白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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危ねー、1ヶ月空くとこだった。

え、えっと…その…


…ご、ごべーん!!

まあその…理由は色々あるんですけど…。


…言い訳にしかならないので止めときますw

言うとすれば日本にはいなかったです。


B級ランク戦ROUND6 柿崎隊VS二宮隊VS生駒隊①

生駒隊作戦室

 

「…きよぽん…やばいな!」

 

開口一番、そう口にしたのは生駒隊隊長、生駒達人。

 

「え…?やばない?太刀川さんに勝ちよったで?」

 

「やばいっすね。」

 

生駒隊射手、水上敏志が短く返した。

 

「せやんな。ROUND5とか見た?カゲと鋼どっちも落としとったよな?」

 

「はい!2万回見ました!」

 

「嘘つけ。」

 

元気よく答えた生駒隊攻撃手、南沢海にツッコミを入れたのは生駒隊狙撃手、隠岐孝二。

 

「いや、強いのは分かってたんやけど…化け物過ぎひん?」

 

「…二宮隊もいますからね。マップどないします?」

 

柿崎隊の綾瀬川に夢中の生駒に、水上は呆れたように尋ねた。

 

 

「そら…あれやろ。…任すわ。好きに使ってや。」

 

そう言って生駒は自分に指さした。

 

 

「きよぽんとやれればどこでもええわ。」

 

 

──

 

二宮隊作戦室

 

「生駒隊が選んでくるのは『A』か『C』だろうな。狙撃手がいるのは生駒隊だけだ。そうなれば必然的に綾瀬川もイーグレットが選択肢に入る。」

 

二宮は開口一番そう言った。

 

「それを見越して他のマップを選んでくる可能性は?」

 

「…無くは無いな。だが俺が生駒隊なら『A』を選ぶ。」

 

辻の質問に二宮はそう返した。

 

「生駒隊の武器は2つ。生駒旋空とアドリブの対応力だ。唯一狙撃手がいる利点を生駒隊…水上が生かさない手はない。『B』や『D』は外れる。『C』は隠岐を活かすにはいいが…生駒とは相性が悪い。」

 

その直後、生駒隊によりマップは『市街地A』が選ばれる。

 

「読み通りか。」

 

そう言って二宮は立ち上がる。

 

 

「…行くぞ。」

 

「「了解。」」

 

 

──

 

柿崎隊作戦室

 

「「「…」」」

 

前シーズンの好調は続き、B級最強部隊として、今シーズン1位に君臨している柿崎隊。

しかし、試合前だと言うのに作戦室は異様な空気に包まれていた。

 

その要因は…

 

 

「な、なあオレのトリガーも「え?清澄先輩エンジニアもできるんでしょ?自分でやればいいじゃん。弾道解析だって真木先輩にやってもらえば?」」

 

「え?まだ怒ってるのか?」

 

「だ〜か〜ら〜…

 

 

 

 

…怒ってませんって。試合前にふざけないで貰っていいですか?」

 

 

事の発端は今朝。

柿崎隊の作戦室の机に無防備に広げられた資料。

 

それはA級2位冬島隊オペレーターの真木理佐が作成したものだった。

そこには、冬島隊に綾瀬川を加えることによるメリットや、逆にデメリット。

それをどう補うか、新フォーメーションなど、事細かに記されていた。

 

 

「清澄…お前…」

 

 

 

 

「「「なんで無防備に机の上にに広げとくん(だよ)((ですか))!!」」」

 

 

 

 

「?…見てたからですけど…。いや、適当に流すつもりだったんですけど結構考えられてたので…目を通さないのも失礼かなと。」

 

 

失言に次ぐ失言。

 

 

「…へえ…?」

 

 

「「「ひぃっ…」」」

 

「?…なんで真登華は怒ってるんだ?」

 

「えー?私超笑顔じゃないですかー。

 

 

 

…怒ってるように見えます?」

 

「そ、そうか。

 

 

…ならいいか。」

 

 

「「「良くねえよ。」」」

 

 

 

そうして今に至る。

 

 

「ふーん、清澄先輩と冬島さん2人のトラッパーで当真さんをサポートする戦術なんかもあるんだー。へー。清澄先輩を狙撃手にして2人の狙撃手で点を稼ぐ戦法だってー。へー。」

 

「お、怒ってるよな…?」

 

「しつこい。怒ってませんよ。先輩うるさい。」

 

「はい。」

 

 

もうすぐランク戦だと言うのにこの調子である。

 

 

 

『こ、虎太郎、文香。なんとかできるか?』

 

内部通話で柿崎が照屋と巴に話しかける。

 

『えっと…。』

 

巴はものすごいオーラを纏いながら綾瀬川を睨む宇井に目をやる。

 

『む、無理です…。』

 

そう言って巴は肩を落とした。

 

 

『私に任せてください。』

 

 

そういうと照屋は立ち上がり、宇井を連れて作戦室を後にする。

 

 

 

 

そして数秒後。

 

 

 

「みんな!絶対勝ちますよっ!」

 

 

…気合い充分の宇井が作戦室に戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

──何したんだ?!文香!!

