魔水晶王女(俺)は魔王の一人である   作:ちゅーに菌

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銀のロケット

 

 

暇だ。

 

 

 

いつも通りリリウムちゃんを膝に乗せて授業を受け、リリウムちゃんの服の中に入り込もうとしていた小鳥状態の現行犯

ネメシス

を握り締めながらそんなことを考えていた。

 

ローゼ襲来から約4ヶ月ほど経ち、俺はベイオウルフ家のメげふん…家庭教師として二充分どころか三充分に働いていた。

 

まぁ、元来なにかしていないと落ち着かない質なので別段苦でもないのだが、如何せん慣れると同じことをし続けるのも飽きるというものである。

 

「げふ…し、死ぬ…中身出る…で…ございます…」

 

「し、師匠!? チィちゃんが!?」

 

ふむ、まだ余裕そうだな。

 

「ふぐっ!? なぜ強め…………がふ………」

 

「師匠ぉぉぉ!!?」

 

 

 

 

 

 

「あの…授業中なんですけど…」

 

……先生に怒られてしまった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スドー様は何度私に綺麗なお花畑と川を見せれば気がすむのでございますか?」

 

下校中、人型に戻ったネメシスがそんなことを言ってきやがった。

 

「ならリリウムちゃんの服に入るのを止めやがれ」

 

「だが、断るのでございます」

 

ネメシスはキリッとした顔で答えた。

 

テメェ…。

 

「良いじゃないですか師匠、チィちゃんも悪気はないんですから」

 

そう、屈託のない笑顔でいった。

 

悪気どころか邪気そのものなんだぞリリウムちゃん…。

 

「ほら、マスターもこう言っていま…」

 

「シャラップ」

 

「腹パン!?」

 

次の瞬間に俺の拳が、リリウムちゃんを挟んで反対側にいるネメシスの下腹に突き刺さった。

 

「ところでリリウムちゃん?」

 

「なんですか師匠?」

 

ちなみにリリウムちゃんにとって俺の暴力とは、魔王などに対する俺なりの愛情表現だと思っているらしい。

 

…泣いていいかな…。

 

「今日は何が食べたい?」

 

「カレーがいいです!」

 

リリウムちゃんは元気よく答えた。

 

カレーか、煮込んだり日を置いたりすると旨くなると言うが、個人的には作りたてが一番旨いと思うな。

 

「いいでございますね」

 

早くも復活したネメシスも賛同してきた。

 

チッ…浅かったか。

 

「じゃあ、そうするか」

 

「わーい!です!」

 

「わーい!でございます」

 

鳥は黙れ穀潰し。

 

「今晩はカレー、良いわねぇ」

 

「うぉぉ!?」

 

いつの間にか俺の空いている腕を自分の谷間に沈めているローゼがいた。

 

心臓止まるかと思ったじゃねぇか……核か…。

 

「テメェいつの間に…」

 

手を引き抜こうとするが完全にハマっていて全く動かない。身体値ェ…。

 

「虚空流奥義 虚空

アーカーシャ

よぉ。音も気配も魔力の残滓もなく移動し、殺した後に相手に殺されたと気づかせる隠密歩行術ねぇ」

 

なにそれこわい。

 

「ストーキングには持ってこいだわぁ」

 

「いや、それ違うだろ。てか離せや」

 

さっきからむにむにというかふよふよした感覚がダイレクトに俺に伝わって来た。

 

「もー、照れちゃって…私のお・ム・コ・さ・ん♪」

 

「………」

 

コイツ…本気で殺してやろうか?

 

掴まれている腕を爆弾に変えてやろうか真剣に悩んでいるとリリウムちゃんがとんでもないことを言い始めた。

 

「ふえ!? 師匠とローゼさんって…」

 

「リリウムちゃん、それは凄まじい誤解だ」

 

「あら残念」

 

そんなコントをしながら市場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

混沌妖薔薇ことアンネローゼことローゼは上機嫌だった。

 

市場から公爵家に戻るとスドーとリリウムはキッキンに入った。

 

無論いつものことだが、それを後ろから摘まみ食いをしながら眺めるのが今のローゼの生き甲斐になっているからだ。

 

ちなみにネメシスと違いローゼはしっかり食費を二十分に入れているので何も問題がないことがスドーの悩みの種である。

 

当たり前だが魔王は悠久の時を生きる魔物だ。

 

