魔水晶王女(俺)は魔王の一人である   作:ちゅーに菌

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スピカ魔物使い養成学校

 

 

 

只今、スピカ魔物使い養成学校へ行く為、徒歩で街に出ている。

 

学校はこのポラリスの中にあるので行くのが楽だ。

 

「そういえば普通に街を歩くのは初めてだな」

 

ポラリスの街は中世ヨーロッパのような石造りの建物が立ち並び、道も舗装されて、朝から活気が溢れている。

 

「そうでしたか?………そうですね」

 

ここを最初は夜空をジャンプで駆け、次は外壁をリリウムちゃんを抱えながらダッシュしたからな、街並みなど見ていない。

 

「ピュー」

 

「くすぐったいですよ」

 

しかし、街並みよりリリウムちゃんが契約した黄色い小鳥(?)のチィちゃんと戯れるのを見る方が目の保養になるのだがな。

 

「きゃっ…そんなとこ入っちゃダメですよ~」

 

うむ、眼福、眼福。

 

 

 

 

そんなこんなしているうちにリリウムちゃんの学校に付いた。

 

「………デカイな」

 

俺は下からその建物を見上げた。

 

「凄いでしょう?ここがスピカ魔物使い養成学校です」

 

いや…学校と言うか…。

 

「まんまコロッセオじゃないか」

 

その昔、剣闘士らの奴隷が見世物として戦わされたりした施設に似た建物があった。

 

ただ、俺の知っているのと違うことは作られた当時のように外壁の崩れやヒビは無く、建物がなんか不自然にピカピカしていることだろうか。

 

「コロッセオですか?なんですかそれ?」

 

「いや、何でもない」

 

この世界に同じ名前のモノは無いか、それに見世物なら人と人や、人と魔物より、魔物と魔物が主流だろう魔物使いがいるしな。

 

「ここは休日は魔物使い同志の闘いの場として一般解放され賭け事が行われているんですよ?」

 

やっぱコロッセオじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリウムちゃんとコロッセオ…もといスピカ魔物使い養成学校……長いなスピカ学校に入ると中は予想と大分違った。

 

観客席と闘技場があり天井が無いのは普通だが観客席がバリアのような水色の膜で覆われており、闘技場も天井の代わりに半球状の水色の膜で覆われていた。

 

「スゴいな」

 

「凄いですよね。こっちです!」

 

「はいはい」

 

ちなみに当たり前のように学校にメイド服の俺が着いてきているがそれはスピカ国中から生徒が来る為、その従者として同行が認められているからだ。

 

まあ、殆んどの魔物は茶も沸かせんだろうしな。

 

俺は炊事洗濯家事全般何でもできるぞ?

 

ちなみにスピカ学校は貴族でも庶民でも関係無く在籍しているらしい。

 

能力があるものは家柄や身分に関係無く育てるのがスピカ王の方針だとか。

 

昔の一万円札みたいな人だなスピカ王。

 

「ここが、校舎です!」

 

「ふむ、観客席の一角に建物か」

 

全体の270°程が観客席で、60°程に客席を削り落としたような緩やかな台形の建物があった。

 

流石に青空教室ではないようだ。

 

ちなみに残りのは30°はでっかい掲示板だ。

 

「中に入りましょう!」

 

「ピュー!」

 

「うむ」

 

 

 

大学の講堂のような教室の中はリリウムちゃんと同じぐらいの歳の生徒とまばらなその従者と大量の魔物で溢れていた。

 

生徒の数はざっと見て90、従者は10ってとこか。

 

魔物は………大小バラけすぎてわからないが、多分生徒と同じぐらいいるだろうな普通に考えて。

 

しかし、思ったより従者が少ないな。

 

貴族が少ないのか?いや、でもリリウムちゃんの家のように貧乏…質素な貴族もいるのかもな。

 

「師匠…なにか失礼な事考えませんでしたか?」

 

ニコッという笑顔の後ろにどす黒いオーラが見えた。

 

な・ぜ・ば・れ・た?

 

「いえ…滅相もない」

 

「ピ…ピ…ィ」

 

チィちゃんよ………決してリリウムちゃんを怒らせてはならないぞ?

 

「あ、リリウムおはよう」

 

黒のローブに、黒の魔女ハットに、黒ブーツに、黒手袋、片眼鏡をした絵に描いた黒魔導師のような黒髪の女の子が話しかけてきた。

 

肩に3本足のカラスが乗っている。多分、レッサークロウだろう。

 

箒………箒はどうした!?魔女っ娘!!

 

「おはようございます。ミリンちゃん」

 

え?味醂

みりん

 

「ひっさしぶりだねー。その超美人だれ?」

 

そう言った瞬間、なぜかクラス中の人間が俺を見てきた。

 

暇だなお前ら、性欲をもて余すってやつか?

 

「えへへ、師匠はとっても美人さんですからね。私の師匠で家のメイドさんなんですよ。スドーさんって言うんです」

 

おいこら、メイドさんじゃなくて家庭教師だ。

 

ついでにスドーじゃなくて須藤(スドウ)だ。

 

まあ、リリウムちゃんに通じるとは思っていないが…。

 

「へー、私ミリン・クロウリー。よろしくね」

 

「ああ、よろしくな」

 

手を出してきたので握手した。

 

「………………………」

 

「………………………」

 

なぜか中々放してくれない。

 

「………なにも感じないの?」

 

「何がだ?」

 

「寒いとか冷たいとか」

 

「?」

 

冷たいとか寒いとか暑いとか熱いとか無いんだよね。

 

「魔法で手を-50°ぐらいにしてるんだけど…」

 

え?なにそれ?オレじゃなきゃ火傷しちゃうよ?

