白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

127 / 161
投稿遅れました!
前回の話とタイトル逆だった説。
でも日常ってわけじゃないからなぁ、前回のは。


無機質なボーダー隊員の日常⑬

 

「お前なぁ…弱いものいじめする趣味なんてねえだろ…?」

 

そう言いながら諏訪は榎沢のあたまにグリグリと拳を押し付ける。

 

「ちょ…いたーい…禿げるぅ…。」

 

「トリオン体なんだから痛いわけねえだろ。」

 

 

 

忍田がたまたまランク戦ブースに足を運んだ時だった。

こちらに助けを求める声が。

 

それは先日B級になったばかりの隊員2人の悲鳴。

 

 

「何?年下から逃げんの?ほら、かかってきなよ。年下の女の子1人に2人で勝てないなんて…恥ずかしくないのかね〜。ざーこ。」

 

「テメッ…言わせておけば…!」

 

そう言って2人のうちの1人が、榎沢に殴り掛かる。

 

もちろん、模擬戦同士のインターバルの時間の為、模擬戦中ではない。

それを見た忍田は腕を押さえつける。

 

「そういう事は仮想戦闘空間の中でやりたまえ。」

 

「し、忍田本部長…!」

 

「ひ、ひえ…!」

 

 

「ほらほらー、本ぶちょー様もこう言ってるし行こーよ。自称射手と自称攻撃手さん?」

 

「はぁ?!俺らは正式に攻撃手と射手だ!」

 

「え〜?そんな弱いのに〜?ボーダー隊員向いてないんじゃない?辞めれば?」

 

「「なんだとてめぇ!!」」

 

「やめろと言っている。…榎沢くん、君も。挑発は止めるんだ。」

 

忍田は榎沢を宥める。

 

「えー?でも事実を言っただけだし〜。…適材適所ってやつ?向いてないやつに身の程分からせとかないと。そいつら向いてないよ?面接したの本ぶちょー?」

 

「てめぇ…!」

 

忍田が押えていた1人が榎沢目掛けて足を伸ばす。

 

「止めなさいと言っている。」

 

そう言って忍田は押さえつける。

 

「いーよいーよ、本ぶちょー。」

 

そう言いながら榎沢は近付く。

 

 

 

「あっ!足が滑ったー!!」

 

 

 

 

 

そう言って榎沢は押さえつけられた男の顔を思い切り蹴り飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

 

「いや、相手トリオン体なんだから怪我も何も痛くもないでしょ?」

 

「そう言う問題じゃねェよ馬鹿。」

 

忍田に呼び出された諏訪は榎沢の頭にチョップを落とす。

 

「すんません、忍田本部長。」

 

諏訪は頭を下げる。

 

「あっ!あれだよ!正当防衛!先に殴りかかろうとしたのあっちだし!」

 

「本部長が抑えてたんだろーが!…もう喋んな!」

 

「えぇ〜?」

 

その様子を見ていた忍田は薄らと笑みを浮かべる。

 

「状況は既に周りのものに聞いている。先に仕掛けたのがあちらというのも。」

 

「じゃあいいじゃん。いちいち怒んないで下さいよ〜。」

 

「お前な…!」

 

「ただし最後の行動は褒められたものじゃないな。」

 

忍田がずいっと榎沢に近づく。

 

「あれは違うんですよぉ…足が滑っちゃって。」

 

「通じるわけ…ねえだろーがっ。」

 

そう言って諏訪は榎沢の頭に先程より強いチョップを落とす。

 

「うわーん、いたーい。諏訪さんの暴力男!」

 

「あぁ?!トリオン体だろーがてめぇ!」

 

「心が傷つきましたー。」

 

「心臓に毛が生えてる様なやつが何言ってんだよ。」

 

「ふっ、可愛らしい部下をもったな、諏訪。」

 

「いやいや、生意気なだけっスよ。」

 

忍田の言葉に対して諏訪は榎沢の顔を頭をバシバシと叩きながらそう言う。

 

「いたいってばー。」

 

榎沢はジト目で諏訪を見る。

 

「先程の2人は諏訪、君の悪口を言っていたらしい。それに榎沢くんは腹を立てたのだろう。あちらが謝罪をしてどちらも不問になっている。…あまり怒ってやるな。

 

 

…彼女は君のために動いたんだ。本当にいい部下を持ったな。」

 

 

