白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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決着です!


B級ランク戦ROUND4 諏訪隊VS荒船隊VS那須隊③

『榎沢隊員強い!日浦隊員と熊谷隊員を瞬く間に緊急脱出させてしまったー!』

 

『すげえな、アレ。なんの武術だ?』

 

米屋が苦笑いで尋ねる。

 

『合気道だな。太刀取りも滑らかだったな。』

 

『ほぇー。体術まで一級品かよ。隙がねえな。』

 

『いっきに2人落ちた那須隊、そして次は那須隊長の番かー?』

 

 

───

 

「…」

 

「っ…!」

 

那須目掛けて発砲。

那須はシールドで受けながら後ずさり、ビルから飛び降りる。

 

「逃がさないよー?」

 

榎沢はグラスホッパーを展開すると、那須を追うように足をかける。

 

「!」

 

そこで気付く。

 

榎沢の周りに散らばったトリオンキューブに。

熊谷が残したメテオラだった。

 

「へぇ、いい置土産じゃん。」

 

榎沢はシールドを固定して、それを受ける。

 

「泣かせるねー。」

 

那須は離れた位置を駆けながら、こちらにバイパーを放った。

 

「ま、撃ち合いなら付き合ってあげますかー。」

 

榎沢はハンドガンを人差し指で回しながら、トリオンキューブを分割。

 

那須のバイパーを撃ち落とす。

 

 

『そっち大じょーぶ?諏訪さん。』

 

『ああ。お蔭さまでな。日佐人拾ってそっち行く。』

 

『りょーかい。…でもまあ…必要ないかも。』

 

那須は建物を射線に入れてトリオンキューブを分割する。

 

 

「もう見飽きたよ。」

 

榎沢はグラスホッパーを複数展開。

 

那須のバイパーが追い切れないほどのキレで那須に接近する。

 

「っ…!」

 

ハンドガンを向ける榎沢に那須は後ろに飛びながらシールドを構える。

 

「だから…無駄だって…!」

 

榎沢はハンドガンを発砲することなく、体勢を低くすると、そのまま那須に足払いをかける。

 

「3点目…!」

 

倒れた那須に榎沢は馬乗りになると、ハンドガンを向ける。

 

 

 

 

「!」

 

 

 

その背後。

建物を回り込んで、榎沢の死角にこちらに迫るバイパーが映った。

 

 

 

 

しかし、それは榎沢の背中に展開されたシールドに防がれた。

 

 

 

 

「へぇ、やるじゃん。日佐人くん。」

 

「間に…合った…!」

 

 

 

そして発砲。

榎沢の放ったアステロイドは那須の額に風穴を空けた。

 

 

───

 

『那須隊長も逃げきれず緊急脱出!那須隊はここで全滅、諏訪隊が4点獲得で独走状態となった。』

 

『熊谷の置き弾、那須の建物を死角にした奇襲は面白かったが…届かなかったな。』

 

『最後は惜しかったねー。笹森隊員が間に合わなければ、分からなかったんじゃない?』

 

『…ま、ればの話ですね。…笹森は間に合って那須は落ちた。それが結果であり隊としての実力の差ですよ。諏訪隊の方が強かった。それだけだ。』

 

そう言って綾瀬川は目を細めた。

 

 

───

 

「…ありがと、日佐人くん。」

 

そう言って榎沢は立ち上がる。

 

「え?あ、ああ。」

 

「それから…

 

 

 

…この前は撃ってごめんね。」

 

「…え…?」

 

榎沢は顔を逸らしながらそう言った。

 

「でもあたしは間違ったことをしたとは思ってないから。」

 

「…諏訪さんも小佐野先輩も榎沢の事怒ってたけど、ぶっちゃけ俺もあの場面ならあれが正解だったって今でも思ってるよ。だから気にしてない。」

 

「日佐人くん…。ふふ、話が分かるなー、日佐人くんは。次からもいいバリケード役として頑張ってくれたまえよ。」

 

そう言って榎沢は笹森の背中をバシバシと叩く。

 

「お前な…。」

 

そこに諏訪と堤も合流する。

 

「荒船隊はどうだ?」

 

堤が榎沢に尋ねる。

 

「え、知らない。諏訪さん達が追ってくれてたんじゃないの?」

 

