白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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まずはお詫びを。
投稿出来ずにすいません。
実は2000文字程度書けているんですがその後の展開がどうも上手く書けなくて。
このままだと大規模侵攻編がズルズル行っちゃいそうなんでどうしたもんか悩んでおります。
12月中にはどうにか形にしたいと思ってます。
それまでは少し幕間を挟みたいと思います。

…失踪はしないです!
書き切りたいです!


幕間
幕間 出水公平の独白 〜天才〜


──出水ダウン、2-0、綾瀬川リード。

 

機械音が俺のダウンを告げる。

 

今までに見たことのない速度で距離を詰めた綾瀬川は俺のトリオン体をいとも容易く斬り裂いた。

 

 

 

…いや、綾瀬川と会ったばっかの時もこんな攻撃食らったっけ。

 

 

──

 

第一印象はパッとしない、地味な奴。だった。

 

 

C級の戦闘服に身を包み、何故か友人である三輪秀次とつるんでいた。

 

「よう、三輪。お前がランク戦ブースにいるなんて珍しいな。」

 

俺は三輪の肩を小突きながら話しかける。

 

「…出水か。陽介が探していたぞ。」

 

「ああ。それならさっきランク戦してやったよ。槍バカは太刀川さんに絡まれて太刀川さんとやり合ってる。」

 

三輪の言葉にそう返す。

 

「…見ない顔だなー。C級か?」

 

三輪の隣にいる男に声をかける。

 

「…B級だ。隊に入ってないから隊服はそのままだ。」

 

その男の代わりに三輪が答える。

 

「…綾瀬川だ。三輪の友人なんだな。よろしく頼む。」

 

聞いていると気が抜けそうなくらいの抑揚のない声。

瞳はビー玉のように無機質だった。

 

「ほー、綾瀬川ね。俺は出水。太刀川隊で射手をやってる。お前はどのポジションなんだ?」

 

「奇遇だな。オレも射手をやってる。」

 

「マジ?!ちょっと撃ち合おうぜ!」

 

ボーダーでは数少ない射手と言うポジションに俺は興奮気味に綾瀬川を誘う。

 

「…分かった。」

 

 

 

 

 

「アステロイド!!」

 

俺の放ったアステロイドが綾瀬川を包み込む。

 

 

『綾瀬川ダウン、9-0、出水、リード。』

 

 

二宮さんや加古さんと戦ってきたからか。

綾瀬川はものすごく手応えのない相手だった。

 

「うーん、やっぱあの人達がおかしいだけかぁ。」

 

目を細める俺の前に綾瀬川が戻ってくる。

 

「悪いな、手応えなくて。」

 

「いや、別に…」

 

そう言いながら俺はトリオンキューブを構える。

 

まあいいか、終わらせよう。

 

 

そう思ってフルアタックの構えを取ろうとした時だった。

 

 

 

目前に綾瀬川が迫っていた。

 

 

「ッ?!」

 

「…メテオラ。」

 

いつの間にか綾瀬川の背後に作られていたトリオンキューブ。

 

それは光り輝くと仰け反った俺に襲いかかる。

 

「ちっ…!」

 

どうにかシールドを展開。

 

爆風を防ぐ。

 

「アステロイド!」

 

サブトリガーでアステロイドを生成。

綾瀬川目掛けて撃ち出す。

 

 

 

 

 

綾瀬川の目はそれ一つ一つを見定めるように高速で動いていた。

 

 

 

高いトリオンから放たれた弾幕に、綾瀬川は為す術なく穴だらけにされる…

 

 

 

 

…ことは無かった。

 

 

 

煙が晴れるとそこには無傷の綾瀬川が。

 

 

 

そのまま、綾瀬川は俺との距離を一瞬で詰めると、弧月を一閃。

 

 

俺のトリオン体を真っ二つに斬り裂いた。

 

 

 

──

 

 

「あの時もこんな風に俺をぶった斬りやがったよな?綾瀬川。」

 

俺は過去の事を思い出し、綾瀬川に尋ねた。

 

「あん時はお前火事場の馬鹿力とか言ってたけど…全部計算づくだったって事か?」

 

「今のお前に偶然だったと言ってお前は信じるか?」

 

「…信じねえな。」

 

「なら無駄な問答だ。言っただろ?時間も惜しい。」

 

そう言って綾瀬川は弧月を構える。

 

「希望があれば聞こう。バイパーでの撃ち合いでも構わない。」

 

「いんや、弧月でいい。…随分余裕そうじゃねえか。ぜってー穴だらけにしてやる。」

 

太刀川さんや緑川とやってたおかげだ。

 

 

 

…目で追えねえ速度じゃなかった。

 

メテオラでの広範囲爆撃、あとは視線で綾瀬川の動きを読む。

 

 

俺は神経を研ぎ澄ませる。

 

 

 

 

 

「…旋空弧月。」

 

 

 

 

 

──は?

