東方狐憑依伝   作:如月日和

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最近、行き帰りの電車で爆睡しております。
だって、特撮モノは一度観たら最後まで止められないのです…。


三日目① 猫とマヨヒガ

 

 

早朝。

 

「霊夢、ただいま戻りました、よ…?」

 

「神霊【夢想封印】!!」

 

ピチューン。

 

永遠亭で催された例月祭も無事に終わり、片付けを手伝って戻ってきた私を襲ったのは、憤怒の表情を浮かべた霊夢による弾幕であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいたた…いきなりスペルカードは酷くないかい?」

 

「うっさい!アンタなんかもう知るか!どこへでも勝手に行きなさいよ!」

 

どうやら、久々にぶち切れているようだ。

追撃を加えようと、霊夢が私へ向けて腕を振り上げ、

 

「どうどう、霊夢さん落ち着いて」

 

後ろからにょきっと現れた青白に羽交い締めされる。

 

「ついでにコイツも没収しとこうぜ」

 

「そうね。さすがに室内で、スペルカードの乱れうちは勘弁だわ」

 

間髪入れず、黒白と七色により強制的に武装解除させられる。ここまでするか、と言いたいとこだったが、以前に、自分の主を酒の席とはいえ素手でぶちのめしていたことを思い出し、発しかけていた言葉を飲み込んだ。

 

「早苗?魔理沙にアリスまで」

 

「おはようございます、藍さん」

 

「よ、藍」

 

「おはよう、藍」

 

「ああ、おはよう。…いやいやそうでなく」

 

つい普通に挨拶してしまったが、何故こんな朝早くから3人がいるのだろう。問おうとしたことを察したのか、早苗が口を開く。

 

「私たち、昨夜はこちらで泊まらせてもらったんです」

 

「何しろ、どっかの紅白巫女があまりにも淋しそうにしてたもんだからな」

 

「ふふ、まるでただの女の子よね」

 

「うがー!」

 

周りから次々に昨晩のことを暴露され、羽交い締めされているのにも関わらず、手足をばたつかせる霊夢。

 

「…今はこんなだけど、昨夜は霊夢、本当に藍のことを心配していたのよ」

 

こっそりと耳打ちしてきたアリスの言葉は、さっきとはうってかわって真剣そのものだった。

 

「霊夢…」

 

私が静かに近づいて来るのを見て、早苗が羽交い締めを解いて魔理沙と共にアリスがいる場所に移動する。

霊夢はもう暴れてはいなかったが、「私まだ怒ってます」と言わんばかりの膨れっ面でそっぽを向いていた。

 

「すまないね、霊夢」

 

「…夜中に永遠亭から連絡が来たわ。アンタがまだ帰ってこない理由も、聴いた」

 

十中八九、永琳だろう。祭の間、変態的行動をとっては輝夜に叩きのめされていた姿しか覚えていないが、流石に抜け目ない。

 

「アンタが大怪我をしたって聴いた時、血の気が引いた。…もう少し、自分のことを大切にしなさいよ」

 

…ああ、そうか。霊夢の言葉でようやく気付く。彼女が怒っていたのは、帰りが遅くなったことでも、連絡しなかったことでもない。

 

「確かに、ちょっと軽率な行動だったかもしれない」

 

私が怪我をしたこと、その行動に憤っていたのだ。

 

「大丈夫。そう簡単に居なくなったりはしないさ」

 

私もまだまだ修行が足りないなあ。何十倍以上も若い霊夢に気付かされるとは。

ポンポン、と霊夢の頭を撫でると、少し頬を赤く染めつつも甘えるようにぐりぐりと擦り寄って来て、

 

「…それじゃあ、私たちはそろそろ帰るわね」

 

どこか笑いを含んだその言葉に、霊夢が凍りついたように動きを止めた。…そう言えば、私たち以外もここにいたなあ。

 

「邪魔したら悪いしなー」

 

「そうですね」

 

ニヤニヤ笑いを隠そうともしない黒白魔法使いに、微笑ましそうに(若干ギラついていたような気も)目を細める青白巫女。

…あ、霊夢の耳真っ赤。

耳だけでなく、顔全体が紅葉のように真っ赤なのは容易に想像ついた。もう少しだけこの姿の霊夢も見ていたいが、ここらへんで止めないとまた暴れかねない。

 

「3人とも、朝食はまだだろう?直ぐに作るが、食べていかないか?」

 

霊夢から離れ、取り出した割烹着を着ながら立ち上がる。早朝に戻ってきたが、今までのやり取りで大分時間が過ぎて朝食の時間帯になっていた。いつもなら、ここで了承の声が上がり、いつもより賑やかな朝食になるのだが。

 

「ごめんなさい、今日は朝から準備することがあるの」

 

「あー、実は私もだ」

 

「すみません、私も今日は…」

 

3人とも、それぞれ申し訳なさそうに辞退の意思を示してきた。

 

「そうか。いや、別に気にしないでくれ。3人とも、昨夜はありがとう」

 

私の感謝を笑顔で受け、3人はそれぞれの住まいに戻って行った。少しの間見送ってから、私は苦笑と共に後ろを見る。

 

「…さて、霊夢?」

 

「なに?」

 

先ほど離れたはずが、いつの間にか彼女は私の服の背中の掴んで近づいていた。

 

「せっかくだから、二人で作ろうか」

 

「…うん」

 

今日は久しぶりに静かな朝食かな。若干甘えモードの霊夢の手を握って、台所へ向かう私であった。

 

 

 




読了ありがとうございます!
また短い出だしとなりましたが、なるべく早めに次話も更新しますので、お待ち下さいね。
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