紫さまより、博麗神社で霊夢に修行をつけるように命令を受けたのが、つい昨日のこと。
宴会の片付けをしつつこれから1週間の修行メニューを考えるなど、紫さまの期待に応えられるように準備を整え、迎えた翌朝。
目を開いた私の前には、一人の鴉がカメラを構えて立っていました。
「てい」
「カメラごと!?」
取り敢えず、カメラのレンズ越しに右手でひと突き。
カメラごと顔面を破壊してやるつもりだったけれど、腐っても幻想郷最速。慌ててカメラを胸元まで下ろしてカメラ破壊を免れた。
…ただし、自身はその場から動いていないため、私の一撃を受けることになるが。
さくっ。
「あやや、爪、爪が刺さってる!?」
額を抑えて床でのたうち回る姿に冷たい視線を向けてから、私は大きく深呼吸。
神社周辺に怒号が響き渡るまで、後10秒。
少女説教中~しばしお待ちください~
「あ痛た…。もう、酷いじゃないですかー」
「こんな朝早くに他人の寝床に忍び込むのが悪い。…あと、ネガを出せ」
仁王立ちする私の前で正座をしているのは、パパラッチ鴉もとい、射命丸文。先ほど私が繰り出した一撃は、その無駄に良い反射神経により、眉間に軽く爪が刺さるくらいですんでしまった。ちっ。
「いやあ、いつもはマヨイガにいる貴女の寝顔を激写するチャンスだと思いまして」
「よし思い残すことはないな?」
「すみません反省してますのでその弾幕は消してください」
少しだけ名残惜しく、私の周りに展開していた弾幕を消す。
まあしかし、博麗の巫女を妖怪の賢者の式が修行をつける、というのは確かに今まで無かったこと(歴代の巫女は皆努力家だった)。
小さなネタを過大誇張するほどネタを探している文が食いつく可能性を考えていなかった、私の落ち度でもある。
というかネタを作ると言って、昔はよくあちこちにつれ回されて、修行の合間の貴重な休憩時間が何度潰されたことやら。
最近は、この幻想郷に新しい住人が増えているからそっちに興味が移っていたためか、実に穏やかに過ごせていたのに。
「…朝食は摂ったか?」
「はい?いえ、まだですが」
「今から朝食作るから、食べていくなら手伝え」
それだけ伝えて、私は台所に向かう。…まあ、一応は長い付き合いの腐れ縁の友人だし、朝食くらいは奢ってやろう。既に頭は、昨夜のうちに確認した食材からバランスの良いメニューを検索し始めている。
「あやや、食べます手伝います!」
予想通り、慌てて後ろから駆け寄って来る気配に、思わず笑ってしまい、文から訝しげな視線をもらうのは、別の話。
あ、まだネガを回収してなかった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます!
今回は短かったので、次はなるべく長めにしたいです。