ROUND4昼の部開始数分前。
「おい、いつまで拗ねてるんだよ…。」
「べ、別に拗ねてませんよ。ただ…清澄先輩モテモテでいいなーって思っただけですよ?」
綾瀬川の手には、チョコの袋が握られている。
それを見て宇井は顔を逸らした。
先程、三上から渡された物だ。
「そう言うのじゃないだろ…。」
「…昨日だっていっぱい貰ってたじゃん。加古さんに双葉ちゃん、小南先輩、月見さん、知らないC級の子とか。」
「だからそう言うのじゃないだろ…?」
「どーだか。清澄先輩って女たらしだし。」
「お前な…。」
「あっ!柚宇さん!暇そうな綾瀬川がいました!」
「でかした米屋くん!攫え攫え!」
横から突如現れた米屋に綾瀬川は紐で縛られる。
「は?」
「よー、暇そうだな、綾瀬川。」
「いや、今ちょっと後輩の機嫌取りが…。」
するとそこに国近も加わる。
「あやせくーん、おねがーい。ちょっと来て〜?」
国近は甘えるように、綾瀬川の腕に抱きつく。
「アッハイ。…悪いな、真登華。」
「…は?」
「綾瀬川借りてくなー。」
「後で返すね〜。」
そう言って国近と米屋は綾瀬川をしょっぴいて歩き出す。
「はあ?!」
───
という訳で今に至る。
『覚えてろよ、米屋。後で殺す。』
『いや、死ぬのお前じゃね?オペちゃん凄い顔でこっちみてるぞ?』
米屋の視線の先には満面の笑みでこちらを見る宇井の姿が。
しかし目だけは笑っていない。
『い、いや、急に縛ったのお前だろ?』
『柚宇さんに誘われてコロッと着いてきたのはお前だ。』
『解説なんて聞いてないぞ。』
『言ってないのに着いてきたのはお前だろ?』
『それはだな…』
『2人とも〜。』
それを止めたのは国近だった。
『そこまで。あやせくんも。解説嫌だった?どうしても人居なくて…。』
国近は申し訳なさそうにそう言う。
『いや別に。』
『よかったー。』
国近は笑う。
『知らねえぞ?マジで。』
米屋は宇井から放たれるプレッシャーに冷や汗を流す。
『じゃ、話戻すけど、今回戦うのは諏訪隊と荒船隊、那須隊だね〜。解説の2人はどう見る?』
国近が2人に尋ねる。
『諏訪隊と那須隊は中距離、荒船隊は遠距離特化って感じだなー。』
米屋は顎に手を当てながらそう言う。
『諏訪隊は狙撃手はいねーが…遠距離に対応できるA級エースレベルの榎沢がいる。人数も多い分、諏訪隊が勝つと思う。お前はどうよ?』
米屋は綾瀬川に視線を向ける。
『まあ諏訪隊が有利だろうな。だが諏訪隊が有利なのはマップの選択権がある那須隊も分かってるだろ。…だからまあ…マップ次第じゃないか?』
───
那須隊作戦室
「やっぱ何度見てもヤバいですね、榎沢さん。」
那須隊オペレーター、
「そうね…。」
そう言って顔を顰めたのは那須隊攻撃手、
「…中位に二宮さんがいると考えていいわ。」
そう分析するのは那須隊隊長兼エース射手、
「マップどうします?」
那須隊狙撃手、
「荒船隊対策に『市街地D』にするのもいいけど…あそこは榎沢さんの庭よ。だとしたら榎沢さんがやったことがなくて射線も絞られる…」
───
『お、ここで那須隊によりマップが決定。「市街地B」だね。マップの説明プリーズ。』
『高い建物が多くて射線が通りにくいマップですね。荒船隊対策だと思います。「市街地D」にしなかったのは榎沢を考慮して…だと思います。』
綾瀬川がそう分析する。
『榎沢を?』
『榎沢は今シーズンがデビューだからなー。過去の3試合は全部マップ選択権があってDを選んでた。やったことねーマップなら慎重になるってことじゃないスか?』
『なるほどー。』
───
諏訪隊作戦室
「Bか。」
「今シーズンは初めてですね。」
諏訪の言葉に堤はそう返す。
「一華、初めてだけど大丈夫?」
「大じょーぶだって瑠衣ちゃん。…瑠衣ちゃんに言われて全部のマップ見といたし。」
「お、偉いぞ、一華。」
そう言って小佐野は榎沢の頭を撫でながら棒付きの飴を渡す。
「いつも通りでいいだろ。」
「俺たちは合流ですね。」
諏訪の言葉に笹森が返す。
「ああ。…榎沢、おめェは好きにしろ。」
「…いいの?」
「もう簡単に死ぬようなお前じゃねェだろ?」
諏訪はそう言って笑みを見せる。
「…分かってんじゃん。」
「じゃ、前回0点だった分取り返すか。」
「「了解!」」
「…ん。」
「勝ったら諏訪さんの奢りだよー!」
「あぁ?!」
───
荒船隊作戦室
「Bか。めんどくせえな。」
「行くか?弧月で。荒船は。」
そう尋ねるのは荒船隊狙撃手、
「いざとなりゃな。だが、榎沢と正面からやり合って勝てる気がしねえ。」
