白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

103 / 161
投稿します!


B級ランク戦ROUND1 柿崎隊VS影浦隊VS弓場隊④

綾瀬川は目の前で緊急脱出した帯島が残した光の道筋を目で追う。

 

『真登華、位置。』

 

『今やってる…!』

 

キーボードを叩く音と同時に、綾瀬川の視界には絵馬が撃ったアイビスの弾道と狙撃位置が表示される。

 

 

 

イーグレットは…

 

…もう遅いか。

 

 

 

綾瀬川は弓場のフルアタックを、フルガードで受けながら後退る。

 

『清澄先輩、ザキさんと虎太郎が落ちた。北添先輩はどうにか落としたけど…』

 

つまりあちらは照屋と影浦の一騎打ちという事になる。

ただでさえ照屋1人で影浦やるのは厳しいのに、そこに絵馬が加わると照屋の負けは目に見えている。

 

 

…絵馬の援護を潰すのが先決か。

 

 

綾瀬川は後退り、トリオンキューブを生成する。

 

 

「メテオラ。」

 

 

綾瀬川はメテオラで地面を抉ると、曲がり角、塀の裏に身を潜める。

 

 

 

『真登華、立体図出してくれ。』

 

『りょーかい…!』

 

 

「メテオラ+バイパー。」

 

そして弓場が来る前にトリオンキューブを練る。

 

 

 

「トマホーク。」

 

分割すること無く1発。

宇井から送られた立体図を頼りに、弾道を引く。

 

「余所見してんじゃねえぞコラァ…!」

 

土煙を切り裂き、弓場が綾瀬川のいる塀の裏にバイパーで弾道を曲げる。

 

「…っぶね。」

 

 

まだ着弾してないんだけどな。

 

 

綾瀬川は塀の上に飛び乗り、バイパーを避ける。

 

「影浦隊に浮気かコラァ…。俺と遊んでけや…!!」

 

弓場はフルアタックで綾瀬川に発砲。

 

『真登華、あと何mだ?』

 

綾瀬川は倒れ込むように避け、地面に着地すると縦横無尽に駆ける。

 

『40…30…20…10…

 

 

…着弾!当たったはずだけど…緊急脱出はしてないみたい。』

 

『削れりゃそれでいい。』

 

そう言って綾瀬川はシールドを展開。

その場に止まり、弓場のフルアタックをフルガードで受ける。

 

『文香、すぐにそっちに行く。少し堪えろ。』

 

『了…解…!!』

 

言葉を詰まらせながらも照屋は力強く答えた。

 

「余所見は終わりか、綾瀬川コラァ…!」

 

「悪いがあんたと遊んでる時間はもう無さそうだ。」

 

弾が途切れたタイミング。

そこで綾瀬川は弧月に手を掛ける。

 

逆手での抜刀。

そのままほぼノーモーションで旋空を放つ。

 

「ちいっ…!!」

 

縦に放たれた旋空を弓場は飛び退いて避けるが、片足を奪う。

そのままバッグワームを羽織り、弓場目掛けて駆ける。

 

「おもしれぇ…!!」

 

弓場は笑みを浮かべで、膝立ちでフルアタック。

綾瀬川は左右に避けながら、バッグワームを外し、弓場目掛けて投げる。

 

「っ…!!」

 

弓場はバッグワームごと、綾瀬川を狙いアステロイドを発砲。

 

しかし、それにより、バッグワームに隠したメテオラが起爆。

弓場の前で大きく爆ぜた。

 

『藤丸!!』

 

弓場のその合図で綾瀬川の姿がくっきりと視界に映る。

 

 

「旋空弧月。」

 

 

抜刀の構えだった。

弓場は、飛び退くと拳銃を向ける。

 

しかし、綾瀬川から旋空が放たれることは無かった。

 

 

その代わりに、綾瀬川の背後から、分割されたトリオンキューブが。

 

 

 

…綾瀬川の形だ。

 

 

空中、それも弓場はフルアタックの体勢に入っている。

 

 

「ヤロォ…読み合いになってねえじゃねえか、バケモンが。」

 

どうにか間に合ったシールド。

バイパーを防ぐために広がったシールド。

この状況こそが、綾瀬川の勝ちパターンだった。

 

「旋空…弧月。」

 

今度こそ放たれた旋空。

弓場のトリオン体を真っ二つに切り裂いた。

 

その様子を綾瀬川は目もくれることなく、駆け出した。

 

──

 

『綾瀬川隊員の旋空一閃…!弓場隊長もここで緊急脱出!!』

 

『綾瀬川先輩の勝ちパターンですね。綾瀬川先輩のバイパーを防ぐにはシールドを広げるしかありませんが…そこに高速の抜刀による旋空が放たれます。』

 

『うわ、きっもー。誰が避けれんの?あれ。』

 

榎沢はカラカラと笑う。

 

『弓場隊はこれで全滅、綾瀬川隊員の合成弾、トマホークにより、絵馬隊員も右足を失う大ダメージを負っています。』

 

『メテオラとバイパーの合成弾だ。分割無しの射程と威力重視の1発だ。弾速は狙撃手トリガーに大きく劣るが、射程は充分、自由さで言えばイーグレットや、アイビスを大きく上回っている。』

 

『そして綾瀬川隊員は中央に向かうと思いきや、東に走り出しました!』

 

『絵馬を取る気か…。』

 

──

 

『ちょ、清澄先輩?文香やばいんだけど。』

 

『…』

 

綾瀬川は何も言わずに東に走る。

 

『大丈夫よ、真登華。どの道私は無理そう。絵馬くんを自発的でも緊急脱出させといた方が後々楽だから。…ですよね?清澄先輩。』

 

