白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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投稿するぜー。


B級ランク戦ROUND4 諏訪隊VS荒船隊VS那須隊②

『榎沢隊員、トリオンキューブ?!』

 

国近が驚きの声を上げる。

 

『榎沢隊員は銃手だよね?』

 

国近が米屋と綾瀬川に尋ねる。

 

『まあ銃手がキューブ使うのは珍しくないッスけど…犬飼先輩とかがそうッスね。それよかあの割り方…。』

 

『どこかで見た形だな。』

 

米屋と綾瀬川が冷や汗を浮かべる。

 

 

 

時はROUND3終了後の防衛任務まで遡る。

───

 

「二宮さん、あたしにハウンド教えてくんない?」

 

「…」

 

そうお願いする榎沢に二宮は無言で顔を顰める。

 

「聞こえてるー?おーい、スタイリッシュポケインスーツさーん。」

 

「聞こえている。殺すぞ。…お前は元々ハウンドを使っていただろう。」

 

「そりゃあたしの獲物でね。」

 

榎沢は持っていたアサルトライフルを撫でる。

 

「ほら、キューブの方。あたしも弾トリガー使いたくてさー。」

 

そう言って榎沢は唇を尖らせた。

 

「断る。俺に何のメリットも無い。」

 

「えー…。減るもんじゃないんだから別にいいじゃーん。」

 

そう言って榎沢は二宮の腕に抱きつく。

 

「断ると言っている。」

 

そう言って二宮は榎沢を振り払う。

 

 

「けちぃ。」

 

 

 

 

翌日

 

二宮隊作戦室

 

 

「二宮さん、お客さん来てますよ。」

 

「…客?」

 

二宮隊銃手の犬飼澄晴にそう言われ、視線を向けると、そこには榎沢の姿が。

 

「あ、やっほー。二宮さん。お邪魔してまーす。」

 

そう言って榎沢は出されたであろうお菓子を頬張る。

 

「何の用だ?」

 

「言ったじゃん。あたしにハウンド教えてって。」

 

「断ったはずだが?」

 

二宮はそう言って榎沢を睨む。

 

「残念でした。諦めてませーん。」

 

そう言って榎沢は舌を出す。

 

「犬飼、つまみ出せ。」

 

「えー、俺ですか?…てかいいじゃないですか。教えてあげれば。」

 

犬飼は二宮にそう提案する。

 

「そーだそーだ。けち!」

 

「…」

 

榎沢のその言葉に二宮の機嫌はさらに悪くなる。

 

「あー、分かったー。これ以上あたしが強くなったら二宮さんあたしに勝てないもんねー?」

 

「…あ?」

 

二宮は榎沢を射殺すように睨む。

 

「なんだー、そういう事ね。強くなったあたしが怖いんだよねー?ならしょうがないかー。」

 

安い挑発。

二宮は怒りを通り越して呆れる。

 

「下らん。とっとと出て行け。」

 

「まあまあ、二宮さん。…榎沢ちゃん、それなら俺が教えてあげよっか?俺もハウンド使うし。」

 

犬飼は自分を指さしながらそう提案する。

 

「えー、チャラ男さんはお呼びじゃなーい。

 

 

…てか二宮さんじゃないと意味ないし。」

 

その言葉には犬飼だけではなく、二宮も耳を傾ける。

 

「?…なんで?」

 

「だってキューブを四角錐に割ってるのは二宮さんだけでしょ?普通のトリオンキューブのハウンドならあたしだって出来るし。あの割り方を教えて欲しいの。あと出来れば合成弾ってやつ?」

 

「ほう。…理由は?」

 

二宮はそう尋ねる。

 

「え、カッコイイから。」

 

「帰れ。」

 

「冗談だってばー。…あっちの方が細かく割れそうだから。威力とかも細かく調整出来そう。」

 

「…へえ。」

 

犬飼は興味深そうに笑みを浮かべる。

 

「…まあ別にいいよー?二宮さん、あたしが強くなったら困るもんねー?」

 

榎沢は挑発するようにニヤニヤ笑う。

 

