大規模侵攻の続きは3日以内に書き上げます。
半分くらい書けてるんで。
…しれっと3位かよ…あのロン毛…!
第一印象は不気味な奴だった。
ぶっちゃけそれは今でも変わってない。
どこか遠くを見るような無機質な瞳。
こちらへの関心などまるでない様だった。
「えっと…なんでウチに入りたいって思ってくれたんだ?」
「…友人に勧められて。」
ポツリと目の前の少年は作戦室でそう返した。
「友人?」
「はい。」
「…ちなみにその友人の名前は?」
お茶を口に含みながら尋ねる。
「三輪秀次って言う奴なんですけど。」
「ぶっ!!」
その言葉に俺はお茶を吹き出す。
「三輪って…は?A級三輪隊の三輪か?」
「順位とかランクのことはよく分からないですけど…隊長はやってるって言ってました。」
その言葉に俺は目の前の少年を見る。
三輪秀次。
A級三輪隊を率いる、万能手。
かつてボーダーきっての智将、東春秋の下で戦略を学び、その頃の東隊はA級1位に君臨していた。
解散後は隊長として隊を組み、A級に駆け上がった、まさにエリート。
目の前にいるのはその三輪の勧めで柿崎隊に来たらしい。
「詳しく聞こう、ポジションは?」
「射手ですね。」
「…すまん、まずは名前からだな。」
「…綾瀬川清澄です。」
そう名乗った青年の瞳はやはり無機質だった。
──
「隊長…あの人入隊させるんですか?」
保留。
という形で綾瀬川を帰らせた後、隊員である照屋文香が俺に尋ねてきた。
その後ろには巴虎太郎と、宇井真登華も控えている。
「うーん、ちょっと三輪に話を聞いてみる。」
──
「悪いな急に押しかけて。」
次の日俺は三輪隊の作戦室に足を運んでいた。
「…いえ。」
目の前の三輪秀次はただ一言そう返した。
「あれ?ザキさんじゃん。ウチになんか用ッスか?つーかソロやりましょーよ。」
三輪隊攻撃手の米屋陽介は俺をランク戦に誘う。
「後にしろ、陽介。」
三輪はそう窘める。
「ちぇー。」
「悪いな米屋、野暮用でな。また誘ってくれ。」
「へーい。ランク戦ブース行ってこよーっと。」
米屋は口を尖らせて作戦室を後にした。
「はい、柿崎くん。お茶どうぞ。」
「月見…悪いな。お構いなく。」
「そういう訳には行かないわ。」
そう言って三輪隊オペレーター、月見蓮は俺の前にお茶を置くとデスクに腰掛けるとデスクワークを始めた。
「…早速本題に入るんだが…綾瀬川にウチの隊を勧めたらしいな。…どうしてだ?」
「綾瀬川の戦力、性格を見て柿崎隊が合っていると判断しました。」
三輪は淡々とそう返した。
「…ぶっちゃけウチの隊は今負け続きだ。そこに入って綾瀬川の為になるのか?」
俺がそう尋ねると三輪は目を細める。
「…戦績は関係ないでしょう。それに…為になるならないはあなたが決めることじゃない。」
三輪はバッサリとそう言った。
「俺にその話をしてきたってことは…綾瀬川を隊に入れる気は無いんですか?」
「いや、そう言う訳じゃないんだが…。4人に増えりゃ真登華…オペレーターの負担も増えるだろ?それに戦略も練り直す必要がある。」
「それは柿崎隊と綾瀬川の問題です。オペレーターの支援が難しいのなら入隊を断ればいい。」
それを言ってしまえばそうなのだが…
「…じゃあなんで綾瀬川をウチに推薦したんだ?」
三輪が推薦したということは柿崎隊の現状も分かっているはずだ。
「柿崎隊のスタイル、隊員の性格が綾瀬川に合っている…。そう判断したからです。…これをどう取るかはあなた次第だ。」
そう言って三輪は立ち上がる。
「だが…前回のランク戦を見る限りこのままじゃ柿崎隊は順位を落とし続ける。…それはあなたが1番分かっている事じゃないのか?」
「…っ…。」
「三輪くんがごめんなさいね、柿崎くん。」
しばらくすると、月見が話しかけてきた。
「いや、別に…事実だからな。」
俺は握りこぶしを作る。
このままじゃダメな事くらい分かっている。
文香は歌川や奈良坂と新人王を争ったほどの逸材。
虎太郎は当時、唯一の小学生正隊員。
真登華もだ。
B級中位でも下の方。
こんなところにいていい人材じゃない。
頭では分かってる。
隊長である俺のせいだ。
それを年下である三輪に言われると来るものがある。
「綾瀬川…か。
…よし…!」
──
