【完結】俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、モブで才能ないけど頑張ります!〜   作:花河相

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 俺はこの世界に転生してからひたすら努力をし続けた。

 才能がなくても強者と戦うため、属性魔法を切り捨て、ひたすら無属性魔法を研鑽を重ねた。

 

 そんな訓練を続けて数年が経った頃、俺はふと、強者と戦う時に切り札となりある存在が欲しいと思い始めていた。

 でも、俺の才能ではそんな類のものの習得は無理であった。

 俺の魔力量が極端に少なすぎるため、破壊力のある攻撃は不可能。

 属性魔法は全く訓練をしていなかったため、風属性魔法を使うことは選択肢にない。

 一応ゼフにも相談はしたが、良い返事はなかった。

 

 

 

 そんなある日、ゼフとの戦闘訓練の時、不可解な現象が起こる。

 俺が追撃のため、ゼフに『バレット』を放った時であった。

 ゼフが魔法を発動させていた魔法陣が崩壊した。

 

 俺その不可解な現象を見た瞬間、すぐにゼフと共に不可解な現象の研究をし始めた。

 魔法発動をキャンセルする。

 それはゲームにもなかった存在であった。

 もしもその現象を意図的に起こせたら……。

 俺はせっかく見えた、切り札の予兆。それをものにするため必死に研究をした。

 だが、すぐには同じような場面を再現しようとしたが、同じ現象は起きなかった。

 その日以降訓練そっちのけで研究し続けた結果、あることがわかった。

 

 魔法発動時の魔法陣には刹那、乱れが存在していると。

 

 それは普通では視認できず、ある事をすれば見ることができた。

 『見切り』は俺の無属性魔法で最も頼りにしているオリジナル魔法。

 だが、それは見えるだけ。

 通常の『バレット』ではその刹那の乱れを捉えることができなかった。

 だから、考えを変えた。

 

 できないのから作れば良いと。

 

 そして、それから訓練を続けある魔法を開発した。

 

 『スナイプ』

 

 魔法陣を乱れを撃ち抜くためだけに特化した魔法。

 一度の戦闘でたった一度しか使えない、俺だけの切り札を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はオークキングの魔法を無力化するため『見切り』と同時にライフルの弾丸を生成する。

 そして、ギリギリまで待機して。

 

 ーーー撃ち抜く

 

『?!』

 

 オークキングの発動中であった、魔法陣が急に乱れ、消失した。

 そしてレイブンが『エレメントバース』を放出する。

 

ドカーン!

 

 水、火、土、風、四種属性を持つレイブンのみが使える必殺の一撃がオークキングに直撃した。

 

「く!」

 

『エレメントバース』が直撃し、爆風が広がり俺は吹き飛ばされないよう剣を地面に刺して、耐える。

 それからおよそ数十秒後、爆風が落ち着き、俺はレイブンの安否を確認する。

 

「はぁ…はぁ…はぁ」

 

 限界なのだろう。

 レイブンは肩で息をしながら、俺を見ていた。

 よかった。

 俺はそう思い、レイブンにゆっくりと近づいていく。

 正直俺自身も限界だ。

 『スナイプ』は俺の魔力量の半分を消費する。

 実戦ではあまり使用できない。

 本当にこれは俺にとって切り札、今回のようなどうしようもない時にしか使わない。

 

「レイブン、無事か?」

「はぁ…はぁ……あぁ、大丈夫だ」

 

 本当に辛そうだ。

 今もなお、肩で息をしている。

 

「おつかれ!お前と一緒にいてよかった。一人なら確実に死んでた」

 

 俺はレイブンに労いも兼ねてお礼をいう。

 

「それ言うなら私もだ。アルトがいなければ死んでいたかもしれない。あの時、君の適切な指示、情報の共有ができなければ大変なことになっていたよ」

「そんなことはないさ……いや、この話はやめようか。多分このまま同じような言い合いで終わりそうだし」

「そうだな」

 

 お互い笑い合い、褒め合いをやめる。

 キリがないためそろそろ、退散しよう。

 その話を俺は切り出そうとした。

 その瞬間

 

『クソ』

「「?!」」

 

 土煙の中から倒したと思っていたオークキングの声がする。

 俺とレイブンは驚き声が方向へと視線を向けた。

 

「なんで……」

 

 レイブンはそう声を上げた。

 それもそうだ。

 倒したはずのオークキングがまだ生きている。

 そう判断したら誰だってそう思うだろう。

 

「レイブン……まだ戦えるか?」

「……いや、もう魔力が底を尽きそうだ。それに動けない」

「そうか。俺も無理だ。魔力はー割も残ってない。……逃げ切れるかわからないが、退散しよう」

 

 俺らはどちらも限界であった。

 そのため、俺の提案にレイブンは黙って頷く。 

 この場で唯一の救いはオークキングも行動不能なほどのダメージを受けていたこと。

 このまま、とどめを刺した方が良いのではと思ったものの、倒しきれない可能性がある。

 俺の魔力も一割以下、レイブンは魔力の使いすぎで限界に近い。

 この場は生き延びるために逃げるのが最善。

 

「……わかった」

 

 レイブンは俺の質問に承諾し、その場を退散した。




最後まで読んでくださりありがとうございました。
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