そんなモノたちにとって趣味は生き甲斐であり、好意とは寄せられた者の一生涯寄せ続けるものだ。

 

死して尚、好意を寄せた者を縛り続ける魔王もいるが、大概の魔王は好意を寄せた者が何らかの理由で生涯を終えると直ぐに他の対象を探すものだ。

 

少々ドライに感じるかも知れないが魔王は過ぎたことには執着しないモノが大多数だ。なぜらな悠久の中、或いは進化を突き進んできた過程で学んでいるからである。後悔も未練も何の役にも立たないことを。

 

だからなのか魔王には飽きっぽいモノが多い。

 

特に混沌妖薔薇はそうだ。

 

ローゼは最古の魔王ではないがその基質は極めてそれに近い。

 

欲しいモノは何をしてでも手にいれる。自分こそが最強で至上。後先などは考えない。

 

この三つが古い魔王である証しでもあるのだ。

 

現にローゼは昔から欲しいモノは手に入れてきた。

 

昔のローゼは今より随分血気盛んで一辺倒であった。自分より強いモノに着の身着のままで挑んでは己の拳で握り潰し、人に対して癇癪を抱えれば国ごと吹っ飛ばすなど日常茶飯事もいいところだった。

 

もっと言えばかなり男勝りでもあったがそれは置いておこう。

 

そんな彼女が精々、自分のダンジョンに入った男の中で気に入った男を拐って疑似百合乙女に改造しては楽しんだり、今のように食卓を楽しんだりするのは何があったかは解らないが凄まじい進歩であろう。

 

ちなみに前者は性癖に目醒めたことが原因だが、後者は一重に魔水晶女王ことスドーが原因だろう。

 

ローゼは今彼女に夢中だった。

 

だがそれはあまりにも異常だった。魔王が魔王のことを本気で愛すことは通常あり得ないことだからだ。

 

なぜなら悠久の時を生きるモノ同士で愛し続けることは可能かを真剣に考えてみれば解ることだ。

 

100年、200年ならまだ解る。しかし、数万年単位なら話はどうだろうか?

 

人のようなか弱い生き物ならまだ保護欲が働くが、魔王のような明らかな強者同士ならどうだろうか?

 

結果、長い時間を明らかに主張が食い違う強者が共にいることは通常不可能に近いのだ。

 

しかし、それを解って尚、ローゼはスドーの事を愛している。

 

それはローゼの基質よし根底の本質に影響している。

 

ローゼは明らかな上位者だ。世界で彼女に勝てるモノはほぼいないと言っても過言ではない。

 

だからなのか、彼女は他人に尽くされるのが好きだ。

 

よって奉仕魔王とでも呼ぶべきスドーはローゼのお眼鏡に叶ったわけだ。

 

そしてローゼは知っているのだ。ローゼでは恐らく本気のスドーに勝つことは出来ないことを。

 

別に本気でぶつかり合ったわけではない。しかし、伊達に最古の魔王に近い時を生きている魔王ではない。相手との実力差は直感で解るものだ。

 

そして、彼女は魔水晶女王と対峙して気づいた。

 

"これは勝てない"と。

 

いい闘いは出来るだろう。だが勝つことは出来ない。それはローゼにとって素晴らしいことだった。

 

つまりローゼの本質は尽くされながらも強者に屈服したいという矛盾に歪んだ性癖を持っている魔王なのだ。

 

だからこそスドーはドストライクであり久しく感じなかった胸の高鳴りをかんじるのだ。

 

本当はそれ以外にも多少あるがそれは置いておこう。

 

だが、そんなローゼには一つ気掛かりなことがある。

 

それはなぜスドーがリリウムに尽くしているのかということだ。

 

確かに人にしては随分、可憐で見ていると保護欲を掻き立てられなくもないがスドーほどの絶対強者が隣にいる理由にはならない。

 

奉仕魔王のスドーにしてもなにかしらの本質的、或いは本能的な理由があるのではないかとローゼは思っていた。

 

そして、それをローゼは知ることとなった。

 

「あらぁ?」

 

リリウムが何かを落としたのに気づいた。

 

多少の善意でそれを拾い上げるとそれは銀のロケットだった。

 

ロケットとなれば写真が入っているのは当然のこと。

 

ローゼはロケットを開けた。

 

瞬間、ローゼの世界が止まった気がした。

 

「ふふ…ふふふ…うふふふ」

 

