あんまり原作と変わりません。
まあちょっと違うので。
⋯てかまあまあ違うか。
これはB級ランク戦上位夜の部が1P差であるが、絶対的な強さを見せ二宮隊が制する少し前。
榎沢と、二宮隊のラストバトルが始まろうとしている裏ではB級中位のランク戦が行われていた。
「こっちは中盤ってとこか。」
「香取隊と荒船隊と…玉狛だよね。」
観戦席に来た綾瀬川、宇井は空いている席を探す。
「!、ししょー。」
そう声をかけたのは、A級6位加古隊攻撃手の黒江双葉。
「お、よー、アルティメットオールラウンダー。」
「なんだそれ?」
黒江の隣にいた米屋陽介の言葉にそう返す。
「いやー、トラッパーまで出来たらパーフェクトどころじゃないだろ?だから俺が考えてみた。」
「そんな幼稚臭いポジション勘弁だ。」
綾瀬川は視線を米屋の隣に移す。
「あ、ど、どうも。綾瀬川先輩。宇井さん。」
「古寺じゃーん。久しぶりー。」
米屋の隣にいたのは三輪隊狙撃手、
宇井がヒラヒラと手を振る。
「宇井先輩もこんばんは。」
「こんばんは、双葉ちゃん。」
そう言って綾瀬川と宇井は黒江達の上の席に座る。
「上位の方はどうよ。」
「…見るまでもないな。」
そう言って綾瀬川は目を細めた。
「…へえ。」
「…」
酷く冷たい目をする。
そう思いながら、古寺は冷や汗を浮かべながら息を飲む。
ブラックトリガー捕獲作戦。
結局のところ失敗に終わったこの作戦で、古寺は奈良坂と共に城戸派として参加。
しかし、忍田本部長派の介入、迅悠一のブラックトリガーにより撤退を余儀なくされた。
そこに切り札として投入されたのが、古寺の視線の先で冷たい目を細める綾瀬川清澄だった。
圧倒的な戦闘力、頭脳、判断に迷いのない冷酷さ。
城戸派の思想を形にしたような男。
それが古寺にとっての綾瀬川清澄という男の印象だった。
「…玉狛リードか。」
綾瀬川はモニターを見ながらそう呟く。
香取隊
香取 1P
若村 0P
三浦 0P
合計1P
荒船隊
荒船 0P
穂刈 0P
半崎 0P
合計 0P
玉狛第二
三雲 0P
空閑 2P
雨取 0P
合計 2P
「そうそう。相変わらず白チビがやべえな。…まあ今回はそれよりも⋯。」
「…マップか。『市街地C』か?」
「あれ?狙撃手有利なとこじゃなかったっけ?その割には荒船隊は0Pだね。」
宇井が首を傾げる。
「マップの選択権は玉狛だからな。んで今落ちてんのが…香取隊は若村と三浦、荒船隊は穂刈先輩が落ちてる。」
米屋の語る試合の流れはこうだった。
転送と同時に、荒船隊が高台を目指す。
それもそうだろう。
マップがマップだけに、狙撃手の動きは絞られる。
香取はいつも通り先行し、荒船隊の高台を取る動きを封じるべくグラスホッパーで上を目指す。
そしてそれを追う形で三浦、若村が香取を追う。
高台を取った荒船隊に対して、玉狛は下から雨取の射撃、いや、高いトリオンから放たれるそれは、もはや大砲による砲撃であった。
それに気を取られた荒船隊の穂刈は、下から詰めた香取により緊急脱出。
その香取を追っていた、三浦、若村は運悪くバッグワームを羽織った空閑と遭遇。
そのまま、若村をグラスホッパーを駆使して、緊急脱出させると、その後は三雲の援護を借りて、三浦も緊急脱出させる。
そして今に至るわけだ。
「なるほど。マップが『市街地C』である以上、狙撃手の動きは絞られる⋯よく考えたな。」