 

 

 

 

 

「焚き付けただけです。」

 

 

──

 

『ここで生駒隊によりMAPは「市街地A」に決定されました!選ばれることの多い標準なMAPです!』

 

『選んだのは生駒隊だからなー。イコさんを活かそうって手だろ。』

 

『射線も程よく通りますし、唯一狙撃手のいる生駒隊にはいいマップだと思います。』

 

 

『なるほど!

 

…さて!各隊転送準備が整いました!

 

 

 

 

…転送開始!

 

 

 

 

 

 

…転送完了!MAP「市街地A」!

 

 

 

…時刻は「夜」!

 

…B級ランク戦ROUND6、上位昼の部、スタートです!』

 

 

──

 

「夜…か。」

 

そう言ってオレは空を見上げる。

 

選んだのは生駒隊。

やりにくいな。

考え無しの気まぐれの可能性もあれば、水上先輩の考えという可能性もある。

 

 

「…まあどうとでもなるか。」

 

そう言ってオレは合流すべく走り出した。

 

──

 

『転送と同時にレーダーから姿を消したのは、狙撃手の隠岐隊員!それ以外の隊員はそれぞれ合流に向けて走り出したという所でしょうか!…さて、今回のマップは「夜」という時間帯。どのような意図があると思われますか?』

 

武富が解説の2人に尋ねた。

 

『そーだなー…。選んだのは生駒隊だからなー。撹乱させるだけで特に意図は無いかもしれないし、なんか策があるのかもしれない。』

 

『…ROUND5で鈴鳴第一がマップを「夜」にした照明操作を行ってましたけど…市街地じゃ意味は無いですね。街灯もありますし。』

 

『なるほどー。』

 

『ま、イコさんを活かすにはいいかもな。暗闇の中壁越しに飛んでくる生駒旋空なんて恐怖だろ。』

 

『「生駒旋空」!生駒隊長の代名詞、最大射程40mを誇る旋空弧月ですね!』

 

出水の言葉に武富が補足する。

 

『…そうなると綾瀬川先輩にも警戒しないといけなくなりますね。』

 

そう言って木虎は考え込む。

 

『そうですね。綾瀬川隊員も旋空を伸ばせるボーダートップクラスの旋空弧月使い。…しかし、射程は生駒隊長が若干上。有利なのは生駒隊長でしょうか?』

 

武富が出水に尋ねた。

 

『…うーん、俺はイコさんともやった事あるけど…やり辛いのは綾瀬川だなー。』

 

『と、言いますと?』

 

『まあこれは心理的にも物理的にもなんだが…イコさんは旋空が来るって分かるからな。旋空を警戒しとけばあとは近づけさせなきゃいい。現にその時の模擬戦は俺が勝ったし。』

 

出水はそう言って頭の後ろで腕を組む。

 

『旋空以外のパターンがある分綾瀬川の方がやり辛い。あいつ近距離でイーグレット出したりするからな…。』

 

『なるほどー。旋空で来ると分かっている分、旋空を警戒出来る。逆に綾瀬川隊員は何で来るか分からない分、意識を散らされる…という事ですね。』

 

『平たく言えばな。』

 

『…それは心理的…ですよね?出水先輩の言う物理的な理由と言うのは?』

 

木虎が出水に尋ねる。

 

『…うーん、いまいち説明が難しいんだが…体感、綾瀬川の旋空の方が避けづらいっつーか…。いつ飛んでくっか分かんねーんだよな…。』

 

『『?』』

 

頭をかいて説明する出水に武富と木虎は疑問符を浮かべる。

 

『…まあ見てりゃ分かる。…動くぜ。』

 

 

マップ東。

柿崎隊の柿崎、照屋が合流を果たす。

巴も合流を果たすベく東に走っていた。

 

マップの中央では二宮隊の犬飼、辻が合流。

北東からは、2人と合流すべく二宮が。

 

