白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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推しの子おもろいよねー。
決着です。


B級ランク戦ROUND5 柿崎隊VS影浦隊VS王子隊VS鈴鳴第一⑤

『ここで綾瀬川隊員により、階下へと落とされた王子隊長が、蔵内隊員と合流!そのまま2階、綾瀬川隊員と影浦隊長の戦闘に乱入!』

 

『第2ラウンドですね。2対2対1ですけど…やっぱめちゃくちゃ強いッスね…綾瀬川先輩。』

 

そう言って烏丸は呆れたように頭を搔く。

 

『ボーダートップクラスのスコーピオン使いと、ヘビー銃手相手に被弾ゼロで圧倒…か。本性を見せてきたな。』

 

 

──

 

「チッ…!」

 

影浦は片膝を突いたまま、綾瀬川にスコーピオンを伸ばす。

しかし、綾瀬川は危なげなく躱し、影浦と距離を詰め、こちらにアサルトライフルを乱射する北添の弾を避けながら影浦を蹴り飛ばす。

 

そして振り返り、王子の弧月を受けると、飛び退いて蔵内のハウンドを避ける。

そのまま体勢を落とし切り込み、王子の左手を切り飛ばした。

 

 

「カゲ、大丈夫?」

 

蹴り飛ばされた影浦を受け止めた北添が影浦に尋ねる。

 

「問題ねえよ。…あいつがやる気になりやがったんだ。…邪魔すんじゃねェぞ?ゾエ。」

 

瞳孔を開き、影浦は獰猛な笑みで再び綾瀬川に飛びかかる。

 

「はいはい。ゾエさん援護しまーす。…て言っても僕もカゲもトリオンすっからかんだけど。」

 

『タイミング見て俺も撃つよ。』

 

狙撃の機を伺うのは絵馬だ。

 

『虎太郎くんは?』

 

『分かんない。1階か3階じゃない。…天井抜きすると思ってるでしょ。』

 

 

 

絵馬が居るのはデパートの外。

2階と同じ高さのビルの一室にいた。

 

 

『…ここなら邪魔されずに狙える。』

 

 

そう言って絵馬はスコープのレティクルを綾瀬川に合わせる。

 

『次の乱戦。王子隊とカゲさんの攻撃が合わさった時が狙い目だ。』

 

 

 

──

 

『うーん。厳しいね。』

 

王子は諦めたように蔵内に通信を入れる。

 

『普通の相手ならもう20回以上は死んでるはずなのに…。なんで僕らが逆にやられてるのかな?』

 

『…それだけ綾瀬川が異常なんだろう。…どうする?一旦引くか?巴と絵馬の奇襲が怖いぞ?』

 

蔵内は王子にそう尋ねた。

 

『1点止まり…狙撃手の位置も分からないんじゃ浮いた駒も取れない。参ったね…。利根川さえ落とせれば影浦隊は瀕死なのに。』

 

そう言って王子は目の前で影浦のマンティスを受けながら、北添の弾を避け、自分が放ったハウンドをシールドで受ける綾瀬川に目を向ける。

 

『仕方ない。少し距離を取って戦おう。カゲくんが暴れられるのも時間の問題っぽいし。距離取っとかなきゃ次はうちが食われるよ。』

 

そう言って王子はトリオンキューブを分割しながら後ずさる。

 

 

 

 

「逃がすと思うのか?」

 

 

 

 

…しかし、それを許すほど、目の前の怪物は甘い相手ではなかった。

 

王子の視界を覆うようにバッグワームが投げられる。

 

「っ…!」

 

王子はそれをハウンドで迎撃。

 

そして下からの奇襲に目を向ける。

 

 

『!、王子くん!上!』

 

王子の左斜め上。

壁を走りながら、綾瀬川は弧月を抜いた。

 

「チッ…。」

 

王子は舌打ちをしながら、綾瀬川の弧月を受ける。

 

「ハウンド!」

 

蔵内はすぐさまハウンドで綾瀬川を迎撃。

 

綾瀬川は弧月で自分の弧月を受けた王子の胸を前蹴りして、蔵内の方へ蹴り飛ばす。

 

そして旋空の構えをとる。

 

『旋空!!』

 

蔵内は身構える。

 

「ブラフだ!利根川のトリガーに旋空を入れる空きは無い!」

 

「さすが。よく見てますね。王子先輩。でも…」

 

綾瀬川は王子の胸の上で踏み込み、蔵内との距離を一気に詰めた。

 

 

 

 

「…気付くのが少し遅かったな。」

 

 

踏み込み1回。

一気に距離を詰めた綾瀬川に蔵内は接近を許してしまう。

 

 

「!」

 

しかし、綾瀬川の周り。

そこにはトリオンキューブがばら撒かれていた。

 

蔵内によるメテオラの置き弾だった。

 

 

「ハウンド…!」

 

王子は横になりながらハウンドを放つ。

その直後に王子は影浦のスコーピオンに貫かれた。

 

 

そしてデパートの向かい。

メテオラとハウンドの応酬の最中、最良のタイミングで絵馬は引き金を引いた。

 

