『ここで影浦隊長が緊急脱出。…笹森くんも…ね。』
影浦の緊急脱出を知らせつつ、月見は目を細める。
『事故…かな?』
来馬は苦笑いを浮かべる。
『事故じゃねえだろ。明らかにわざと巻き込みやがった。…カゲ相手にはいいやり方かもしれねえが…
…褒められたやり方じゃねえな。』
──
『オイ…榎沢テメェ…どう言うつもりだ?』
『え?あー…ごめん、うっかり巻き込んじゃった。』
諏訪の問いに詫びれる様子もなく、榎沢はそう言う。
『テメ…『待ってください諏訪さん。』』
青筋を浮かべた諏訪を止めたのは既に緊急脱出した笹森だった。
『俺は結果的に緊急脱出しました。でも…影浦先輩相手にはいいやり方だったと思います…!今は…ランク戦に集中してください…!』
作戦室で笹森は俯きながらそう絞り出す。
『日佐人…チッ…わーったよ。お前がそれでいいなら今は何も言わねえよ。
…だが覚えとけよ榎沢…そんなやり方で勝てるほどランク戦は甘くねえぞ?』
『…』
──
「うわ…榎沢さん日佐人くんごとやっちゃったよ…?」
観戦席でそう呟くのはB級1位柿崎隊オペレーターの宇井真登華。
「…事故…じゃないよね?清澄先輩。」
「なんとも言えないな。誤射…と言われればそれまでだ。」
宇井の問いに答えたのは同じく柿崎隊完璧万能手、綾瀬川清澄だった。
「まあ影浦先輩相手だったらいいやり方…なのかな?アハハ…。」
宇井は苦笑いで頬をかく。
「…悪くないんじゃないか?…ぶっちゃけカゲさんの回避能力はあーいうやり方をやらざるをえないほど手強い。それに…取られる点も減るからな。」
「え…?清澄先輩も榎沢さんのやり方に賛成なの?」
「…あくまで手段の1つに過ぎないな。真似するつもりはない。」
「そっか…ちょっと安心。…清澄先輩表情筋死んでるから本気なのか冗談なのか分かんないや。」
「お前最近ちょっとキツいよな…。」
「気の所為じゃない?…でも清澄先輩もあんなやり方されたら厳しいんじゃない?」
「…それはないな…
あんなやり方しかできない時点でオレの敵じゃあない。」
綾瀬川は冷えきった無機質な目を細めて、モニター映る榎沢を見た。
「…中位の方を見に行かないか?」
そう言って綾瀬川は立ち上がる。
「え?最後まで見てかないの?」
「この後の展開は読めるさ。
…榎沢じゃあの人には勝てない。」
そう言って綾瀬川は出口に向かって歩き出した。
「あっ、待ってくださいよー。」
宇井を待ちつつ、綾瀬川はモニターに視線を向ける。
「本当に…
…お里が知れるな。」
──
(そんなやり方で勝てるほどランク戦は甘くねえぞ?)
諏訪の言葉を思い出す。
「あー…うるさいなぁ…。ねえ、あたしの何がいけなかったと思う?あなたの隊長さん相手ならいい作戦だと思うんだけどなー?」
榎沢はハンドガンを向けながら北添に尋ねる。
「えぇ…?僕に聞くの?」
北添はそう返しつつ、榎沢にアサルトライフルを向ける。
「うん。」
そう言いながら榎沢はハンドガンを早撃ち。
北添のアサルトライフルの銃口に刺さり、アサルトライフルは暴発。
北添の腕を吹き飛ばした。
「っ…ま、まあカゲ相手にはいいんじゃない?…チームワークとか絆そう言う問題じゃないの…?ちょ、答えてあげてるんだから撃たないで…!」
利き手を失った北添は、シールドで榎沢の弾を受けながら、そう返した。
「チーム…ね。」
榎沢はそう呟いた後、グラスホッパーを展開。
北添との距離を詰めると、鳩尾に蹴りを入れる。
「…くっだらない。」
そう言って、高火力の早撃ちを繰り出す。
虚をつかれた北添はシールドも間に合わず、トリオン体を撃ち抜かれた。
「みーんな道具に過ぎないのに…。
…そうだよね?綾瀬川センパイ…。」
──
『北添隊員もここで脱落…。影浦隊は後絵馬くんだけになったわね。』
『二宮隊は犬飼くんが、諏訪隊は笹森くんが落ちてるけど…エースを失った影浦隊はかなりしんどいね。』
『残った諏訪隊は絵馬くんを取りに行く動きかしら?』
モニター見て月見が太刀川に尋ねる。
『絵馬は最初に撃ってるからな。大体の位置は割れてるだろ。だがこれは…』
──
「!」
合流した諏訪、堤の2人をまとめて両断するように旋空が放たれる。
「っ…ぶねぇ…。お出ましだぜ、堤。」
諏訪、堤は現れた刺客にショットガンを向ける。
「辻1人か?」