そしてマップの南では生駒隊の生駒、水上が合流。

近くでは、狙撃手の隠岐が目を光らせていた。

 

 

『位置的に、二宮隊と柿崎隊がやり合いそうだな。二宮さんはそのまま南に下りて、辻ちゃんと犬飼先輩で挟めるしな。』

 

『綾瀬川先輩の位置が悪いですね。転送位置がマップ西。合流するには隠岐先輩の射線を通らなきゃですし、運が悪ければ生駒隊とぶつかります。』

 

『おっと?ここで南沢隊員がバッグワームを着け西に向けて動きました。』

 

『ま、綾瀬川は明らかに浮いてるからなー。イコさんと水上先輩も西に動いてる。浮いた駒は落とそうって事だろ。南沢は先行だな。お、綾瀬川も察してバッグワーム着けたぜ。』

 

──

 

「…なあ、秀次。さっき弾バカが言ってた綾瀬川の旋空…お前はどう思う?」

 

観戦席。

試合を見守っている三輪隊の三輪、米屋。

米屋が隣に座る三輪に尋ねた。

 

「出水の言いたい事は分かる。綾瀬川の旋空が避け辛い理由も。綾瀬川の旋空には…」

 

 

 

──

 

『海!あんま先走んなや!』

 

南沢をそう制するのは、生駒隊オペレーター、細井真織。

 

『大丈夫っすよ!やばかったらグラスホッパーでそっこー逃げるんで。』

 

そう言って南沢は舌を出しながら走る。

 

『敵さんはバッグワームしてるで。気ぃつけや。』

 

『了解っす!』

 

そう言って南沢は駆ける。

 

 

そして、街灯の下に人影を捉えた。

 

 

「っ…やば!」

 

そこに居たのは柿崎隊完璧万能手、綾瀬川清澄。

 

『きよぽん先輩でした!!』

 

『やばいやん!はよ逃げ!』

 

『了解っす!』

 

そのタイミングで綾瀬川と目が合う。

 

「やべ…。」

 

南沢はバッグワームを解除。

グラスホッパーを展開する。

 

綾瀬川は手を腰の位置まで下げる。

 

次の瞬間には、南沢目掛けて、旋空が放たれていた。

 

 

 

いつの間にか逆手で振り抜かれた弧月。

綾瀬川の放った旋空はグラスホッパーで飛び上がった南沢の右足を切り飛ばした。

 

 

──

 

「綾瀬川の旋空には…予備動作が無い。」

 

「ヨビドーサ?」

 

三輪の言葉に、米屋は首を傾げた。

 

「生駒さんは…居合いを旋空に応用している。だからこそ、旋空を撃つ前に居合いの構えがある。他の旋空弧月使いも同じだ。当然だが旋空を撃つ前は振りかぶる。それが予備動作だ。…だが綾瀬川にはそれが無い。ノーモーションかつ、最速で放つためにそのままの体勢で、逆手で弧月を振り抜く。だから綾瀬川の旋空は避け辛い。ROUND1でも弓場さん相手に使っていた。出会い頭ならより有効だろう。」

 

「その間も他のトリガーも警戒しろってことだろ…?

 

…笑えねー…。」

 

 

──

 

「ちっ、避けられたか。」

 

 

『清澄先輩!』

 

「…ああ。」

 

綾瀬川はその場で飛び上がる。

 

 

次の瞬間、拡張された弧月が、綾瀬川の下を通り抜けた。

 

 

「ちょ、マジできよぽんやん。」

 

「4対1でも勝てるか分かりませんね。」

 

 

そこに、生駒、水上が合流する。

 

 

「…」

 

綾瀬川は2人を見据えると、右手、そして左手で弧月を構える。

 

 

「…ワクワクさせてくれるやんけ、きよぽん。

 

 

 

 

 

…二刀流かいな。」

 

 




綾瀬川清澄トリガーセット

メイン:弧月、旋空、スコーピオン、シールド
サブ:弧月、イーグレット、バッグワーム、シールド

攻撃手タイプのトリガーセットです。
とか言いつつ地味にイーグレット入れてんのクソゲー。


各キャラからの印象&各キャラへの印象

生駒達人→旋空仲間。ヤバない?
宇井真登華→怒ってませんよー?
出水公平→ランク戦仲間。化け物。

生駒達人←旋空仲間。おもろい。
宇井真登華←なんか最近怖い。ごめんて。
出水公平←ランク戦仲間。弾バカ。


感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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