『綾瀬川隊員により、東隊、奥寺隊員が緊急脱出!柿崎隊が2点目を獲得しました。これにより柿崎隊は3人、生駒隊3人、王子隊3人、東隊が2人と東隊が不利な展開となりました。』
『有利不利で言えば生駒隊も不利だろう。柿崎隊が中央の三つ巴から離脱したことにより、生駒隊と王子隊の一騎打ちになった。生駒さんは左手を落とされている。生駒隊と王子隊では中距離火力が上の王子隊が有利だ。』
──
「きよぽん達また逃げよったで。」
「しんどいッスね…!」
南沢はそう言いながらも笑みを浮かべ、王子隊に向き直る。
「蔵内は、弾で援護。樫尾はグラスホッパーでの陽動だ。ここで生駒隊を落とす。」
王子はそう指示を出すと弧月を構える。
「生駒隊は窮地ほど強いよ。…油断せずに行こう。」
「「了解!」」
──
(トラッパーだからといって少しばかり軽率に動きすぎたか…。もう少し警戒すべきだった。)
東は考え込む。
(スイッチボックス、弧月、バッグワームタグ…後の枠は2つ。…さすがに1つはシールドだろう…。多くのトラップに、弧月を使うトリオンを合わせればもう1枠は空きと考えるのが妥当か。
…いや、綾瀬川相手に決めつけるのは悪手だ。それで何度も痛い目を見てきた。…綾瀬川清澄…か。
…本当に何者なんだ?)
「…たく、嫌になるな全く。」
そう言って東は笑みを浮かべると、アイビスを構えた。
──
「悪くない。…隊長が欠けたのは痛手だが…文香は残っているし生駒さんは手負いだ。虎太郎もまだライトニングは見せていないからな。」
照屋、巴を近くに転送した綾瀬川はそう言いながらレーダーに目をやる。
「どうしますか?隙を突いて中央にしかけますか?」
照屋が綾瀬川に尋ねる。
「仕掛けるのは生駒隊と王子隊の決着が着いてからだな。現状うちに中距離の火力はない。生駒さんと蔵内先輩が落ちてからがいいんだけどな。」
そう言いながら、綾瀬川はスイッチボックスを開く。
「こことここはショートワープになってる。
…奇襲で点を取る。」
──
『さて、マップ中央の生駒隊と王子隊の一騎打ちは激化!南沢隊員、樫尾隊員に組み付く!』
『上手いですね。相手との距離を詰めることで弾トリガーを封じています。蔵内先輩も無闇に手は出せないでしょう。樫尾を巻き込んでしまいますから。』
『王子隊もたまらず弧月で応戦!』
『遠くでは隠岐も目を光らせている。王子隊としても近距離で戦うしかないだろう。どちらも味方を巻き込む恐れがある以上、生駒隊は狙撃を、王子隊は弾トリガーを封じられている…近接戦闘では生駒隊に分がある。』
──
『どーします?水上先輩。俺移動しますか?』
隠岐が水上に尋ねる。
『それもいいんやけどな…。』
水上は顎に手を当てながら考える。
『…狙ってるやろうなぁ…どっちも。』
水上の懸念は綾瀬川、そして未だ動きを見せない東だった。
『ショートワープがある以上きよぽんは横取りに来るで。漁夫られるのは堪忍やなぁ…。』
『きよぽん達はさすがに移動してますよね?』
『…いや、してへんやろ。』
隠岐の問を水上は否定する。
『え?なんでです?あれだけ東隊と派手にやり合ってたやないですか。』
『あー、言葉の綾やな。…きよぽんは移動してるやろ。…ただトラップは増えてない。虎太郎と照屋ちゃんを動かせるのはさっききよぽんがいた部屋しかないんや、虎太郎と照屋ちゃんはそこにいるやろ。』
『…東さんは撃たないですね。壁抜き狙いそうな頃やのに…。』
『相手はバッグワーム付けてんで。博打にも程があるやろ。それに…だからきよぽんは場所を変えてないんや。射線は宇井ちゃんがある程度絞ってるやろ。変に壁抜き狙って失敗したら即位置バレやで。』
『うわ…きよぽんこっわ。狙撃手釣ろうって訳かいな。』
『ほんっと…厄介なチームになりよったで…柿崎隊。』
──
『仕方ない、クラウチ…弾トリガーを使おう。』
王子隊と生駒隊、お互い決め手がない現状に、王子は蔵内にそう指示を出した。
『ある程度巻き込んでも仕方ない。柿崎隊の奇襲の前に点を取っておきたい。』
『分かった。』
蔵内は短く答えると、トリオンキューブを生成した。
「!、海!」
「ハウンド。」