「大砲がある以上荒船隊は迂闊に撃てねえ。もし大砲が当たらなくても大砲に紛れて白チビに詰められりゃ
「香取隊は香取以外は全滅か。…厳しいな。」
「んー…まあ香取は1人でも点は取れっけど…マップがマップだからな〜。動きにくいだろ。」
「あ、あの。」
その合間に古寺が綾瀬川に話しかける。
「綾瀬川先輩ならこの状況…どうしますか?」
「…こうなった以上手の施しようがないんじゃないか?それに…地形戦は古寺の得意分野だろ?なんでオレに聞くんだ?」
「あ、いえ。綾瀬川先輩の意見を聞いてみたくて。」
「私も聞きたいです…!」
古寺に同調し、黒江が目を輝かせる。
綾瀬川は諦めたように口を開いた。
「…まあさっきも言った通り手の施しようがないな。特に香取隊は援護が死んだ以上迂闊な動きはできない。荒船隊に狙われるのを覚悟で大砲⋯雨取だったか?を落としに行くか、荒船隊を落としに行くしかないんじゃないか?カメレオンを使える若村と三浦が落とされたのは痛いな。」
「荒船隊はどうでしょう?」
「荒船隊もまあ厳しいが…
…あの人は狙撃だけじゃないだろ?位置も割れてないし、半崎の援護もある。」
──
「っ?!」
大振りで抜かれる弧月。
逆手だった。
香取はどうにか反応し、しゃがむように避ける。
「よう。うちの穂刈が世話になったみてーだな。」
ついに弧月を抜いたアクション派狙撃手、荒船哲次はそう言って笑みを浮かべた。
──
『玉狛有利なこの展開、動いたのはこの男!狙撃も弧月もマスタークラス!武闘派狙撃手、荒船隊長です!』
『荒船は元攻撃手ですからね。』
実況は海老名隊オペレーター、武富桜子、解説席には東隊隊長、東春秋と草壁隊攻撃手、緑川駿が座っていた。
『攻撃手の頃は弧月でバシバシ点取ってたね。今でもたまに弧月でランク戦してるよ。』
──
「ッ…!」
荒船の弧月により、香取は防戦一方。
半崎の存在もあり、攻めに回れないのが現状だった。
若村、三浦はもういないため、援護は期待出来ない。
(ほんっとに…)
「ムカつくわ!」
「!」
香取はグラスホッパーを複数展開。
乱反射とまでは行かないが、高速機動で荒船を翻弄する。
──
『香取隊長、グラスホッパーによる素早い動きで荒船隊長を翻弄!攻守逆転でしょうか?』
『まあ確かに荒船は旋空入れてませんからね。オプショントリガーがない以上攻めにくいでしょう。狙撃も狙いが定まりませんね。…ですが、不完全な乱反射⋯狙えない機動力じゃないですね。
…荒船隊には精密射撃のプロがいますからね。』
──
グラスホッパーで、隙を見て荒船に切り込みながら、香取は次のことを考える。
玉狛がいつ介入してくるか分からない以上長居は無用。
倒せないにしても、上手く離脱する必要がある。
「…考え事か?キレが落ちたな。」
その言葉と共に、香取の横から射線が。
「っ…しまっ…」
香取の足は撃ち抜かれ、その場に崩れる。
『うわ…ダルいわ。頭撃ち抜く予定だったんすけど。』
『いや、これでいい。頭に集中シールド構えてやがった。外してくれて助かったぜ。』
荒船はそのまま香取に切り掛る。
『荒船くん!ダメ!』
「!」
荒船隊オペレーター、加賀美倫の言葉に荒船は飛び退く。
そして香取を後ろからの射撃が貫いた。
「チッ!三雲か…!」
横取りする形で香取を落としたのは玉狛第二の隊長、三雲修だった。
香取の緊急脱出を確認すると、三雲はすぐにバッグワームを羽織、離脱する。