 

『マジかよ…』

『ミリンちゃんの悪ふざけが効かないなんて…』

『なん…だと…』

 

外野(生徒)が何か言っている。

 

ドッキリか、オチャメな娘だな、やや悪質だけど。

 

「はーい!皆さん授業を開始しますよー!」

 

講堂にピンクのスーツの女性が入ってきた。

 

二十代後半程に見える美人だ。

 

ん?ピンクのスーツ?

 

「先生です!師匠、座りますよ?」

 

「ん?ああ」

 

この講堂は300席以上ありそうなので従者も座って良いようだ。

 

「よいしょっと…」

 

ふかふかした椅子に腰掛ける。

 

ん、良い生地使ってんな。

 

「では私も…」

 

そういってリリウムちゃんは俺の膝の上に乗ってきた。

 

「………………………」

 

「………………………」

 

ふむ、学校の授業か…どこの世界でもあるものだな。

 

「って…ちょっと待ちなさいよ!」

 

「なんですかミリンちゃん?」

 

「なんだ味醂?」

 

いつの間にか隣に座っていたミリンちゃんに声を掛けられた。

 

………肩のレッサークロウ可愛いな、トウモロコシとかパンとか持ってくれば良かった。

 

「味醂じゃなくてミリンよ!なに当たり前のように膝に!?」

 

ふむ、どうやらこの娘にはツッコミの才能があるようだ。

 

「師匠はふかふかして柔らかいんですよー」

 

「リリウムちゃん…俺の胸は背もたれじゃないぞ?」

 

周りの男子からあんな美人に羨ましい…とか、くそっ…あんな巨乳メイドが…とか言っている。

 

ほう………貴様らよほどに魔水晶像にされたいようだな。

 

「ふ、ふーん…そうなんだ」

 

歯切れの悪そうな顔をしてミリンちゃんは黙った。

 

慣れろ、最近のベイオウルフ家のいつもの光景だ。

 

そんなこんなしている内に授業が始まった。

 

「皆さん。夏休みはゆっくり休めましたか?それでは宿題の確認をしますね。では、契約魔物を見せてください」

 

そういいながら先生は見回りを始めた。

 

生徒の魔物見ながら時々撫でたりしている。

 

「ドリルラビットにエアフィッシュにマッドワームに…ルシルシル君のは…」

 

先生が立ち止まったルシルシルとやらの所には目算で8m程のフルプレートの黒い鎧で全身が覆われた巨人がいた。

 

ふむ………どうやって3m程の入り口から部屋に入れたんだろう?

 

鬼王(キングオーガ)です。先生」

 

そう言ったのはルシルシル君とやらだろう、金髪で背の高く爽やかなイケメンだ死ね。

 

「キングオーガ?Aランクの魔物ですか…」

 

その言葉に周りが騒然となる。

 

ふむ、キングオーガか、そんなに良いのか?

 

小声でいうとステータスが出てきた。

 

 

 

鬼王(キングオーガ)

 

ランクA

魔力値:0

身体値:12000

契約者:ルシルシル・ルル・ブルーム

スキル:

《怪力》

《契約魔物》

 

なんだろう?高ステータスを見すぎているせいか何とも思えない。

 

リリウムちゃんはわー凄いですとか言ってるけどな。

 

「キングオーガの全身を鎧で覆ったんです。まあ、こんなこと一般庶民にはできないか、あはは」

 

そう言って見下すわりには背の高いキングオーガが後ろの席の人が黒板が見えるように一番端っこの席にいるのねルシルシル君。

 

「ルシルシル君は侯爵家の出でちょっとプライドが高いんですが強くて根は優しい人なんですよ?」

 

だろうなリリウムちゃん。

 

それにAランクを屈服させられるほど強いんだよな下から読んでもルシルシル君、名前面白いなルシルシル君。

 

「そ、そうですか」

 

先生もやや引きつった様子だ。

 

そんなこんなして暫く見回っていた先生はリリウムちゃんの前で止まった。

 

「おや?なんですかこの魔物は…見たことない種ですね。新種でしょうか?」

 

「新種?チィちゃん新種なんですか?」

 

「ピ?」

 

ふみ、本人(?)に聞いてもわからないようだ。これはお手上げだ。

 

「後でスケッチさせてくださいね」

 

「はい、先生」

 

この先生は魔物が大好きなようだな。よきかなよきかな。

 

「では宿題の確認も済んだことですし夏休み前に言った通り、早速実技に移りますか、皆さん契約魔物と夏休み中、鍛練を積んだんでしょうから生徒どうしで契約魔物と魔物使いの2対2形式の黄昏決闘(ラグナロク)といきましょうか!」

 

そう言って先生はパンと手を叩いた。

 

ん?魔物と魔物使いVS魔物と魔物使い同士の2対2のバトル?なにそれ初耳なんだけど………って夏休み前に言ったことを俺が知るわけ無いか、そうだリリウムちゃんならもちろん知ってる…。

 

「ふ、ふぇ…?」

 

ダメだぁー!完全に黄昏決闘(ラグナロク)とやらを忘れてた顔してるぅ!

 

あれ?リリウムちゃんチィちゃんとの戦闘訓練なんてしてないぞ?

 

というか契約したの昨日だし…。

 

「では、なるべく皆さんの契約魔物の能力の近いものを黄昏決闘の相手に対戦表を作ったので発表しまーす!」

 

なんだそれなら安心だな、あの短時間でそれを仕上げるとはこの先生やりおるな。

 

良かったなリリウムちゃん。

 

この後の事を今思えば俺の考えは浅はかだっだだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1戦目、リリウムさんとルシルシル君です。リリウムさんの契約魔物の能力が不明なのでこの対戦です」

 

「へ?」

 

「ピ?」

 

………………………どうやら夏休み明けの初授業は波乱の幕開けになりそうだ。

 

 

 

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