白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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不本意ながら今日2話目になりますw
前の話を読んでいない方はそちらからどうぞ。

あと、とある読者様のご意見を参考に、ランク戦の話に分かりやすいよう対戦相手の名前(例:「VS○○隊、○○隊」)を入れました。
ご意見をくださった読者様ありがとうございます。


ちなみに現時点で香取ちゃんは銃手と言うことにしてます。
半年で万能手に転向したとは書いてあったのですが、時期については明言されてなかったので、オリジナルになりますが、多分この頃はまだ銃手だろって事で。


B級ランク戦ROUND5 VS王子隊、香取隊①

『皆さんこんにちは!B級ランク戦ROUND5上位昼の部、実況を努めさせていただきます、片桐隊の結束です、解説席には風間隊隊長、風間さんと生駒隊、生駒隊長、水上隊員をお招きしています。』

 

『よろしく頼む。』

 

『『よろしく〜。』』

 

『ホンマは俺だけやったんやけどイコさんがどうしてもついて行きたいって言うから…。』

 

『ええやんけ。面白そうやし。あ、風間さん、後でランク戦しません?』

 

解説担当という事を忘れ、生駒は風間に話しかけた。

 

『真面目に解説したらな。』

 

『ホンマ?!約束やで!』

 

『えっと…解説席の3人は今回の、王子隊VS柿崎隊VS香取隊はどのような試合展開になるとお考えですか?』

 

結束は流れを戻すように尋ねた。

 

『機動力なら王子隊、火力なら柿崎隊だろう。』

 

『成程、王子隊はB級随一の機動力、柿崎隊は4人編成ですから。香取隊はどうでしょう?』

 

『香取隊の所はエース一強やからな〜。香取ちゃんの動き次第やろ。』

 

水上はそう返す。

 

『まあマップ選択権は香取隊にあるから、ステージによっては香取隊有利やと思います。』

 

『…なんや水上、お前解説っぽいこと言ってるやん。』

 

『いや、解説やから。イコさんも頼んますよ。』

 

 

 

 

『…ROUND5この後すぐ。ブラウザバックはNGやで?』

 

『ブラウザバック?何を誰にゆーてますん?』

 

 

──

 

王子隊作戦室

 

「さて、今回最も警戒すべきはカトリーヌと利根川だけど…カトリーヌとやるのは2回目、前回のようにジャクソンとミューラーを落として援護を無くす、そうすれば僕らのハウンドで押し切れる。問題は利根川だ。2人は利根川の1番警戒すべき点はどこだと考える?」

 

王子隊隊長、王子(おうじ) 一彰(かずあき)は隊員の、蔵内(くらうち) 和紀(かずき)樫尾(かしお) 由多嘉(ゆたか)に尋ねた。

 

「…一番はバイパーでしょうか?リアルタイムで引けるバイパーは警戒すべきです。」

 

樫尾が答えた。

 

「ノールックの狙撃も警戒すべきじゃないか?今回はどのチームにも狙撃手はいない。」

 

「そうだね、その2つは警戒すべき点のうちの2つと言える。でも最も警戒すべきは手段の多さなんだ。」

 

「手段の…」

 

「多さ?」

 

蔵内と樫尾が聞き返す。

 

「じゃあ2人はバイパーとノールック狙撃、そして利根川には旋空もある。ROUND3ではクラウチの得意な合成弾、サラマンダーも使っていた。これのうち今回はどれで来るか…2人には分かるかい?」

 

王子の質問に2人は黙ってしまう。

 

「この通り利根川については予測で対策をするしかないんだ。だから柿崎隊については利根川以外の3人を先に狙う。まあ数で押しても相手は二宮隊3人相手に生き残ってるから勝てるかどうかは賭けだけどね。」

 

 

 

──

 

香取隊作戦室

 

「…っていうのが俺の考えた作戦なんだが…。」

 

香取隊、若村は三浦、そして香取隊隊長、香取(かとり) 葉子(ようこ)に尋ねた。

 

「転送位置次第で台無しになりかねない作戦ね…。」

 

オペレーターの染井(そめい) (はな)は若村の考えた作戦をそう一蹴した。

 

「うっ…。」

 

「でも転送位置次第ではいい作戦だと思うわよ。マップはそこでいいと思うわ。」

 

「…」

 

若村は作戦会議には参加せず携帯端末をいじっている香取を見て痺れを切らす。

 

「…葉子、お前も少しは作戦会議に加わったらどうなんだ?」

 

「作戦もなにもいつも通りでしょ。王子隊は戦闘を避ければいいし柿崎隊なんてまぐれで上位に上がって来ただけ。これまでだって柿崎隊に負けてないし柿崎隊と当たれば4点ゲット。これでいいじゃない。それに援護だけの人に偉そうにされたくないんだけど。」

 

「っ…あのなぁ、今シーズンの柿崎隊は今までとはちげーんだ。綾瀬川って言う化け物がいるんだよ!」

 

「はあ?1人増えたところでやることコロコロ変えて…それで勝てるって言うわけ?第一私より銃手のランク下の人に偉そうにされたくないんだけど。」

 

「なんだとてめえ!」

 

「ま、まあまあろっくん。」

 

三浦が若村を止める。

 

「3人とも。」

 

染井が切り出す。

 

 

「…時間よ。」

 

 

 

 

──

 

『さて、ステージが決定されました。香取隊によりステージは「河川敷A」に決定されました。マップの解説よろしくお願いします。』

 

『河川敷Aは真ん中に大きな川の流れる市街地という感じだ。逆サイドに渡るには中央にある橋を渡る必要がある。それ以外は他の市街地マップと違いはない印象だ。』

 

『成程。…と、転送準備が整いました。それでは転送開始…!