ローゼはそれを見て笑わずにはいられなかった。

 

それを見て疑問符を浮かべるスドーとリリウムを余所に暫く笑うとロケットをリリウムに返した。

 

「ねぇ…?」

 

そして、妖艶な笑みでリリウムに語りかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ママに会いたくないかしらぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唖然とするリリウムの手元にあるロケットの中にあった写真は、ベッドの上で一人の赤子を抱く幸せそうな女性。

 

マリアロッサ・ピジョンアイ・ベイオウルフの写真だった。

 

 

 




~第7回人外魔境~


『と言うわけで始まったぞ』

『いえー! でございます』

『4ヶ月ぐらい音沙汰なしだった気がするけど、気のせいよぉ~』

『と、言うわけで早速一枚目のお便りだ』


Q:スドーはいつまでメイドするつもりですか?
最終回までメイドならタイトル「魔水晶女王(俺)はメイドの一人である」に変更したほうがよろしいかと。この作品始まってからずっとスドーは一度も魔王してないですよねw


『………』

『………』

『………』

『まず一つ、俺はメイドじゃねぇ! 家庭教師だ!』

『……逆に魔王をしてるってどういう意味でございますか?』

『謎ねぇ…次ねぇ』


Q:クロロをあんなにこき使ってるんですから少しはデレてあげたらどうなんですか?


『虫は好かん』

『酷いでございますね…』

『鬼ねぇ』

『うるさい。次だ』


Q魔水晶創造のスキルで魔石が作れるのなら魔結晶石は作れないのでしょうか?


『うーん…作るのは出来ないんだよ。ただ、魔物を魔結晶石に還元することは出来るぞ? 魔王は無理だがな』

『それなんてチートでございますか…』

『次よぉ』


Q:スキル「魔水晶生命創造」「植物生命創造」で噛まれたら毒のステータス異常になる魔物を創るように噛まれたら若返る、胸が大きくなるなどの特殊な効果を持つ魔物を創ることはできますか?


『そんな回りくどいことしなくても始めから身体を弄って若返らせたり豊胸したりすればいいのよぉ』

『だそうだ。ちなみに創れるぞ。ただそんなことしてどうする気だ? エロ同人みたいに』

『次でございますね』


Q:自然に誕生する魔王はどの様に生まれるの?


『赤ちゃんはどこから来るのぉ? 的な質問ねぇ。そうねぇ…SSSランクで生まれる魔王は森の妖精さんみたいなものよぉ』

『なるほど解らんでございます』

『つまり先に魔力の溜まり場が出来るような場所が存在するとするわよぉ?』

『俺の森みたいなか?』

『そうよぉ、そこに魔力が溜まり過ぎるといつしか魔王核を形成するほど莫大な魔力が長時間溜まり続けるのよぉ。そして人なら気が遠くなるぐらいの歳月をかけて濃縮されて魔王核が出来上がるのよ』

『なるほど、森があるから森の妖精がいるのと同じように、魔力溜まりがあるから魔王がいるわけか』

『ご名答ぉ、でもアナタはまたちょっと違う出来方よぉ? それから他のお便りにあったから捕捉するけどぉ、人造魔王は人工的に莫大な魔力を濃縮し続けて魔王を造る太古の技術よぉ。もっとも技術の果ては自分たちが生み出した魔王による滅亡だったわぁ』

『皮肉だな。当然とも言えるが…次…』


Q:最初の方でスティンガーの鎌で胸を弄られた時、ネメシスとリリウムちゃんと一緒にお風呂に入った時、ローズとネメシスに処女膜を確認された時などで女の気持ち良さを味わっているスドーですがその気持ち良さについてはどう思っているのですか?恐らく後ろから手をワキワキさせながら忍び寄って来る2人に襲われる前に教えて下さい。


『………(ワキワキ)』

『………(ワキワキ)』

『お前らェ…』

『さぁ、白状よぉ』

『で、ございます』

『ううぅぅぅ……かったよ…』

『え? なんて?』

『気持ち………ったよ…』

『聞こえないわぁ?』

『気持ち良かったよ! 身体がじんじんして! 熱いのに! 嫌じゃなくて…』

『お持ち帰りよぉ!』

『お持ち帰りでございます!』

『あ…止め…』






~ノクターンに行ってしまいそうなのでカットされました(割烹着姿で小皿にお玉を持って料理の味見をするオカンスドーが映った)~





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