白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

157 / 161
セーフ!
1ヶ月空くとこだったぜ…!


ご、ごめんなしゃい…!




B級ランク戦ROUND6 柿崎隊VS二宮隊VS生駒隊④

二宮隊作戦室

 

「…」

 

緊急脱出用のベッドに投げ出された二宮はゆっくりと起き上がる。

 

結果的にこの試合で最初の緊急脱出となってしまった。

あの距離を精確に狙撃出来る狙撃手はボーダーでも数少ない。

奈良坂や、精密狙撃に定評のある半崎など限られて来るだろう。

それを綾瀬川は生駒隊との戦闘の刹那、遮蔽物越しに狙撃して見せた。

ボーダーにこんな芸当ができる狙撃手はいないだろう。

 

「…辻と犬飼の様子はどうだ?」

 

二宮が氷見に尋ねる。

 

「犬飼先輩は後退、辻くんは巴くんを綾瀬川くんと合流させない様に立ち回っています。」

 

「…そうか。優先すべきは犬飼のオペレートだ。」

 

「了解。…すいません、二宮さん。私の「謝るな。」」

 

氷見の言葉を遮り、二宮はそう言って目を伏せる。

 

「奴を侮っていた俺のミスだ。…ちっ…。」

 

二宮は目を伏せながらそう言った。

 

「俺にはもうここから指揮することしかできない。…辻と犬飼を頼む。」

 

 

「…了解。」

 

二宮の言葉に氷見は深呼吸をした後、モニターに向き合った。

 

 

──

 

「…え?!二宮さん落ちたん?!」

 

生駒隊オペレーター、細井真織の通信を受けて生駒は驚きの声を上げる。

 

『さっきのきよぽんの狙撃っすね。…どないします?』

 

「どうもこうもないやろ。…ぶった斬るで、きよぽん。」

 

「りょーかい。2人消えてますよ、こっち来てる可能性高いです。気をつけて行きましょ。」

 

そう言って水上はトリオンキューブを生成する。

 

「りょーかい…!

 

 

 

…旋空弧月。」

 

 

──

 

生駒から放たれた旋空を飛び退いて避けながら、シールドを生成。

水上のアステロイドを受ける。

 

『虎太郎はどれくらいで着きそうだ?』

 

オレは真登華にそう尋ねる。

 

『すぐ着くよ。辻先輩は犬飼先輩の援護に向かったから。』

 

『文香と隊長に任せて問題ないな。辻は…文香がいるしな。』

 

『アハハ…。』

 

オレの言葉に真登華は苦笑いを浮かべる。

 

『…じゃあオレの相手は…海だな。』

 

オレと虎太郎の連携はグラスホッパーを用いた立体機動による戦闘。

同じグラスホッパー使いの南沢は邪魔になる。

 

鍔迫り合いをしていた生駒を蹴り飛ばすと、もう片方の弧月で南沢の弧月を受ける。

 

「満身創痍だな、海。…もうトリオンも少ないんじゃないか?」

 

南沢にそう声をかける。

 

「はい!死にそうッス!」

 

南沢は元気良くそう答えた。

 

「でも諦めないッスよ…!きよぽん先輩と戦うの楽しいんで…!」

 

そう言って南沢は舌を出して笑う。

 

「…そうか。」

 

「海!」

 

生駒の合図で南沢が飛び退くと、視界の先には弧月を構えた生駒が。

 

「旋空弧月。」

 

『清澄先輩!!』

 

生駒の旋空と同時に真登華の通信が入る。

表示された場所から、光の反射が。

 

隠岐か。

 

オレは旋空を跳んで避ける。

そしてこちらに向けて弾が放たれた。

 

「っ…と。」

 

オレは体を捻らせ避ける。

 

『っ…あらら…ホンマ宇井ちゃん嫌いになりそうやわ…。』

 

そう言って隠岐はイーグレットを下げて移動すべく走る。

 

「逃がすか。」

 

そう言ってオレは空中でイーグレットを片手で構える。

 

