最大射程35mの旋空弧月と、リアルタイムで弾道を引く
そしてそこに狙撃と合成弾が加わる。
まさに
その最大の強みは、手数の多さ。
それに勝つための戦略、それは至極単純。
意識外からの狙撃。
そしてもう1つ。
何もさせない事。
奇襲による早期決着。
早撃ちが売りの弓場は拳銃を抜く。
しかし、目前まで迫った横薙ぎの旋空が弓場の視界を割る。
「っ?!」
…それは偶然だった。
決着を焦った弓場は足元のマンホールに足を滑らせる。
だからこそ、弓場は紙一重で旋空を避ける。
弓場の頭上スレスレを通り抜けた弧月は、弓場の後ろの建物を切り倒す。
弓場は直ぐに片手を突いて、もう片方の手で綾瀬川目掛けて、アステロイドを発砲。
綾瀬川は、シールドで受けながら、体勢を低くして弓場との距離を詰め、弧月を振り下ろす。
弓場は上体を反らして避けると、綾瀬川に回し蹴り。
綾瀬川は片手でそれを受ける。
──
『ここで中央に向かう弓場隊長と、綾瀬川隊員が衝突!綾瀬川隊員の旋空一閃!弓場隊長はギリギリでそれを避けました!』
『まあ偶然だねー。』
──
「今ので落としたと思ったんだがな。…演算をミスったか。」
そう言って綾瀬川は視線をマンホールに落とす。
「今日の俺はどうやらツイてるらしい。…バケモンが。どんな抜刀速度してやがんだ?あァ?!」
弓場は足を下ろすと、その足を軸にし、もう一度蹴りを叩き込む。
綾瀬川は、クロスした腕で受け、後ろに飛んで受け流すと、トリオンキューブを生成する。
「…バイパー。」
「!」
綾瀬川の背後。
トリオンキューブが生成される。
「させねェよ…
…トノ!」
『了解。』
弓場は外岡の名前を叫びながら拳銃を抜く。
「ウチのオペレーターを舐めないでください。射線はもう知ってるんですよ。」
そう言いながら綾瀬川は横目で、離れたビルにに視線を向ける。
極小に固められたシールド。
それが、外岡の放ったイーグレットを弾く。
バイパーは細かく分割され、弓場の弾を撃ち落とす。
「あとは弾道を演算すればいい。」
バイパーとアステロイドはお互いに相殺し合う。
「メテオラ。」
地面を抉るメテオラ。
視界を奪う。
「ちっ...ヤロォ…!」
弓場は土埃の中、レーダー便りでアステロイドを放った。
土埃の中、綾瀬川の反応がレーダーから消える。
『バッグワームか…トノ!見逃すんじゃねェぞ!』
『了解ッス!』
外岡のスコープには、土埃から距離を取った綾瀬川が映る。
その手は弧月に添えられていた。
『弓場さん!弧月です!旋空来ます!』
外岡はそう叫んで、綾瀬川に照準を合わせる。
弓場は旋空を警戒し、下がり警戒する。
(あれ…?俺…位置変えたよな…?)
スコープ越しに綾瀬川と目が合う。
「っ?!…ありゃ…?」
外岡は慌てて発砲。
しかし、読まれていたそれは当然防がれる。
そして、バッグワームを解除した綾瀬川はイーグレットを取り出し、外岡に向けた。
『…ハハ…マジか。
…すんません、弓場さん。』
そのまま、綾瀬川のイーグレットが火を吹き、外岡の額を撃ち抜いた。
──
『綾瀬川隊員のイーグレット狙撃炸裂!外岡隊員緊急脱出!初得点は柿崎隊!』
『さっすがー!』
榎沢は嬉しそうに言った。
『…綾瀬川の数少ない弱点と言えば意識外からの狙撃だ。
…だが…』
──
弓場は目の前で外岡を撃ち抜いた綾瀬川を見て、内心冷や汗を流す。
柿崎隊オペレーター、宇井真登華。
綾瀬川の下で、各マップの射線を研究し、その後は他隊に積極的に足を運び、機器操作技術や、オペレーターとしての指揮、あらゆる技術を学んだ。
宇井の射線管理能力、そして綾瀬川の演算で弾き出した狙撃手の移動先。
それにより綾瀬川には最早狙撃は通じない。
弱点であった遠距離からの攻撃は宇井のサポートにより弱点ではなくなってしまった。
それどころか、そこからカウンターで狙撃される始末。
これがB級1位、柿崎隊エース、綾瀬川清澄と、オペレーター宇井真登華の連携。
「なるほどなァ…なるべくして1位になりやがったわけか。」
『真登華、狙撃がないならもう大丈夫だ。』
宇井にそう告げて綾瀬川は弧月と、トリオンキューブを構える。
『もー、超疲れた…。』
宇井はぐったりと椅子に腰掛ける。
『おい、隊長達援護してやれよ…。』
『うわ、ひっどい清澄先輩。せっかく後輩が全力でサポートしてあげたのに労いの言葉もない訳ー?』
『へいへい。
…助かった、真登華。隊長達の方、頼んだぞ。弓場さんは手が掛かりそうだ。』
『はーい。』