『…ああ。』

 

──

 

『ユズル!綾瀬川がそっち来てんぞ!』

 

『ちっ、ユズル、緊急脱出しろ。』

 

影浦隊オペレーター、仁礼は絵馬に通信を入れる。

影浦からも通信が入った。

 

「くそっ…。」

 

絵馬は地面を這い、綾瀬川のトマホークで半壊したビルから、影浦と照屋の戦場をスコープで覗く。

 

照屋は影浦のマンティスにより、防戦一方。

柿崎が死に際に残したエスクードを利用し、どうにか生き残っている状況だった。

 

「っ…。」

 

絵馬は最後にアイビスを発砲。

 

「…緊急脱出。」

 

そして綾瀬川が60mの間合いに入る前に自発的に緊急脱出をした。

 

 

──

 

「オラ、どうした。鬼ごっこじゃねえんだぞ?」

 

「っ…。」

 

影浦はスコーピオンを振り回し、照屋との距離を詰める。

 

「メテオラ。」

 

弧月で受けながら、照屋はトリオンキューブを分割。

影浦にメテオラを放つと、柿崎が残したエスクードの陰に身を潜める。

 

「ちっ、うぜえ戦い方しやがるじゃねえか。」

 

煽るように言う影浦だが、これは本心だった。

前シーズンのROUND7よりも明らかにマンティスに慣れている。

相当研究してきたのだろう。

このまま時間を使って、綾瀬川を待つ腹積もりか。

柿崎が残したエスクードにより、それを利用したメテオラ爆撃。

距離を詰めれば、モールクローにより、足を狙われる。

かと言って距離を取れば旋空。

隙のない攻撃手になったものだと影浦は思った。

 

 

「ハッ…ごちゃごちゃ考えるのは俺に合わねーな。…掻っ捌く。」

 

影浦は獰猛な笑みを浮かべてスコーピオンを伸ばした。

 

 

その時、南から緊急脱出の光が上がる。

 

「「!」」

 

それは弓場のものだった。

 

そして綾瀬川の反応はすぐに東に走り出す。

 

『ちっ、ユズル、緊急脱出しろ。』

 

影浦は絵馬に通信を入れる。

 

内部通話の刹那、影浦の体にチクリと痛みが走る。

 

「あ?」

 

照屋が、弧月を抜き走り出す。

 

影浦はこちらに突っ込んでくる、照屋にスコーピオンを伸ばす。

 

「っ…!」

 

照屋は弧月で受け流すと、影浦の懐に飛び込む。

 

「ワンパターンなんだよ。」

 

足に刺さる痛み。

影浦は飛び退いて、地面から飛び出たスコーピオンを避ける。

想定済みの照屋はすぐに弧月を振りかぶる。

 

しかし、次の瞬間、絵馬の狙撃により、照屋の弧月が砕ける。

 

 

「!」

 

『ごめん文香!武器の射線までは読めなかった…!』

 

 

「ユズルの奴…余計な真似しやがって。」

 

そして、無防備になった照屋は影浦のスコーピオンにより切り裂かれた。

 

──

 

『ここで照屋隊員緊急脱出!影浦隊、4点目を獲得!そして絵馬隊員が自発的に緊急脱出!この試合の決着は影浦隊長と綾瀬川隊員の、1対1に委ねられることとなりました!』

 

 

──

 

片やB級最強の攻撃手(アタッカー)、影浦雅人。

過去の暴力事件により、ポイントを没収されているが、かつては個人ポイント10000越えの攻撃手。

 

そしてB級最強の万能手(オールラウンダー)…いや、完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)、綾瀬川清澄。

遠・中・近距離トリガー全ての個人ポイントが、8000越え、弧月は10000ポイントに至っている。

 

 

「よぉ、待ってたぜ、綾瀬川。」

 

弧月を片手にこちらにやって来た綾瀬川に、影浦は笑みを見せる。

 

個人ランク戦(ソロ)はしょっちゅうやってますけどね。」

 

綾瀬川は呆れたようにそう言うと弧月を抜く。

 

「前シーズンはお預けくらったんだ。

 

…楽しませてもらうぜ…!綾瀬川ァ!!」

 

影浦はそう叫んで、綾瀬川にスコーピオンを伸ばした。

綾瀬川は弧月でそれを砕く。

 

しかし、物怖じすること無く、影浦はさらにスコーピオンを伸ばす。

綾瀬川は、弧月を振るう。

 

 

勝敗を分ける、一騎討ちが今、幕を開けた。




この作品の前シーズンは作者のにわかにより、B級上位と中位混合でやりましたけど、今シーズンは分けようかなって思ってます。
そう考えると、原作のランク戦って上位も中位も同じ相手とめちゃくちゃやり合ってますよね。
例えばROUND7とROUND8では影浦隊と東隊は連戦ですし。
ROUND6で玉狛、生駒隊、王子隊がぶつかってるってことは、もう1つのB級上位ランク戦は二宮隊、影浦隊、東隊、鈴鳴ってことになるので、ROUND6と、ROUND7では影浦隊と鈴鳴、東隊は連戦ですよね?
てか、影浦隊と東隊3連戦ですねw
そんな感じで見てくと、分かってないROUND1とかから見てけば連戦とかヤバそうですよね。
二宮隊と連戦とかどんな罰ゲームですかねw
連戦がない玉狛ってやっぱ主人公補正入ってるんですかね。
玉狛は主人公部隊だから仕方ないにしても連戦無いの割と奇跡ですよねw
作品の面白みを増すには混合にした方がいいのかな…。
アンケート取るかもです。

感想、評価等お待ちしてます。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。