白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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遅くなりすいません。
間違えて全部消しちゃって…。


ヒュース①

入隊初日でB級へと上がった新人、ヒュース。

そしてB級最強、柿崎隊のエース、綾瀬川の模擬戦はヒュースのリードから幕を開けた。

しかし、ヒュースの内心は腕を落とされたことの焦り、そして師の名前を出した綾瀬川への疑念で満ちていた。

 

「ぶれたな。安い剣だ。」

 

「っ?!」

 

3度の鍔迫り合いの刹那、綾瀬川は腰を落としてヒュースのトリオン供給器官を切り裂いた。

 

1-1の互角。

綾瀬川がヒュースから1本取り返した。

 

 

「…」

 

戻って来たヒュースは目を閉じ、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

 

「へぇ…。」

 

その様子を見て綾瀬川は素直に感心する。

 

 

「ヴィザの弟子というのは本当みたいだな。」

 

「黙れ。俺が揺らぐことはもう無い。」

 

「別にそんなつもりで言ったわけじゃないさ。」

 

そう言って綾瀬川は肩をすくめる。

 

 

 

 

落ち着け…こいつのペースに呑まれるな。

 

 

 

 

そう自分に言い聞かせ、ヒュースは目の前の敵に視線を向ける。

 

B級1位のエース、綾瀬川清澄。

遠征を目指す上で、1番の障害になると言われている男。

遠征は本国への切符。

すなわち、ヒュースにとって綾瀬川はアフトクラトルに帰る目的の上で1番の障害となるのだ。

 

無防備。

 

脱力した様に弧月を持ち、隙だらけで立つ綾瀬川。

 

「っ…?!」

 

しかし、綾瀬川の姿がぶれたかと思うと、次の瞬間には綾瀬川の弧月がヒュースの眼前に迫っていた。

ヒュースはギリギリで反応し、弧月で受け流す。

 

鍔迫り合いの末、綾瀬川の弧月を弾くとヒュースは弧月を構え直す。

そして、綾瀬川に切り込む。

 

下から振られたヒュースの弧月を綾瀬川は足で柄を押えて止めると、そのまま綾瀬川は横薙ぎに弧月を振るった。

 

「最初の一撃で仕留めたつもりだったんだがな。さすがはヴィザの弟子か。」

 

「ちっ…!」

 

間一髪で躱すが、ヒュースの頬からトリオンが漏れる。

今度は押さえられないよう、上から体重を乗せた振り。

 

綾瀬川は弧月を横に両手で持ち、受け止める。

 

 

そしてそのまま力を緩め、右に流した。

 

 

バランスを崩すヒュースに、綾瀬川は足払いをかける。

 

しかし、ヒュースは弧月を杖にし持ち直すと、片膝をつきながら振り下ろされた弧月を受ける。

そのまま綾瀬川の弧月を弾くと、綾瀬川に切り掛かる。

それを綾瀬川は当たらないギリギリで避けると、弧月を振ったことでがら空きになった脇腹に蹴りを入れた。

 

 

──

 

「さ、流石強いですね、綾瀬川先輩。」

 

観戦していた笹森がそう呟いた。

 

「俺の体感だけど…俺としては綾瀬川は太刀川さんよりやりにくい。ルーキーの剣は確かに強かったけど…綾瀬川には及ばない気がする。」

 

「せやなー。俺も最近勝てへんわ。」

 

 

──

 

 

試合は進み、今の戦況は、

 

 

3-1で綾瀬川リードの状況だった。

 

 

「これ以上続けても意味ないぞ?お前の剣はヴィザの剣と同じだ。あの爺さんの剣は嫌という程見たからな…。下位互換のお前の剣なんて目を瞑っていても避けられる。」

 

「見くびるなよ。まだ終わっていない。」

 

「はぁ…。

 

 

…4本くらいが丁度いいか。」

 

最後に綾瀬川はボソリとと呟くと、ヒュースの剣を受ける。

数回火花を散らした後、ヒュースは綾瀬川の剣に違和感を覚える。

 

 

先程までと比べて明らかに握りが緩い。

 

そして次の弧月同士の衝突の際に、綾瀬川は弧月を落とした。

 

 

好機。

 

ヒュースはその隙を見逃すはずもなく、綾瀬川のトリオン体を切り裂いた。

 

 

 

 

──模擬戦終了。5-4、勝者綾瀬川。

 

数分後。

綾瀬川の勝利で決着は付いた。

しかし、先程までの綾瀬川の圧勝とはならず、その後互いに緊急脱出を繰り返しつつ、綾瀬川の勝利となった。

 

 

「お前…。わざと握りを緩めたな…。」

 

先程の呟き。

ヒュースに聞こえたそれは空耳ではなかった。

 

「…さあ?なんの事やら。素直に自分の実力を認めたらどうだ?」

 

そう言って綾瀬川は肩を竦めた。

 

 

 

 

「さっすがきよぽんやなー!」

 

「ルーキーの方も惜しかった。」

 

戻ってきたオレに生駒は興奮気味にそう言ったり

 

「強いですね。本当にギリギリ勝てたって感じですね。」

 

綾瀬川はそう言ってヒュースに視線を向ける。

 

 

「ちっ…。」

 

ヒュースは心底嫌そうに綾瀬川から視線をずらした

 