宇井は嬉しそうにはにかむと、座り直し、モニターに視線を戻した。
──
『一方のマップ中央。柿崎隊の3人が合流しました!』
『影浦先輩が中央に降下しているので迎え撃つか、綾瀬川先輩の方に合流するかですね。帯島さんも弓場さんの援護に走ってますから。』
『あたしだったら綾瀬川センパイのとこには行かないかな。』
ようやくまともに解説しだした榎沢はそう告げる。
『なんで?』
時枝が尋ねる。
『だって綾瀬川センパイなら1人でもどうにかできるし。それだったら上から来てるえっと…ボサボサの人とやり合って1点取った方がいいでしょ。』
──
『弓場隊は清澄に任せる。やれるな?清澄。』
柿崎は綾瀬川に通信を入れる。
その言葉に綾瀬川は息を吸い、弧月を構え直す。
『了解。』
「俺たちはカゲとゾエをやるぞ。」
「「了解!」」
『真登華は絵馬の射線管理だ。やばそうなら清澄を援護してやれ。』
『りょーかい。』
──
『榎沢さんの予想通り、柿崎隊は影浦隊と交戦するつもりみたいですね。』
『影浦と北添はボーダーでもトップクラスの攻撃手と銃手だ。B級1位になったとはいえ影浦隊の2人は格上だ。それに東では絵馬が目を光らせている。』
『では、風間隊長は影浦隊が勝つと?』
『さあな。それは決着の時まで分からない。』
そう言って風間はうっすら笑みを浮かべると、モニターに映る照屋に視線を向けた。
──
3発の弾が空に打ち上がる。
「!、来たぞ、ゾエのメテオラだ。」
『絵馬くんの射線は私に任せて。』
『助かるぜ…真登華。』
「隊長。」
「ああ。」
柿崎はそう言ってレイガストを構え、地面に手を置く。
「エスクード。」
3人を囲むように大きな盾が地面に現れる。
少しして、北添のメテオラが着弾。
爆風に顔を覆いながら、来るであろう敵に警戒する。
爆風を切り裂くように、スコーピオンが伸ばされる。
柿崎はそれをエスクードで受ける。
「ハッ、綾瀬川のヤローがいねえのは残念だが…おもしれぇ。3人まとめてぶっ潰してやるよ。」
獰猛な笑みを浮かべ、B級最強の攻撃手、影浦雅人はスコーピオンを伸ばした。
──
『マップ北から降下していた影浦隊長と柿崎隊が衝突!』
『北添先輩の援護もありますからこれは読めませんね。』
『ふーん、これが…チーム戦…か。』
榎沢はぶっきらぼうに呟くと、棒付きの飴玉を口に運ぶ。
『榎沢さんは今回が初めてだもんね。』
『…まああたしは1人で良いけど。』
酷く冷えきった声でそう言うと、咥えていた飴玉を噛み砕いた。
──
「チイッ…!!」
影浦のスコーピオンは、柿崎のレイガストに弾かれる。
「メテオラ。」
エスクードの裏に隠れた照屋はトリオンキューブを分割し、影浦目掛けて放つ。
爆風をシールドで覆いながら、影浦は後ろに飛び退く。
それに合わせて、影浦の周りにグラスホッパーが展開される。
そして、巴がグラスホッパーの間を行き来しながら、影浦目掛けてアステロイドを発砲。
サイドエフェクトで弾道を読んだ影浦はシールドで受けつつ、避ける。
「エスクード。」
巴の相手をしている間に、柿崎は照屋と影浦を直線で結ぶように、エスクードで囲む。
「旋空弧月。」
三つ編みの髪を振りながら、照屋は弧月を抜刀。
影浦はジャンプでそれを避けると、照屋にスコーピオンを伸ばした。
「っと…。文香、守りは任せろ。遠慮せず行け。」
「了解!」
それを柿崎がレイガストで弾く。
『!、隊長、北添先輩が来ます!』
空中からの攻撃兼、北添の接近を警戒していた巴の視界にバッグワームをつけた北添が映った。
北添は、こちらにアサルトライフルを向けると乱射。
高いトリオンから放たれるアステロイドは柿崎のエスクードを削り始める。
「ちっ、おせーぞ、ゾエ。」
「ごめんごめん。狭い道ゾエさんのお腹引っかかっちゃって。」
「痩せろや。」
そう言いながら影浦はスコーピオンを構え直す。
「手強ーぞ。」
「みたいだね。」
絵馬の射線も宇井が目を光らせている。
「ハッ…おもしれぇじゃねえか。」
そう言って影浦は笑みを見せる。
「畳み掛けるぞ、文香、虎太朗!」
「「了解!」」
そうしてB級トップチームの二部隊はぶつかり合う。
あとがきに書くこと募集しようかな。
各キャラからの印象&各キャラへの印象
弓場拓磨→化け物。B級トップ万能手。
外岡一斗→当たる気がしない。
弓場拓磨←No.2銃手。ヤクザ。
外岡一斗←真登華のおかげでやりやすい。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。