白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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遅くなりすいません。
そろそろ投稿ペース戻さないとなぁ…。


B級ランク戦ROUND6 柿崎隊VS二宮隊VS生駒隊②

 

『南沢隊員のピンチに生駒隊のメンバーが集結!隠岐隊員を入れて4対1!圧倒的不利なこの状況、綾瀬川隊員は2本目の弧月を抜きました!』

 

『綾瀬川の二刀流か。…前シーズンのROUND3でちょっとやってたな。でもそれ以降じゃ個人ランク戦でも見たことねえ気がする。』

 

そう言って出水は顎に手を当て、笑みを浮かべる。

 

『…突拍子も無いことして…。生駒さんの剣術に勝てるんですか?』

 

木虎が尋ねる。

 

『…さあな。でもまあ…あいつは右左両手で弧月が使える。単純計算すりゃ…

 

 

…2倍だろ。』

 

 

 

──

 

『海!あんま詰めんなや!片足だけやろ?』

 

『了解っす!』

 

綾瀬川と鍔迫り合いしていた南沢がグラスホッパーで後ろに飛び退いた。

 

 

「旋空弧月。」

 

 

そこに生駒の旋空が放たれる。

綾瀬川は飛び上がり避ける。

 

『浮いたで、水上!』

 

「了解。アステ…ロイド!」

 

「…ハウンドか。」

 

「バレてるやん。」

 

水上のアステロイド改め、ハウンドは綾瀬川を追うように進路を変える。

 

綾瀬川は右手の弧月でそれを叩き落とす。

 

『隠岐!』

 

『りょーかい。』

 

遠くで戦場を見ていた隠岐は、飛び上がった綾瀬川の頭に照準を合わせる。

 

 

 

『清澄先輩、そこから45度。絶好の狙撃ポイントだよ。』

 

『助かる。』

 

綾瀬川は宇井の指定した位置に視線を向ける。

 

 

 

 

 

『!、アカン!アカンっすわ。きよぽんと目合いました。』

 

隠岐の放ったライトニング。

綾瀬川は首を動かし、最小限の動きで避ける。

 

『海!畳み掛けぇや!隙作ったら終わりやで!』

 

『了解ッス!』

 

着地した綾瀬川に、南沢がグラスホッパーで組み付く。

 

「片足でよくやるな。」

 

綾瀬川は南沢の弧月を受けながら、視線を南沢の足に落とした。

 

「っ…?!」

 

南沢は足への攻撃を警戒し、視線を落とす。

 

 

 

「ハズレだ。」

 

「!、やべ。」

 

綾瀬川の左手で持っていた弧月の光が消える。

 

そして、綾瀬川の右手の側面からスコーピオンが飛び出した

それは、南沢がの弧月を持っていた腕を切り飛ばす。

 

 

「1点目。」

 

 

「旋空弧月。」

 

 

南沢に弧月を振り下ろす前に、綾瀬川目掛けて旋空が放たれる。

南沢の頭上スレスレを通り抜けたそれは、綾瀬川に牙を剥く。

 

 

「ちっ…。」

 

綾瀬川は2本の弧月を重ね、後ろに飛びのきながら受ける。

 

 

「させるわけないやろ。」

 

ゴーグルの奥。

生駒の目がギラつく。

 

「4人もいるんだ。

 

…ハンデ下さいよ。」

 

そう言って綾瀬川は目を細める。

 

 

そして再び、綾瀬川と生駒の弧月がぶつかった。

 

 

 

──

 

『生駒隊の連撃炸裂!綾瀬川隊員、防戦一方か!』

 

『つってもあれで生き残ってるのがおかしいけどなー。』

 

出水は頭をかく。

 

『流石の回避能力ですね。』

 

木虎は少し悔しそうにそう言った。

 

『あいつの回避能力は相変わらずだが…やべえのは隠岐の位置見抜いて指示出したオペ…宇井ちゃんだろ。』

 

出水はそう言って目を細めた。

 

『現場とオペじゃ比較になんねーかもしれねえが…射線管理だけでいや全オペレーターどころか…綾瀬川以上じゃねえか?』

 

『!、おっと!ここでマップ東にも動きがあった!犬飼隊員と辻隊員が柿崎隊を急襲!』

 