 

 

「嫌われたか…?」

 

 

 

 

「なんだなんだ?楽しそうなことやってんな。」

 

そんな所に現れたのはA級1位太刀川隊攻撃手、太刀川慶。

攻撃手ランク1位、個人総合1位の男。

 

 

「俺も交ぜろ。」

 

 

──

 

「こいつかなり強いな。いきなり1本取られた。」

 

戻って来た太刀川は嬉しそうにそう言った。

 

 

 

「よー、ルーキー!お前超つえーな!何もんだ?!」

 

「戦ってくれてありがとね。」

 

そう言う小荒井と三浦。

 

「もうどのチーム入るか決めてんの?」

 

「まだならうちに来いようちに。」

 

「悪いが先約があるんでな…。」

 

ヒュースはそう言った後オレに視線を向けた。

 

「…」

 

数秒視線を交わした後、ヒュースは振り返り、ランク戦ブースを後にした。

 

 

「…うし!じゃあ次はお前だな、綾瀬川。」

 

太刀川は好戦的な笑みでオレに肩を組む。

 

「離してください。」

 

そう言ってオレは太刀川の腕を振り払った。

 

「ちぇっ、てめえがどうせやってくれねえのは分かってたよ。辻、10本やろうぜ。」

 

そう言いながら辻の方に歩く。

 

 

「…別にやらないとは言ってないでしょ。」

 

 

オレのその言葉を聞いて太刀川は足を止める。

 

「あ?」

 

「やってもいいですよ。本気で。」

 

そう言いながらオレは弧月の柄を撫でる。

 

「…はっ!どう言う心境の変化だ?そりゃ。何を企んでやがる。」

 

「何も企んでなんかいませんよ。…そうですね、さっきのヒュースとの模擬戦に倣ってブレードのみでどうですか?」

 

綾瀬川に疑いの目を向ける太刀川に、綾瀬川は淡々とそう返した。

 

 

 

 

 

「…おもしれぇ。」

 

そう言ってNO.1攻撃手、太刀川慶は好戦的な笑みを浮かべた。

 

──

 

太刀川慶にとって綾瀬川清澄は、因縁の相手だった。

綾瀬川本人は認めないが、太刀川は過去、綾瀬川に大敗を喫している。

 

 

「この場だから聞くがよ…マジでどう言うつもりだ?」

 

 

仮想空間の市街地。

太刀川は目の前の綾瀬川に問いかけた。

 

「…」

 

「ま、なんでもいいか。せっかくやる気になったんだからな…。

 

 

 

…楽しませてもらうぜ。」

 

そう言って太刀川は弧月を抜き、綾瀬川に斬りかかった。

 

 

綾瀬川も弧月を抜き、太刀川の剣を受けるか避けながら後ろに下がる。

 

 

──

 

ランク戦ブース

 

「嵐山さん、狙撃手志望の隊員の案内終わりました。…なんの騒ぎですか?」

 

今日は入隊式。

その案内を担っているのは嵐山隊。

嵐山隊エース万能手、木虎藍はざわついているランク戦ブースを見て、嵐山に尋ねた。

 

「お疲れさん、木虎。見ればわかるさ。」

 

そう言って嵐山が指を指したモニター。

 

そこには弧月で切り合う綾瀬川と太刀川が映し出されていた。

 

 

「!、綾瀬川先輩…。」

 

「ブレードのみの5本勝負らしい。」

 

「…」

 

木虎は綾瀬川と模擬戦をし、負けを経験している。

そして、玉狛のブラックトリガーを巡った派閥争いの際、綾瀬川の本性、真の実力を知る。

 

綾瀬川が自分に無関心なのは分かっているが、木虎は綾瀬川をライバル視していた。

 

そのため木虎は2人の戦闘に食い入るように視線を向けた。

 

 

──

 

「おいてめぇ、本気の模擬戦だっつってんだろーが。」

 

依然、太刀川の猛攻は続いており、綾瀬川は防戦一方。

誰がどう見ても太刀川が有利な状況だった。

 

「ちっ…黙りかよ。またいつも見てーに逃げんのか?」

 

「…」

 

しかし、綾瀬川は何も言わずに太刀川の弧月を受ける。

 

「ちっ…。」

 

太刀川は攻撃の手をさらに速める。

 

綾瀬川のトリオン体はどんどん削れていき、綾瀬川はトリオン漏出過多で緊急脱出となった。

 

 

1-0で太刀川のリード。

 

 

「結局変わらずかよ。なんの意味があんだ?この時間。」

 

戻ってきた太刀川は綾瀬川に訪ねる。

 

 

「意味ならありますよ。インプットは大事ですから。」

 

「イン…なんだって?」

 

「まあ要するに…

 

 

…様子見はここまでです。」

 

そう言って綾瀬川は弧月を構え直す。

 

 

「別にオプション使っていいですよ。ハンデだ。」

 

「…ほざけ。」

 

 

そうしてボーダートップクラスの2人の弧月がもう一度火花を散らした。




各キャラからの評価&各キャラからの評価

ヒュース→こいつ…!
太刀川慶→ランク戦〜!

ヒュース←近界民。ヴィザと同じ剣。
太刀川慶←まじうるさい。戦闘狂。苦手。


次回は幕間かな。

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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