【完結】俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、モブで才能ないけど頑張ります!〜   作:花河相

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「レイブン=イゴール」

 

 乙女ゲーム「純愛のクロス」の主人公。

 優秀な魔法騎士を輩出している名門、イゴール伯爵家の嫡男。赤髪、赤目が特徴で容姿端麗、頭脳明晰、才色兼備。

 全ての分野に置いて抜け目のない完璧超人。

 魔法の属性も光、闇以外の全属性持ちで魔力は無限。

 まさによくあるチート主人公設定。

 

 そしてその完璧超人が今俺の目の前にいる。

 どうしてこうなった?

 とりあえず謝らなくては!

 

「申し訳ありません。先程の数々の無礼お許しください!」

 

 俺はすぐに頭を下げて目上に対する敬語が合っているか分からないが、とにかく謝罪する。

 しかし、俺が謝ってもレイブン……の反応がない。

 もしかして俺打首?家取り壊し?

 

「………別に私は気にしていない。先ほどまでの態度も承知でそのままにしていた。それにこれから同級生となるんだ。そのような態度をする必要はない」

「……しかし」

 

 レイブンの言葉を聞き、俺は一度顔を上げ、様子を伺う。

 その時のレイブンの表情は気のせいかどこか悲しそうな顔をしていた。

 俺は数秒そのままでいるとレイブンは話し始める。

 

「王立フューチャー学園は立場関係なく、平等だ。そのため態度も先ほどと同じで良い。それにこれは私が望んでいることだ」

「………わかった」

 

 俺はレイブンの言葉を聞き、少し悩むがタメ口で答えた。

 てか学園は平等を掲げているが、それはあくまで体裁を保つため。

 これに従がえる生徒はほとんどいない。

 では、何故俺が目上の人相手にそのような態度を取ったかと言えば、わからない。

 俺にそう言った時のレイブンは少し落ち込んだ顔をしていて、どうも敬語を使うのを気が引けてしまったためだ。

 

「それで良い。改めてレイブンだ。これからお互い頑張ろう!」

「……ああ。よろしくレイブン様、俺はアルト」

「よろしく頼むアルト。それと様もいらない」

「わかった。レイブン」

 

 片言で変な話し方をしたためか、俺の対応にレイブンは少し驚くも、すぐに嬉しそうな表情をした。

 理由はわからない。

 正直言えば関わりたくない。

 でも、理由はわからないがどこか放っておけない彼に俺は少しだけ同情した。

 その後はお互い別れの挨拶をし、解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 俺がレイブンと別れてから一時間ほど時間が経ち、クーインが校門に到着。

 俺とクーインはゼフの待つ宿屋に向かう。

 俺のそばに来た時のクーインの表情はどこか余裕があるように見えた。

 俺は多分試験は平気そうだなと思いつつも、念のため確認することにする。

 

「試験はどうだった?」

「バッチリだ!!おそらく過去最高点」

「それはよかった」

 

 俺はその言葉を聞いて心底安心した。

 クーインは本当に努力した。

 俺の助けも多少あったかもしれないけど、それはクーインの努力によるもの。

 そしてそんなクーインだが何か気になったのか話してきた。

 

「僕試験終わるの早い方だったんだけど、なんでアルトの方が早くいるんた?」

「あれ?言ってなかったっけ?」

 

 あれ?俺クーインに推薦入試のこと言ってなかったっけ?

 念のため話しておく。

 

「俺、推薦入試で受けたから合格確定なんだよ」

「言ってねーよ!」

「いてーよ!何すんだよ!」

 

 推薦のことを話すと、クーインは頭を俺の頭を叩きながら言ってきた。

 

「当然の報いだね!おかしいと思ったんだよ。だから僕があれだけ緊張していたのにアルトは平気そうにしていたのか。友人ならそんな大切なこと報告しろよ!君にはガッカリした」

 

 クーインは俺にそう言って、先に行ってしまった。

 

 あ、話すの忘れてた……

 

 俺はそう思った後すぐにクーインの後を追う。

 その後怒り続けるクーインに謝罪を続けた結果、高級レストランのフルコースで許してくれた。

 ……なんか、してやったり、みたいな顔してたけどそこまで怒ってなかったのかな?

 俺は少し疑問に思うが、すぐにクーインの怒りが収まったので良しとした。

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