白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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いい感じに筆が乗ったのでもう1話出します。


B級ランク戦ROUND1 VS鈴鳴第一、荒船隊③

『こ、これは…何が起きたんでしょう?!』

 

綾辻は解説席の2人に視線を向ける。

出水は冷や汗を流しながら、画面を見ている。

三輪も驚愕の表情を浮かべていた。

 

『…一応撃った本人も驚いてる…のか?表情変わらんから分からん!』

 

さすがに偶然だろう。

 

観客もざわめき出す。

 

『えっと…よ、よく分かりませんが、柿崎隊に1Pt入ります!そして鈴鳴第一は別役隊員が居なくなったことで来馬隊長への援護狙撃が居なくなった!』

 

 

 

 

 

 

 

『ザキさん!太一くんが落ちた!』

 

『どういうことだ?!』

 

『えっと…よく分からないんだけど綾瀬川先輩が…』

 

『清澄。』

 

『…うちだけ狙撃手が居ないんで一応入れといたんですよ。それよりも早く来馬さんを。こっちはもう限界です。』

 

「虎太郎、行くぞ!」

 

反撃に出るため、2人は来馬を追った。

 

 

 

 

 

 

「今のは…狙ったのか?」

 

敵ということを忘れ、話しかける村上。

 

「オレがそんな芸当出来るようなやつに見えます?」

 

「…なるほど。だがチェックメイトだ。」

 

村上の孤月が綾瀬川の肩を切り裂く。

 

「…オレよりもあんたのところの隊長を助けに行った方がいいんじゃないッスか?」

 

「もちろんそのつもりだ。…お前を倒してからな…!旋空弧月…!!」

 

綾瀬川は転がるように建物の中に飛び込む。

しかしすぐに建物は両断されてしまう。

 

 

「さすがに死んだな、これは。」

 

 

綾瀬川は直ぐに建物から飛び出すと、村上の前に現れる。

 

 

「アステロイド。」

 

村上目掛けてアステロイドをバラけさせて放つ。

しかしシールドで簡単に防がれる。

これ以上後ろに逃げればエリアオーバーで脱落となる。

 

 

「終わりだ。」

 

「そうですね。一思いにどうぞ。」

 

「旋空弧月…!」

 

「…そうだ、後ろ気を付けてくださいね。」

 

「!」

 

──トリオン供給機関破損、緊急脱出(ベイルアウト)

 

無機質な機械音と共に綾瀬川の身体は光となって空に打ち上がった。

 

 

 

それと同時にいくつかの弾が村上の左肩を襲い、レイガストを持つ左腕を吹き飛ばした。

 

 

 

『ここで綾瀬川隊員が緊急脱出!それと同時に鈴鳴第一、来馬隊長も柿崎隊長の銃撃で緊急脱出!柿崎隊が2人!鈴鳴第一は村上隊員ただ1人!それも綾瀬川隊員の置き土産で左腕を失った!そして荒船隊は全員残ると言う当初の予想とは真逆の展開となった!』

 

『最後のはアステロイドじゃなくてハウンドだったな。これは鋼さんなかなかしんどいぞ。』

 

 

 

 

 

「くそ…。」

 

村上は悪態をつきながら飛ばされた左肩を抑えた。

 

 

「よう。新顔に随分してやられたみたいだな。」

 

そこに弧月を構えた荒船が現れる。

 

「そうだな…不気味なやつだった…!」

 

荒船と村上の弧月が衝突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここで試合終了…!B級ランク戦ROUND1夜の部は4対3対1で柿崎隊の勝利です…!』

 

 

その後の試合展開はこうだ。

 

来馬を落とした柿崎隊はバッグワームでどうにかデパートに、侵入。

最後に穂刈の置き弾で巴を落とされるも柿崎が穂刈、巴が半崎を落とし、デパートでの戦いを制した。

 

北西、荒船と村上の戦いは左腕を失った村上は防戦一方。そのまま荒船に落とされ、ここで鈴鳴第一は全滅。

そのまま柿崎を落としにデパートに向かうが、そこでタイムアップ。

試合終了となった。

 

