魔水晶王女(俺)は魔王の一人である   作:ちゅーに菌

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外伝2 クロロ、ケーキのイチゴは後に食べる

 

 

死神は吸血鬼の住みかだった結界で隠された中の城にいた最後の吸血鬼の子供を食べ終えると再び思考を巡らせた。

 

コイツらは中々面白かった。

 

グリム・リーパーは今回の獲物を高く評価をした。約100人程の吸血鬼の集落を襲撃したが、途中で吸血鬼の大人によって一度だけ首を落とされてしまったのだ。

 

最も首がもげようが、肢体が消し飛ぼうがグリム・リーパーにとっては全く問題ないが、グリム・リーパーは狩を楽しむためにノルマを決めていた。

 

自分の身体を破壊できたモノは高評価、生物的な弱点の頭や内臓を破壊できたモノは更に高評価と言った具合である。

 

最もグリム・リーパーからの評価が上がるだけで捕食されたり殺されたりする運命からは決して逃げられないが…。

 

そんな評価基準だからグリム・リーパーを一切、情け容赦なく微塵切りにして生物的に瞬殺した魔水晶女王はグリム・リーパーにとってはまず勝ち目のない相手であり、自分が最高に使えたい主であるわけだ。

 

要するにグリム・リーパーはド…、

 

と、ここでグリム・リーパーが背後から小さな気配を感じ、ちらりと目を回転させ斜め後ろを見た。

 

膝をつき呆然とかつて城であった瓦礫の山を見つめる少女がいた。

 

グリム・リーパーは遠くに結界を発見すると途中で空を飛び少女を追い越して城を襲撃していたのだ。今更になり少女は到着したのだろう。

 

グリム・リーパーはそれを見て少女に向き合うと方鎌を少女の目の前の地面に突き立てて添え、もう片方の大鎌をゆっくり、ゆっくりと少女に振り上げた。

 

まるで死刑執行者のギロチンのように。

 

それを見て少女は逃げることも喚くこともなくただ、目から一筋の涙を浮かべた。

 

グリム・リーパーは少女の目を見つめた。自分と同じ赤色の瞳だ。

 

グリム・リーパーはそのまま暫く静止した。

 

そしてグリム・リーパーのギロチンは降り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"自分の逆の大鎌に"

 

 

グリム・リーパーの降り下ろした方と逆の地面に突き立てて添えた自分の大鎌は前脚と鎌の接続部分から斬られ、地面に突き立ったまま身体から離れた。

 

超再生能力は今は抑えているようで瞬時に繋がることは無かった。

 

「え……?」

 

少女は目の前で行われた奇妙な光景に思わず声を漏らした。

 

だが、抑えていた超再生能力を戻したようで大鎌が離れたグリム・リーパーの前脚から延びるように鎌が生えると、再び死神の鎌のような妖しくも美しい光沢を放ていた。

 

更にグリム・リーパーは生えた方の鎌でもう片方の同じように切断した。

 

そしてやはり、切断したての大鎌と身体が繋がらないように超再生能力を抑えてから再び鎌を生やした。

 

地面には2本の数mの巨大な大鎌が突き立った状態になり、生えている鎌も合わせると4本の大鎌が並んでいた。

 

それからグリム・リーパーは一声上げると魔法を行使した。

 

すると地面の2本の大鎌はグリム・リーパーから伸びた影に包まれ、包まれた大鎌ごと影がぐにゃぐにゃと曲がった。

 

両方とも同じく奇妙に半円のように曲がった形を取るとほどけるように影はグリム・リーパーに戻っていった。

 

30Lvの闇魔法、影の処女(シャドー・メイデン)だ。本来は敵を影で全身を隙間なく縛りながら内部の影に突起や針を無数に生やし刺し殺す魔法だ。

 

だが、どうやらグリム・リーパーはそれを別の用途に使ったようだ。

 

そこには、2振りの湾曲を描くように曲がり、内側にしか刃が付いていないタイプの珍しい150cm程の大きな剣が突き立っていた。

 

少し知識のあるものならこの武器はハルパーと言う神話の曲刀で、神話のモノより遥かに大きいこと解っただろう。

 

しかし、残念ながら武器にそこまで知識の無い少女は珍しい剣だと言うことしか解らなかった。

 

そして再びは少女を見つめると顔を元いた古代遺跡に向け、羽を羽ばたかて飛んで行った。

 

少女はそれをただ見ていることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女(グリム・リーパー)は飛びながらさっきの少女について考えていた。

 

あの少女は逸材だ。成長すればさぞ強くなるに違いない、そう直感的に感じていた。

 

これまで彼女は色々な人を殺してきた。立ち向かう者、守ろうとする者、挑戦に来た者、逃げ惑う者、復讐する者、など様々な人を斬り殺した。

 

それから、殺戮平野に定住するようになってから、挑戦に来た者ばかり相手にしてきたからなのかは解らないが、いつの間にか彼女は人の後天的な実力が直感的に解るようになっていた。

 

それにより、恐らく少女自分では気付いていないが、彼女が見てきた人の中でも1・2を争うほど少女のポテンシャルが高かった。

 

 

それこそ一握りの人の中の一粒の、"勇者"になれるほどに。

 

 

だから彼女は少女を殺すのを止めて剣を造った。

 

Sランクの中でも最上級の難度の禁忌級の魔物の大鎌から出来た剣だ。人からすれば伝説の武器などと言われるレベルだろう。

 

あの剣を少女が手足のように扱える程強くなれば間違えなく少女は魔王に届く程の一握りの勇者となり得る。

 

更に少女は一族を皆殺しにされたのだ。復讐者となり、いつか死神に復讐に来るだろう。

 

その時、魔王になっているであろう自分と勇者になっているであろう少女、どちらが上か?

