CCCCCCCCCROWNED!!! 作:この先、何人も……。
「最大120連〜! そいや! そいや! 来たれ、アヤべさん!! ポチィっ!」
ドカーン。
「ぐぉぉぉぉお!?」
□
『ひひーん』
「よし、今日も元気そうだな」
可愛くひと鳴き。ぽんぽんと軽く背中を叩かれる。流石は厩務員。手馴れた手つきだわね。
はてさて。世界は広しと言えど、十連無料に踊り狂った挙句ガチャをポチった瞬間、謎の爆発によって吹き飛ばされる人間は僕だけだろう。
それはそれとして、気が付いたら馬だった。
ところで僕のおにんにんはどこ???
……ふう。落ち着いた。定期的に現状に対する憤りで発作が起きるのだ。仕方ないね。
僕の名前はシロナ。
所謂転生者と言うやつで、前世は男、今世は芦毛の牝馬。ちくしょう、畜生になっちまった!
ちなみにシロナというのはオーナーの別れた元カノの名前をもじったらしい。未だに振られた理由が分からず、十年経っても一途に想い続けているのだとか。草垣さん(僕の飼育係の青年)が流石にヤバ過ぎるとボヤいていた。僕もそう思います。
しかし、どうして僕は死んだのだろうか。理由はてんで検討が付かない。爆死なのか……?
だが何よりの問題は僕が牝馬であることだ。
ただでさえ馬だ。元人間な僕からすればあまりにもあまりな転生先と言うしかない。
その上牝馬とは、罰ゲームにも程がある。
だって、どちらにせよ牡馬と一発ヤるんでしょ??? じゃなきゃ馬肉。なんてこったい。
「よーし、シロナ。ミルクの時間だぞー」
まあ、悩んでも仕方の無いことというのもある。何はともあれ、今はミルクだ。
うまー。
草垣さんの手にある哺乳瓶にしゃぶり付いてミルクを堪能する。いや本当に美味い。馬になったことで味覚が変化してるのは間違いなかった。
我が母はどうやら僕を産んだ後すぐに死んでしまったらしい。
だが聞いてくれ。我が父は、あの
これは来たと思ったね。
だってあのメジロマックイーンだぞ? 大盛況のアニメウマ娘プリティーダービー二期の主人公格の一人。曇り顔の匠。
馬主殿はあんまり僕に期待してくれてはいないらしいが、それでもメジロマックイーン産駒として産まれたからには、いっちょ頑張って天皇賞を狙いたいと思うのは仕方ないことだろう。
密かにやる気メラメラ。さあ、この僕の時代が始まる……!
そんな時、悲劇が起こった。
「あー、先輩カイ〇ューは無しっすよ」
「はっはっは、卑怯とは言うまい」
ミルクを飲んですくすく大きく。
そんな折り、草垣さんと彼の先輩である熊谷さんが、何やらケーブルで繋がれた見覚えのあるゲーム機を手にして言い合っているのを目撃。というか〇ームボーイですね。はい。会話の内容からして往年の名作ポケモ〇、それも赤緑くらいか?
オイオイオイオイ、今どきゲームボ〇イ? 今どきポ〇モン赤緑? なんて首を傾げていた僕を見て、面白がった熊谷さんは笑いながらちらりと画面を見せてきた。
やっぱり予想的中、ポケ〇ン赤緑だった。
「お、シロちゃんも興味あるか? これ少し前に出たゲームなんだけど、すっげー面白いんだわ」
「いや、先輩、シロナに言ってもポケモ〇なんて分かんないですって」
そりゃそうだ。やっぱり熊谷さんは馬鹿である。
……あれ?
〇ケモン赤緑の発売は1996年の2月のはず。がっつりやり込んでいた僕の記憶に間違いはない。
それが、少し前に発売されたゲーム……? つまり今年は1996年……ってこと?
え。
え???
あ。
―――【悲報】牝馬にTS転生したら覇王世代だった【馬刺確定】
単純人間なので感想とか貰えるとスゴイウレシイ。