(人智を超えた怪物だよ。)
視界が低くなる中、村上は荒船の言葉を思い出す。
太刀川や風間とは違う異質な強さ。
表情1つ変えず、こちらの手に対応してくる。
村上の首を撥ねた後、綾瀬川は村上に目もくれることなく王子隊に視線を移していた。
分からなかった。
これほどの実力がありながら、実力を隠していたこと。
今になって化けの皮を剥いで見せた理由。
「っ…クソ…!」
その呟きを聴いた綾瀬川は一瞬こちらに目を向ける。
最後に村上が見たのはやはり、こちらに微塵の興味もないような、無機質な瞳だった。
村上は最後に諦めたように笑う。
「…怪物が…。」
──
『村上隊員緊急脱出!柿崎隊が2点目を獲得!』
『えげつないですね。村上先輩を封じてから盾にしましたよ。』
『シールドも使えない土壇場なら有効だろう。』
烏丸の言葉に木崎が返す。
『ちゃっかり自分の点にしてるのも綾瀬川先輩らしいですね。』
『鈴鳴はここで全滅!…そして戦場には影浦隊の影浦隊長と北添隊員も参戦!一転して綾瀬川隊員が王子隊と影浦隊に囲まれる形となった!』
──
「チッ、鋼のヤロー死にやがったのかよ。つまんねえ。」
「いやいや、綾瀬川くんとオージとやりながら鋼くんとやるつもりだったの?」
そう言って北添は綾瀬川にアサルトライフルを向ける。
「…」
『清澄先輩!俺今そっちに向かってます!』
『…いや、虎太郎は引き続き潜んでろ。』
『!、無茶ですよ、清澄先輩!影浦隊と王子隊は全員生き残ってますよ?!』
声を荒らげたのは宇井だった。
『だからこそだろ。絵馬はどこにいるか分からないからな。牽制の為に虎太郎の場所はバレてない方がいい。』
『でも…。』
虎太郎は不安そうにそう言う。
『…心配するな。負けは無い。』
『わかりました。』
『…』
素直に頷いた巴とは対照的に宇井は不安そうに押し黙る。
『それに…1人じゃない。お前がいるだろ?真登華。…オレを1人で戦わせる気なのか?』
『…はぁ…勝ってくださいよ、先輩。サポートしますから。』
『…ああ。』
「「「…」」」
一触即発。
王子を背に綾瀬川は影浦と向き合う。
…狼煙は北添によるアステロイドの乱射だった。
綾瀬川は跳びながら避けると、バイパーを放つ。
「ゾエ!」
「りょーかい。」
北添は影浦をシールドで守る。
影浦はスコーピオンを綾瀬川に伸ばした。
綾瀬川の背後からは、グラスホッパーで距離を詰めた樫尾が。
「…」
綾瀬川は影浦のスコーピオンを弧月で受けると、樫尾を一瞥。
そのまま地面に倒れ込むように躱す。
「!」
樫尾の眼前には綾瀬川により受け流された影浦のスコーピオンが。
「…っと。」
倒れ込こんだまま、綾瀬川は樫尾の持っていた弧月の柄を蹴りあげる。
「しまっ…」
バキンッ…!
影浦のスコーピオンは樫尾に刺さる前に、前に躍り出た王子の弧月に砕かれる。
綾瀬川は北添の弾を避けながら、トリオンキューブを分割。
「アステロイド。」
樫尾、王子はシールドで受けながら下がる。
影浦は飛び退いて避けると、スコーピオンを伸ばした。
「カシオ!利根川が弧月を持っていない!」
「!」
樫尾は地面に目をやる。
そこにはトリオンキューブが散らばっていた。
「…メテオラ。」
「チッ…!」
「くっ…!」
影浦はシールドを広げ、爆風を利用して後ろに下がる。
樫尾、王子も飛び退いた。
──
『上手いな。多対1に慣れた動きをしている。』
『なんて言うかトリガー構成も想定してきたみたいな感じスね。今回は射手スタイルみたいですけど。』
『…流れを変えれるとすれば姿を消している3人。絵馬、蔵内、巴だろう。3人がどう介入するか…。それにより勝敗は左右される。』
──
『王子、いつでも行けるぞ。』
蔵内は王子に通信を入れる。
『了解。じゃ、始めようか。』
『…本当にやるんだな?』
『そりゃね。
…やってみたい。』
『お前な…。』
「3、2、1…」
その間に王子、樫尾は攻撃の手を止め、弧月を消す。
「スイッチオフ。」
バチンと。
叩くような音ともに、もう一度デパート内が闇に包まれる。
王子隊には視覚支援が入った。
樫尾はすぐに距離をとると、鞘ごと弧月を再生成。
綾瀬川に切り掛る。
(とった。)
突然の暗闇に気を取られ、綾瀬川はこちらを見ていない。
これは入ると、樫尾は確信する。
ギンッ!
「!」
しかし、それは綾瀬川の弧月に防がれ、火花を散らす。
「っぶね。」
視覚支援はまだ入っていない。
『真登華、視覚支援はしなくていい。』
綾瀬川は宇井に通信を入れる。
『え?』
『いちいち変えるのも手間だろ。眩しいよりは見えない方がマシだ。』
そう言いながら、バッグワームを羽織り接近し、横なぎに振るわれた王子の弧月を飛び退いてかわす。
「!」
(視覚支援は入れてないはず…バッグワームはしてる…
…何故バレたんだ…?)
