白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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幕間的な感じです。
ストーリー自体はあんま進みません。



お好み焼き「かげうら」にて

「お断りします。」

 

目の前の髭の男はオレのその言葉に驚愕の表情を見せた。

 

「はぁ?!おいおい、それはねーだろ綾瀬川。俺はお前を倒すためにこの半年鍛えたんだぜ?」

 

「まずあなたは誰なんですか?半年前に会った記憶もなければオレが目標にされる筋合いなんてないんですが。」

 

「おま…太刀川さんを知らねーのか?!」

 

隣にいた米屋が呆れたように言った。

 

「太刀川…ああ、出水の…。」

 

思い出した。

確か出水はA級1位太刀川隊に所属していたはずだ。

 

「すいませんね。家の都合で休隊してて。古参ではあるんですが戻ってきたのはつい数ヶ月前なんですよ。」

 

「そんな事はどうでもいい。お前には借りがある。きっちりここで返させてもらうぜ。」

 

「いや、借りも何も今回が初対面でしょ。オレはあなたの事を知らない。」

 

「…覚えてすらねえって事か…。いいぜ。なら尚更だ。ランク戦しろよ。」

 

ダメだ会話が成立しない。

て言うかボーダーには戦闘狂しかいないのか?

 

 

 

「あれ?太刀川さん、清澄に何か用ですか?」

 

そこに助け舟が。

照屋と柿崎がやって来た。

 

「柿崎か。こいつにランク戦挑んでるとこだ。」

 

「なるほど…やればいいんじゃないか?」

 

ブルータス…お前もか。

それだけ言って2人は帰ってしまう。

 

「ほら、隊長がこう言ってる。どうする?隊員。」

 

「…この後友人と約束があるんですが?」

 

「知るか。俺優先だ。」

 

横暴な。

 

 

 

 

そんな事を思っていると太刀川は後ろから背中を叩かれる。

 

「いてえ!!」

 

「何をやっている?太刀川。」

 

小柄でおそらく年下の少年が太刀川を叩いた。

 

「年下を困らせるな。」

 

「…邪魔しないでくださいよ…風間さん。」

 

「黙れ。このバカがすまなかったな。」

 

「いや、助かった。」

 

オレがそう答えると米屋、太刀川は顔を青くした。

 

「…風間(かざま) 蒼也(そうや)だ。歳は21。お前より年上だぞ。綾瀬川。」

 

「…それは失礼しました。風間さん。」

 

オレは急いで頭を下げる。

 

「よくある事だ。気にしてない。…戻るぞ太刀川。」

 

「いや、俺まだこいつに…」

 

「レポート。」

 

そう一言言うと太刀川は黙る。

 

「これ以上本部長に迷惑をかける気か?」

 

「わーったよ!…おい綾瀬川!次会った時は覚えとけよ!!」

 

そう残して太刀川は風間に引き摺られて連れていかれた。

 

 

 

 

「お前…太刀川さんと知り合いなのか?」

 

「…さっきも言ったが初対面だ。誰かと勘違いしてるんじゃないか?」

 

「ふーん…。ま、いいや。太刀川さんもいなくなった事だし…「ランク戦はしないぞ。」ランク戦…。」

 

「…言っただろ…?約束があるって。」

 

「また秀次かよ…。てかそれなら出水誘ってオレも行っていいか?」

 

「いいんじゃないか?三輪に聞いてみる。」

 

 

 

 

 

──

 

「あ、あやせセンパイのも俺が焼いたげるよ〜。」

 

目の前で焦げたお好み焼きを見て緑川がそう言った。

 

「ああ、すまない…頼む。」

 

「にしてもお好み焼き初めてなんて珍しいな。」

 

米屋は水を1口飲んでからそう言った。

 

「そうでも無いだろ。行く機会がなければ行かない。」

 

「そう言うもんか…。」

 

「ちらっと聞いたがこいつは産まれてすぐ海外だったらしい。そして日本戻ってボーダー入ったらすぐに家の用事でまた国外だとよ。だからそう言うのに疎いんだろ。」

 