『まずいな、二宮さんも来てる。』

 

 

──

 

「うお、迎撃態勢は十分って感じだね。」

 

柿崎隊の元にたどり着いた犬飼と辻。

そこには無数のエスクードが。

そして2人待ち構える様に照屋が立っていた。

右手に弧月。

左手にハンドガン。

臨戦態勢で照屋は目を細める。

 

「!、巴くんがいない。

 

 

 

…!、犬飼先輩!」

 

 

「どわっと!!」

 

横から飛び出した巴が振り下ろした弧月を、犬飼は既で避けると、アサルトライフルの銃口を向ける。

巴はグラスホッパーに足をかけると、シールドを構えながら飛び退いた。

 

「すいません、仕損じました。」

 

そう言って巴は照屋の隣に立つ。

 

「問題ないわ。でも、二宮さんが来る前にどちらか…出来れば両方落としたいわね。」

 

そう言う照屋だが、そう上手くは行かないことは分かっている。

どちらも元A級。

マスターランクの猛者だ。

 

「相性的に私が辻先輩の相手をするのが良いけれど…そうさせてはくれなそうね。」

 

目の前の辻は明らかに巴狙いだった。

 

『俺と文香で犬飼をやる。虎太郎は辻を引き付けてくれ。』

 

『了解です。』

 

その言葉と同時に、巴はバッグワームを羽織り、グラスホッパーで戦場から離脱する。

 

 

「!、辻ちゃん。」

 

『…誘われてますね。でも、このまま巴くんに潜まれると面倒です。』

 

『だよねー、奇襲も警戒しなきゃ行けなくなる。…これはめんどい。辻ちゃんが照屋ちゃんとやる?』

 

その問いに答えたのは隊長である二宮だった。

 

『バカを言うな。辻は巴を追え。犬飼は俺が到着するまで時間を稼げ。死ぬなよ、やれるな?』

 

『辻、了解。』

 

『はあ、しんど。やっぱそうなりますよね。…犬飼了解。』

 

──

 

『マップ東の柿崎隊VS二宮隊の戦闘は2手に分かれました!』

 

『まあ辻ちゃんは照屋ちゃんとは相性わりぃからなー。妥当っちゃ妥当だが…犬飼先輩の負担はでかくなる。』

 

『犬飼隊員がピンチということでしょうか?』

 

武富が出水に尋ねた。

 

『いや、ピンチって訳でもねえな。ザキさんの要塞…エスクードの弱点はなんだと思う?』

 

『?、消費トリオンが多いのと…動かせない…でしょうか?』

 

木虎がそう答える。

 

『そうだ、動かせねえ。だからこの状況で犬飼先輩がとるべき最善の策は…』

 

 

──

 

「じゃ、逃げるね。照屋ちゃん。」

 

犬飼はアサルトライフルを構えたまま照屋、柿崎から距離をとった。

 

「まともに戦うわけないでしょ。勝てる気しないし。」

 

「隊長!」

 

「ああ!」

 

照屋、柿崎はすぐさま犬飼の後を追う。

 

 

──

 

『ここで犬飼隊員が戦場から離脱!柿崎隊の2人が後を追う!』

 

『ま、そうなるわな。俺でもそうする。機動力なら照屋ちゃんの方が上だろうが…犬飼先輩はガードに徹して粘れば…

 

 

 

 

…逃げた先には絶対的なエースがいるって寸法だ。』

 

──

 

『ザキさん!文香!』

 

走っていた照屋と柿崎に宇井が待ったをかけた。

 

「ちっ…お出ましかよ…。」

 

柿崎、照屋が見上げた上空に無数の弾幕が映る。

柿崎はすぐさまエスクードを展開。

レイガストを構えた。

 

降り注ぐ弾幕を照屋を庇う様に柿崎が受け切る。

 

「いやー、助かりました。」

 

犬飼は飄々とそう言いながら、ナイトのように王の隣に立った。

 

「上出来だ。このまま蹴散らすぞ。」

 

「りょーかい。」

 

射手の王、二宮匡貴が柿崎隊の前に降臨した。

 

 

──

 

『ここで二宮隊長が柿崎隊の前に立ち塞がった!』

 