「大体の位置はわかるがバッグワームで潜まれてちゃな…。」

 

「そこでお前の勘の出番って訳だ。」

 

「なるへそ。ちょいまち。」

 

榎沢は目を閉じる。

 

 

 

「あっちだね。」

 

 

そう言って榎沢は北を指さして歩き出す。

 

「は?さっきと逆だぞ?」

 

「まーまー。私の勘を信じたまえ!」

 

 

───

 

『おっと、諏訪隊は北に動いたぞ?』

 

『…逃げ切りか?』

 

『荒船隊は位置バレを避けて撃ちませんね。』

 

───

 

マップ北を一通り探して数十分。

 

 

 

もうすぐタイムアップの時間が来る。

 

 

「あ?」

 

 

そしてタイムアップまで数秒という時に、諏訪の胸に穴が空いた。

 

 

荒船隊がいたのは逆の南と、東だった。

 

 

 

 

「…おい、榎沢?」

 

「あり?北だと思ったんだけどなー。

 

 

 

 

 

…まあ勘だから?当たるわけじゃないよ?」

 

 

「テメッ!そう言う大事な事は早く言いやがれ!!」

 

 

そして諏訪は緊急脱出。

荒船隊が1点もぎ取った。

 

 

「…言ってなかったっけ?」

 

 

 

諏訪隊

 

 

諏訪 0P

堤 0P

笹森 1P

榎沢 3P

 

合計 4P

 

 

 

荒船隊

 

 

荒船 0P

穂刈 1P

半崎 0P

 

合計 1P

 

 

 

那須隊

 

 

那須 0P

熊谷 0P

日浦 0P

 

合計 0P

 

 

 

『ここで試合終了ー。4対1対0ー!米屋くんとあやせくんの予想通り諏訪隊が勝ったねー。』

 

『最後のはなんだったんだ?』

 

『…んー…散歩?』

 

───

諏訪隊作戦室

 

「いやー、勝ったねー。」

 

「…そうだな。」

 

諏訪はぶっきらぼうにそう言う。

 

「えー?諏訪さんまだ怒ってんのー?1点もとってないくせにー。」

 

榎沢はそう言って頬を膨らませた。

 

「そうだよ諏訪さん!一華は3点取ってるんだから!」

 

そう言って小佐野は榎沢の頭を撫でる。

 

「瑠衣ちゃん飴欲しい〜。」

 

「好きなだけ持っていきたまえー。」

 

「お前らな…。」

 

「まあまあ、諏訪さん。」

 

堤が諏訪の肩に手を置く。

 

「わーってるよ。」

 

そう言って諏訪は頭をかいたあと、榎沢を一瞥して笑みを見せた。

 

───

 

『今回のランク戦、2人はどー見る?』

 

『実力差が浮き彫りになった試合でしたね。』

 

『おい、綾瀬川?』

 

綾瀬川の直球な物言いに、米屋は冷や汗を浮かべる。

 

『とゆーと?』

 

『那須隊は榎沢1人にしてやられた。ROUND1の香取隊の時と一緒ですね。最後の那須のバイパーは面白かったですけど…那須隊の敗因は言うまでもなく実力差…ですね。狙撃が効かないとは言え2対1。射手とメテオラで射程もある攻撃手の2人。それで勝てないようじゃ上位は…『綾瀬川ー。』』

 

米屋が苦笑いで制する。

 

『…榎沢の技術の高さが伺えますね。』

 

『お前、意外とキツイよな。』

 

『荒船隊はど?』

 

それに答えたのは米屋だった。

 

『榎沢との相性が最悪でしたねー。榎沢がいる以上残りの諏訪隊は射線に気をつけながら動けば荒船隊は「市街地B」じゃ動けねえ。特に序盤で精密射撃の名手半崎が落ちたのが痛かったな。那須隊の援護をしてたみてーだが…そこは榎沢の実力だろ。終わってみば圧勝だ。』

 

『中々思うように動けなかったもんねー、荒船隊は。』

 

───

 

那須隊作戦室

 

「綾瀬川くんの言う通りだね…。」

 

那須はそう言って目を伏せた。

 

「っ…。」

 

熊谷は悔しそうにテーブルに拳を打つ。

 

榎沢の太刀取り。

動きが滑らかすぎて、何をされたか分からなかった。

気づいたら榎沢に背中で腕を抑えられ、頭を撃ち抜かれていた。

 