 

柿崎隊

 

 

柿崎 2P

照屋 0P

巴 1P

綾瀬川 1P

 

合計 4P

 

 

 

荒船隊

 

 

荒船 2P

穂刈 1P

半崎 0P

 

合計 3P

 

 

 

鈴鳴第一

 

 

来馬 0P

村上 1P

別役 0P

 

合計 1P

 

 

 

 

 

『今回のランク戦、解説のお二方に総評してもらいましょう。出水隊員、お願いします。』

 

『そうだな、まずは荒船隊。狙撃手対策される前提の動きだったな。荒船さん以外の2人がマップ全体を見渡せるデパートを早々に取って荒船さんがバッグワーム奇襲。読みが当たった感じだな。』

 

『なるほど…対策される前提の動き…ですか。確かに照屋隊員と綾瀬川隊員の合流を読んだ位置で待ち構えてましたからね。…ほか二部隊についてはどうでしょう?』

 

『たく、お前もなんか喋れよ…。』

 

出水は黙って何か考え込んでいる三輪を毒づきながら続けた。

 

『鈴鳴第一は…そうだな…柿崎隊に…っつーか綾瀬川にしてやられたって感じか?鋼さんも早々に綾瀬川倒して2人と合流するつもりだっただろうな。まさかあんなに粘られるなんて思ってなかっただろーぜ。』

 

『そうだな…。』

 

ここで三輪が解説に加わる。

 

『今回の試合結果、一番大きな要因は間違いなく綾瀬川が別役を落とし、村上先輩を削った点にある。』

 

『つーかあの腰撃ちイーグレットはなんだったんだ?』

 

『…』

 

 

 

『つ、続けます。見事勝利を収めた柿崎隊はどうでしたか?』

 

『うーん、勝ちはしたけど試合運びとしては微妙だったな。終始振り回されてる気がした。雨と夜っていう時間帯で狙撃手を封じた気になってたな。実際それで虎太郎の足がやられてるし。それがなけりゃ最後虎太郎が落とされることも無くて、荒船隊との点差をもっと縮めれたと思うぜ。』

 

『なるほど。今回の試合は柿崎隊の狙撃手対策を荒船隊がさらに対策をし、試合展開を掴み、柿崎隊が苦しながらも逃げ切った。という感じですね。…それではこれにてB級ランク戦ROUND1夜の部を終了したいと思います。ご清聴ありがとうございました!』

 

 

 

 

 

 

 

 

柿崎隊作戦室

 

「い、いやー!勝ちましたね!」

 

静まり返った作戦室の中宇井が切り出した。

しかし、雰囲気は暗く、特に照屋は酷く落ち込んでいた。

 

「文香、気を落とすな。勝ちは勝ちだ。」

 

「でも…私…何も出来ないまま落とされちゃって…私が綾瀬川先輩を援護出来れば村上先輩だって落とせたかもしれないのに…!」

 

「…どうだろうな。あの人化け物だろ。まるで歯が立たなかった。」

 

綾瀬川が照屋の言葉にそう返した。

 

「ははは…仕方ないですよ。ボーダートップクラスの攻撃手ですから。逆にあれだけ生き残った綾瀬川先輩は凄いですよ!No.4ですよ?No.4。」

 

巴は綾瀬川をフォローして持ち上げる。

 

「…そう言って貰えると死んだ甲斐がある。」

 

「ちょ、実際は死んでないですからね?!」

 

宇井のツッコミが入り、作戦室は少し明るくなった。

 

「綾瀬川先輩…イーグレット…使えたんですね。」

 

照屋が疑るような目で尋ねる。

 

「まあ…な。最初は狙撃手志望だったんだ。だけどスコープを使って照準を合わせて撃つのが苦手でな。撃つまでに10秒はかかってまるで使えたもんじゃない。だから辞めたんだ。」

 

「でも今日はしっかり当ててましたよね?」

 

その言葉に3人ともこちらを見た。

 

「偶然だ偶然。スコープを覗かずにあの距離を当てられる訳ないだろ?当たらなくても牽制になればいいなって思って撃ったらたまたま当たったんだ。」

 