 

 

 

メテオラ、ハウンド、少し遅れてアイビスが放たれた。

王子隊と絵馬による3段攻撃。

 

メテオラとハウンドが放たれた直後。

王子を仕留めた影浦は目撃する。

 

綾瀬川は絵馬の発砲の直後、絵馬のいるビルを一瞥したのだ。

 

そして一言。

 

 

「…よくやった。真登華。」

 

 

そのまま、メテオラの爆風で綾瀬川の姿が見えなくなる。

 

「クソッタレ…。」

 

 

──トリオン漏出過多。…緊急脱出。

 

綾瀬川により、横腹を抉られ、足を失った影浦もここでトリオン切れ。

王子と共に緊急脱出となる。

 

 

そして綾瀬川を包んだ爆風を吹き飛ばしながら、遅れてもう1つ。

緊急脱出の光が空に上がった。

 

 

 

「嘘でしょ。化け物すぎない?綾瀬川くん。」

 

 

 

緊急脱出したのは蔵内。

爆風が晴れるとそこには無傷で立っている綾瀬川が。

 

アイビスの弾痕は綾瀬川の頭の直線上。

デパートの壁に付いていた。

 

 

「…チッ。やっぱり向かいのビルにいたか。」

 

『ほら!私そう言ったじゃないですかー!絵馬くんもう動いてるよ!』

 

『上から来ると思ったんだがな。虎太郎、追えるか?』

 

『夜なんでどうでしょう。メテオラも持ってないし…。追ってみますけど…影浦隊の隊服黒なんで…。』

 

綾瀬川の質問の後、上の階で窓が割れる音がする。

外にはグラスホッパーで空を駆ける巴が。

 

 

「ま、取れなくてもどっちでもいいか。…あんたで5点目だ。」

 

「…やるだけやってみよー。」

 

そう言って北添は綾瀬川にグレネードガンを向けた。

 

 

 

 

──

 

『ここで北添隊員も緊急脱出!…そしてタイムアップ!絵馬隊員が逃げ切り、5対3対1対1!綾瀬川隊員が1人で5得点を挙げ、柿崎隊の勝利です!!』

 

 

柿崎隊

 

 

柿崎 0P

照屋 0P

巴 0P

綾瀬川 5P

 

合計 5P

 

 

 

影浦隊

 

 

影浦 2P

北添 0P

絵馬 1P

 

合計 3P

 

 

 

王子隊

 

 

王子 1P

蔵内 0P

樫尾 0P

 

合計 1P

 

 

 

鈴鳴第一

 

 

来馬 0P

村上 1P

別役 0P

 

合計 1P

 

 

 

 

『さて!今回のランク戦を終えて解説のお2人に総評をいただきたいでもよろしいでしょうか?』

 

三上が木崎、烏丸に尋ねる。

 

『…いや、総評も何も綾瀬川先輩の独壇場でしたね。』

 

烏丸はぶっきらぼうにそう言った。

 

『ROUND4で辻に落とされた事がきっかけか。かなりやる気だったみたいだな。』

 

『今後もこんな試合が増えるかもしれませんね…。』

 

 

そう言いながら烏丸は考え込む。

 

 

(想像の数倍はキツイぞ…修。)

 

 

──

 

柿崎隊作戦室

 

 

「清澄先輩おかえりー!さっすが先輩!汚名返上ですね!」

 

そう言って真登華は微笑む。

 

「すいません、絵馬見つけられませんでした。」

 

「いや、メテオラもないのにあのビル群の中から見つけるなんて無理だって。」

 

申し訳なさそうに言う虎太郎に真登華がツッコミを入れた。

 

「俺こそ申し訳ねえ。俺が生きてりゃ清澄もやりやすかっただろうに。」

 

「いや、隊長は虎太郎を逃がしてくれたでしょ。おかげで絵馬の狙撃に脳を使わずに済みました。…真登華もな。」

 

柿崎にそう返すと、真登華も忘れずに労っておく。

 

「そう言えば文香は?」

 

「ランク戦ブース。何も出来ずに負けたのが悔しいんだろ。相手探しに行ったぞ。」

 

「…文香ってそんなに戦闘狂でしたっけ?」

 

柿崎に尋ねる。

 

「まあその辺は師匠譲りじゃないか?」

 

「…ああ、小南か。」

 

オレは頭の中で、「もう1回よ!」と叫ぶ小南を想像する。

 

「いや、清澄先輩も大概ですよ?てか、小南先輩以上でしょ。」

 

「?」

 

 

──

 

『一部隊ずつ見ていくとすれば鈴鳴。新戦術はよかったと思いますよ。現にB級1位部隊から照屋さんを落としてますから。…太一の照明操作も面白かったです。』

 

『…あの感じなら上位でも通用するだろう。…相手が悪かったな。』

 

 

──

 

鈴鳴第一作戦室

 

「守りきれずにすいません、来馬先輩。」

 

「いや、僕こそ。何も出来なかったね。」

 

謝る村上に、来馬はそう返した。

 

