白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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投稿します。


ROUND4に向けて

ボーダー本部の司令室。

 

そこで三雲、空閑、そしてヒュースを待っていたのは、ボーダー本部総司令、城戸正宗、本部長、忍田真史、開発室長、鬼怒田本吉、A級3位風間隊攻撃手、菊地原士郎、そしてROUND4で三雲、空閑が対戦することになる、B級1位柿崎隊のエース、綾瀬川清澄だった。

 

「拷問で得られる情報は信用できない…か。」

 

空閑に近界での捕虜の扱い、拷問について聞いた後、城戸は口を開く。

 

「だがおまえなら何が本当か(・・・・・)分かるのではないか?」

 

「!」

 

空閑遊真は嘘を見抜くと言うサイドエフェクトを持っている。

 

三雲はそれを察して目を見開く。

 

 

その言葉を聞いた綾瀬川は一歩前へ出る。

しかしそれを城戸が制した。

 

 

「そのためにおれを呼んだの?」

 

「…確認したまでだ。気を悪くするな。」

 

「…」

 

城戸のその言葉を聞いた綾瀬川は元の位置に戻る。

 

 

そして今度は忍田の揺さぶりが始まる。

 

本部基地に侵入したエネドラが死んだ事。

アフトクラトルの隊長、ハイレインは元々ヒュースをここ、玄界に置いていくつもりだったこと。

だからこそ…

 

「アフトクラトルが君を故意に見捨てて行ったのなら忠義を立てる必要はもう無いんじゃないか?」

 

忍田はヒュースにそう尋ねた。

 

 

 

「…侮るな。遠征に出る以上は死ぬことも覚悟の上だ。それしきのことで本国の情報を漏らすか。」

 

 

ヒュースはそう言って突っぱねる。

 

『…液体化の奴が死んだ話でちょっとだけ動揺してますがそれ以外に心音の変化はないです。これ以上揺さぶっても無駄ですね。』

 

その言葉に城戸は綾瀬川に視線を向けた。

 

 

 

「揺さぶりが効かないならやる事は1つだろう。」

 

 

 

菊地原の通信を聞いて口を開いたのは綾瀬川だった。

 

 

「拷問しかないでしょ。…口を割ればそこの近界民…空閑はボーダーの隊員だ。隊員である以上玉狛だろうが何だろうが任務を果たすべきだ。真偽を確かめられる。拷問で死ねばそれで結構。邪魔な近界民を処理できる。黙秘を貫くならそれでいい。オレが地獄を見せる。…城戸さんの手を煩わせるまでもない。」

 

冷たい声色でそう言い、腕を捲りながら綾瀬川はヒュースに近付く。

 

「綾瀬川くん。早計すぎる。」

 

それを止めたのは忍田だった。

 

「捕虜は慎重に扱うべきだ。」

 

「情報を持っているであろう近界民をみすみす玉狛に一任しろと?」

 

綾瀬川は忍田に冷たい目で尋ねる。

 

 

 

 

「拷問をするというのなら好きにしろ。何をされても俺は口を割らない。」

 

ヒュースはそう言って綾瀬川を見据える。

 

「結構な心掛けだな。だがその愛国心…いつまでもつんだ?」

 

綾瀬川は忍田を押し退かすと、ヒュースに近付く。

 

司令室に緊張が走る。

 

ヒュースに手を伸ばす綾瀬川。

ヒュースはただ、綾瀬川の無機質な瞳を見ていた。

 

その光景に三雲はただ、冷や汗を浮かべ立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

『ダメですね、綾瀬川先輩。』

 

 

 

綾瀬川に菊地原からの通信が入る。

 

 

『まるで動じないです。』

 

 

 

「…チッ…。」

 

 

菊地原の通信を受け、綾瀬川はヒュースに伸ばした手を引っ込め司令室の扉を開ける。

 

 

「…え…?」

 