 

それを考えただけで心が躍るようだった。

 

彼女はいつか再びまみえる日を待ちわびながら、まず第一歩の為に古代遺跡に向かった。

 

 

 

機巧(マキナ)系の魔物、その中の守護機巧(ガーディアン・マキナ)の最高傑作。

 

太古の昔に滅んだ先人が造りし魔王、天空機巧都市ウラヌスから堕ちてきた都市の番兵。

 

"呪怨機巧鎧《デュラハン・アーマー》"

 

通称"殺戮騎士"を殺し、喰らうために。

 

 

 




~第5回人外魔境~

『さあ、今回も始まった第5回人外魔境だ』

『いえーい! ございます』

『始まったわぁ。あなたの生理も落ち着いたしねぇ』

『うるせえ。さてまず前回保留にした2通だ』


Q:魔水晶創造のスキルで魔石を造ることはできますか?


『生活や燃料用の魔石の火石、水石、風石、氷石、土石、光石、闇石などは湯水の如く幾らでも造れるぞ? 無論、混じりけ無しの最高純度(100%)だ』

『全魔石商が涙しそうでございますね。次は』


Q:魔水晶が最高硬度の物質でスドーが全身魔水晶なら一生処女ではないのでしょうか?


『おい誰だ。こんなこと質問…』

『あらぁ? 他にも何で胸が柔らかいのかっていうお便りもあるわねぇ』

『誰得だよ……俺の身体なんて…』

『私得だわぁ』

『私得でございます』

『テメェら………仕方ない……魔水晶が最高硬度って言うのはな、正確には正しくない。魔水晶はただどんな物質よりも硬く、柔らかで、温度耐性のあり、鋭い性質を持っているだけだ』

『それって最強でございますね…』

『あらぁ? 通りで私の拳に耐えれた訳ねぇ、ただ硬いだけならギガ・インパクトで一撃だものぉ』

『序でに、任意で性質の変更が出来るから俺がそうしたいと思えば処女膜も普通に破れるようになる………死ね…みんな死んでしまえ…』

『これ以上スドー様を弄ると取り返しのつかない事になりそうなので次でございますよ』


Q:魔結晶石で上げる魔力値に上限はあるんですよね?


『あるでございますよ。普通の人ならば5万は行かないぐらいで打ち止めでございます……普通の人ならば…で、ございますがね…』

『次ねぇ』


Q:スドーの他にトリッパーはいるんでしょうか?


『トリッパー?』

『トリッパぁ?』

『………なんでございましょうか?』

『………引き裂き人形(リッパー)って魔物はいるわよねぇ』

『スドー様なら知って…』

『……みんな死んでしまえ……男なんて…男なんて………なんで……なんで俺がこんな…こんな………』

『ダメそうねぇ』

『もうダメそうでございますね』

『きっと引き裂き人形の間違えねぇ』

『次でございます』


Q:番号持ち殺戮者とはなんですか?


番号持ち(ナンバーズ)ねぇ。各都市の殺戮者ギルドの実力と、人格と、ギルドマスターの独断と偏見で選んだ上位100人に与えられる称号よぉ。例えばここだと名前と番号とギルドポラリスってロゴが入れられた金属プレートが贈られるわぁ』

『確か…一定数の討伐の義務と、緊急クエストの強制参加の義務を負う代わりに、その都市内の特定の宿屋や食事処や風呂屋など公的機関の一切の使用料が無料になるんでございますよね?』

『そうよぉ、ちなみに現在は100人中埋っているのは78人よぉ。死ぬか、その都市で1ヶ月クエストを受けなければ欠番扱いになるから日々変わるのよねぇ。1ヶ月って言うのは都市に優秀な番号持ちを留まらせる為の法でもあるけどぉ、死んで行方不明かどうかは解らないから1ヶ月って期間なのよぉ』

『そうなのでございますか…妙に詳しいでございますね』

『ほらこれぇ、ナンバープレートよぉ』

『へー、ちゃんとギルドポラリスって入ってるんでございますね。ローゼって名前で3なんですね……あれ? なんで持っているでございますか? しかも3番って…』

『100年ぐらい前に取ったのよぉ? 植人族の長って事で登録してるわぁ。勿論、植人族としてよぉ。あなたも取ったらどぉ?』

『まずSSSランクになってステータス偽造が出来るようになれば考えるでございますよ』

『ちなみに1番はヴィッセルよぉ』

『え? あの人強かったんでございますか?』

『人的にはかなり強いわねぇ。伊達にギルドマスターやってないわよぉ』

『そうなんでございますか、あら? もうお昼でございますね。そろそろスドー様にご飯を作って貰わねばならないのでございます』

『じゃあ今日はこの辺でお開きねぇ』

『また今度ー』

『またねぇ』


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