「逃がすか…!」
『千佳ちゃん!』
『了解です…!』
玉狛第二のオペレーター、宇佐美栞の合図で雨取はアイビスの引き金を引いた。
そのアイビスにより、荒船と三雲を隔てる建物を吹き飛ばす。
「チッ、このタイミングで砲撃かよ…!」
『半崎!!』
『分かってます。…こりゃダルいッスね。』
そう言いながら半崎は引き金を引く。
半崎の的確な射撃は移動する雨取の頭を撃ち抜いた。
『…半崎もここまでですね。』
「!」
後ろからの悪寒。
半崎は振り返る。
「…うわ…ダル…」
グラスホッパーで一気に距離を詰めた玉狛第二のエース攻撃手、空閑遊真は半崎のトリオン体の首をはねた。
──
『香取隊長の緊急脱出に次いで雨取隊員、半崎隊員が緊急脱出!玉狛第二が一気に2得点を上げました!』
『上手いですね、三雲隊長。他にも狙えるタイミングはありましたが、絶好の機会まで潜んでいました。そのまま雨取隊員の爆撃で離脱。作戦を練ってきた動きですね。』
『その後は半崎隊員が雨取隊員を狙撃!撃った後の隙は逃さない!さすがは精密射撃の名手ですね!』
『まあその後ゆーま先輩に詰められちゃったけどね。』
『狙撃手は詰められたらああなります。詰められちゃダメですね。』
──
「チッ…やってくれるじゃねえか、メガネ。」
三雲を追い詰めた荒船はそう言って弧月を構える。
三雲は冷や汗を浮かべながら、レイガストを構えていた。
──
『ここで荒船隊長、三雲隊長を追い詰める…!』
「決まったな。」
「だな。」
綾瀬川の呟きに米屋が同調した。
「決まったって…清澄先輩、何が?」
「三雲はレイガストで空閑が来るまで耐え切るつもりだろう。三雲の実力は知らないが…守りに徹すれば荒船さんの弧月くらい守り切れるだろ。」
「荒船さんの弧月くらいって…相手はマスタークラスですよ?」
「まあ綾瀬川は前に荒船さんボコってるからな。」
「仕掛けてきたのはあっちだ。…まあ、空閑はグラスホッパーで飛んでくる。多少削られても空閑は間に合うだろ。そうなれば玉狛の勝ちだな。」
「じゃあ荒船さんと空閑くんは空閑くんが勝つってこと?」
宇井が綾瀬川に尋ねる。
「そりゃな。白チビは緑川に8-2で勝つんだぜ?旋空がありゃ分からねえが…十中八九、白チビが勝つだろーよ。」
モニターでは空閑の到着と同時に三雲が緊急脱出する。
そして空閑と荒船の一騎打ちとなった。
「全部計算づくだろう。玉狛の完全試合だ。」
──
『ここで試合終了!7対2対1!終わってみればこの点差、圧倒的強さで玉狛第二がROUND2を制しました!!』
香取隊
香取 1P
若村 0P
三浦 0P
合計1P
荒船隊
荒船 1P
穂刈 0P
半崎 1P
合計 2P
玉狛第二
三雲 1P
空閑 4P
雨取 0P
生存点+2P
合計 7P
『さて、振り返ってみてこの試合、いかがだったでしょうか?』
武富が東、緑川に尋ねる。
『そうですね。玉狛が常に作戦勝ちしてると言う印象でした。荒船隊と香取隊は常に後手になってましたね。大きなポイントは3つ。香取隊の2人を早々に緊急脱出させた点。これは運も絡みますが空閑の実力ですね。2つ目は三雲が香取を落とした点でしょう。絶好のタイミング…半崎が撃つまで待っていたんです。おかげで空閑は半崎の位置をつきとめ半崎は接近を許してしまった。3つ目も三雲ですね。荒船を上手く引き付けました。荒船は三雲を追い詰めたつもりかもしれませんが…それも玉狛の罠。結果的に玉狛は7得点と言う大量得点をあげています。何より…』