「弾バカセンパイに頼むからいいやー。ジュースとお菓子ご馳走様ー。」

 

そう言って榎沢は出口に歩き出す。

 

 

 

「待て。」

 

 

安すぎる挑発。

 

 

二宮は榎沢を呼び止めると、青筋を浮かべる。

 

 

「1本だけ相手をしてやる。そこで俺を認めさせるのが条件だ。…身の程を教えてやる。」

 

「…いいねぇ。乗った。」

 

 

そんな挑発に乗るのが、NO.1射手、二宮匡貴と言う男であった。

 

───

 

那須の2倍近いトリオン量から降り注ぐハウンド。

那須は堪らず攻撃の手を止め、シールドに集中する。

 

「ほらほらー。どうしたの?」

 

榎沢はもう一度トリオンキューブを生成。

今度は、威力重視の6分割。

 

「まだまだここからでしょ?」

 

新兵器を携えた、榎沢の猛攻に、那須、熊谷は後ずさる。

 

 

「っ…と。」

 

榎沢は背中に集中シールドを展開。

弾丸を弾く。

 

「油断も隙もないね。」

 

榎沢は6発の内、3発を後ろに放つ。

 

その隙に、那須、熊谷は距離を取った。

 

 

「っ…!」

 

榎沢を撃った、荒船はシールドを構えつつ、飛び降りる。

 

───

 

『那須隊のピンチに助け舟を出したのは荒船隊長。なんでだと思うー?』

 

『那須隊に居なくなられたら困るから…ですかね。荒船隊は榎沢と相性が悪いみたいですし。』

 

綾瀬川はそう分析する。

 

『荒船隊としちゃ、連携して榎沢を落とたいんじゃないスか?』

 

『なるほどー。おっと、そして戦場に動きがあったー。諏訪隊長と堤隊員から逃げる半崎隊員でしたが、回り込んでいた笹森隊員により緊急脱出ー。先制点は諏訪隊となったー。』

 

───

 

『お、日佐人くんやるー。』

 

榎沢が通信を入れる。

 

『榎沢のおかげだよ。』

 

『そっちはどうだ?』

 

『えっとねー、那須隊が逃げた。今追いかけてるー。荒船さんは8時のビルにいたよ。移動してるだろうけど。』

 

『分かった。お前はそのまま那須隊を追え。』

 

『ほいほーい。』

 

 

「さーて、那須隊どーこだ?」

 

榎沢はキョロキョロと辺りを見渡す。

 

 

「っと…。」

 

背後から横凪に振られた弧月。

榎沢は咄嗟に前に倒れ込むように躱すと、そのまま、地面に手を付き、カポエラの容量で弧月を振るった、熊谷を蹴り飛ばす。

 

「はっけーん。」

 

 

榎沢はアサルトライフルを構える。

 

その瞬間、こちら目掛けて放たれるバイパーの弾幕が。

 

それに合わせて熊谷は旋空の構えを取る。

 

 

「…あー、例の綾瀬川センパイごっこ(・・・)ね。」

 

熊谷の手元に榎沢のシールドが展開され、抜刀を防ぐ。

那須のバイパーは全方位を囲うように展開された、榎沢のシールドに弾かれる。

途中弾を集中させ、榎沢のシールドを割ろうとしたが、2倍近い榎沢のトリオンによるシールドは、ヒビが入るだけだった。

 

 

「100年早いんじゃない?」

 

榎沢はポケットに手を入れると、トリオンキューブを生成。

 

「玲!」

 

熊谷は那須を庇うように那須の前に立つ。

 

───

 

『後手…だな。』

 

解説の綾瀬川が呟く。

 

『後手?』

 

国近が綾瀬川に尋ねる。

 

『初見殺しのトリオンキューブによるハウンドに気を取られてますね。

 

 

…熊谷と那須は榎沢の本職を忘れてる。』

 

───

 

「…ざんねーん。こっちでしたー。」

 

榎沢はポケットから手を抜くと、そこにはハンドガンが握られていた。

 

「あたしの射程だよ、バーカ。」

 

 

榎沢のハンドガンによるアステロイドは、弾速と威力にトリオンを多く割り振っている。

 