出水がそう言った。

 

「なるほどな。そんな事話す機会あったのか?」

 

米屋が尋ねる。

 

「…まあちょっとな。」

 

 

「どうせ2学期からは同じ高校だろう。」

 

三輪が切り出した。

 

「行きたいところがあったら言え。お前よりは詳しい。」

 

「…ああ、ありがとう。」

 

「秀次って綾瀬川には優しいよなぁ…。」

 

「確かに。心無しかみわセンパイの目付きが優しい気がする。」

 

「…ふん、とっとと食え。焦げるぞ。」

 

「うわっ…やば…!!」

 

 

そうやってお好み焼きを楽しんでいると、見知った顔の一団がこちらにやって来た。

 

「あ?お前ら来てたのかよ。」

 

「よう、打ち上げか?」

 

やって来たのは、影浦、村上、北添の3人だった。

 

「カゲさん、鋼さん、ゾエさん。」

 

米屋が代表して答える。

 

「まあそんなところっす。3人も打ち上げですか?」

 

「ランク戦帰りにカゲんち行こうってなったんだよ。」

 

北添が答える。

そう言えば店の名前はかげうらだった気がする。

 

「…へっ…乗り気じゃなかったがこいつがいるなら話は別だぜ。」

 

そう言いながら影浦はオレに近づいた。

 

「よう…今日はやられたぜ。次はぜってぇその変わんねえ表情歪めてやるよ。」

 

「…それは東さんに言ってもらえますか?あんたを落としたのはオレじゃない。」

 

「…はっ…とぼけやがって。」

 

そう言って影浦を含む3人は隣の席に座る。

 

「とんでもない回避能力だな。サイドエフェクトか?」

 

村上が尋ねた。

 

「…まあ。」

 

「「はぁ?!」」

 

オレがそう言うと、米屋と緑川が反応した。

 

「…まだ言ってなかったのか…?」

 

三輪は呆れたように言った。

 

「言う機会もなかったからな。」

 

「…カゲのサイドエフェクトに似てるな。似たようなやつか?」

 

「…まず影浦先輩のサイドエフェクトがオレは分からないんですけどね。」

 

村上の質問にそう返すと、影浦が返した。

 

「けっ…こいつのサイドエフェクトはそんな生ぬるいもんじゃねえだろ。俺のクソサイドエフェクトより100倍つえーだろーが。まるで未来が見えてるみてーに躱しやがる。」

 

「!…えぇ?!未来予知?」

 

北添が反応する。

 

「…オレのサイドエフェクトはそんな便利な事出来ませんよ。…まあ…内緒です。」

 

「端から聞き出そうと思ってねえよ。…今回はてめえの勝ちだ。次はその喉斬り裂いてやるからな。」

 

「…はあ…。」

 

「俺もだ。随分と悪趣味だな。手を抜いてたのか?」

 

村上がそう尋ねる。

 

「個人戦では…ね。オレの旋空は村上先輩のデータにはなかったでしょう。あなたに勝つには初見の技ぶつけないと勝てませんから。いつ再戦するかも分からないのに村上先輩に手の内明かすわけないでしょ。ましてやあなたもサイドエフェクト持ちなんだから。」

 

「…なるほど。だがもうお前の旋空は見た。次は何を見せてくれるんだ?」

 

「そんな期待されてももう無いですよ。」

 

「ふ…どうだか。」

 

「勘弁してください…。」

 

 

「問題は次だぞ。綾瀬川。」

 

村上に答えたあと、三輪が切り出した。

 

「そうだな、B級1位の壁は高い。」

 

村上も同調する。

 

「確かNo.1射手がいるんだったか。」

 

オレは知っている情報を出した。

 

「そうだ。お前は回避能力が高いが二宮さんはそれすらもゴリ押しでお前に当ててくるだろう。」

 

三輪は続ける。

 

