「ふー、勝った勝った。」
そう言って、空閑が緊急脱出用のベッドルームから戻ってくる。
「さすがオサム。ナイスな時間稼ぎだったぜ。」
空閑はそう言って親指を立てた。
B級ランク戦中位夜の部を終えて、三雲率いる玉狛第二はB級8位。
中位の首位に立っていた。
「今回は僕らはマップの選択権があった。…次は上手くいくか分からない。連携から見直そう。」
「うむ、了解。」
「了解!」
三雲の言葉に空閑、雨取はそう頷いた。
「うぃーす。」
「おつかれー。」
作戦室を出ると、三輪隊の米屋、古寺、草壁隊の緑川が待っていた。
「おー、ミドリカワ。」
「!、米屋先輩。」
そう言いながら三雲は見慣れない古寺に目配せし、頭を下げる。
「いい感じだったじゃんグラスホッパー。」
「サンキュー、お陰様でバッチリ。」
空閑と緑川はランク戦の約束をしていたらしくそのまま、ランク戦ブースに向かった。
「あ!陽介。」
そこに玉狛第二のオペレーター、宇佐美が作戦室から顔を出す。
「試合終わったあとの解説見てたよ。すごい分かりやすかった。さすがだね!」
「う、宇佐美先輩!ありがとうございます!」
宇佐美の言葉に古寺は嬉しそうに礼を言った。
「あれ?陽介、綾瀬川くんは一緒じゃないの?」
宇佐美が米屋に尋ねた。
「総評聞いてた感じ一緒だと思ったんだけど⋯。」
「あー、あいつは黒江の宿題見てやるんだってよ。」
「そっか…修くん達に紹介しようと思ってたんだけど⋯残念。」
宇佐美は三雲に視線を向けながら肩を落とした。
「勝ち進みゃいずれ当たる相手だしな。取っとけよ。⋯つーかやっぱ綾瀬川の音声も聞こえてた感じ?」
「あー…うん。」
「辛辣な事言ってたからな〜。
…香取はキレてんだろーな〜。」
──
香取隊作戦室
『お山の大将も実力が伴わないとな。…上位じゃまず間違いなくやっていけない。』
「なんなのよあいつ…!」
ROUND1からの2連敗。
香取隊は2試合を通してまだ1Pしか取れていない。
それに追い討ちをかけるように告げられた綾瀬川の酷評。
三浦、若村は目に見えて落ち込んでいた。
香取は分かりやすく怒りの矛先を綾瀬川に向けていた。
ふざけるな。
三浦、若村をボロクソに言うのは分かる。
実際、今回若村と三浦は上からの射線ばかりに警戒し、空閑の接近を許していた。
だが綾瀬川が告げたのは、香取の酷評。
「っ…上等じゃない…。そこまで言うなら見せてもらおうじゃないの。完璧万能手サマの実力。」
──
諏訪隊作戦室
「…で?何か言うことはねェのか?あ?」
諏訪は青筋を浮かべながら榎沢に尋ねる。
「えー…あっ、5位にランクアップだね。日佐人くんのおかげだよ〜。いえーい。」
「え?あ、ああ。」
そう言って榎沢は笹森に手を突き出す。
咄嗟のことに笹森も手を出し、ハイタッチをする形になる。
「テメェな…。」
諏訪は榎沢の頭にチョップを落とす。
「ちょ、いたーい。生身なんですけど?」
榎沢は痛そうに頭を抑える。
緩んだ空気の後に、諏訪はいつに無く真剣な表情になると、榎沢の胸ぐらを掴む。
「日佐人が許してんだ。今回だけは見逃してやる。…二度と同じ事すんじゃねえぞ。」
「…それをしなきゃ勝てない時でも…?」
「テメェはランク戦の意義を履き違えてんだよ。実践に向けた訓練で仲間撃ち殺す奴があるか。」
「ふーん。でもそれは諏訪さん達にとっては…だよね。」
榎沢はそう言って儚げな笑みを見せる。
「テメェの事情は知らねえよ。…綾瀬川みたく訳ありなんだろーな、テメェも。だが、分かっただろーが。テメェは確かに強えェ。…でもそれだけじゃ勝てねえんだよ。」
「…何も出来ずにやられた人に言われたくないんですけど。」
榎沢は目を細めた。
「るせェ。先輩からの忠告だ。
…特に次の相手はな。」
B級ランク戦ROUND3上位夜の部
柿崎隊VS影浦隊VS生駒隊VS諏訪隊
最高傑作と失敗作の衝突である。
──
「綾瀬川、ちょっとツラ貸しな。」
ROUND2の翌日。
風間隊の歌川とランク戦を終えた後、目の前で腕を組んだ女にオレはそう話しかけられる。
確か…
「真木…だったか?」
「冬島隊オペレーター、真木理佐。話すのは初めてだったね。」
「ツラ貸すって…今か?」
「何?何か予定でもあるの?」
真木はぶっきらぼうに尋ねる。
「いや、そう言う訳じゃないが。」
「心配しなくても手短に済ませるよ。
…綾瀬川、アンタ冬島隊に来な。」
「…はい?」
オレは思わず間抜けな声で聞き返す。
「アンタ…B級にいていい人材じゃないよ。
「はぁ。」
「アンタ城戸派でしょ?それも三輪と同等の。」
「城戸派なのは否定しないが…別に近界民に恨みはないぞ。」
オレは真木の言葉にそう返す。
