鈴鳴第一作戦室
「…さて、いよいよ上位だ。」
来馬が隊員の前でそう切り出した。
「僕らの新戦術が上位にどれだけ通用するか分からないけど…。」
来馬は緊張した面持ちでそう言った。
「大丈夫ですよ!俺の考えた作戦もありますし!」
別役はそう言って親指を立てる。
「まったく、気楽なんだから。鋼くんも寝てるし…緊張してる私と隊長が馬鹿みたいじゃない…。」
鈴鳴第一のオペレーター、今結花はそう言って呆れたようにため息を吐きながらも、笑みを見せる。
「そうだね。…やれる事はやった。あとは勝つだけだ。」
──
『ここで鈴鳴第一によりマップは「市街地D」に決定されました!マップの解説をお願いしてもよろしいですか?』
三上の言葉に、烏丸は頷く。
『「市街地D」は高い建物が多い、縦に広いマップですね。バッグワームをつけて建物に潜んだらまず見つかりません。…中央にある大きなデパートでの戦闘が多いイメージです。…今シーズンは諏訪隊がよく選んでいるマップです。狙撃手は不利なので…太一の狙撃を抜きにしてまで絵馬を止める狙いじゃないですか?』
『なるほど。』
──
影浦隊作戦室
「Dかー。極端なマップ選んでくるねー。鈴鳴。」
北添はそう言って唇をとがらせる。
「ユズルはどうする?デパートの外から?」
「…俺も中に行くよ。壁抜き狙ってみる。」
「おっけー。カゲは大丈夫そ?マップ分かる?」
「問題ねえよ。綾瀬川だけじゃなくて久しぶりに鋼ともやれるんだ。俄然燃えてきたぜ。」
「しゃー!勝てよお前ら!綾瀬川の飯がかかってんだからよ!」
そう言って仁礼は3人の背中をバシバシ叩く。
「もうゾエさんツッコミませーん。」
──
王子隊作戦室
「現状一番不利なのはうちだ。」
作戦室に入ってきた王子は開口一番、そう口にした。
「不利…ですか?うちに狙撃手はいませんが…。」
樫尾は疑問符を浮かべて王子に視線を向ける。
「狙撃手がいてもいなくてもうちが不利なのは変わらないよ。鈴鳴はマップの選択権と新戦術がある。柿崎隊は言わずもがな、影浦隊にも総合力で勝てない。…パワーバランスの一番下なのがうち、王子隊だ。利根川や鈴鳴が舐めてかかってくれば付け入る隙はあるだろうけど…それは無いだろうね。」
王子はお手上げというように、手を広げる。
その言葉に樫尾は俯く。
「…と、悲観しても仕方ない。僕らには僕らのできることをやろう。柿崎隊にはやられっぱなしだからね。いつも通り合流して、狙撃手や、浮いた駒を取る。…負けっぱなしは悔しいからね。」
そう言って王子は笑みを浮かべた。
──
柿崎隊作戦室
「Dか。…絵馬を抑えられると喜ぶべきかもな。」
そう言って柿崎は顎に手を当てる。
「そうですね。エスクードも有利なマップだと思います。」
照屋もそう分析した。
「手強そうですね…鈴鳴の新戦術。」
巴はそう言って息を呑む。
「私はマップがDだから楽出来そう。…次はサクッと落とされないでくださいよー?清澄先輩。」
「…分かってるよ。
…勝つさ。」
そう言ってボーダー最強の怪物は抑揚のない無機質な声で答えた。
──
『転送準備が整いました。…転送開始!
…完了!
マップ「市街地D」、時刻「夜」!