「…偶然…ですか?」

 

「…ああ。」

 

「ま、まあおかげで勝てたんだから良いじゃないか!文香も。お前が荒船を抑えてくれたから清澄が村上の足止めをできたんだ。そこまで気を落とすな。」

 

柿崎がフォローするように言う。

 

「…はい。」

 

「さて!まだ試合は続くが初戦の勝利を祝って祝勝会でもやるか!」

 

「やったー!ザキさん、私お寿司がいいー!」

 

「俺肉食べたいです隊長!」

 

 

「…オレはなんでも。」

 

「…」

 

照屋は表情ひとつ変わらない綾瀬川の後ろ姿を怪しむような目で見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ボーダー鈴鳴支部作戦室

 

「すいません…俺のせいです。俺がもっと早く綾瀬川を落としていれば…」

 

村上は3人の前で頭を下げた。

 

「鋼のせいじゃないよ。僕らこそ1人も落とせなかった。」

 

「そうっすよ!俺なんてよく分からないまま落とされましたから!」

 

鈴鳴第一の狙撃手、別役(べつやく) 太一(たいち)はフォローするように言った。

 

「あれは分かってなきゃ防げないわよ…。私こそ…綾瀬川くんのトリガー構成が分かってなかったのに射線管理が甘かったわ…。ごめんなさい。」

 

そう言って謝るのは鈴鳴第一のオペレーター、(こん) 結花(ゆか)だ。

 

「今回はお互いさまだよ。それに鋼は初めて戦う相手だったんだ。仕方ないよ。…綾瀬川君の動きは今日見たんだ。次に活かそう。」

 

「…はい。」

 

「鋼くんらしくないわね。次は勝ちますっていう所じゃないの?」

 

「…ははっ、そうだな。」

 

 

チームの話をしてもまるで意欲も興味もないような冷えきった瞳だった。

戦闘意欲の無いような動き。

 

 

恐らく一度も俺を落とす気で攻撃をしていないのだろう。

 

 

 

綾瀬川清澄…か。

 

 

 

 

…何者なんだ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

──

 

「…で?話ってなんだ?三輪。」

 

祝勝会の後の帰り道。

そこには三輪が待っていた。

 

すると三輪はオレにお茶を手渡してきた。

 

「初戦突破の祝いだ。…やる。」

 

「…ありがとう。」

 

 

 

 

会話が止まる。

 

…気まずい。

 

「今日のスコープなしの狙撃…あれは狙ったのか?」

 

そう思っていると三輪が切り出した。

 

「はあ…ボーダー基地を出る時出水と米屋と緑川にも聞かれた。偶然だよ偶然。同期でまあまあ付き合いの長いお前なら分かるだろ?オレにそんな芸当出来ると思うか?当てたオレが一番驚いてるんだからな?」

 

「…それもそうだな。」

 

…それはそれで傷つく…。

 

「…ともあれ…

 

 

…初戦突破おめでとう。同期の仲間の勝利は嬉しいものだな。」

 

「…そうか。」

 

「…っ…忘れてくれ。」

 

三輪は顔を逸らして言った。

 

「…ああ。」

 

「…まだランク戦は続く…

 

 

…頑張れよ。」

 

 

そう言って三輪は逆方向に歩き出した。

 

 

 

 

 

──仲間…か。

 

 

だが三輪…オレはお前を仲間だと思ったことは無い。

柿崎隊のメンバーも。

オレが勝つための道具でしかない。

 

──この世は勝利が全てだ。

 

過程は関係ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…最後にオレが勝ってさえいればそれでいい。

 

 




各キャラへの印象&各キャラからの印象

柿崎隊→頼れる仲間。

柿崎隊←勝つための道具。


ROUND1、綾瀬川のトリガー編成

メイン:アステロイド、弧月、イーグレット、シールド
サブ:ハウンド、メテオラ、バッグワーム、シールド

最後の文一応変えたんですが、原作のパクリすぎとか注意されたら変えます。

感想、評価等よろしくお願い致します。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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