【完結】俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、モブで才能ないけど頑張ります!〜   作:花河相

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 オークキングとの一件、とりあえず俺とレイブンは無事に乗り越えた。

 特に大きな怪我は無かった。

 だが、事は一大事だ。

 

 安全なはずのノウブル森林にSランク級の魔獣が現れた。

 

 この事実はいち早く解決しなければならない。

 じゃなきゃ被害がどこまで出るかわからない。

 俺とレイブンは帰還後、すぐに冒険者ギルドに相談しに行った。

 

 だが、結果として取り合ってもらえなかった。

 それもそうだ。「突然モンスターパニック現象が起こり、Sランクモンスターが出現した。そして、それをBランクとCランクの冒険者二人で対処し、逃げ切った」

 こんな事、誰が信じるだろう?

 信じるに値する証拠も一切ない。

 結果は後日調査する。

 そう言って返されてしまった。

 ギルドを出る際、他の冒険者から笑われたりもした。

 

 俺とレイブンはイラついたものの、今は目の前のことを解決するため、急いでカインさんの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは本当なのか?」

「信じてもらえるか分かりませんが、事実です。別に信用していただかなくても結構です。最悪、私たちだけで協力者を募り、オークキングの討伐をしますので」

 

 現在学園の応接室。

 俺とレイブンはカインさんに会ったことの全てを報告した。

 しかし、やはり信用してくれていないのか、確認の一言を言われ、レイブンはそれに対して俺と相談した、今後のことについて話す。

 

 協力者というのはレイブンなら、モーインとサリー。

 俺ならゼフとクーインの二人。

 これだけの人数がいれば倒せる。

 俺とレイブンでほぼ互角。

 それに加えてゼフが前衛に加わり、チート魔法使い三人(一人はややチート)が加われば倒せる。 

 

「いや、違う!少し驚いただけだよ。君たち二人がこれほどまでに消耗し、それでも勝てなかった。共闘してまでも勝てない。そんな相手いるとは思わなかったんだよ」

 

 カインさんは慌てて否定と弁解をする。

 ……カインさん、俺のこと過大評価しすぎでは?それと共闘しても勝てなさそうな人いますよ……魔人とか魔神とか。

 でも、それほど信用してくれたってことなのかな?

 とりあえず、確認をしてみる。

 

「カインさんは信用してくれていると思ってもいいんですか?」

「ああ。そう思ってくれていい」

「そうですか……よかったです」

 

 俺が確認するも、カインさんはそう言ってくれた。

 本当によかった。

 正直、オークキング討伐を確実にするのにどうしてもカインさんの力が必要だった。

 カインさんは俺の知る限り現時点で最高位の魔法使い。

 ワイルドウルフの一件でそれは思い知らされている。 

 それにカインさんは経験豊富である。

 幾ら魔法使い三人がすごい資質を持っていたとしても、カインさんの経験には敵わない。

 だから、討伐に参加してほしいと思った。

 

「カイン先生……今後の方針はどうするべきですか?」

「すぐに倒すべきだろう。そんな危険な魔物を放置するわけにはいかないからな……できたら準備を今からして明日には討伐したいのだが……二人はどうだ?」

「俺は平気です。魔力が回復すれば平気ですから」

「私もアルトと同じです」

「分かった。では、今から準備を開始しよう……イゴール君とアルト君は無理をさせてしまうが、先程言っていた協力者に話をしてきてほしい。ところで、その協力者というのは誰なんだ?」

 

 カインさんはそう方針を決めた後、誰の協力を求めるのか聞いてきた。

 とりあえず、情報共有は大切だ。

 そう思い、正直に答える。

 

「私はモーインとサリーの二人に協力してもらうつもりです」

「俺は同じクラスのクーインと執事のゼフに協力をお願いします……ゼフの腕前は保証します。現役ではA級冒険者でしたし、俺の師匠でもあります」

「……ゼフ?……A級冒険者?」

 

 どうしたのだろう?

 カインさんはブツブツと何かを言いながら考え始める。

 

「カインさん、どうかしましたか?」

「いや、なんでもない。……これは確認なんだが、ゼフというアルト君の執事の年齢は七十歳近くで、武器は剣かな?」

「はい……そうですが」

「本当か!!」

 

 バン!と机を叩きながらそう言ってきた。

 本当どうしたんだ?こんな驚いてるカインさん見たことない。

 

「あの……アルトの執事がどうかなさったのですか?」

 

 耐えかねたのか、レイブンは興奮気味のカインさんにそう聞いた。

 レイブンはナイスプレー!

 俺は内心そう思いながら、もカインさんの返答を待つ。

 カインさんの反応、ゼフのことを知っているような感じだ。

 カインさんはレイブンの指摘され、少し落ち着いたのか、椅子に座り直し話し始める

 

「すまない。これはまだ、確信を持っているわけではない。……これは今から五十年ほど前の話なのだが、「ドラゴンスレイヤー」と呼ばれたすご腕冒険者がいたんだ。でも、その冒険者はある時を境に行方をくらませてしまった」

 

 ん?なんかめっちゃゼフに心当たりあるんだけど、五十年前、すご腕冒険者、行方不明……。

 とりあえず、カインさんの話を聞こう。

 

「その冒険者の名前はゼフと言ってね。私の父の恩人でもあったんだ。……まぁ、考えすぎだな。そんな偶然はないか。すまない気にしないでほしい。とりあえず今から二人は協力を頼む人たちのところに向かってほしい」

「「はい」」

 

 カインさんはそう言いながら、話を戻す。

 俺もレイブンも了承する。

 

 もしかして違うよね?

 カインさんは偶然と言っていたけど、可能性がある。

 でも、その可能性を拭いきれなかった。

 とりあえず、後でゼフに聞いてみよう。

 そう思い、俺とレイブン、カインさんは行動を開始した。

 

 

 

 ゼフの話を置いておくとして、正直俺もレイブンもコンディションを完全に整えるなら二日の期間を設けるべきだろう。

 でも、オークキングを放っておく方がもっと危険だ。

 何より、ゲームのシナリオから大幅にずれる。

 もう結構外れているけど、魔神復活の流れだけでもそのままにしたい。

 オークキング討伐後どうなるか分からないけど、今は目先の問題を対処しよう。

 そう決めた。




最後まで読んでくださりありがとうございます。
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