「半崎くん、榎沢さんと同じクラスだよね?どんな感じ?」
荒船隊オペレーター、
「あー、あんま絡みないっスね。いつも1人です。日佐人とかが話しかけてますけど。」
「ふーん。」
「…ま、俺らはいつも通りだ。早いとこ高台取って狙撃のタイミングまで待つ。狙撃手は待ちが基本だからな。」
「分かった。」
「了解ッス。」
───
『転送準備OKだねー。じゃ、転送開始〜。
…転送完了〜。B級ランク戦ROUND4、中位昼の部、スタートでーす。』
───
『バッグワーム付けたのは4人だねー。荒船隊と日浦かな。』
小佐野が通信を入れる。
『まあそうだろーな。俺らはバッグワームはいいだろ。射線に気をつけて合流すっぞ。』
『『了解。』』
諏訪の言葉に笹森、堤はそう返した。
シュドッ…
そんな音が響く。
「っ!?…きゃ…!!」
そう声を上げたのは、那須隊の日浦だった。
そして日浦の転送された高台のビルが爆発する。
「ちぇ、外した。」
そう言いながら、諏訪隊エース、榎沢はグレネードガンを下ろす。
───
『早速動いたね、榎沢隊員。』
『勘頼りのメテオラだな。』
『開幕速攻か?』
『…目立ったな。』
───
榎沢の砲撃から、5秒も経たないうちに、榎沢目掛けて一筋の弾道が。
「おっと。」
「!」
半崎の放ったイーグレットを榎沢は首を傾けて避けると、再度グレネードガンを向ける。
「やっべ…!!」
半崎はすぐさま飛び降りる。
『諏訪さーん、諏訪さんとつつみんさんが近いよー。仕事仕事。』
『たく…滅茶苦茶しやがるぜ。まあよくやった。』
諏訪、堤は榎沢が砲撃した建物に向かって走る。
「さてさて、あたしはどこに行こーかなーっと…。」
そう言いながら榎沢はレーダーに視線を向ける。
───
『無防備だな、榎沢の奴。』
米屋はそう言って苦笑い。
『…いや、逆だろうな。全部勘に委ねてるんだろ。どこから撃ってきても躱すぞ、榎沢は。』
『マジかよ…。』
『荒船隊もそれが分かってるから撃たないのかな?』
───
『荒船さん、ヤバいっす。思ったより相性最悪っすよ、俺ら。』
半崎は諏訪、堤から隠れながら荒船に通信を入れる。
『みてーだな。お前は諏訪さんと堤さんをどうにか撒け。加賀美、道出してやれ。…榎沢は無理でも他のやつなら隙はあんだろ。穂刈もな。』
『分かった。』
『了解。』
───
「日佐人くんも諏訪さん達の方に行ったから1点は取れるねー。」
榎沢はレーダーを見ながら呟く。
「…ん?…あは、面白くなりそう。」
勘で何かを察知した榎沢は視線を上に向ける。
そこには、こちらに降り注ぐ無数の弾幕が。
その先には、那須と、それを守るように立つ、熊谷がいた。
「いいね。」
榎沢はシールドを構えながら、アサルトライフルを生成する。
「全部撃ち落としてやる。」
そして乱射、降り注ぐバイパーを撃ち落としていく。
撃ち漏らした弾はシールドで防ぐ。
───
『ここで那須隊も仕掛けたねー。那須隊長のバイパーが榎沢隊員を襲う。』
『まあシールドも堅ぇしどうにか防げんだろ。…問題はどう攻めに転じるかだな。』
『…』
綾瀬川はモニターに映る榎沢を見て目を細める。
───
「これが鳥籠ってやつかー。…ならこっちは…」
榎沢はグラスホッパーを複数展開。
バイパーを避けながら、ビルを射線に入れると飛び上がる。
「!」
那須と同じ高さのビルの上に着地した榎沢。
その後ろには、那須とは段違いに大きなトリオンキューブが。
それは
「これをやる時はこうだよね。」
そう言いながら、榎沢は隊服のポケットに手を入れた。
「ハウンド。」
諏訪隊の怪物によるトリオンの暴風雨が、那須隊の2人に襲いかかった。
バレンタイン事情はおそらく近いうちに幕間にでも書くよきっと。
四角錐のトリオンキューブ?誰に習ったのかなー?あはは。
各キャラからの印象&各キャラへの印象
国近柚宇→ゲーム友達。
米屋陽介→死んだな、お前。
宇井真登華→…へぇ…?
国近柚宇←可愛い先輩。ゲーム友達。
米屋陽介←お、お前のせいだからな?
宇井真登華←ひえっ!ち、違うんだよ。万有引力の法則というものがあってだな。
榎沢一華トリガーセット
メイン:アステロイド(ハンドガン)、ハウンド、グラスホッパー、シールド
サブ:アステロイド(アサルトライフル)、ハウンド、メテオラ(グレネードガン)、シールド
強気…ではなく普通に自信の表れのバッグワーム無しです。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。