現れたのは二宮隊攻撃手、辻新之助。
ボーダーでも特に援護寄りの攻撃手…
…のはずだった。
『二宮さん、諏訪隊を捉えました。
…戦闘開始します。』
目を細めた辻に、諏訪、堤はショットガンの引き金を引く。
「…」
低く、そして斜めに。
辻は堤の懐に切り込む。
「!」
堤の腕が、ショットガンごと落とされる。
「堤!ヤロォ…!」
諏訪のフルアタック。
辻はシールドで受けつつ、受けきれない散弾を弧月で弾く。
『諏訪さん!』
小佐野の通信が、その男の到着を知らせる。
「…サラマンダー。」
そして降り注ぐトリオンの嵐。
「やべえ…!来やがった…!」
個人総合2位にして、NO.1射手、二宮匡貴。
射手の王が諏訪隊の前に立ちはだかった。
…だが、今回の敵は二宮ではなかった。
「新戦術を試すぞ。援護する。諏訪隊を蹴散らせ。」
「…了解。」
辻新之助
弧月 9784
ボーダートップクラスの弧月使い、綾瀬川清澄のランク戦仲間にして好敵手である辻。
綾瀬川に揉まれつつも辻は、着実に経験を重ね腕を上げた。
今の辻は、B級トップクラスのサポーター改め、トップクラスの攻撃手。
その立ち振る舞いは、さながら王を護る騎士の様だった。
B級2位部隊の伏兵は、王の援護を受けて諏訪隊に牙を剥く。
──
『二宮くんが援護…?!』
解説の来馬は思わず声を上げる。
『辻くんが主体で攻撃するみたいね。』
『立ち振る舞いっつーか、さっきの堤への切り込み…腕を上げやがったな…辻のやつ。』
──
「ハウンド。」
「っ…!」
二宮の高火力のハウンドが諏訪、堤に降り注ぐ。
それを諏訪、堤はシールドで受けるが、その弾幕を抜けるように、辻が切り込む。
諏訪は、ショットガンを盾にして、弧月を受ける。
「オイオイ…冗談きついぜ…。前までは二宮のガードに徹してた癖によ…。」
「俺は攻撃手なので。」
辻は再び距離を取る。
そして今度は二宮の弾幕が襲いかかる。
「クソが…!」
諏訪、堤はシールドを構える。
だがその視界の端。
弧月を構える辻が映る。
二宮隊の新スタイル、二宮の弾幕、辻の旋空弧月による超攻撃。
二宮の弾幕で、シールドを誘ったところに、辻の鋭い旋空が放たれる。
奇しくも、二宮隊をB級2位へと突き落とした、綾瀬川のスタイルに似たものだった。
だが、二宮の高トリオンによる弾幕は躱すという選択すら取らせない。
もはや動くことすらままならない弾幕に、堤は為す術なく辻の旋空に両断された。
「諏訪さん、あと頼みます…!」
堤は死に際、二宮目掛けてフルアタック。
二宮は姿を見せない絵馬を警戒してか、サブのシールドを残す為、弾幕を止めてシールドを張る。
弾幕の止んだ刹那、諏訪は辻にショットガンを向けた。
「悪ぃな、一緒に死んでもらうぜ…!」
だが、それを甘んじて受けるほど、B級のエリート攻撃手は甘くない。
辻はシールドで受けつつ下がり、旋空の構えを取る。
その刹那、諏訪のトリオン体は、遠くからの砲撃に貫かれた。
「がっ…?!」
「ちっ…。」
二宮はトリオンキューブを四角錐に、4つに分割。
「メテオラ。」
砲撃の放たれたビルに放つ。
──
「っ…!」
放たれた爆撃に、諏訪を落とした張本人、絵馬ユズルは顔を覆う。
「おー、いい腕だねー。さすがB級上位。」
パチパチと可愛らしく手を叩き絵馬に話しかけたのは先程影浦、北添を葬った、榎沢だった。
「でも残念。逆転劇はここでお終いみたいだね。」
榎沢はにっこりと笑みを浮かべ、絵馬にアサルトライフルを向ける。
「お疲れー。」
そして乱射。
絵馬もここで緊急脱出となり、影浦隊は榎沢の手により全滅となった。
そして榎沢はグラスホッパーを展開。
ラストバトルへと向かうべく飛び立った。
辻(え?女の子と戦うの…?…詰んだ。)
絵馬(横取りの絵馬とか言われてそう…。)
綾瀬川(辻めっちゃ強くなってんじゃん!最後まで見てけば良かった!)
各キャラからの印象&各キャラへの印象(榎沢)
諏訪洸太郎→ヤロォ…
北添尋→ヤバすぎる銃手。
二宮匡貴→警戒。
影浦雅人→イカれてる。
絵馬ユズル→イカれてる。
諏訪洸太郎←うるさいなぁ。
北添尋←デカい。
二宮匡貴←ポケインスーツの人。
影浦雅人←ボサギザ。
絵馬ユズル←チビ。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。