そう言いながら忍田は榎沢に温かい眼差しを向ける。

 

 

「は、はぁ?そんなんじゃないし。諏訪さんガラ悪いし。次那須隊とやるから攻撃手と射手のデータ欲しかっただけだし。」

 

「へぇ?データねぇ?」

 

そう言って諏訪はニヤニヤと笑う。

 

 

「…」

 

「…無言で殴んな。心が痛い。」

 

 

 

 

 

「で?ほんとはなんであんな真似したんだ?」

 

諏訪は榎沢に尋ねる。

 

「…べつに。」

 

「あァ?」

 

「諏訪さんは一応あたしの隊長だから。諏訪さんはあたしよりは雑魚だけど…」

 

「雑魚て。」

 

「諏訪さんより雑魚いやつに隊長バカにされたくないだけだし。」

 

 

「…」

 

その言葉に諏訪は黙る。

 

「何?」

 

「いや、忍田さんの話マジだったのか?」

 

「…撃っていい?」

 

榎沢は諏訪にハンドガンを向ける。

 

「やめろ馬鹿。」

 

 

 

「いやー、おめェも丸くなったな榎沢。」

 

「うるさい。」

 

「まあそう言うなよ。飯でも奢ってやる。行くか?」

 

「行きたーい!

 

 

 

…けど次勝ってにしてよ。」

 

挙げた手を降ろして榎沢は笑う。

 

「いいのか?」

 

「ちょっとこの後行くとこあってさー。」

 

「あぁ?行くとこ…?」

 

 

「そ。

 

 

 

 

 

…二宮隊。」

 

妖艶な笑みで榎沢はそう言った。

 

───

 

「かげうらせんぱい?」

 

「ああ、B級3位、影浦隊の隊長だ。綾瀬川については俺よりもカゲの方が詳しいよ。」

 

空閑遊真の問いに、村上鋼はそう返す。

 

「ふむ。」

 

「俺が勝ち越せない4人の攻撃手の内の1人だ。」

 

ちなみに後は太刀川、風間、小南らしい。

 

「攻撃手ではってこと?あやせがわせんぱいには勝ち越せるの?」

 

「…勝ち越した事はあるが…俺は勝ち越したとは思ってない。」

 

「?」

 

「会えば分かるよ。ほら、噂をすればだ。」

 

 

───

 

「…」

 

「オラオラ!前みてぇに攻めてこいや綾瀬川ァ!」

 

影浦から繰り出されるスコーピオンの連撃を、綾瀬川は弧月でたたき落とす。

 

「いや、カゲさんからはまだ盗み足りないんで。」

 

連撃の隙間に、綾瀬川は体勢を落として、影浦に踏み込む。

 

影浦は綾瀬川にスコーピオンを伸ばす。

 

それをヒラヒラ避けながら近接すると弧月を突き出す。

 

「チッ!」

 

感情の篭っていない、高速の刺突は影浦の髪の毛を数本散らす。

 

「この間合いならスコーピオンの方が良いか。」

 

そう言って綾瀬川は弧月を消すと、スコーピオンを取り出す。

 

 

「ハッ!てめぇのスコーピオンとはあんまりやったことなかったなぁ…

 

 

 

…おもしれえ…ぶった斬る。」

 

 

───

 

「弧月とスコーピオン、両方使うんだね。」

 

「ああ。ログにチーム戦のものもあった。そこではレイガストも使ってたぞ。」

 

「ほほう。」

 

影浦と綾瀬川の模擬戦は5-5で引き分けとなり、2人が戻ってくる。

 

「テメッ、また手ェ抜きやがったな?」

 

「いやいや、能ある鷹は爪を…ちょ、痛いです。」

 

綾瀬川の頭にアイアンクローをする影浦に綾瀬川はそう返す。

 

「トリオン体だろーが。…あ?」

 

こちらへの視線を感じて影浦は視線を向ける。

 

「よう、カゲ、綾瀬川。」

 

「鋼。」

 

「…どうも。」

 

そう言いながら綾瀬川は後ろの空閑に視線を向けた。

 

「どーもどーも。あやせがわせんぱいと…かげうらせんぱい。」

 

「あ?なんだこのチビ。」

 

「玉狛第二の空閑遊真です。よろしく。かげうらせんぱい。」

 

「玉狛の空閑?なんだよ、鋼と荒船こんなチビに負けやがったのか。おもしれー。帰ったらログ見るわ。」

 