「恨みの度合いはどうでもいいよ。アンタが城戸派って事に意味がある。柿崎隊は本部長派だよ。対立するってなった時…アンタどうする気?」
「…」
「うちのはアンタの力を最大限に引き出せる。
…私はアンタをかってるんだよ。」
真木はオレにずいっと顔を近づける。
「…オレは別に当真さんと仲良くもないし、冬島さんの事はよく分からない。」
「そんなのどうとでもなる。アンタA級2位を舐めてる?」
真木はそう言って目を細める。
「隊長がトラップで援護、当真は狙撃りそこにアンタが加われば手札は大きく増える。…A級1位だって夢じゃない。…遠征を目指すならいい話だと思うけど⋯?」
「なんでオレが遠征目指してる前提なんだ?」
「ならの話。でもその口振り…本気で目指してるの?」
真木がオレに尋ねる。
「…興味はあるさ。」
「それなら尚更「悪いが断る。」
…理由。」
オレの言葉に真木は押し黙った後、目を細めて一言そう言った。
「柿崎隊の事は気に入ってるんだよ。オレはお前の事をよく知らないしな。」
「…それだけ?」
「だけって…チームである以上これ以上に大事な理由は無いんじゃないか?」
「チーム…ね。アンタなんで柿崎隊にいる訳?」
「だから「気に入ってるかは別として。」」
真木はオレの言葉を遮るようにそう言う。
「アンタは1人でも強い。…ブラックトリガーを圧倒出来るくらいに。それこそ柿崎隊にいる意味は無い。…違う?」
真木はそう言ってオレに冷たい目を向ける。
「その理屈ならオレは冬島隊に入る理由もないんだが…。」
「馬鹿ね、アンタみたいな人材を上が隊にも入れずに放っとく訳ないでしょ。城戸派の有望な戦力が本部長派の部隊にいる…城戸司令はよく思って無いんじゃない?」
「…余計な心配だな。
…柿崎隊と敵対した所でオレのやることは変わらない。オレはただオレの任務を遂行するだけだ。」
オレの言葉に真木から息を飲む音が聞こえる。
「そ。
…また誘いに来るわね。」
「何度来ても答えは変わらないぞ。」
「…また来る。
…そう言えば…アンタS級にはならない訳?風刃⋯適合してるんでしょ?」
「…誰があんな不便なトリガー使うか。」
そう言ってオレは真木の横を抜ける。
「…ふふっ…そう…。ますます気に入ったわ。⋯絶対口説き落としてやるから覚悟しときな。」
「…」
真木は最後にオレの前に立つとそう宣言して去っていった。
──
「えぇ?!スカウトされたって…冬島隊にですか?!」
虎太郎はそう言って声を上げた。
「ああ。真木とは話したことなかったから驚いた。」
「そ、それで…どうするんですか?」
虎太郎は恐る恐るオレに尋ねる。
「そんな顔しなくても断ったさ。」
そう言ってオレは虎太郎の頭を軽く叩く。
「そ、そうですか。」
「加古隊に玉狛に冬島隊か…なんと言うか…流石だな。」
柿崎は苦笑いを浮かべながらそう言った。
「迅さんのは本気じゃないでしょ。」
「でも…その話からしたら真木先輩まだ諦めてないですよね?」
真登華が何故か機嫌悪くなる。
「いや、次来ても断るぞ?…まあ柿崎隊をクビになったら考えますよ。」
「バカ言うな。お前をクビにしたら一生後悔するわ。」
「そうですよ!辞めたいって言っても逃がしませんから!」
そう言って真登華はオレの腕に抱きつきがっちり抑える。
「へいへい。」
「…それよか、ランク戦の話に戻るぞ。…影浦隊と生駒隊は前回と同じだ。連携して相手をする。問題は…」
「諏訪隊ですね。」
照屋の言葉に柿崎が頷く。
「諏訪隊というか榎沢だな。二宮さん並みの火力に緑川並みの機動力…手強いな…。うちが狙われたらエスクードのバリケード戦術で行けるか⋯?」
柿崎は不安そうに自問自答をする。
「榎沢は十中八九うちを狙ってきますよ。」
オレの言葉に全員、オレに視線を向ける。
「尤も…警戒するに足りませんけど。」
最高傑作は失敗作を思い浮かべ、目を細める。
「榎沢はオレが相手をします。」
各キャラからの印象的各キャラへの印象
宇佐美栞→友人。修くんを紹介したい。
三雲修→B級1位の完璧万能手。いずれ戦う相手。
香取葉子→ムカつく。
真木理佐→うちこいや。
宇井真登華→またスカウト…?…へぇ…?
宇佐美栞←友人。眼鏡かけねえっつってんだろ。
三雲修←メガネ。
香取葉子←お山の大将。
真木理佐←行きません。
宇井真登華←ちょ、なんか怖いよ?
真木の話し方これで合ってんのかなw
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感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。