 

綾瀬川の姿がぶれたかと思うと、綾瀬川は弧月を抜いていた。

 

 

音は遅れてやってきた。

 

 

キィと甲高い旋空の音。

 

 

隣の家屋や、電柱は切られたことを自覚したように綾瀬川が弧月を鞘に収めた瞬間に崩れ始める。

 

 

 

俺が切られたと自覚したのもその瞬間だった。

 

 

生駒旋空。

 

攻撃手6位の生駒さんの代名詞だ。

 

 

「ハッ…マジかよ…。」

 

 

 

──出水、ダウン。3-0、綾瀬川リード。

 

 

 

「お見逸れしたぜ、綾瀬川。爪を隠してやがったな?」

 

「隠していたつもりは無い。使う機会がなかっただけだ。」

 

「どーだか…。俺にその爪を見せやがったのはどういう訳だ?」

 

俺は綾瀬川に尋ねる。

 

「言っただろう。合成弾を教えて欲しいと。」

 

「本気で言ってんのか?今までわざと負けてまで実力を隠してきたお前がそれだけのために俺に本気を見せるってのか?」

 

その言葉に綾瀬川は少し考えた後口を開いた。

 

「…お前はなにか勘違いしてるみたいだな、出水。」

 

綾瀬川は弧月の鍔を触りながらそう話す。

 

 

「お前の技術、センスは賞賛に値する。…オレはここであらゆるトリオン技術を学んだ。攻撃手、射手、銃手、狙撃手、特殊工作兵、オペレーター。…エンジニアもだ。」

 

 

綾瀬川はさらに続ける。

 

 

「だが…弾トリガーを混ぜるなんて発想は思いつかなかった。…その生みの親がお前なんだろう?出水。お前が簡単に扱う合成弾もオレにとっては未知の技術。それを教わる以上リスクのある対価を支払うべきだ。」

 

「…なるほどな。そこまで俺の合成弾を褒められるとは思わなかったぜ。」

 

綾瀬川の言葉に俺はトリオンキューブを生成しながらそう返した。

 

「合成弾だけじゃないさ。お前にも興味がある。」

 

綾瀬川は俺の目を見ながらそう話した。

 

 

「ボーダーでもトップクラスのトリオン能力、センス、発想力。オレにないものをお前は持っている。そんな奴と戦ってみたかったんだ。」

 

話は終わりと言うように綾瀬川は弧月を抜いた。

 

 

 

 

「…オレに敗北を教えてくれ、出水。」

 

 

 

 

そう言って弧月を振るう怪物に俺は為す術なく蹂躙された。

 

 

 

 

「っ…クソ…。」

 

 

 

敗北数は重なり、既に90回俺のトリオン体は切り裂かれた。

 

 

「あー、もう降参。弧月持ったお前に勝てる気がしねー。」

 

俺は諦めたように両手を広げ仰向けに寝転がる。

 

 

「ラスト10本は俺の得意でやらせてもらうぜ。」

 

「撃ち合いか。分かった。正直撃ち合いは不利だな…。」

 

「勝てねえって言わねーのがムカつくな。」

 

俺はトリオンキューブを生成しながら立ち上がる。

 

「そうでも無いさ。完勝は出来なそうだ。」

 

 

綾瀬川もトリオンキューブを分割。

 

俺のバイパーと綾瀬川のバイパーが衝突した。

 

 

 

 

──綾瀬川ダウン。90-5.綾瀬川リード。

 

 

 

「やるな、出水。」

 

「たりめーだ。舐めんなよ。」

 

撃ち合いが始まってから5本。

俺は連続で綾瀬川から得点を上げていた。

 

 

「トリオンも高いし、技術もだ。バイパーをオレより扱えるやつがいるとは思わなかった。」

 

真顔で褒められる。

なんだかむず痒い。

 

 

「…それに合成弾はどれだけ見ても意味がわからない。なんで混ぜようと思ったんだ?」

 

「何となく。曲がるメテオラとかめちゃくちゃ強くね?って思ってバイパーとメテオラ合わせたら出来たんだよ。」

 

「やはりお前はオレの想像以上の男だ、出水。」

 

綾瀬川は改まってそう言った。

 

「だが…お前の弾はもう見切った。悪いがここからは気持ち良く勝たせてやることは出来なそうだ。」

 

「言うじゃねえか。やってみろよ。…メテオラ+バイパー、トマホーク!」

 

俺の合成弾に合わせて綾瀬川はトリオンキューブを生成。

 

バイパーか?