 

 

 

 

 

…転送完了!ステージは「河川敷A」、時刻は昼…

 

 

…天気は雨…!』

 

 

 

──

 

転送されてすぐ、レーダーを見る。

オレと同じ岸には虎太郎がいるようだ。

 

『分かれたな、じゃあこの場合は俺は文香、そっちは清澄と虎太郎だ。』

 

『『『了解。』』』

 

『バッグワーム3人つけたよ。多分今までの経験的に王子隊は全員付けてるかな?王子隊は隠密行動で合流することが多いし。初期位置から計算すると多分…清澄先輩達のところに2人、対岸、ザキさん達の方に1人王子隊がいると思う。』

 

『了解、助かる。』

 

柿崎はそう言って通信を切る。

 

『じゃあ俺たちは王子隊ですね。俺の転送位置橋が近いんで「準備」に入りますね。』

 

虎太郎の通信がはいる。

 

『分かった。じゃあオレは極力見つからないように動く。』

 

そう言ってオレはバッグワームを羽織った。

 

 

──

 

『転送位置は香取隊が有利か、橋から右に、香取隊長、若村隊員、三浦隊員が綺麗に揃った。右サイドにいるのは柿崎隊、柿崎隊長、照屋隊員、そして王子隊の樫尾隊員。右サイドは王子隊が不利か。そして一方の対岸には柿崎隊の巴隊員と綾瀬川隊員、王子隊の王子隊長と蔵内隊員が。』

 

『樫尾はどうにか王子と蔵っちと合流したいとこやな。さすがに1人はしんどいやろ。』

 

『柿崎隊は綺麗に割れて戦いやすいだろう。』

 

『ですが柿崎隊の今までの動きは合流優先だったはずですが…。』

 

風間はスクリーンに目をやると間を置いて話す。

 

『…今回は違うらしいな。』

 

『おっと、ここで右サイドに動きがあった、香取隊長が照屋隊員にしかけた!』

 

 

──

 

『隊長、香取さんがこっちに来ました。上手く捌きながらそっちに行きます。やれそうなら落としますが…射程的に厳しそうですね。』

 

『分かった。』

 

『あ、今度は2人、ザキさん達の方でバッグワームつけてそっち向かったよ。…これは分かりやすいね。』

 

『じゃあ…。』

 

『うん、多分こっち側に香取隊が揃ってる。』

 

宇井は落ち着いて分析する。

 

『そうか。文香、俺もそっちに向かう。無理はするなよ。』

 

『問題ありません。出来そうなら1人落とします。』

 

──

 

落ち着いた柿崎隊とは反対に香取隊サイドは慌てていた。

香取の単身突撃。

若村、三浦は急いでバッグワームを羽織り、香取の援護に急いだ。

 

「ちっ…また勝手に動きやがって…!」

 

若村はそう悪態を着く。

 

『相手は誰だ?』

 

『柿崎隊の照屋さんね。』

 

『こっちは柿崎さんが見えたよ。華、タグ付けといて。』

 

『分かった。』

 

『んじゃこっちに綾瀬川はいねーな。ラッキーじゃねえか。このまま柿崎隊をやるぞ。』

 

作戦通り。

若村は笑みを浮かべた。

 

 

 

「…」

 

香取のハンドガン乱射。

照屋は慌てるでもなく、ただ堅実にシールドで弾を受けていた。

シールドが割られれば反対のシールドで。

そうやって後退りながら柿崎との距離を縮める。

その立ち回りに香取ら苛立ちを見せる。

 

「ちっ…とっとと仕掛けてきなさいよ…!ビビってるわけ?」

 

「…」

 

香取は照屋にそう煽るも照屋は何も言わず、ただ弾を受けている。

 

『文香、バッグワーム付けてた2人がレーダーに写った。多分カメレオン使ったと思う!』

 

宇井からの通信で、後ろから迫る反応に照屋は警戒する。

 

『問題ねえ、俺も間に合った。』

 

 

 

 

 

「…エスクード…!!」

 

 

照屋の後ろの地面から4枚の盾が現れる。

 

武器を出すために姿を表した若村と三浦は柿崎の乱入に1歩下がった。

 

柿崎は左手にレイガスト、片手にアサルトライフルを構えて照屋と背中合わせに立つ。

 

「よう、待たせたな。」

 

「いえ。でもこれで思い切り戦えます。…守り、任せましたよ隊長。」

 