「させるわけないやろ。」

 

水上はオレにアステロイドを放つ。

 

そのアステロイドは2枚のシールドに阻まれた。

 

「ちっ…邪魔すんなや虎太郎…!」

 

「よくやった虎太郎。」

 

そう言ってオレは引き金に指をかける。

 

『隠岐!狙われてんで!』

 

細井の通信が隠岐に入る。

 

『全速力で逃げるわ…。』

 

 

──

 

水上は違和感を覚える。

隠岐はグラスホッパーを持っている。

トリオンも綾瀬川より高く、来ると分かっている狙撃は防げるだろう。

虎太郎も到着し、守りは一瞬であるが虎太郎に任せられるこの状況。

誰もが狙撃をするだろうと読めるこの状況。

全て綾瀬川の手の上にいる気がしてならなかった。

そして視界に映るのは腰に携えた弧月。

綾瀬川は片手で引き金を引こうとしている。

 

 

…利き手が空いている。

 

 

誰しもの視線はイーグレットに向いている。

しかし水上は見逃さなかった。

弧月へと下げられた綾瀬川の利き手を。

 

 

「アカン!旋空来ます…!」

 

その言葉の直後に、南沢目掛けて放たれる死神の鎌。

 

「どわっ!」

 

水上の声が無ければトリオン体は両断されていただろう。

 

「!…これを読んだのか。…さすが水上先輩だな…。だが…」

 

片足の南沢はバランスを崩す。

崩れた南沢の抜けた今、グラスホッパーを持った巴を上回る機動力の者は、この場にはいなかった。

 

 

「助かった、虎太郎。」

 

そのまま巴はグラスホッパーに足をかけ、南沢に切り込みそのトリオン体を切り裂いた。

 

「マジかいな…。」

 

隠岐は冷や汗を浮かべる。

 

『アカンで隠岐!綾瀬川まだ撃って来るで!』

 

「っ…?!」

 

放たれたイーグレット。

隠岐は集中シールドで防いだ。

 

 

 

「遅くなりました。」

 

そう言って巴は綾瀬川の隣に立つ。

 

「いや、ナイスタイミングだ。生駒隊の機動力は死んだ。…反撃するぞ。援護頼む。」

 

そう言って綾瀬川は弧月を構える。

 

「了解。」

 

巴のその言葉の直後、生駒隊を囲うように複数のグラスホッパーが展開される。

 

──

 

『ここで南沢隊員が緊急脱出!柿崎隊が早くも2点目を獲得!』

 

『狙撃しながら旋空とか…。』

 

出水は呆れながら言葉を失った。

 

『今の旋空…ノールックで撃って来ました。それも逆手で。出水先輩が言っていた綾瀬川先輩の旋空が避けづらいって…こういう事ですか?』

 

『…そうそう。いつ飛んで来るか分からねえんだよ。』

 

『なるほど…。』

 

木虎は考え込む。

 

『南沢隊員を落とした柿崎隊!そして巴隊員は四方にグラスホッパーを展開しました!』

 

『反撃開始…だな。来るぜ、虎太郎と綾瀬川の連携が。』

 

そう言って出水は視線をモニターに移した。

 

──

 

柿崎隊は綾瀬川が入るまでは一枚岩の連携が売りだった。

中・近距離に対応出来る3人が全方位に対応する。

それが綾瀬川が加わる前の柿崎隊。

しかし、綾瀬川が加わってからは別だ。

2人ずつに分かれた連携をよく見せている。

中でも、照屋と柿崎、綾瀬川と巴。

この2人ずつに分かれる機会が多い。

しかし、今シーズンは綾瀬川は単独で動く事が多かった。

だからこそ、綾瀬川が今シーズン味方の援護を受けて攻撃を仕掛けるのは稀有な事だった。

 

 

「っ…?!」

 

生駒の死角から繰り出される剣撃。

生駒はどうにか反応し弧月で受け止める。

綾瀬川はすぐに飛び退くと、そこに出現したグラスホッパーに足をかける。

そして今度は水上に切り掛る。

 

「っ…水上っ!」

 

生駒はどうにか反応し綾瀬川のスコーピオンを受ける。

 

そして綾瀬川はまた離脱。

もう一度グラスホッパーに足をかける。

 

(冗談きついで…!居合が得意なイコさんやなかったらとっくに落とされとる…!)

