白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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遅くなりすいませーん!!
試合自体は決着です。


B級ランク戦ROUND2 柿崎隊VS生駒隊VS王子隊VS東隊⑤

「!」

 

トリオン体を吹き飛ばされ、虎太郎はそのまま、緊急脱出する。

オレは放たれたアイビスの弾道の先に目をやる。

 

不敵に笑う天才、東春秋がそこにはいた。

 

「ちっ…。」

 

オレ目掛けて、もう一度放たれるアイビス。

オレはそれを極小に固めた集中シールドで防ぐ。

 

「文香、作戦変更だ。…王子先輩はお前に任せるぞ。遠距離の要が落ちた。オレは逃げ延びる。」

 

その言葉に文香は息を大きく吸う。

 

 

「了解。」

 

そして、B級1位のエース攻撃手は短く答えた。

 

 

──

 

『ここで東隊長が動きました!ワープ先を狙った的確な砲撃に、巴隊員が緊急脱出です。』

 

『ワープの位置が不自然でしたからね…。そこを読んでの狙撃でしょう。』

 

『これには綾瀬川隊員、たまらず近くのショートワープに足をかけました。』

 

『隠岐、東さんが残っているからな。精度はどうあれ遠距離戦の要である巴が落ちた。シールド1枚の綾瀬川がこれ以上姿を見せているのは得策じゃない。』

 

『なるほど。中央の戦闘は柿崎隊のエース攻撃手、照屋隊員と王子隊長の一騎打ちとなりました!』

 

──

 

「いい機会だね、てるてる。前シーズンの最終戦のリベンジをさせてもらおうかな。」

 

王子はそう言って弧月とスコーピオンを構える。

 

「私の名前は照屋です。」

 

照屋はそう返すと弧月を握り直す。

 

 

まず仕掛けたのは照屋だった。

体勢を低くして、初動は斜めに動く。

 

「!」

 

 

 

 

(斜め…ですか?)

 

(ああ。人間は上下左右の動きには敏感で対処されやすいが…斜めは左右程敏感じゃない。特に斜め下だな。…低く、そして斜めに切り込め。)

 

 

 

 

視界の左斜め下から迫る弧月に、王子は何とか対応し、弧月で受けると、スコーピオンで切り掛る。

 

 

 

(お前は弧月とスコーピオンの両刀だろ?スコーピオンは弧月で受けるな。お前はトリオンも高いからな。スコーピオンの受け太刀はスコーピオンだ。弧月じゃ勿体ない。)

 

 

 

王子のスコーピオンを、照屋は左手から生やしたスコーピオンで受ける。

そして、そのまま、ハンドガンを生成する。

 

 

 

(いーい?メテオラはあくまで陽動。文香の攻撃手段は弧月かスコーピオン。当てるつもりで撃たなくていいわ。)

 

 

 

「メテオラ。」

 

ハンドガンから放たれたメテオラ。

王子はシールドで受けるが、爆風が視界を奪う。

 

 

 

(相手の視界を奪うって言うのはリスクが付き物よ。あっちがこっちを見えないってことは、こっちもあっちは見えないの。慎重に行きなさい。私?わ、私は別に良いのよ。ほら、感覚派だから。)

 

 

 

 

照屋は王子から距離をとると、スコーピオンを投げる。

そして、すぐに切り込む。

 

王子は飛んで来たスコーピオンにどうにか対応し弾く。

しかし、その隙の刹那、爆風を切り裂くように照屋の弧月が王子に迫る。

 

「っ!」

 

流石はB級上位の攻撃手。

王子はどうにか反応し仰け反るように躱す。

 

 

 

 

(手段が多くて考えて動く攻撃手…B級なら王子先輩か。そういう相手と戦う時はとにかく攻撃の手を緩めるな。主導権は握らせちゃダメだ。お前が後手に回ってちゃ相手に選択の猶予を与えることになる。相手を後手に回らせるんだよ。)

 

 

 

鋭く繰り出される、弧月とスコーピオンの連撃。

王子は防戦一方になっていた。

 

 

 

 

(お前はトリオンが高い。片方のメテオラはキューブじゃなくてハンドガンの方がいいと思うぞ。)

 

(どうしてですか?)

 

(ハンドガンは出したままスコーピオンを使えるようになれ。そうすれば相手は弧月、スコーピオン、そしてハンドガンの3つに警戒しなきゃ行けなくなる。相手に択を絞らせるな。)

 

 

 

 

ハンドガンは持ったまま、腕の側部からは、スコーピオンが生えている。

そして頻繁にこちらに向けられる銃口。

王子は発砲を警戒してか、攻めあぐねていた。

 

 

 

…強い。

 

 

 

王子はそう思わざるを得なかった。

当然と言えば当然だろう。

ボーダー最強部隊、玉狛第一のエース攻撃手、小南桐絵。

そしてボーダー2人目の完璧万能手、綾瀬川清澄。

2人のボーダー最強格に師事して数ヶ月。

持ち前のセンスと戦闘IQを活かして今や弧月、スコーピオンどちらもマスタークラスの攻撃手へと化けた。

 

 

「旋空弧月。」

 

 

照屋は弧月を振りかぶる。

王子は来るであろう斬撃に備え、弧月を構える。

 

ここで王子は気付く。

 

照屋と、トラップの反応が重なっていることに。

 

 

しまった。

 

 

そう思った時には弧月は加速を始めている。

 

 

そして消えた照屋。

 

 

 

真横からの斬撃に、王子はトリオン体を両断された。

 

 

「っ…最後の最後にやってくれるね…利根川。」

 

そう言いながら、王子の足元の、トリオンキューブが光り輝く。

置き弾のハウンドである。

 

 

 

(あと最後に1つ。敵の死に際は油断するな。ROUND2でもお前は那須の置き弾にやられただろ?)