『やっぱこうなったかー。ROUND4じゃザキさんと照屋ちゃんの連携で二宮さんに勝ってるが…ありゃ綾瀬川のオペありきだ。それに今回は犬飼先輩もいる。二宮隊が有利だろうな。』

 

出水はそう見解する。

 

『二宮隊長の参戦で大ピンチ!柿崎隊、どう切り抜けるか…!』

 

 

──

 

『清澄先輩、二宮隊と交戦になっちゃった!こっち来れそう?』

 

『虎太郎は?』

 

『辻先輩を引き付けてくれてる。』

 

『なるほど。』

 

生駒の弧月を弧月で、水上の弾をシールドで受けながら綾瀬川は内部通話でそう返した。

 

『了解した。…すぐに向かう。

 

 

 

…ってことなんで…死なないでくださいよ、隊長、文香。』

 

『無茶言いやがるぜ…。

 

 

…ああ。』

 

『了解!』

 

 

「…」

 

生駒の弧月を受けながら、綾瀬川は息を大きく吸い、目を閉じる。

 

そしてゆっくりと開けられる目。

明らかに雰囲気の変わった綾瀬川に生駒は冷や汗を浮かべ、笑みを浮かべた。

 

 

「野暮用だ。」

 

「!」

 

綾瀬川は鍔迫り合いをしていた生駒の腹を蹴り、距離をとる。

 

「逃がさせへんで!俺と遊んでこうや。」

 

背中見せた綾瀬川を追いながら生駒は好戦的な笑みを浮かべた。

 

 

──

 

「柿崎隊がB級最強…?ハッ、そりゃねえだろ。綾瀬川が居なきゃ上位にもなれないんじゃねえの?」

 

 

これはロビーで他の隊員が話していた事だった。

 

「分かる。特に隊長の柿崎さん。前シーズンのROUND2から得点なしだろ?いくら援護に特化したとは言えB級1位の隊長で無得点って…恥かしくないのかね。」

 

 

分かってる。

俺がB級1位に入れるのは清澄、文香、虎太郎、真登華のおかげだ。

分かってる。

隊長だって本当は清澄がやるべきだ。

俺みたいに優柔不断じゃない。

戦況を見抜く慧眼と判断力。

太刀川さんにも勝ち越す程の弧月の腕。

非の打ち所の無い、まさにボーダー最強の傑物。

そんな奴が俺の隊にいる。

 

 

「あーあ、うちにも綾瀬川先輩みたいなエースが運良く入ってこないかなー。」

 

「おいおい、そう言う事は本人の前で言うんじゃねえよ。」

 

そう言って俺はチョップを落とす。

 

 

「か、柿崎さん?!」

 

「ま、言いたいことは分かるけどよ…

 

 

 

…こんなんでも一応隊長なんだよ。」

 

「え、えっと…その…。」

 

 

「ま、要するに…

 

 

…うちは清澄だけじゃねえ。ROUND6、楽しみにしとけ。」

 

 

 

 

──

 

柿崎と照屋に降り注いだサラマンダー。

 

 

その中からシールドを固定した照屋とエスクード、そしてレイガストとシールドに守られた柿崎が。

 

 

「申し訳無いですけど清澄が着くまで時間稼ぎさせてもらいますよ。」

 

「出来ると思っているのか?」

 

そう言って二宮はトリオンキューブを分割する。

 

 

 

 

 

「出来ますよ。こう見えて俺は…

 

 

 

 

 

 

…古参なんで。」

 

 

そう言ってB級1位の隊長は白い歯を見せて大胆に吠えて見せた。




柿崎隊ROUND6トリガー構成

柿崎国治
メイン:レイガスト、スラスター、エスクード、シールド
サブ:レイガスト、ハウンド(アサルトライフル)、バッグワーム、シールド

照屋文香
メイン:弧月、旋空、メテオラ、シールド
サブ:スコーピオン、メテオラ(ハンドガン)、バッグワーム、シールド

巴虎太郎
メイン:アステロイド(ハンドガン)、弧月、グラスホッパー、シールド
サブ:ハウンド(ハンドガン)、グラスホッパー、バッグワーム、シールド


感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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