思わずそう声を漏らしたのは三雲だった。

 

 

「愛国心は本物みたいですね。…オレはこれで。拷問をするようだったらまた呼んでください。」

 

「この件に関して君を呼ぶことはもう無い。

 

 

 

 

…ご苦労だった。」

 

 

 

 

張り詰めた空気が晴れる。

 

 

「ふ〜、怖ぇな…。城戸さん。」

 

玉狛の支部長、林道(りんどう) (たくみ)は一息吐いた後、城戸に視線を向ける。

 

「…今日はここまでにしよう。林道支部長、捕虜をさがらせろ。」

 

 

三雲は開いた口が塞がらなかった。

全て演技。

 

その割には…

 

 

 

「すごいな。あやせがわせんぱい。」

 

隣の空閑が口を開く。

 

 

 

 

「演技のはずなのに俺のサイドエフェクトに反応しなかった。

 

 

 

 

…次のROUND4、相当やばい相手だな。」

 

空閑のその言葉に三雲は冷や汗を浮かべた。

 

 

 

───

 

「見たかよ?ROUND3。」

 

「見た見た。柿崎隊の綾瀬川先輩だろ?すごく強かった。」

 

ボーダー本部ロビー

 

ボーダー隊員にとっての憩いの場であるここは、ボーダーの色々な情報が飛び交っている。

ROUND3の熱が冷めないのか、玉狛のエースがNo.4攻撃手に勝っただとか、B級1位部隊のエースが大量得点を挙げたなど、様々な話が飛び交っていた。

 

「諏訪隊とか見た?全然相手になってなかったよな。」

 

「てか諏訪隊って諏訪隊に新しく入った…榎沢?だっけ?が強いから上位入りしてただけだろ?」

 

「分かる。他が大したことなきゃな…。特に諏訪さん。ガラ悪過ぎだろ。よく隊長になれたよな。年下の女子に点取らせて上位入りして嬉しいかね〜。」

 

 

 

 

「分かる〜。諏訪さんってガラ悪いよね〜。」

 

 

 

 

「「!」」

 

 

話していたのはB級に上がり立てかC級の隊員だろう。

 

そこに突然現れたのは件の天才銃手、榎沢一華だった。

 

「な、なんで…?」

 

「ん?あー…なんか噂してるなーって思って。2人はポジションどこなの?」

 

「え…あ…射手と攻撃手だけど…。」

 

「おっ!ちょうどいいね。次那須隊とやるんだ〜。

 

 

 

…ブース入ってよ。諏訪さんを年下に頼ってるって言って馬鹿にしてたんだ…2人とも見た感じあたしより年上だしね。2対1でいいよ。

 

 

 

 

…まさか年下からしっぽ巻いて逃げないよね?」

 

 

───

 

(次の対戦相手。さっき会ったあの人…綾瀬川先輩も出るよ。勝算はあるの?はっきり言って今の君たちじゃ3対1でもあの人には勝てないと思うけど?)

 

(お前たちのレベルで遠征部隊に選ばれることは無い。)

 

 

菊地原、二宮から言われた言葉を思い出し、三雲は考え込む。

 

 

「あの…」

 

鳩原の話が一段落着いたあと、三雲は木崎、小南、宇佐美に尋ねる。

 

「前に玉狛に綾瀬川先輩が来てましたよね?どう言う用事だったんですか?」

 

「あー、あれね。カレー食べに来ただけだよ。」

 

「「カレー?」」

 

三雲と空閑の声が重なる。

 

「そ。綾瀬川くんこなみのカレー大好きなんだよね。そのついでに小南ととりまるくんと模擬戦してたって感じかな。」

 

「よく玉狛に来るんですか?」

 

「前はもっと来てたけどね〜。

 

 

 

…柿崎隊の攻撃手、照屋ちゃんは小南の弟子だから。」

 

「「!」」

 

三雲、空閑が目を見開く。

 