「うひゃぁ!?ヤバ!!」
樫尾と鍔迫り合いをしていた南沢はグラスホッパーで飛び退く。
「「ハウンド!」」
王子、樫尾の声が重なる。
「海、あんま距離とんなや…!」
生駒のシールドが南沢を守る。
「助かったッス…!」
南沢は生駒の隣に着地すると、すぐさまグラスホッパーを展開。
「!」
しかし、眼前にはタイミングをずらして放った蔵内の弾が迫っていた。
「っ…!」
南沢はシールドを展開する。
『イコさん、それ合成弾です!』
『マジかいな…!』
生駒、南沢はシールドを固定。
蔵内の放ったサラマンダーを受け切る。
しかし、その爆風を切り裂くように、樫尾、王子が飛び込んでくる。
「ヤッバ…イコさん!」
南沢はグラスホッパーを生駒の足元に展開。
生駒を後ろに逃がす。
「海!」
「後、任せたッス…!」
そのまま、王子の弧月に切り裂かれ、南沢は緊急脱出する。
「逃がさない…!」
好機と感じた、樫尾は生駒と距離を詰める。
『待って樫尾くん!狙撃手注意…!』
「!」
橘高の通信に樫尾は急停止するも、隠岐のライトニングに足を撃ち抜かれる。
「よーやったで、海、隠岐。」
「しまっ…」
「旋空弧月。」
足を失った樫尾。
それを逃がすほど、NO.6の攻撃手は甘くない。
放たれた旋空に樫尾は両断される。
「っ…!!」
王子はスコーピオンと弧月を重ねて旋空を受ける。
「サラマンダー…!」
「…」
直後放たれた、蔵内のサラマンダーにより、生駒もここで緊急脱出。
隠岐を除いた生駒隊が緊急脱出し、この場を王子隊が制した。
『清澄先輩、いつでも行けます!』
『了解。』
それと同時に、地面にボーダーのエンブレムが輝く。
「やっぱり来たね、てるてる、巴タイ…?!」
言いかけて、王子は目を見開く。
照屋と共にショートワープで戦場に現れたのは、巴ではなく、綾瀬川だった。
「なっ…綾瀬川!」
蔵内はトリオンキューブを構える。
『虎太郎。落ち着いて撃て。…蔵内先輩は動いてない。』
『了解です…!』
蔵内の背後50m。
綾瀬川、照屋の陽動の陰でひっそりと転送された巴はライトニングの引き金を引く。
「クラウチ!」
弾速重視のライトニングに、蔵内のシールドも間に合わず、為す術なく貫かれる。
「仕上げだ。畳み掛けるぞ、文香。」
「はいっ!」
「やってくれるね…利根川…!」
「その呼び方、止めてください。」
王子の言葉に、綾瀬川は目を細め、弧月を抜いた。
──
『く、蔵内隊員緊急脱出?!これは…ライトニング!巴隊員が使ったのはライトニングです!』
『…驚きました。巴が狙撃手トリガーを使うなんて…。』
『狙撃手の合同訓練にはたまに参加していたが…実践で使える程の腕ではなかった。蔵内先輩が合成弾を放った無防備且つ動かないタイミングを狙ったからこそ出来た芸当だ。綾瀬川が前線に出て来ると言う自分を使った陽動…そして…ライトニングでなければシールドも間に合っていた。本当に…』
(お前には何が見えている、綾瀬川…。)
──
不自然に、王子隊、生駒隊の戦場の離れた位置に設置されたトラップ。
最初に東はそこにカメレオンを使った綾瀬川が潜んでいると踏んでいた。
だが、実際には綾瀬川は戦場近くの建物に潜んでいた。
ならばその位置のトラップは何のために設置したのか。
その答えは、生駒隊、王子隊の戦闘の直後知ることになる。
そこに現れた巴の狙撃によって。
「これが答えか…綾瀬川。」
アイビスの銃声1発。
遠くから戦場を見ていた、No.3狙撃手東春秋により、巴のトリオン体が吹き飛ばされた。
「本当に…恐ろしい奴だな…。」
ROUND2もいよいよクライマックス。
好調の柿崎隊の前に、戦術の天才が立ち塞がる。
各キャラからの印象&各キャラへの印象
東春秋→恐ろしい奴。何者なんだ?
奈良坂透→どこまで見えてるんだ?
東春秋←何者?こっちのセリフ。
奈良坂透←誕プレできのこの里渡したらキレられた。いや、その髪型でたけのこ派は聞いてない。
次回で決着かな。
幕間挟むかも。
これからも読んでいただけると幸いです。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。