蒼い色のごみ処理係 作:JS
琥珀 刃鐘。ミッドチルダにて活動する時空管理局に所属する特一等陸佐である。
その実力は上位。
陸戦で最高位の評価をもらうほどの腕前であり、現場に出る者にとってはどんな劣勢な状況であろうと必ず切り抜けることもあってか陸戦版のエースオブエースと呼ばれ頼りになる人物と言われている。……だが、それは外面からの評価である。
彼と仲が良い人物達の評価はまるで違った。
ある黒髪の狸はこう評価する。
「どうしたん? 突然質問なんて……あぁハガネ君やね。ハガネ君はそうやな……何て言うか昔から思ってたけど、一言で言うならバカやな」
ある金髪のツインテールはこう評価する。
「ハガネは私の……なんだろ? 家族……でもないし。友達……? んー」
そして、ある白い魔法はこう評価する。
「バカでお坦子ナスでバカァ! ……でも、私の大事なお友達」
コレはそんなバカな男が割と頑張ってるバカな男の話。
※※※
「……え"、奇襲作戦ってマジ?」
「マジもマジ、コレはハガネ君しか頼めない任務なんよ」
俺、
フェイトの母さんがフェイトの姉さんを生き返らせたくて起こした事件である
んで、そんな数々の事件に巻き込まれ続けた結果いつの間にか魔法使いになっちまったり、次元世界の警察である時空管理局に所属して仕事してたら特一等陸佐なんて肩書までもらっちまって人生って何があるかわっかんねぇよなぁ。
だからと言ってSSランク推奨の任務に俺だけを向かわせていい理由にはならない。
「でハヤテ、オフザケ抜きに何故俺だけなの?」
俺の目の前でニヤニヤついてんじゃねぇぞ狸。俺知ってるからな、お前最近書類仕事ばかりやってた影響で体重増えたって事をよぉ!
「そりゃハガネくんが私が動かせる人員の中で一番スタンドアローンに長けいてどんな状態であってもキッチリ強いからや」
「……ハァ~」
その言い方だともうすぐ設立されるはやての部隊、六課の人員じゃ扱えない事件って事ね。何が絡んだ事件なんだか……
「一つ聞く。表か裏、どっちの事件だ」
表だったら無理矢理でもなのはとフェイトを巻き込んでやる。裏だったら……1人でやるしかないような。
「裏や」
「クソがァ!」
裏って事は上層部や政治家達の汚職、なんかの決して表に出来ない思考が絡んだ事件って事じゃねぇーか! それでSSランクって事は相当な物だろうなぁ……嫌だなぁ。
「……補給物資は何時もの量を、使い潰しても問題ないアームドデバイスは何時もより多めで頼んだ……あぁーかったるぅ」
くっそだりぃ、特が付く階級だとこんな仕事がよく土壇場で舞い込んでくる事があるからくそったれにメンドイゾぉ。
「いつもありがとな!」
「いいって。どうせこの依頼も無理矢理左翼か右翼派の上層部から押し付けられたもんだろ、だったら仕方ないって」
※※※
「降下まであと10秒」
「あいよー」
俺は全身に数十ものアームドデバイスを身に着けメインのデバイスを使いバリアジャケットを身に纏った後、これから行う悲劇から目を背ける為に精神統一を図る。これから行うは虐殺だ、殺戮だ、全てを滅ぼす滅殺の滅びの光だ。けれど、これは求められた滅びであり必要な殺戮。変に考える必要も無い。
【ユウキ、すべてのデバイスとの同調が完了し準備が整いました。いつでも行けます】
「ありがとうな相棒。何時もすまねぇな、こんな任務に付き合わせたりしてさ」
【私は元とは言え闇の書の一部だった存在。このような破壊と悲しみしか生み出さなかった破壊の権化たる私がこのような形とは言え人様の役に立てると感じられているので問題ありません】
「あははは。相変わらずナハトヴァ―ルはマイナス思考だなぁ」
命綱であるフックを外した後赤いボタンを押す。すると自身の乗る輸送用へりの後部ハッチが開け放たれ、強風が全身を襲った。だがそんな風もものともせずに彼は歩き出す。
「降下5秒前!」
眼下にあるは目標の基地。そして俺の任務はその基地にいる人員を含めたありとあらゆる物の完全破壊。正直血生臭く、胸糞も悪くなる仕事だ。
「やるぞ、ナハトヴァ―ルッ!」
【了解です】
けどこれもすべてはお給料の為、頑張るしかねぇ。
「降下開始!」
「デーモン1、エンゲージ!」
俺は闇夜の夜を落ちてゆく。その手にあるデバイスで直下にある全てを壊す為に────
※※※
「集え、漆黒の闇」
蒼い鋼は地面を這い、土煙を上げながら全身に装備する幾つものデバイスから光が迫る。まき散らされる光はたった一発で被弾した優秀とされた要人護衛の魔導士たちの命を刈り取る。その威力はまさに一発一発が必殺の一撃。それが乱れ撃ちかの如く放たれ続け、まるでマシンガンのよう。
「全てを破壊する権化」
そしてそんな攻撃を繰り出している最中であっても地面を這う蒼い鋼は自身の両手に持つ二つの巨大デバイスに大量の魔力を込め続け、同時に神に祈るかのように彼は詠唱を続ける。その魔力量は周辺にいる魔法師達が威圧感のみ、気絶するほど膨大の量であり明らかに放たれては危険と判断した魔術師達は数々の攻撃を彼に与えるが彼の身に纏う強固なシールドに阻まれる。
「神に祈れ、血を捧げよ。お前達出来るのはそれだけである」
何処から幻聴のようなものが聞こえそして、絶望の一撃が放たれた。
「ダークネス・ブレイカー!!」
青い光が視界を覆い、その場にいる彼以外の人物の意識は肉体ごと消失した。
「……やっぱネーミングセンスおかしいよな」
残された彼はそう言い放つと既に瓦礫となった建物を破壊すべく動き始めたのであった。