「という訳で俺は綾瀬川を隊に迎え入れたいと思う。」
作戦室で俺は文香、虎太郎、真登華の前でそう切り出す。
「え?!入れるんですか?!」
虎太郎が声を上げる。
「うーん…私オペ出来るかなー。」
真登華は不安そうにそう言った。
「理由を聞いても良いですか?」
文香は冷静に尋ねた。
「…ぶっちゃけ1番の理由は三輪からの推薦ってのが大きい。後は銃じゃなくて弾トリガーを使った中距離の火力強化を視野に入れてる。」
「うーん、でも真登華先輩の負担が大きくないですか?B級じゃ4人部隊なのは生駒隊くらいです。」
「それは分かってる。真登華には負担をかけちまう。だが…何か変えなきゃ俺たちは上に上がれねえと思うんだ。
…俺は綾瀬川に賭けてみようと思う。」
「「「…」」」
3人は真剣な表情で俺を見ていた。
「…はぁ…忙しくなるなぁ。綾辻先輩に弟子入りの打診してみよーっと。」
「4人に増えるってことは戦略の幅も増えますね!オプショントリガーの追加とか考えてみますか?」
「…後衛…ってことになるのかしら?早めに綾瀬川さんに連絡取って連携の練習をしましょう。次のシーズンまであまり日が無いですよ。」
真登華、虎太郎、文香はそう反応する。
「言っときますけど1番の忙しいのはザキさんですよ!早く綾瀬川先輩に連絡取ってください!」
「…お前ら…
…ああ!分かった!」
そうして俺たち柿崎隊は綾瀬川を隊に迎え入れた。
──
「…え?いいんですか?」
綾瀬川は少し目を見開きそう反応した。
「ああ。次のシーズンまで時間がねえ。作戦室に来てくれるか?」
「…了解です。」
「えっと…綾瀬川清澄です。ポジションは一応射手やってます。えっと…まぁ…よろしくお願いします。」
歯切れ悪く綾瀬川は自己紹介をする。
「改めて自己紹介するぜ。俺は柿崎国治だ。ポジションは万能手。隊長をやらせてもらってる。」
「照屋文香です。同じく万能手です。よろしくお願いしますね?綾瀬川先輩。」
「巴虎太郎です!銃手です。今は万能手目指して頑張ってます!」
「オペの宇井真登華ですー。」
俺たちの自己紹介に綾瀬川はどこか居心地悪そうに頭を搔く。
「…よろしくお願いします。」
そう言って綾瀬川は改めて頭を下げた。
次の日の歓迎会で分かったことだが、綾瀬川はかなりの古参らしい。
だから三輪と仲が良いのか…。
虎太郎と同じく万能手を目指しているそうだ。
結論から言うと綾瀬川はそこまで強いと呼べる奴じゃなかった。
仮想戦闘も1分。
正隊員にしちゃ遅い。
防衛任務の時はいい動きしてたんだがな…。
そしてその翌日、とんでもない事実が発覚する。
綾瀬川 清澄
弧月 5000P
スコーピオン 5000P
アステロイド 5000P
ハウンド 5000P
メテオラ 5000P
バイパー 5000P
イーグレット 5000P
「…うわー…気持ち悪ー…。」
真登華が引き気味に苦笑いをうかべる。
そりゃそうだ。
こんな綺麗に揃ったポイントは見たことが無い。
まずこれだけのトリガーに手を付けてる奴も初めて見た。
「まぁ…偶然ってことも有り得る…のか?」
「いやいや、ザキさん本気で言ってます?」
「…だよな。…聞いてみるか。」
「偶然って怖いっすね。どのトリガーがオレに合うか迷走してたらこんな事になってました。」
綾瀬川は呆気からんとそんな事を言って見せた。
「…でも全部のポイントが5000ですよ?偶然で片付けられますか?」
文香の疑問はご最もだと思う。
俺だってそう思う。
「狙ってポイントなんて揃えれるはず無いでしょう…。」
綾瀬川の言い分もご尤もだ。
…だがもしこれを狙って揃えてるのだとしたら…。
そう考えて俺は首を横に振る。
だがこの時の俺の予感は正しかった。
ROUND1ではその片鱗を。
ROUND2以降では思い知ることになる。
綾瀬川という怪物の恐ろしさを。
──
「…強い…。」
ROUND3村上とカゲとやり合っている清澄を見て虎太郎がそう呟いた。
俺も息を飲む。
ROUND2でも確かに凄かった。
しかしまさかここまでとは思わなかった。
そのまま清澄は4点取って帰ってきた。
だと言うのに表情は変わらない。
何を考えているのかまるで読めない。
今日俺は清澄を心強いと思うと当時に底知れない恐ろしさを感じた。
何者なんだ?