 

 

 

照屋は振り返り、弧月を納刀。

そして、シールドが照屋を覆った。

 

 

「…完敗だよ。

 

 

…本当に。」

 

 

納刀と同時に、王子のトリオン体は光となって空に上がった。

そして、放ったハウンドは虚しくシールドに弾かれる。

 

──

 

『ここで王子隊長も緊急脱出!柿崎隊が4点目を獲得しました!』

 

『強いですね。照屋さん。自分も1対1の斬り合いはしたくない相手です…。』

 

──

 

『援護ありがとうございます…清澄先輩。』

 

照屋はバッグワームを羽織り、すぐに離脱。

拗ねた様子で綾瀬川に通信を入れた。

 

『なんで拗ねてるんだよ…。』

 

『…結局援護されたなと。』

 

『それがトラッパーの仕事だろ…。それに今は個人ランク戦じゃなくて、チーム戦だ。…最後に柿崎隊が勝ってれば良いんだよ。』

 

『そうですけど…。それでいいです…。東さんと隠岐先輩は撃って来ませんでしたね。』

 

『それはそうだろ。東さんはオレと隠岐。隠岐はオレと東隊がどこにいるか分からないんだ。それにここは「市街地A」。高台は限られる。位置バレの恐れがある以上普通(・・)は撃ってこない。』

 

 

その通信を受けた直後。

照屋の視界にバッグワームが映り込む。

 

 

泣きボクロが特徴の機動型狙撃手、隠岐孝二は小さな笑みを浮かべ、照屋にライトニングを向けていた。

 

 

 

 

──数分前。

 

『いやー、何とか王子隊に一泡吹かせましたね。』

 

生駒の援護をした隠岐は、グラスホッパーで位置を変えながら、作戦室の4人に通信を入れた。

 

『まあいいとこまで行ったんちゃう?』

 

『あとは時間切れまでバッグワームで潜んどきや。』

 

『りょーかいですわ。』

 

細井、水上の通信に隠岐は短く答えた。

 

 

 

生駒隊作戦室

 

「いやー、柿崎隊強いなぁ。」

 

生駒は作戦室の椅子にもたれ掛かり、グラグラと椅子の脚を揺らしながらそう言う。

 

「照屋ちゃんヤバいっすね。王子も防戦一方やないすか。」

 

「いやー、きよぽん先輩ぶった切れなかったですねー。」

 

「こりゃきよぽん逃げ切り作戦使いますよ。」

 

水上の言葉に作戦室に沈黙が生まれる。

 

「…ええんか、きよぽんの思い通りにさせて。」

 

スイッチが入ったように生駒は立ち上がる。

 

「3人も彼女いるんやで?」

 

「いや、付き合ってへんでしょ。てか結局妬みやないですか。」

 

「きよぽんに…いや、隠れてるから無理か…。そ、それなら柿崎隊にやり返さな終われへんやろ!」

 

 

 

『隠岐!!』

 

『え?あ、はい?』

 

 

──という訳で今に至る。

 

 

放たれたライトニング。

 

至近距離且つ高トリオンの隠岐により放たれた神速の弾丸は、照屋のトリオン体を撃ち抜いた。

 

 

その直後、隠岐のトリオン体は、隠岐の横の路地からバッグワームを羽織り現れた、小荒井により切り裂かれる。

 

 

「ですよねー。」

 

2筋の光が空に上がる。

生駒隊、東隊にそれぞれ1点ずつ加点される。

 

 

 

 

──

 

「ちっ…。」

 

やはり生駒隊は思い通りに動かないな。

そういう意味じゃ、水上先輩みたいなタイプが4人いた方が相手としては楽だったかもしれない。

感情で動くタイプはどうもやりづらい。

 

「4対3対2対2か。まあ重畳だな。」

 

オレはマンションの屋上への扉を開ける。

 

 

 

…決着は次の機会にとっておくとしよう。

 

 

 

横からの砲撃。

オレは集中シールドで防ぐと、視線を向ける。

 

 

 

そこには天才、東春秋がこちらにアイビスを向けていた。

 

 

 

「…」

 

 

オレは遠くに見える天才を見据える。

 

 

 

 

「東さん、あんたはオレに敗北を教えてくれるのか?」

 

 

 

 

 

 

柿崎隊

 

 

柿崎 0P

照屋 2P

巴 1P

綾瀬川 1P

 

合計 4P

 

 

 

生駒隊

 

 

生駒 1P

水上 0P

隠岐 2P

南沢 0P

 

合計 3P

 

 

 

王子隊

 

 

王子 1P

蔵内 1P

樫尾 0P

 

合計 2P

 

 

 

東隊

 

 

東 1P

奥寺 0P

小荒井 1P

 

合計 2P

 

 




まあこんな感じでROUND2は決着ですね。

照屋ちゃんの回想シーンでは、小南、綾瀬川が2人で照屋を教えているシーンを最初書いていたのですが、最終的に照屋ちゃんが「てめえらイチャイチャしてんじゃねえよ。」で終わる脱線エピソードになりそうだったので辞めましたw
見たい人が多そうだったら書くかも?


繁忙期で不定期にはなりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。
感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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