「へっ、当然だ。暴れて来い!」

 

柿崎はアサルトライフルをしまうと地面に手をつける。

 

 

「エスクード。」

 

そして照屋と香取の間にバリケードのように3つ盾が出現する。

 

それを見るや否や照屋は一気に駆け出す。

 

「葉子ちゃん!」

 

三浦は援護に入ろうとする。

 

「おっと…残念だが行かせねえ。エース対決に茶々入れんなよ。」

 

柿崎はさらにレイガストを深く構える。

 

「ちっ…!」

 

若村はアサルトライフルを乱射。

しかし柿崎はエスクードとレイガストを上手く使い射撃を捌く。

 

それを見た三浦は弧月を抜いて柿崎に接近、近接での攻撃を試みる。

 

「スラスターON...!」

 

柿崎はスラスターで応戦、若村の射線にエスクードを入れて立ち回る。

 

「ちいっ!...柿崎さん、アンタは照屋の援護に行かなくていいのかよ...!」

 

余裕があるように尋ねるが若村は内心焦っている。

香取は後先考えずに突っ込むことがよくあった。

だからこそ作戦も何もないまま突撃した香取に不安を覚えていた。

 

「文香は負けねえよ。なんたってうちのエースだからな。」

 

 

 

「っ...!!」

 

香取はハンドガンを乱射するが、照屋は上手くエスクードの影に隠れながら接近。

照屋を捉えられずにいた。

 

「ちょこまかと…正々堂々戦いなさいよ!!」

 

「あなたの言う正々堂々が分からないけど…これがチーム戦よ。」

 

キンッ…

 

 

「旋空弧月。」

 

エスクードを切り裂きながら照屋の放った旋空が香取に迫る。

 

「っ!!」

 

香取は飛び退いて旋空を躱す。

 

その隙に照屋は1つ前のエスクードに距離を詰めた。

 

『隊長、数増やせますか?』

 

『了解。』

 

柿崎は若村の射撃をエスクードの影で防ぐと地面に手を置き、照屋と香取の間にさらに3つのエスクードを生やす。

 

「ちっ、ムカつく…!」

 

射撃は不利だと感じた香取はスコーピオンに切り替える。

 

それを見た照屋はハンドガンを取り出しアステロイドを放った。

 

 

 

──

 

『照屋隊員と香取隊長の一騎打ち!柿崎隊長のエスクードを利用した照屋隊員がやや有利か!』

 

『なんやザキ、レイガストだけやなくてエスクードも使い始めたんか。』

 

『エースを攻撃に特化し自分は守りに特化…。悪くない、むしろいい案だろう。それに柿崎は隙を見て若村と三浦に仕掛けてる。』

 

『随分作戦を練ってきた動きに見えますね。』

 

──

 

ムカつく…。

 

上手く攻めきれない現状。

それも格下相手に。

 

『麓郎、あんたこっち来れないわけ?!』

 

『やろうとしてる!だがエスクードとレイガストが邪魔で…っ!!』

 

柿崎のアステロイドに若村は後ずさる。

 

「っ…!」

 

文香は余裕を持った表情でこちらにアステロイドを放ち続けている。

 

「…その余裕そうな顔…歪ませてやる…!!」

 

アステロイドが止んだ途端、香取は飛び出し、ハンドガンとスコーピオンを構えかけ出す。

牽制でアステロイドを放ち、照屋がエスクードに隠れた隙にさらに距離を詰める。

 

 

 

 

「…メテオラ。」

 

ここで照屋も仕掛ける。

 

メテオラで香取の隠れたエスクード目掛けて爆撃。

2人の視界は土埃に包まれる。

それに合わせて照屋には視覚支援が。

 

うっすらと見えた弾丸の光に香取はシールドを張りアステロイドを受ける。

そして香取にも視覚支援が。

 

 

目に飛び込んだのは弧月を抜刀した照屋の姿。

 

「っ?!」

 

どうにかスコーピオンで受けるも、スコーピオンは折られてしまう。

 

「このっ…!!」

 

ハンドガンを照屋に向けるがそれに合わせて2人の間にエスクードが現れた。

 

 

 

 

 

…そして地面から現れた刀身。

 

 

香取の右足が切り飛ばされた。

 

 

 




トリガーセット

柿崎国治
メイン:レイガスト、スラスター、メテオラ(アサルトライフル)、シールド
サブ:アステロイド(アサルトライフル)、エスクード、シールド、バックワーム


照屋文香
メイン:弧月、旋空、メテオラ、シールド
サブ:スコーピオン、アステロイド(ハンドガン)、バックワーム、シールド


ザキさんの新戦法エスクードによるバリケード戦術
自分は他の隊員に援護に行かせないようにレイガスト、アステロイドで立ち回り、照屋を得意の1対1に持っていく。
エスクードは盾にもなるし、死角にもなると言うことで起用。


ちなみに王子の考えた綾瀬川のあだ名は「利根川」。
綾瀬川と言う川は、利根川水中系川ですのでそこから取ってます。


感想、評価等よろしくお願いします。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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