B級ランク戦ROUND5、上位昼の部、スタートです!』
『夜…か。意地でも狙撃手を封じたいのか?鈴鳴は。』
『まあ鈴鳴の新戦術は中距離特化っスからね。絵馬の狙撃は脅威だし何より、綾瀬川先輩もイーグレット入れてるかもしれないですから。』
『…なるほど…。木崎隊長とは違い、各試合ごとにトリガー構成を変える綾瀬川隊員の戦い方。木崎隊長はどう思われますか?』
『相手にするとしたら「やりにくい」だ。相手にする度に綾瀬川のトリガー構成に気を散らされる。決めつけてかかれば予想外の奇襲に遭う。アドリブの対応を強制させるという強みがあるな。』
木崎はそう言って目を伏せた。
『とは言ってもトリガー構成を頻繁に弄ると咄嗟の切り替えを失敗しやすくなります。俺も万能手の端くれですけど…真似出来ない芸当ですね。』
『ああ。それ以前に綾瀬川の強みの根底はどのトリガーもトップランカー並みに使いこなせる技量があってこそだ。
…俺でも真似はできない。』
『なるほど。…さて!各隊ランダムな位置から始まったこの試合、中央のデパート内、最上階には村上隊員が、2階に巴隊員、1階には別役隊員が転送された!各隊デパートに寄った転送位置となっています!』
『来馬さんもデパート近いッスね。転送位置的には鈴鳴が有利だと思います。』
『転送と同時にバッグワームでレーダーから姿を消したのは、王子隊の3人と絵馬隊員、別役隊員の狙撃手両名、そして柿崎隊の巴隊員と綾瀬川隊員です!』
『王子隊は開幕速攻で合流を目ざしてるな。このスピードなら一番乗りで交流できそうだ。』
『綾瀬川先輩はまあ…いつもの嫌がらせッスね。トラッパーを警戒させるのはバッグワームだけで十分スから。』
──
『隊長!俺デパートの中でした!この階にはいないみたいですけど…下か上かのすぐ近くに反応ありです。』
『分かった。俺と文香も直ぐに向かう。清澄はどうする?』
『オレはちょっと遠いんで。まあ一応デパート目指しときますよ。高台に狙撃手いないか探しながら行きます。』
『分かった!』
『狙撃手以外に3人消えてるよ。ゾエさんもよくバッグワーム付けるから気をつけてね。』
『了解。助かるぜ。』
──
『試合開始から5分経過。依然試合は各隊マップ中央、デパートを目指す動き戦闘は始まっていません。』
『虎太郎と村上先輩は近いッスけど…2人とも合流優先みたいですね。』
『来馬が近いからな。新戦術は来馬がいないと始まらない。』
『そしてデパート南東、影浦隊長と絵馬隊員が合流しました。』
『絵馬は高台じゃなくて合流…ですか。』
『2人ともデパートに動き出しました。』
──
『デパート内にゃ、1人だなー。』
仁礼が影浦に通信を入れる。
『でもあとからバッグワームつけた奴がいたから気をつけろよ?カゲ、ユズル。』
『ゾエさんは?』
絵馬が北添に通信を入れる。
『僕はもうちょいかかりそう。どーする?デパートにメテオラ撃っとく?』
『綾瀬川先輩も消えてるかもだから止めといた方がいいんじゃない?マップ狭いし。旋空の射程にいるかもよ。』
『確かにー。怖っわ。』
──
『そしてデパート西では早くも王子隊が合流を果たした!しかし、デパートには入らず動きません。まずは様子見と言った所でしょうか!』
『王子先輩は考えて動くタイプですからね。鈴鳴の動き、あとは綾瀬川先輩のトリガー構成が分からない以上、様子見してから乱入する気じゃないですか?』
『そうだな。全員が射程持ちな上にバッグワームだ。奇襲の準備は万端だな。』
『そして柿崎隊、柿崎隊長と照屋隊員が合流。そのままデパートの扉を潜りました。』
『中には虎太郎もいますからね。鈴鳴も来馬さんが来たので…そろそろ始まると思いますよ。』
──
『隊長、デパートの反応は村上先輩でした。最上階で待ち構えてます。』
『ってことは来馬さんも来てんな。俺と文香も合流した。虎太郎も合流してくれ。』
『了解です。』
『慎重にな。まだ誰か潜んでるかもしれねえ。』
──
『続々とデパートに集まってきた4チーム。鈴鳴も合流を果たしました。1階には別役隊員と影浦隊、2階に柿崎隊、最上階に鈴鳴の2人が合流、王子隊は依然としてデパート前で身を潜めています。』
『…始まるな。』
──
デパート2階
吹き抜けを突き抜けるように、伸ばされたスコーピオンは、手すりに引っかかる。
そして、それを利用しながら、2階に降り立ったのは、影浦だった。
「隊長!」
「ああ!」
照屋の合図でエスクードが展開される。
『カゲだけか?ゾエがいねえな。』
『絵馬くんも警戒しましょう。ここなら壁抜きも有り得ますよ。』
そういいながら、照屋はエスクードの陰で、弧月とハンドガンを構える。
そして照屋の視界の影。
レイガストと弧月を構えた村上。
そして来馬が映る。
B級ランク戦ROUND5、開戦の狼煙をあげたのは、影浦の伸びるスコーピオンだった。
あとがきは何を書こうかしら。
私のワートリの好きなトリガーでも。
弧月です。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。