『ここでいよいよ柿崎隊と影浦隊、そして鈴鳴第一がぶつかった!』
『いきなりの三つ巴ですね。』
三上の言葉に烏丸はそう話す。
『この三つ巴、どの隊が有利だと思われますか?』
三上の質問に答えたの木崎。
『柿崎隊だな。既に3人合流している。ただでさえA級レベルの連携だ。』
──
木崎の言葉通り、戦況は柿崎隊有利に進んでいた。
影浦をエスクードを利用した照屋が押え、エスクードの陰からレイガストを構えた柿崎による射撃、巴のハンドガン射撃が、鈴鳴を襲い、防戦一方となっていた。
『鈴鳴は様子見でしょうか?』
巴がアステロイドを放ちながら柿崎に尋ねる。
『だろーな。太一もどこにいるか分からねえ。レーダーの反応も1人消えた。ゾエもこっち向かってるだろーな。ここは慎重に清澄の到着を待とう。』
『了解です。』
──
『不利なのは影浦隊に見えるが…下の階、絵馬が戦場の真下に来ている。天井抜きも有り得るだろう。北添もバッグワームで姿を消した。北添が加われば、影浦隊が有利になるだろう。…綾瀬川ももう直デパートに着く。鈴鳴としては北添、綾瀬川が到着する前に何点か取っておきたい所だろう。』
──
『柿崎隊の動きも慎重ですね。…綾瀬川の到着を待ってるんでしょう。隊長、仕掛けましょう。』
鈴鳴第一エース攻撃手、村上が来馬にそう提案する。
『…分かった。』
来馬のその言葉と同時に、村上はレイガストをシールドモードに切りかえ、メイントリガーも、シールドに回せるように空ける。
そして、村上の後方にいた来馬はフルアタックに切り替える。
「!、文香!」
「!」
柿崎の言葉に、照屋は影浦との斬り合いを止め、シールドを構えながらエスクードに飛び退いた。
影浦も同様に、フルガードに切り替え、柿崎隊の射線に入らない、デパートの柱に隠れた。
「チッ!」
『ゾエ、テメェまだ着かねーのか?』
『もうデパート登ってるよ。鈴鳴の後ろ周り込めそう?』
『鈴鳴の後ろは吹き抜けだ。後ろからは無理だ。』
北添の問いに仁礼が答える。
『りょーかい。じゃ、カゲの援護に入るね。ユズルは?一緒に上来る?』
『…いや、柿崎隊の動きが止まった。レーダー便りだけど…ここから上、狙ってみる。』
『おっけー。』
──
『出ました!鈴鳴第一の新戦術!』
『新戦術と言うよりは新フォーメーションですね。村上先輩が来馬さんをレイガストで護って来馬さんは後ろからフルアタック。ROUND4、これで大量得点を挙げてます。』
──
『体感すると凄いですね…!撃ち合いに持ってけないです。』
来馬のフルアタックにより、柿崎のエスクードにヒビが入り始める。
エスクードは消費トリオンが高いため、数は出せない。
柿崎隊の3人も防戦一方となる。
『清澄先輩。』
『分かってるよ。もう着いた。王子隊と鉢合わせそうになったから裏から回ってるんだよ。…王子隊も1階にいますよ。』
『了解。じゃあここを凌ぎ切るぞ。』
『隊長。影浦先輩、先に落としませんか?』
照屋が柱の陰にいる影浦を見て柿崎に尋ねる。
『あそこにいられるとやりずらいです。フルガードの今なら…』
その瞬間だった。
「3、2…1
…スイッチョフ。」
柿崎がレイガストを構え直した刹那。
デパートは暗闇に包まれた。
「!、照明が…?!」
「!、隊長!!」
「っ?!」
柿崎のレイガストが腕ごと落とされる。
トリオンの光を狙って、放たれた村上の下からの鋭い切り込みは、柿崎の左手を奪う。
「クソ…!」
『真登華、視覚支援だ!』
『了解!』
「…」
照屋は弧月を構えながら視覚支援が行われるのを待つ。
(太刀筋が見えなかった。弧月特有のトリオンの光も見えない。)
「っ?!」
空を切る音に、どうにか反応した照屋は村上の弧月を受ける。
その直後に、柿崎隊にも暗視が入る。
「!、黒い弧月…?!」
村上が握っていたのは黒い弧月。
「!、文香!」
柿崎はスラスターで照屋の後ろに移動。
照屋に放たれたスコーピオンを受ける。
影浦隊も暗視を入れていた。
『太一。』
『了解です。
…スイッチョン。』
次の瞬間、眩い光が、柿崎隊、影浦隊の視界を奪った。
「…旋空弧月。」
「しまっ…」
視界を奪われた照屋は為す術なく、村上の旋空に両断された。
「文香…!」
『真登華!暗視戻せるか!?』
『りょ、了解!』
『虎太郎。照明を壊せ。真登華は暗視の切り替え画面から動かすな。』
そこに綾瀬川の的確な指示が入る。
『!、了解!』
巴は柿崎のレイガストの後ろに身を潜めながら照明目掛けてハンドガンを乱射する。
「カゲ、僕らも仕掛けよう。」
影浦の後ろには北添も到着する。
──
『デパートの照明とオペレーターの連携による環境戦術に、照屋隊員が緊急脱出!鈴鳴第一が先制!』
『黒い弧月…太刀筋を隠すためですね。』
