を追うぞ!夜分失礼した。それでは!」ダダダダ…!
ピシャリ!
男「良いぞ、出てきても。あいつらは当分来ないだろう」
吹雪「あ…ありがとうございます」スーッ
時雨「何で僕達を助けたの?」
男「こんな嵐の日、外を出歩くのは脱走者か夜逃げ者。お前らは恐らく前者だろう」
男「そうだろ。吹雪、時雨」
吹雪「な…何で私達の名前を…」
時雨「き…君は一体?」
元春「俺は立花元春。三年前まで海軍に仕えていたものさ」
吹雪「立花…元春」
時雨「…聞いた事がある。かつて海軍で活躍された司令官が突然やめて姿を消したって噂…。まさか…」
吹雪「えっ…」
元春「…そうだ。あれは3年前だった」
←……To be continued
次回は過去回想編。そして歯車は動き出す。