 

そう思った瞬間に、綾瀬川の姿が掻き消える。

 

 

 

予想通り。

 

「回り込んでアステロイドだろ?!分かってんだよ!」

 

俺は合成弾を消して振り返り、メインはシールド、サブでアステロイドを放つ。

 

「…メテオラ。」

 

 

距離を詰めた綾瀬川の掌底から、押し出すようにメテオラが至近距離で放たれる。

 

分割もされなかったそのトリオンキューブは俺のシールドを砕き、トリオン体に風穴を空ける。

 

 

 

「…は?」

 

「分割なしのメテオラだ。お前のトリオンがどれだけ多くてもそんなに広げたシールドじゃ防げないぞ?」

 

「んだそれ…。」

 

その後も綾瀬川の猛攻は続く。

 

シールドを纏った手から撃ち出される至近距離でのメテオラ。

化け物じみた反射神経で俺だけ爆風に包まれ綾瀬川は何ともないように避けやがる。

 

 

「だーっ!至近距離でメテオラとか頭おかしいだろ!?なんでお前は避けれるんだよ!?」

 

「まともな撃ち合いじゃオレはお前には勝てない。お前がオレには無いトリオン能力の高さとバイパーの技術を活かしてオレに勝ったようにオレはお前に無いもの使ってお前と戦っているだけだ。」

 

「それが至近距離のメテオラって事かよ…。」

 

「自分の作り出したメテオラの爆撃範囲なんて簡単に演算できる。この演算能力はオレのサイドエフェクト。お前には無いものだ。」

 

「!…サイドエフェクト…道理で。」

 

「緑川や米屋が言っていたことがわかった気がする。強い奴との戦いはいい刺激になった。

 

 

…お前とのランク戦は楽しかったぞ、出水。」

 

「何終わった気でいやがる、まだ5本残ってんだろ!」

 

俺は笑みを浮かべてトリオンキューブを生成、綾瀬川もトリオンキューブを作り出した。

 

 

 

 

──出水ダウン。95-5、勝者綾瀬川。

 

 

 

「5本だけか〜、マジで化け物だなお前。でも楽しかったわ。約束通り合成弾は教えてやんよ。帰ろーぜ。」

 

「…」

 

そう言って出口に歩き出した俺を綾瀬川は何も言わずに見ていた。

 

「どうした?」

 

「…聞かないんだな、オレが実力を隠していた事、この施設の事も。」

 

 

その言葉に俺は苛立ちを覚える。

 

「か〜っ!めんどくせえなお前は。聞いて欲しいのか?あぁ?」

 

俺は綾瀬川の頭を叩く。

 

「聞いてお前が真面目に答える気がないのは分かってんだよ。気ぃ遣って聞かないでやったんだからお前からその話すんじゃねえよ。」

 

「いや、お前になら話してもいいと思ってたんだが…そういう事なら何も言わない。」

 

「え…?マジ?」

 

「…え…。」

 

 

──

 

今じゃB級トップの万能手としてボーダーに名を馳せた綾瀬川。

 

活躍する度に思う。

綾瀬川は俺を高くかっていたが、俺では綾瀬川に遠く及ばないのだと。

 

綾瀬川がその実力を徐々に発揮していくのを見ると嬉しい気持ちになった。

ボーダーはそれだけ綾瀬川の予想を超える場所だった。

 

二宮さんに撃ち合いを仕掛けた綾瀬川を見て俺は静かに笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

「出水、お前はオレのサポートだ。

 

…太刀川さんとブラックトリガーを抑え込む。」

 

無機質な目で敵を見据える綾瀬川。

 

 

 

「…りょーかい。」

 

 

 

綾瀬川の隣で出水公平はトリオンキューブを構え、笑みを浮かべた。




時系列
綾瀬川との本気の模擬戦(原作前ROUND2の後)

綾瀬川との出会い

綾瀬川との本気の模擬戦(原作前ROUND2の後)

原作前ROUND8

黒鳥争奪戦



綾瀬川清澄→天才射手。自分に無いものを持っている。



幕間ではこんな感じで原作キャラと綾瀬川の絡みを書きたいと思ってます。
大規模侵攻についてはどうにか形にしますのでもう少々!もう少々お待ちを!

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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