【完結】俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、モブで才能ないけど頑張ります!〜   作:花河相

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 翌日、オークキング討伐のため朝日が登る時間にノウブル森林へと向かった。

 オークキング討伐のため、早めに向かったのだが……。

 この件は思っていた以上にすぐに片付いた。

 俺たちは過剰戦力であった。

 チート三人にA級冒険者のカインさん、そしてかつて「ドラゴンスレイヤー」と言われた熟練のゼフ。最後に大地の操作も可能なチートなクーイン、そして最後に俺。

 オークキングのいる場所はカインさんの『探知魔法』で探り、見つけ次第倒す算段を立て、それぞれ役割を決めた。

 俺、ゼフ、がメインで前衛、モーインとサリー、カインさんが魔法援護、クーインが土魔法で地形を操作して妨害、最後にレイブンが一撃必殺の『エレメントバース』を放つ。

 

 単純でわかりやすいこの戦法。

 結果見事にハマり戦闘開始三十秒もしないで終わった。

 その光景を見た俺とレイブンは少し呆然としていた。

 ……俺たちがあんなにも苦労したのに。

 

 俺とレイブンは同じことを思ってから顔を見合わたが、レイブンは肩で息をしていた。

 前回よりも威力が高く、オークキングは一撃で魔素なり消え、大きな魔石のみが残る。

 途中俺とゼフ、魔法使いのモーイン、サリー、カインさんの魔法攻撃があったため、その効果もあるかな……。

 まぁ、結果はどうあれ終わったんだ。

 良しとしよう。

 

 念のため言っておくと今回の戦法では一応俺の『スナイプ』も入っていた。

 魔法を無力化できる。 

 そんな魔法を使わないてはない。

 だが、それは俺とレイブンの中だけで交わされた。

 理由としてはあまり切り札を晒したくないから。

 レイブンには「もしも何かあった時は使うから黙っていてほしい」とお願いをしていた。

 

 結果使う前に戦闘が終わったが……。

 

「なんかあっけなく終わったね」

 

 オークキングとの戦闘が終了し、完全に気が抜けてしまい、モーインがその雰囲気に耐え兼ねたのかそうコメントをする。

 

「……確かにそうね。無事に終わってよかったわ」

 

 サリーまでもが、展開の速さに本音を言う。

 

 無事に終わった。

 

 周囲を警戒するが、特に異常がない。

 強い魔物が現れると周囲の生態系は崩壊する。

 ノウブル深林は弱い魔物しか存在していなかったが、その魔物の姿もない。

 今この場は安全地点。

 

 この場にいる全ての人が気を抜いた状態となっていたのだった。

 

 なってしまった。

 

 

「「う!」」

 

 瞬間、俺の周囲から突然うめき声が聞こえた。

 俺はその声に反応し、周囲を確認する。

 すると何故かゼフとレイブンが倒れていた。

 そして、何故かクーインの周囲に黒い魔力が充満していた。

 

「おい……何やってんだよ」

 

 戸惑いながらも俺はクーインに問いかける。

 何故?

 その疑問が脳内を支配する。

 

「……ごめん」

 

 クーインはそう謝りながら、涙を流す。

 そして、クーインを中心に充満していた魔力濃度が濃くなり、そして

 

「な……ん……で」

 

 俺は体が震える。

 そこには全長二メートルほどで全身骨で所々に筋肉の筋が見える。

 お腹あたりに赤い水晶が丸見えの人型をしている魔物。

 ゲームで何度も見た……魔神が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クーインは幼い頃から人格が二つあった。

  

 二つあるとしても、二重人格とも違う。

 もう一つの人格は偶に話しかけてきて、最良の選択を示してくれていた。

 それは生まれてすぐ、人格が形成されていない言葉が分からないときでもなんとなく感覚でわかった。

 

 泣けと言われたら泣く。

 そうしろと言われたらそれに従う。

 

 クーインは小さい時からそれに何も言わずに従ってきた。

 もう一つの人格の言うことが全て最善の選択だったためだ。

 

 アルト=クロスフォードとの出会いもそうであった。

 

 もう一人の人格から仲良くしろ。こいつの言う通りの態度で接しろ。

 

 クーインは戸惑うも従った。

 結果は良い方向へと進んだ。

 

 もちろん貴族、クロスフォード領主の息子と友人という立場の獲得、そして、クーイン自身初めてとなる心を許せる友人を得た。

 揶揄えば面白い反応をする。面白いことがあれば一緒に笑い合える友人を。

 

 

 それらはクーインにとってアルトと過ごしていくうちに自身の価値観が日々変化していった。

 

 そんなある日もう一つの人格から「王立フューチャー学園」に合格しろ。

 

 そう言われた。 

 王国で最も難しい試験。

 一平民でしかなかったクーインにとっては無理難題であった。

 普通なら……。

 クーインはアルトと友人であった。

 そのため、頼ることにした。

 アルト自身、快く引き受けてくれて、合格するための勉強から実技の訓練まで一緒にしてくれた。

 

 そしてアルトと試験対策を必死にして迎えた試験当日、またも、もう一つの人格から声がかかる。

 

 目の前の女の情報を探れと言う命令。

 

 そのことについてクーインはすぐにアルトに聞き、情報を得た後、もう一つの人格から見つけた。と一言そんな声が聞こえた。

 

 その時のクーインは理解が出来ず、ただただ困惑するだけであった。 

 ……そのおかげで緊張感はなくなり、試験に集中できたのだが。

 

 試験の結果は合格。ハレて最難関と言われる登竜門をクリアした。

 

 クーイン生まれて一番うれしい出来事であった。

 親友と言えるアルトと一緒に努力して合格した。何より、今まで育ててくれな母親に良い報告ができる。

 合格が決まった日は昼にアルトと会いお互い盛り上がり、夜は母親が奮発しご馳走を用意してくれていて、楽しい一日を過ごした。

 

 

 

 そんな幸せな思いをしたクーインであったが、学園入学の次の日、状況が一変する命令がくる。

 

 

 サリー=クイスを殺せ

 

 そう指示され、クーインは戸惑った。

 何故そのようなことをしなければいけないのか……。

 生まれて初めてそんな疑問を感じた。

 流石にこれには従えないと生まれて初めて拒否をした。

 

 そしてその日以降、もう一人の人格からの声が掛からなくなった。




最後まで読んでくださりありがとうございます。
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