この一言はついに清澄に尋ねることは無かった。
誰にだって秘密はある。
文香にはそう言ったが多分俺は清澄の裏を知るのが怖かっただけだ。
「虎太郎は清澄の事どう思ってるんだ?」
迷っている時俺は虎太郎に聞いてみた。
「どうって…頼れる先輩ですね。清澄先輩が柿崎隊に来てくれて良かったです。」
虎太郎は無邪気な笑みを浮かべてそう言った。
「…そうか…。」
そう言って俺は考え込む。
「…隊長の気持ちも分かりますよ。」
そう呟いた虎太郎に目を向ける。
「え?」
「謎ですもんね、清澄先輩って。俺は難しく考えないようにしてます。清澄先輩はもう柿崎隊の一員なんで。」
虎太郎は笑みを浮かべる。
「謎だけど面倒見はいいしどこか抜けてるのも面白いです。緑川と同じにはなっちゃうんですけど…清澄先輩は俺にとって兄みたいな感じなんです。
…それに同じ柿崎隊の清澄先輩がめちゃくちゃ強いって喜ぶべきことだと思いません?」
「…」
俺は虎太郎を見て吹っ切れる。
悩んでた俺が恥ずかしくなるほど虎太郎は割り切っていた。
「…ハッ…違いねえな。」
俺はそう言って虎太郎の頭をクシャッと撫でた。
「オレは柿崎さんが隊長で良かったと思ってますよ。」
清澄からまっすぐ目を見られて、そう言われた時は涙が出そうになった。
てか出た。
何故かようやく同じチームになれた気がした。
「…柿崎さん…オレは柿崎隊万能手綾瀬川清澄です。…隊長の決めた事に異論なんてありません。」
頼れるチームメイトの清澄。
「オレはオレに与えられた任務を遂行するだけだ。道を開けろブラックトリガー。この状況でまだ抵抗を選ぶのか?」
城戸司令の懐刀にして切り札である清澄。
『…怒ってくれていいんですよ。オレが手を抜いてたから虎太郎は落ちたんだ。』
そしてどこか不器用で迷いを見せた清澄。
どの一面も同じく綾瀬川清澄と言う柿崎隊万能手にして、ダブルエースの一角。
『ザキさんザキさん!清澄先輩がブラックトリガー倒したって!!』
真登華が興奮気味に通信を入れる。
『…ハハッ、さすが俺たちのエースだな。』
『…わ、私だって…。』
俺の言葉に文香は気合いを入れ直す。
『こっちからですけど俺もやれることやりますんで!』
虎太郎も気を引きしめる。
だからこうして清澄の勝利を喜べる。
「清澄に負けてられないな…
…行くぞ!」
「「「了解…!!」」」
清澄はいつか俺に秘密を打ち明けてくれるだろうか?
いや、打ち明けてくれなくても関係ない。
隊長として俺を受け入れてくれた清澄と同じく俺は、清澄をエースとして受け入れるだけだ。
綾瀬川清澄からの印象
駒
↓
迷える駒
↓
頼れる駒
↓
頼れる隊長
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。