『柿崎隊はその後の照明を壊す対応が良かったが…照屋を失ったのは痛手だな。北添と影浦も合流した。柿崎隊が一気に不利になったぞ。』
──
「っ…エスクード。」
柿崎は地面に手を付き、エスクードを複数展開する。
影浦隊の猛攻を柿崎のレイガストが、鈴鳴のフルアタックを巴がフルガードで受ける。
しかし、1人で抑え切ることはできず、地道に削られていく。
その瞬間、デパート6階の階段、トリオンキューブを構えた天才を影浦隊、鈴鳴第一が捉える。
「アステロイド。」
綾瀬川のアステロイドは影浦隊の北添目掛けて放たれる。
「っぶな…!カゲ、綾瀬川くん来たよ!」
北添はそれをシールドで受けると、綾瀬川にアサルトライフルを向ける。
綾瀬川は走りながらそれを避けると、柿崎、巴と合流する。
「清澄!」
「遅くなりました。…隊長と虎太郎は影浦隊を。
…鈴鳴はオレが倒します。」
──
『ここで柿崎隊、綾瀬川隊員が合流!』
『来たな。』
『これで分からなくなりましたね。』
『っと、ここで、デパート1階でも動きがあった!配電室にいた別役隊員を王子隊が捉える!鈴鳴に次いで得点を挙げたのは王子隊!』
『王子隊は浮いた駒を獲るスタイルだからな。』
──
『鈴鳴とやるったって…勝算は?』
柿崎が綾瀬川に尋ねる。
『エスクード1枚。それだけで充分です。』
『はっ…もう何も聞かねーよ。…頼むぜ、エース。影浦隊は俺と虎太郎で押さえとく。』
『了解。』
フルガードで鈴鳴の弾を受ける綾瀬川。
次の瞬間、綾瀬川と鈴鳴第一の2人を隔つようにエスクードが展開された。
「!」
現れたエスクードは数秒、鈴鳴第一の2人から綾瀬川の姿を隠す。
そして、村上の視界から見て右側から綾瀬川は飛び出す。
それと同時に逆サイドから、弾が。
村上はそれをレイガストで受けた。
来馬が放つフルアタック。
綾瀬川は軌道を見切り、まるで人混みを抜けるような動きで躱しながら接近する。
──
『ここで綾瀬川隊員が鈴鳴にしかけた!』
『相変わらず化け物じみた回避ですね…。』
烏丸が呆れたように言う。
『ハウンドはシールド…か。アステロイドとハウンドも見切ってるな。銃手故の弱点を突いている。』
──
綾瀬川はそのまま早歩きで飄々と鈴鳴の2人と距離を詰める。
村上はもう片方の手で弧月を生成。
綾瀬川を迎え撃つべく構える。
「隙だらけだな。」
「は?」
綾瀬川のその言葉に、村上は一瞬、虚を突かれる。
右手は弧月、左手はレイガスト。
隙なんてとてもない。
「大事な隊長のお守りを忘れてる。」
次の瞬間、村上の背後にいる来馬は、後ろからの弾トリガーに貫かれる。
「え…?!」
「来馬先輩!!」
村上は振り返る。
その刹那、綾瀬川は弧月を生成。
急発進し、村上に切り掛る。
「っ?!」
村上はレイガストでそれを受ける。
──
『来馬隊長被弾!右腕を失う大ダメージか!今の射撃は一体?!』
『さあ?』
烏丸も首を傾げる。
『バイパーだろう。綾瀬川はさっきエスクードの陰で置き玉をしていた。数発は最初、村上に撃った分。そして残り。綾瀬川の放ったバイパーは、階段を下って下の階に。そこから吹き抜けを登って後ろから来馬を貫いたんだろう。』
『!…来馬さんの弾の弾道を演算しながらバイパーの弾道も引いてたって事ですか?…それもそれだけ複雑な?』
烏丸は目を見開いて、木崎に尋ねた。
『そうなるな。これで来馬のフルアタックは封じられた。綾瀬川がさらに詰めるぞ。』
──
「っ…鋼!」
右腕を失い、体中に穴の空いた来馬は、村上に合図をすると、横に飛び退いてハウンドを放つ。
それに合わせて、村上は綾瀬川に切り込む。
「仮にも銃手だろ。もっと弾は散らすべきだ。」
綾瀬川は来馬の弾を弧月一振で切り落とす。
そして村上の弧月をしゃがんで避けると一気に体勢を落として、村上の鳩尾を蹴り上げる。
「っ…?!」
あまりの衝撃に、村上は吹き抜けを突き破り、落下する。
綾瀬川は来馬のハウンドをシールドで受けながら、来馬と距離を詰める。
蹴り飛ばされた村上はそのまま落下する…ことはなく、スラスターを起動して、戦場である6階に戻ってくる。
「いい連携だな。上位にも通用するだろう。」
「っ…綾瀬川…!」
綾瀬川は無機質な声、瞳で村上に話しかける。
「…尤も、オレには通用しないみたいだな。」
そう言いながら、怪物は弧月で来馬の胸を貫いた。
原作ROUND7のスイッチョフ戦法をROUND5に流用してます。
柿崎隊と諏訪隊がいる分鈴鳴あんま出番なそうなんで。
ガロプラ戦頑張ってね、鋼くん。
26巻の表紙いい!
ゾエさんと海くんいいね!(語彙力)
カバー裏誰になるんだろ。
そろそろ林道支部長来るかな?
感想、評価等お待ちしております!
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。