──
明かりが消えた瞬間。
オレは視覚による情報を全て遮断。
耳から入る情報と肌で感じる情報に絞った。
バッグワームと隊服が擦れる音。
動いたことによる僅かな風。
それを感じたオレは樫尾の弧月を受ける。
「っぶね。」
弧月と弧月がぶつかった事により、響き渡った音。
その音の反響から王子先輩、影浦隊の位置を割り出す。
影浦隊はバッグワームをつけていない為、割り出すまでもないが。
王子先輩は動いたな。
オレは王子先輩の弧月を飛び退いて躱した。
──
影浦隊にも視覚支援が入る。
北添は先程と同じく、照明を全て撃ち抜いた。
『虎太郎、お前は蔵内先輩だ。真登華は視覚支援な。』
『『了解!』』
綾瀬川は影浦のマンティスを避けながら、巴、宇井に通信を入れ、王子隊、影浦隊が視界に入る位置に下がる。
「…旋空…」
綾瀬川は弧月を振りかぶる。
「チッ!」
「カシオ!」
影浦は飛び退き、樫尾、王子も引き気味に弧月を構える。
しかし、綾瀬川は旋空をトリガーには入れていない。
弧月のブレード部分の光が消えると、綾瀬川の背後で、トリオンキューブが合成される。
「!、合成弾!」
「チッ!ブラフかよ…!」
「ギムレット。」
トリオンキューブは64分割されると放たれる。
「カゲ!」
「チッ。」
影浦隊、王子隊はシールドを固定。
ギムレットを受け切る。
しかし、その隙に綾瀬川は王子隊の2人と距離を詰める。
「!、グラスホッパー!」
樫尾は距離をとるべくグラスホッパーを展開する。
「逃がすか。」
樫尾が展開したグラスホッパーは、足ごとギムレットに射抜かれる。
「時間差か…!」
「俺を無視してんじゃねえよ、綾瀬川ァ!」
固定シールド解除後、影浦は綾瀬川と一気に距離を詰める。
綾瀬川は樫尾の胸ぐらを掴むと、引き寄せ、影浦の方へ蹴り飛ばす。
「っ…あ…!」
そのまま樫尾はスコーピオンに貫かれた。
そして、樫尾の後ろから綾瀬川に切りかかった王子の弧月を避けると、緩急をつけた動きで懐に潜り込み、王子の胸を蹴り、吹き抜けから1階へと突き落とす。
「ハッ!ようやく邪魔がいなくなりやがったか。」
影浦は樫尾の緊急脱出を見送り、臨戦態勢に入る。
北添もアサルトライフルを構えた。
「悪いがオレは勝ちに来てる。…楽しませてはやれないぞ?…いや…逆ですね。」
「…あ?」
「オレの事を研究してきたんでしょ。
…少しは楽しませてくださいよ?先輩。」
「おもしれぇこと言うじゃねえか。
…掻っ捌く。」
──
「王子。」
バッグワームを羽織った蔵内が王子と合流する。
「やられたね…。」
「ここから狙うか?」
「…それもいいけど…巴タイガーの姿が見えないのが不気味だ。影浦隊は狙撃手も生きてる。…上の戦いに戻るのが得策な気がするよ。影浦隊と戦って消耗したところをとろう。」
そう言いながら王子はバッグワームを羽織る。
「分かった。」
「…ああ、思ったより遅かったですね、王子先輩。」
「「っ?!」」
戦場である2階に戻った王子隊。
「くそったれ…バケモンが。」
王子、蔵内が目にしたのは、綾瀬川の前で膝を突く影浦の姿。
右足は切り落とされており、横腹にも穴が空いている。
北添も同様で、トリオン体の所々に穴が空いている。
「…第2ラウンドだ。
…あんた達はオレを楽しませてくれるのか?」
そう言って怪物は無機質な目を細めた。
そろそろアンケート取ろうかな。
カバー裏風人物紹介
ヤンデレメスガキ銃手
えのさわ
育った環境がアレなだけに憎悪やら崇拝やら、色々拗らせた銃手。
敬うと言う感情をドブに捨てている為、相手を怒らせるのが上手い。
意外にも二宮のことはしっかりと認めており、二宮との1本勝負の際は辛勝したものの、師と仰いでいる。(敬ってるとは言ってない。)
何やらいわく付きのネックレスをしており、本人曰く、幼なじみの成れの果て。ネックレスの名前は「
綾瀬川の圧倒的な力を前に敗北するも、しっかり負けに学ぶエリートで、チームで勝とうという気になった。
諏訪さんに懐いて、ツンデレ属性も備え始めた。
多分Cカップくらい。
BBF風データグラフ
・ボーダー入隊時期
オッサムと同期。
・モテるキャラグラフ
モテる、別にモテなくてもいい。
(那須と奈良坂の間くらい。)
・キャラ別派閥グラフ
本部長派よりの城戸派。
(二宮の上。)
・通っている高校
普通校1-C
(佐鳥、別役、笹森、半崎と同じクラス)
・成績グラフ
バチくそいい。
(鬼怒田さんの上。)
・生身の運動能力
バチくそいい。
(1番右上。)
・異性の好み
グラフにはいません。
(綾瀬川にしか興味無いので。タイプとかないです。)
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。