熊谷の2倍以上ある、榎沢のアステロイドは熊谷のシールドを容易く撃ち砕く。

 

「くまちゃん!」

 

那須は裏で構えていたトリオンキューブを消して、フルガードに切り替える。

 

それこそ後手。

 

「おっと。危なー」

 

 

榎沢はトリオンキューブを分割すると、右に避ける。

 

 

後ろから放たれた、日浦のライトニングは、榎沢に当たることなく地面に着弾。

 

6分割されたハウンドは、日浦目掛けて放たれる。

 

『茜!』

 

『ど、どわあぁぁ!!』

 

ハウンドは日浦に着弾。

 

そのまま日浦は緊急脱出となった。

 

 

「ほらほら、年下のあたし相手に防戦一方?お得意のバイパーで攻めてきなよ。」

 

そう言って榎沢はクイクイと指を動かして挑発する。

 

「っ…この…!」

 

「あー、もー、邪魔すんなよー。」

 

「!」

 

榎沢は片手でグレネードガンを生成すると、那須、熊谷とは別の方向に向ける。

 

そして放った。

 

 

 

「っ…ほんとにクソゲーだな…。」

 

イーグレットを構えた、荒船はその場から離れる。

その数秒後に、荒船のいた位置に、榎沢の放ったメテオラが着弾する。

 

『瑠衣ちゃん、諏訪さん達に場所教えたげてー。』

 

『了解。でかした、一華。』

 

 

 

榎沢の早撃ちに防戦一方の那須隊。

 

 

「もう助けてくれる荒船隊は来ないよ?来ても返り討ちだし。…荒船隊の期待通りあたしを倒してみれば?」

 

榎沢はそう言いながらアサルトライフルを生成する。

 

 

「玲、ガードお願い。」

 

そう言って熊谷は弧月を深く構える。

 

「くまちゃん…。分かった。」

 

熊谷は、腰を落として榎沢に切り込む。

 

「はあっ!!」

 

銃口を下げた榎沢。

しかし、それを那須のフルガードと、熊谷のシールド1枚の計3枚のシールドが阻む。

 

「おお。」

 

榎沢は小さく声を上げる。

 

「なるほどー。捨て身で距離詰めるって訳ねー。でも残念。」

 

熊谷の弧月を榎沢は上体を逸らして避けると、弧月を持つ手を掴む。

 

「っ?!」

 

そのままアサルトライフルを捨て、熊谷の弧月を持つ手を小手返し。

熊谷は弧月を落とす。

 

そのまま熊谷の腕を背中に回し、身動きを封じると、熊谷のこめかみに銃口を押し付ける。

 

「近距離なら勝てると思った?攻撃手の間合いでも勝てちゃうんだなー、これが。ほら、

 

 

 

 

…あたしって天才だから?」

 

「くまちゃん!」

 

「玲!逃げ…」

 

「はい、バァン。」

 

そのまま、熊谷の頭は撃ち抜かれる。

 

 

 

 

「2点目。あ、違うか。

 

 

…あなたで3点目だね。」

 

 

 

そう言って怪物は那須に銃口を向けた。




各キャラからの印象&各キャラへの印象(榎沢)

二宮匡貴→生意気。腹が立つ。銃手としての実力を評価。不本意ながら弟子。
犬飼澄晴→可愛いねー。俺がハウンド教えてあげよっか?
那須玲→二宮さんクラスの実力者。
熊谷友子→ムカつく。化け物。

二宮匡貴←スタイリッシュポケインスーツさん。
犬飼澄晴←チャラ男さん。
那須玲←バイパーの人。
熊谷友子←弧月の人。


榎沢の丸くなった戦闘スタイルは勘とノリで戦うクレイジー銃手です。
あんま変わんねえよって?
今までは相手を舐めてかかってましたが、今は相手のあらゆる手に警戒して動いてます。煽りは健在。
煽りによる人心掌握、絶対的な勘による狙撃の無効化。
そこにトリオンキューブによるハウンドが加わりました。
置き弾等、戦略の幅が広がってます。
こうしてまた1人化け物が産まれましたとさ。

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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