「このマップだね。」
古寺はそう呟く。
「マップ?」
黒江が首を傾げる。
「『市街地C』は狙撃手有利なマップなんだ。そうなると狙撃手の勝ち筋は上を取ること。狙撃手の動きを限定できる。香取隊もそれは分かってるから上を取ろうとする荒船隊を止めにかかる。…全部玉狛の思惑通りに。…地形を使って相手を動かす。これは地形戦の基本であり真髄なんだ。」
「…尤も、香取隊はそれ以前の問題だと思うけどな。」
補足するように綾瀬川は目を細める。
「…と言うと?」
宇井が尋ねる。
「お前も分かってるだろ?香取隊の致命的な弱点。香取が死ねば何も出来なくなる。香取は勝手に動くから香取がいなくなって困る2人は援護せざるを得ない。…だから周りも見えない。まあこれに関して言えば2人と言うよりも香取自身の問題だな。…お山の大将も実力が伴わないとな…。上位じゃまず間違いなくやっていけない。」
そう言って綾瀬川は冷たい目を細めた。
綾瀬川のその言葉に会場は静まり返る。
「おい、どうすんだよこの空気。」
『えー、古寺と綾瀬川、お前ら解説代わるか?』
──
「お、嵐山さんちーっす!」
米屋が試合を見ていた、嵐山に話しかける。
「おっ、珍しい組み合わせだな。」
「嵐山さん、時枝先輩、お疲れ様です。」
黒江は嵐山隊の面々に頭を下げる。
…1人を除いて。
「お疲れ様!双葉ちゃん!」
にっこりと。
とてつもなくいい笑顔で黒江に挨拶をしたのは嵐山隊エース万能手、木虎藍。
「…どうも。」
酷くぶっきらぼうな声でそういうと、黒江は前を歩く綾瀬川に駆け寄る。
「ししょー!この後宿題見てもらっていいですか!」
「えぇ…加古さんはいないだろうな?」
綾瀬川は心底嫌そうに黒江に尋ねた。
「双葉ちゃんその男は危険よ!その男よりも私の方が「結構です。ししょーに見てもらうので。」」
木虎の言葉を酷く冷たい声で突っぱね、黒江は綾瀬川の手を引く。
「おい、双葉。」
「…ドンマイ、木虎。」
「うるさいです、米屋先輩。」
「おー!木虎ちゃんおっすー!あれ?!あやせ先輩は?!さっきまでいたよね?」
傷心中の木虎に、緑川の呑気な声が響いた。
まあこんな落とし所じゃないでしょうかw
ROUND2終了後
1位 柿崎隊 25P
2位 二宮隊 23P
3位 影浦隊 19P
4位 生駒隊 18P
5位 諏訪隊 16P
6位 王子隊 15P
7位 弓場隊 15P
8位 玉狛第二 15P
9位 東隊 14P
10位 鈴鳴第一(来馬隊) 11P
11位 漆間隊 10P
12位 荒船隊 10P
13位 香取隊 9P
14位 那須隊 9P
各キャラからの印象&各キャラへの印象
黒江双葉→ししょー。宿題見てください!
米屋陽介→アルティメットオールラウンダー。ランク戦仲間。
古寺章平→三輪繋がりで知り合った仲。強い。
東春秋→解説やる?
木虎藍→ライバル視。警戒。双葉ちゃんと仲良くでズルい!
黒江双葉←弟子。
米屋陽介←槍バカ。ランク戦仲間。
古寺章平←三輪繋がりで知り合った仲。
東春秋←見せ場取ってすんません。
木虎藍←やたらと睨んでくる為苦手。
尚、木虎は綾瀬川をライバル視してるが、綾瀬川は特に興味なさそう。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。