「それに二宮さんだけじゃなくてマスタークラスの銃手の犬飼さん、マスタークラスの攻撃手、辻がいる。一筋縄じゃ行かないぞ。」

 

「…まあそうだろうな。」

 

「それに二宮隊だけじゃなくて確か次は生駒隊もでしょ?」

 

緑川が付け足すように話に入る。

 

「あやせセンパイの旋空もだいぶ長いけどいこまさんはそれ以上だよ。人数も柿崎隊と同じ4人だし。」

 

「まあ今の柿崎隊じゃきついだろうな。」

 

オレは淡々と答えた。

 

「きついだろうってお前…。」

 

米屋は呆れている。

 

「今のって言っただろ?」

 

「何かあんのかよ?」

 

「さあな…。

 

 

 

 

…だがここで変わらなければそれまでだ。」

 

 

 

酷く冷えきった瞳にここにいるものは息を飲んだ。

 

 

「てめえ、本当に何者なんだ?」

 

影浦が睨むように尋ねる。

オレが視線を向けるとさらに舌打ちをする。

 

「…ちっ…気持ちわりぃ…。」

 

そう言って影浦は立ち上がる。

 

「カゲ!」

 

「せえな。便所だよ。」

 

そう言って影浦は歩いて行ってしまった。

 

 

 

「カゲがすまないな。あいつのサイドエフェクトは『感情受信体質』って言ってな。相手に向けられた感情が肌に刺さるように分かるらしい。それで昔から苦労して…まああんな性格になった。だが…お前からはなんの感情も感じないらしい。」

 

「!」

 

オレは目を見開く。

 

「だから綾瀬川の事…その…気味悪がっててな。お前が悪いわけじゃない。気にするなよ。」

 

「…はい。」

 

「いやー、戦闘でも私生活でもカゲにとって綾瀬川くんは天敵だね。」

 

北添が、空気を戻すように話す。

 

「…俺たちはそろそろ出よう。」

 

三輪がオレを一瞥すると立ち上がる。

 

「…そうだな。今回は俺も払うよ。」

 

「気にするなと言ってるだろう。お前のための席だ。」

 

「いや、毎度悪い…。払わせてくれ…。」

 

「甘えとけって綾瀬川。それにお前と違って俺らはA級の固定給も貰ってんだよ。」

 

自慢するように出水は伝票をかっさらう。

 

 

「すまない。ありがとう。」

 

 

「じゃあ次のランク戦頑張れよ。」

 

村上と北添もそう言って送り出してくれた。

 

 

 

B級ランク戦もまだ半分。

外に出ると蒸し暑い風が三門市を吹き抜ける。

 

 

次の相手はB級最大の壁。

オレは無機質な瞳を空に輝く月に向けた。

 

 

 

感情が無い…か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局オレはボーダー(ここ)に来ても白い鳥籠から逃げることは出来なかった。




各キャラへの印象&各キャラからの印象

太刀川慶→俺を忘れるとはいい度胸だ。ぶった斬る。
風間蒼也→俺は年上だ。年上だからな?年上だぞ?
緑川駿→サイドエフェクト?!
米屋陽介→サイドエフェクト?!
出水公平→境遇を知ってる?
三輪秀次→気にかける。友人。
影浦雅人→気持ちわりぃ。
村上鋼→強い。腕を認めている。
北添尋→以外に喋るなぁ。



太刀川慶←すいません、ご存知ないです。
風間蒼也←ちっこい。年下かと思った。
緑川駿←良い奴。弟がいればこんな感じかな。
米屋陽介←戦闘狂。マジでランク戦ランク戦うるさい。
出水公平←境遇を教えた?
三輪秀次←毎回祝ってくれて嬉しい反面ちょっと申し訳ない。友人。誤解されやすいが良い奴。
影浦雅人←…苦手。
村上鋼←警戒。
北添尋←いい人。


次回は1話挟んでROUND4に行こうと思います。


感想、評価等よろしくお願い致します。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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