「…でも手応えはあったじゃないですか。太一の作戦で照屋さんも落とせたし…。」

 

今はそうフォローするも、空気は暗いままだった。

 

 

「でもでも、今回で鋼さん、綾瀬川先輩の動き覚えたじゃないですか!」

 

別役の大きな声が響く。

 

「次は勝てますって!」

 

そう言って別役は親指を立てた。

 

「楽観的ね、相変わらず。」

 

「?、そーですか?」

 

「すいません、来馬先輩。…寝ます。」

 

そう言って村上は座ったまま目を閉じる。

 

 

 

「こ、鋼。寝るなら布団で寝てね!」

 

 

 

確信した。

アレはまだ底を見せていない。

だが、尻尾は見せ始めた。

 

 

このチャンスは逃していられない。

 

 

そうしてNo.4攻撃手は眠りにつく。

師の雪辱、何より自分自身のリベンジの為に。

 

 

 

──

 

『王子隊は慎重すぎたな。もう少し大胆に動いてもよかっただろう。』

 

木崎は腕を組みながらそう話す。

 

『まあ相手が綾瀬川先輩と影浦先輩、村上先輩じゃ慎重にもなるんじゃないスか?』

 

烏丸が木崎に尋ねた。

 

『それで点を取れなければただ、逃げているのと変わらない。太一が潜んでいれば点は入らなかった。』

 

『もう少し大胆に動くべきだったと?』

 

三上が尋ねる。

 

『…王子は考えて動くタイプの隊長だ。だが…今回は考えすぎた。それが敗因だ。』

 

『それで言えば途中で鈴鳴を真似て照明いじったのは大胆でよかったし、王子先輩らしかったですね。』

 

──

 

王子隊作戦室

 

「あはは、レイジさんの言う通りだね。」

 

そう言って王子は笑う。

 

「大胆…か。」

 

蔵内も天を仰いだ。

 

 

 

「トラッパーでもやって見ようかな?」

 

 

 

「「「考え直(せ)(してください)(しなさい)。」」」

 

 

 

「冗談。」

 

──

 

『影浦隊はいつも通りだったな。北添の援護で影浦が点を取り絵馬が隙を狙う。…特に絵馬が良かった。最後の狙撃を失敗してからすぐに姿を消し逃げ切っている。床抜きも見事だった。』

 

木崎がそう評した。

 

『絵馬も今回気合い入ってましたね。最後は移動はしましたけどデパートの中に入ってくるなんて。』

 

『柿崎隊には負け続きだからな。思うところがあったのかもしれない。』

 

 

──

 

影浦隊作戦室

 

「まぁ負け続きは悔しいよね〜。」

 

そう言って北添は口を尖らせる。

 

「…」

 

影浦は何も言わずに座っていた。

 

「ユズルのおかげで柿崎隊8得点ってのは免れたね。」

 

「…別に。MAP運が良かっただけだよ。それに巴がメテオラ入れてたら普通に負けてた。」

 

「そーかなぁ?でもユズル今日結構やる気だったよね?やっぱ火、着いてる感じ?」

 

「…」

 

絵馬は押し黙る。

 

「ユズル?」

 

ROUND4。

自分の想い人である雨取の緊急脱出を思い出す。

 

 

綾瀬川の旋空により、顔を切断されると言う緊急脱出だった。

 

 

 

「…別に。ちょっとやり返したかっただけ。」

 

 

──

 

『ランク戦に参加していない玉狛第一のお2人から見て、B級ランク戦はどうでしたか?』

 

『上から言うつもりは無いが…レベルが上がっているな。うちの後輩にとっては茨の道かもしれない。…特に綾瀬川はな。』

 

『やはり今後も綾瀬川隊員を如何に攻略するかが鍵になると思いますよ。』

 

『なるほど…お2人ならどう攻略しますか?』

 

 

 

 

『『まず戦(わない)(いません)。』』

 

 

『あっ…そうですね…。』

 

三上はそう言って苦笑いを浮かべる。

 

『で、ではこれでB級ランク戦ROUND5上位昼の部を終わります。実況は私風間隊の三上が。解説は玉狛第一の木崎隊長と烏丸隊員でした!』

 

 

 

──

 

一方の中位昼の部。

 

諏訪隊VS弓場隊VS荒船隊の試合は始まりのときを待とうとしていた。

 

 

『皆さんどうもこんにちは!海老名隊オペレーターの武富桜子です。解説席にはこのお2人が。二宮隊銃手の犬飼先輩と加古隊攻撃手、黒江隊員です。』

 

『どうぞよろしく〜。』

 

『よろしくお願いします。』

 

 

 

奇しくも榎沢にとっては良き先輩。そして榎沢にとって生意気な後輩を迎え、中位の部は幕を開けた。




ROUND5パラメーター(後ほどスカウト旅を終えた結束が試合を見た目算)

トリオン 7
攻撃 13
防御・援護 10
機動 9
技術 15
射程 4
指揮 7
特殊戦術 4

TOTAL 73

結束曰く、とにかく技術がやばい。


感想、評価等お待ちしております!

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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