「そうよ。あたしが教えることはもうないから実践を積むように言ってあるのよ。…手強いわよ。」

 

「綾瀬川くんは照屋ちゃんの付き添いでカレー食べに来てたよ。」

 

「あいつカレーだけ食べてさっさと帰るんだから…!」

 

小南はそう言って頬をふくらませる。

 

「またまた〜。嬉しかったくせに〜。」

 

「は、はあ?!嬉しくなんかないわよ!!」

 

「ふむ、こなみせんぱい、つまんない嘘つくね。」

 

 

 

 

「綾瀬川先輩はどう言う人なんですか?ログを見る度トリガーが変わってて…。」

 

「あー…あまりログは参考にしない方がいいよ?」

 

「え?」

 

三雲の言葉に宇佐美は気まずそうに返す。

小南も機嫌が悪そうに目を逸らした。

 

「うーん、何から話そうかな…。綾瀬川くんがボーダー2人目の完璧万能手なのは知ってるよね?」

 

「はい。烏丸先輩から聞きました。」

 

「レイジさんはほら、ある程度トリガーは決まっててたまに狙撃もするって感じなんだけど…綾瀬川くんは別。」

 

「別?」

 

その問いに答えたのは木崎だった。

 

「あいつは相手によってトリガーを変えてくる。攻撃手トリガー、射手・銃手トリガー、狙撃手トリガー。最近じゃトラッパーもやる。綾瀬川に対しては対策を立てても無駄だ。アドリブで対応するしかない。」

 

「そ、そんな...!後手に回るってことですか?」

 

「後手に回されるんだ。現状綾瀬川の弱点は初見殺ししかないぞ。」

 

 

対戦相手の強大さに、三雲は考え込む。

 

 

「綾瀬川くんに関しては他の隊も一緒だから。後手に回らざるを得ないの。まさに完璧万能手って感じだよね。」

 

宇佐美は呆れたように笑う。

 

「オペレーター泣かせだから本当に。ま、それでこそB級最強の万能手だよね。じゃ、私寝るね。」

 

「あ、はい。ありがとうございます。」

 

「私も寝るわ。あんまりこんを詰めすぎるんじゃないわよ。」

 

 

そう言って宇佐美、小南は自室へと戻って行った。

 

 

 

 

「B級最強…か。物は言いようだな。」

 

木崎はそう言って目を伏せる。

 

「物は言いよう…ですか?」

 

「ああ。お前たちには言っておく。覚えておけ。

 

 

 

 

…綾瀬川は間違いなくA級を含めた(・・・・・・)ボーダー最強の隊員だ。」




ROUND3終了後
1位 柿崎隊 31P
2位 二宮隊 27P
3位 影浦隊 23P
4位 生駒隊 20P
5位 王子隊 19P
6位 玉狛第二 19P
7位 東隊 18P
8位 諏訪隊 16P
9位 弓場隊 15P
10位 鈴鳴第一(来馬隊) 13P
11位 漆間隊 13P
12位 荒船隊 12P
13位 香取隊 12P
14位 那須隊 12P


各キャラからの印象&各キャラへの印象

三雲修→強敵。天才万能手。
空閑遊真→サイドエフェクト効かない。ヤバそうな相手。
ヒュース→脅しても無駄。
菊地原士郎→先輩。慕う。
林藤匠→怖ぇ。

三雲修←メガネ。
空閑遊真←白チビ。
ヒュース←チッ...口割らねぇか。
菊地原士郎←ロン毛サイドエフェクト。良い奴。
林藤匠←気の抜けない相手。


地味に林藤支部長初登場かもしれないw
きくっちーは綾瀬川に割と懐いてます。

榎沢の話はこんなの書きたかったのと、次の対戦相手を那須隊とアピールするために書いた話です。

宇井ちゃんの独白で17歳組のマッチアップを書いたおかげか、次の幕間アンケートで割と追い上げて来てます。


感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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