「見るなよ。」

 

「先日はどーも。あやせがわせんぱい。」

 

「ああ。」

 

「先日はうちのものがお世話に…」

 

「機密だぞ。首と記憶を飛ばされたいのか?」

 

「そりゃ失礼。」

 

「「?」」

 

影浦と村上は首を傾げる。

 

「カゲさんに用か?それならオレはこれで。」

 

そう言って綾瀬川は空閑の横を抜ける。

 

「まあ待てよ。綾瀬川。」

 

そう言って村上は綾瀬川の腕を掴む。

 

「次、こいつとやるんだろ?」

 

「まあ。」

 

そう言うと村上は空閑に視線を向ける。

 

「あやせがわせんぱい…俺と模擬戦やろーよ。」

 

「断る。情報収集はログでも見てくれ。」

 

「いや、お前相手にログなんて無意味だろ…?」

 

「知りませんよ…。て言うか村上先輩に勝つ奴となんてやりたくないっすよ…。」

 

その言葉に村上は目を細める。

 

「お前な…。」

 

「俺に勝つ自信無いって事?」

 

「まあな。お前の機動力は駿より手強い。一筋縄じゃ行かなそうだ。」

 

 

「へぇ…今度は分かりやすいね…。」

 

「は?」

 

 

 

「つまんない…いや…

 

 

 

…面白い嘘つくね、あやせがわせんぱい。」

 

「…」

 

空閑は綾瀬川の無機質な目を見据えて笑みを浮かべる。

 

 

 

「…ともかくだ。オレは易々と情報をやるほど慢心するつもりは無いし、次の試合も負ける気は無い。カゲさんと村上先輩、駿に情報を規制するつもりもない。情報収集なら別でやってくれ。」

 

 

そう言って綾瀬川は空閑の横を抜ける。

 

 

 

 

 

 

「その程度で出し抜ける程1位は甘くない。」

 

 

 

 

 

「時間を取って悪かったな綾瀬川。今度は俺とも模擬戦をやってくれ。聞いたぞ。荒船をボコッたんだって?あいつは俺の師匠なんだ。仇は取らせてもらう。」

 

綾瀬川に村上はそう話しかける。

 

「…まあ気が向いたら。あ、そうだ空閑。」

 

綾瀬川は空閑に振り返り、近づくと耳打ちする。

 

 

「お返しに聞くが…

 

 

 

 

 

…あの大砲は人が撃てないのか?」

 

 

「!」

 

空閑は目を見開く。

 

「…いや、いい。

 

 

 

 

…大体分かった。」

 

 

それだけ言って綾瀬川はその場を後にした。

 

 

 

「何を聞かれたんだ?」

 

村上が尋ねる。

 

 

「んーん、べつになんでも。

 

 

…かなりやばそうだね、あの人。」

 

 

 

───

 

そして時はあっという間に経ち、ROUND4当日がやってくる。

 

 

 

『さてさてー、皆さんこんっちは〜。太刀川隊オペレーターの国近でーす。B級ランク戦ROUND4、中位昼の部〜。ぶつかるのは諏訪隊、荒船隊、えっと〜、那須隊。…元気に実況していきましょ〜。ねぇ?米屋くんと…

 

 

 

…あやせくん?』

 

 

 

 

『米屋、お前ほんとに…

 

 

 

 

 

…覚えとけよ。』

 

 

 

 

 

 

 

『めんご。』

 

『殺す。』




各キャラからの印象&各キャラへの印象

榎沢一華
諏訪洸太郎→生意気な部下。エース。
忍田真史→優秀な銃手。

諏訪洸太郎←隊長。ガラ悪い。目付きも。口も。ヤニ臭い。…いい人。
忍田真史←本ぶちょー。強そう。



綾瀬川清澄
影浦雅人→ランク戦仲間。本気でやりやがれ。
村上鋼→性格悪い。師匠の仇。
空閑遊真→手強そう。面白い嘘つくね。
米屋陽介→めんご。

影浦雅人←ランク戦仲間。なんだかんだいい人。
村上鋼←仇て。荒船さん死んでないっすよ。
空閑遊真←警戒。白チビ。
米屋陽介←殺す。


先に榎沢ちゃん達の試合やりますねー。
榎沢ちゃんの試合終わったら幕間を挟んで本命書きます。


感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。