【完結】俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、モブで才能ないけど頑張ります!〜   作:花河相

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誤字脱字報告ありがとうございます。
とても勉強になりました。



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「アルト様、準備はよろしいですか?」

「ああ」

 

 そうゼフは言いながら模擬剣を構える。

 俺はそんな本気な雰囲気のゼフに一瞬怖気付くもの、すぐに頭を切り替えゼフを倒すことだけを考える。

 中段よりやや下の位置に剣線を向け構えているゼフに対して、馬鹿の一つ覚え、そう言われてもしょうがないが、それしかない俺はいつも通り八相の構えをする。

 現在俺はゼフと決闘形式で試合をする。

 決闘形式と言っても審判はいない。

 日が頂点に達し、穏やかな風が草木を揺らしている穏やかな雰囲気な空間と違って、俺とゼフの二人の空間は緊張感に包まれる。

 では何故俺がゼフと本気の模擬戦をやることになっているのか、それは数十分時を遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 王立フューチャー学園入学式十日前に迫ったある日、俺は王都に向かうため早めだが準備をしていた。

 準備と言っても、特にするものはない。

 着替えや日常品の準備のみ。

 あとは冒険者業で稼いだお金やゲームの情報をまとめたノートなどそれらを見返していた。

 冒険者業で稼いだお金は合計金貨二百枚ほど。

 しかし俺は必要最低限の費用を除き一切使っていない。

 それは王都についた時、必要に応じてアイテムを購入するため。

 貴重なアイテムはとても高額だ。

 数ヶ月前にカインさんにもらった魔力ポーションもそうなのだが、生産が難しい物、入手困難なものは普通は高すぎて買えない。

 サリー=クイスを救うためには一番の壁はやはり魔神だ。

 それを倒さなければならない。もちろん俺一人で。

 理由は魔神の性格にあり、それが俺の唯一の勝機だからだ。

 ゲームからの情報からだが魔神は常に自分より弱い生物を見下す性格をしている。

 それは魔神の油断であり、僅かだが付け入る隙ができる。

 一応主人公のレイブン=イゴールと少しだが交流があるため協力を頼むことも出来るのだが、それは不確定要素。

 ここはゲームの世界であってもゲームの世界とは別物。

 一応ゲーム要素もあるのだが、逆にそれが不確定要素なのだ。

 たとえ俺が協力を仰いだとして、魔神を倒せたらそれでいい。 

 サリーも救うことも出来、何より世界が平和になる。

 しかし、もしも魔神を倒せなかったら?その戦闘でレイブンが死んでしまったら?

 それはこの世界において終わりを意味する。

 ならば、原作通りに進めなきゃいいのでは?と考えたがそれも却下。

 この世界では復活はできない。

 命は一つだけでそれが尽きたら人生が終わる。

 もしも俺が意図的にイベント回避をしたとしたら確実に別の人間が死亡する。

 それは他の人が悲しむことを繋がり、俺はどうしてもそれが許せない。

 必要なことだからと一つのことを達成するために他を犠牲にするという事はしたくない。 

 出来るだけ最小限の被害で解決をしたい。

 そのために出来るだけ原作に添いたいのだ。

 それに一度避けただけでは一次凌ぎにしかならない可能性が高い。

 理由はサリーの生家、クイス家の家系にある。

 クイス家はゲームユーザーからは「生贄の一族」だなんて呼ばれていた。

 ゲーム設定でクイス家は約千年前魔神が復活した際、クイス家の人間が犠牲になった。

 理由はわからないがおそらく魔神は千年前のことを覚えていたのだろう。 

 ゲームではサリーを喰らって完全復活した。

 クイス家の人間を一度喰らえば完全に復活ができる、そう魔神は理解した。

 こう言った理由からサリーは狙われる続ける可能性が高いと判断した。

 相手は格上、俺の勝機はごく僅か。

 それでも少しでも可能性を高めるため、俺はお金を溜め続けた。

 

「アルト様、ゼフでございます。入ってもよろしいでしょうか?」

「……わかった」

 

 俺が考え事をしていると、ゼフがノックして入室許可を求めたため、了解した。

 気のせいの可能性はあるが、ゼフの声の雰囲気が何故かいつもより低いような気がした。

 だが、それは気のせいではなかった。

 俺はゼフの様子が少し変だったため、話しかけてみる。

 

「どうしたゼフ?何か用でも?」

「はい。本日はアルト様にお願いがあり、参りました」

「お願い?」

 

 質問に対してゼフは真剣な表情で肯定、俺に対して何かお願いがあるらしい。

 今までゼフが俺に対して一度もしたことがないこと。

 何か気になることでもあったのだろうか?

 俺はゼフが話し始めるまで数秒待つ。

 

「……私と剣を交えて頂けないでしょうか?」

「え?」

「私は幼少期からアルト様のことを見てきました。理由は私の自己満足でございます。学園入学前に、アルト様がどこまで成長したか、それを一度見定めさせて頂けないでしょうか?」

 

 ゼフは真剣な表情でそう言ってきた。

 俺の成長を見定めたい。その理由はわからない。

 でも、ゼフがそう頼んできたということはよっぽどゼフにとって大切なことなのだろう。

 ゼフは俺にとって恩人であり、育ての親のような存在。

 だから、俺はゼフに恩返しをしたいと常々思っていた。 

 これが少しでも恩返しになるのならと思い、了承する。

 

「わかった」

「……ありがとうございます」

 

 俺が了承するとゼフは安心したのか少しだけ表情が緩む。

 その後、俺とゼフは訓練場に向かった。

 そこには既に模擬剣が用意されていて、俺は用意されていた模擬剣をゼフから手渡されお互い準備をする。

 そして訓練場に着いてから十分ほど時間が経ち、お互い準備完了。

 俺とゼフは距離を空けて構える。  

 

 

 そして冒頭に戻る。

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。
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