「クソ…。」

 

 

───

 

荒船隊作戦室

 

「とれたな、奇跡的に。1点。」

 

穂刈はそう言って親指を立てる。

 

「本当に奇跡的だが、よくやった。」

 

「影浦くんに、綾瀬川くんに、榎沢さん。みんな狙撃通じないよ…。狙撃手に恨みでもあるのか?」

 

加賀美はそう言って項垂れる。

 

「通じたところで今回勝てたかどうかは微妙だ。」

 

そう言って荒船は帽子を被り直す。

 

 

 

「狙撃手もマスタークラスに行ったからな…。そろそろ新しい事も考えてみるか。」

 

───

 

『と、言うわけで諏訪隊は夜の部の結果次第で上位復帰な訳だけどー。そこんところB級1位のエースとしてはどーよ?』

 

国近が綾瀬川に尋ねる。

 

『特には。当たったらいつも通り戦うだけですね。』

 

『楽しみってことだねー?』

 

国近が強引に話を締めくくる。

 

『じゃ、終わろっか。これにてB級ランク戦中位昼の部を終わりまーす。実況は私、国近が。解説は米屋くんとあやせくんの、2-Bの3バカのうちの2バカでしたー。』

 

 

『『おいコラ。』』

 

 

───

 

「うし、んじゃおつかれー、綾瀬川。この後二宮隊とかとやるんだろ?頑張れよー。」

 

「お前には後で話がある。」

 

米屋の肩を小突きながらオレは国近に目を向ける。

 

「じゃあねー、あやせくん。」

 

「アッハイ。お疲れ様です。」

 

 

国近にそう返すと、後ろから何やら不穏なオーラが。

 

 

 

「清澄せんぱーい?」

 

 

「「ひっ!」」

 

米屋と国近は声を弾ませた後、そそくさと立ち去った。

 

「悪いな、真登華。ちょっと解説頼まれて…

 

 

…怒ってるのか?」

 

 

「逆にどう見えますー?」

 

 

 

 

今度2人で映画見に行く約束した。

それで許された。

 

 

 

なんで怒ってたのかわからん。

 

 

───

 

「ふぅ…。」

 

真登華を宥めた後、オレは自販機の前のベンチに座って休憩していた。

 

「…お前は試合の前に何をやっているんだ?」

 

その言葉と共にお茶を投げられる。

 

「っと…三輪。」

 

なんとかキャッチした後、お茶を投げた張本人、三輪に視線を向けた。

 

「休憩だ。まあ色々な。久しぶりだな。くま、もう無くなったな。最近は寝れてるのか?」

 

「…あの後…嵐山さんと話した。」

 

そう言いながら三輪はオレの隣に座る。

 

「迅は…母親を近界民に殺されているらしい。」

 

三輪の飲み物を持つ手に力が篭もる。

 

「俺は分からなくなった。何を憎むべきなのか…。俺の敵は本当に…近界民全てなのか…?」

 

三輪はそう言って俯く。

 

「…知るか。」

 

そう言ってオレは立ち上がる。

 

「綾瀬川…。」

 

「近界民の絶滅でもいい。お前の姉さんを殺した近界民への復讐でもいい。オレはそれに付き合ってやる。だから…

 

 

 

 

…お前の敵はお前が決めろ。」

 

 

そう言ってオレは作戦室に向かって歩き出す。

 

「…お茶、ありがとう。」

 

「…」

 

 

 

 

そしてROUND4夜の部がやってくる。

 

 

B級ランク戦上位夜の部

 

柿崎隊VS二宮隊VS玉狛第二VS東隊

 

 





榎沢のサイドエフェクトの欠点、勘が当たるか分からない。(榎沢曰く勘に委ねた方が当たりやすい。)

まあ副作用って言うくらいだからね。

ちなみに綾瀬川のサイドエフェクトの欠点は情報を絞る即ち、膨大な情報が脳の1つの部分に一気に飛び込むことになるので、普通の人間が使うと、動けなくなる。五条の領域展開的な?(伝われ。)
てか普通に脳がショートする。
結論それを扱える綾瀬川は化け物。
多分人間やめてる。

次多分幕間かな。

ちょっと幕間とは別のアンケート撮りますね。

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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