 

水上はトリオンキューブを分割し、巴を狙う。

 

綾瀬川は一瞬後ろに視線を向けて、サブのシールドを展開。

巴もサブでシールドを展開した。

 

(きよぽんは攻め、虎太郎は援護…そしてガードは分担かいな…。)

 

水上は冷や汗を浮かべ、目の前の2人に視線を向ける。

 

これがB級トップの連携。

 

『イコさん、どないします?』

 

「どうもこうもないやろ…。ここできよぽんにぶった斬られたら俺らの負け、俺らがきよぽんをぶった斬れば俺らの勝ちや…!」

 

そう言って生駒は目をギラつかせる。

 

「りょうか…「時間切れだ。」」

 

水上が答える前に、綾瀬川はそう言って後ろに視線を向ける。

 

その瞬間、建物は倒壊。

照屋の連撃を受ける二宮隊の2人が後ずさりながらやってくる。

 

「おっ、逃げきれた感じ?」

 

犬飼は苦笑いでそう言った。

辻も照屋から距離をとって弧月を構え直した。

 

 

 

 

最悪だ。

 

水上はこの状況を見て、内心で舌打ちをする。

乱戦になれば、点が取りやすい…とも言える。

 

だが違う。

水上が懸念していた事態が起きてしまった。

 

 

 

…この場に柿崎隊が4人揃ってしまった。

 

 

柿崎は地面に手を付き、エスクードを展開。

道を塞ぎ、二宮隊、生駒隊の退路を断つ。

 

 

「虎太郎はグラスホッパー、俺はトリオンが少ねえ、エスクードは控える。」

 

柿崎はそう言ってレイガストを構え直す。

 

「文香と清澄は好きに動け!…援護する。」

 

「「了解。」」

 

 

 

 

 

…今シーズン、綾瀬川は殆ど単独で動いている。

 

だからこそ、考えていなかった。

いや、考えないようにしていた脅威。

 

 

 

「冗談きついで…?虎太郎だけでも厄介やのに…。」

 

 

 

 

それは柿崎隊が今シーズン見せているB級トップの連携に怪物が加わるという事実。

 

 

 

1人ずつ落とされ、満身創痍の二宮隊と生駒隊。

そんな2部隊の前にB級最強の要塞が立ち塞がった。




マジな話遅くなり申し訳ございません。

大事な話しますね。
感想の返信なんかで察してくれた方もいるかもしれませんが、ちょっと長い事患っておりまして手術&入院しておりました。
元々、ハーメルンでの小説投稿もワートリ&よう実にハマったのも入院の暇つぶしみたいなものなんですよね。
まあ書き始めた頃は仕事もしてて、通院って感じだったんですけど。
今はもう仕事も辞め、治療に専念しております。
来月頃また手術があるんですが、今はなんとか落ち着いております。
病名は伏せますが、今行っているのは対症療法でして、この治療法もいつまでもつかは分かりません。
薬もあるのですが副作用もキツく、最近特に酷くなって来ました。
死期が近いんですかねw(←笑えない。)
お医者様からは治って来てる証拠!
と言ってもらっていますが、まあキツいことにはキツいですね。

…と、悲観しても意味は無いので止めます。

何が言いたいかと言うとなんとか生きてる状況ですので、書き続けられるうちは投稿致します。
病状の悪化に伴い、ここの所不定期も不定期になっておりました。

2ヶ月…ですかね…。

これ以上空いたらまあちょっとお察ししてもらえればと思います。
勝手に書き始めて、中途半端では終わりたくないし、我儘にはなりますが、ご理解頂けると幸いです。

あとがきに書くことじゃねえなw

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。