白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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遅れてすいません。
投稿致します。


めっちゃお気に入り増えとるやん!


…って思ったらランキング17位…?!


ROUND6を終えて

『ここで試合終了!4対3対3対1!見事ROUND6を制したのは柿崎隊だ!!』

 

『各隊隊長、エースに点が偏っていますね。今回のランク戦ではマップの各地で戦闘が起こっており、混沌としている感じでした。』

 

『今回のランク戦は色々とツッコミどころが満載でしたので、解説の御二方に各隊の総評を頂きたいのですが…。』

 

『そうですね。どの隊も悪くなかったと思いますよ。柿崎隊は後にするとしてまずは那須隊。合流からの動き、帯島への不意打ち。どれも綺麗に決まっていました。言うとすれば…相手が悪かったですね。』

 

『日浦隊員の緊急脱出の動きはいい判断だったと思います。試合の間にみせた、那須隊長のバイパーと熊谷隊員の旋空の合わせ技。あれは磨けばいい武器になると思いました。』

 

 

──

 

那須隊作戦室

 

「玲、大丈夫?」

 

緊急脱出用のマットで横になる那須に熊谷は心配そうに尋ねた。

 

「くまちゃん…悔しいね…。」

 

那須は腕で顔を覆い、熊谷にそう言った。

 

「…そうね…。」

 

熊谷も悔しそうに俯く。

 

「私…なんにもできなくて…。」

 

日浦も泣きそうな顔で俯いてしまう。

 

「私もあれくらい…強くなれるのかな…。」

 

那須は仰向けになりながら、虚空を掴む。

 

「超えたいな…綾瀬川くん…。」

 

 

 

──

 

『弓場隊についてはいつも通り弓場さんが1対1、その間に神田が指揮を執るって言うスタイルでしたが、柿崎隊長と綾瀬川隊員の合流を許してしまったのが痛かったですね。単体でも強い綾瀬川隊員が柿崎隊長のサポートにより手が付けられなくなっていました。』

 

『弓場隊長はいつも通り凄かったですね。きっちり3点取って最後まで生き残ってましたから。』

 

──

 

弓場隊作戦室

 

「すいません!自分が冷静にならなかったばかりに…!」

 

帯島は他の隊員の前で頭を下げる。

 

「…いや、那須隊の奇襲はもっと早く気づけた。目の前の相手に夢中になった俺が悪い。」

 

神田はそう言って目を伏せた。

 

「私も…もっと那須隊の動きに注意しとくべきだった。すまねえ、ユカリ。」

 

「反省はそこまでた。…問題はその反省をどう次に活かすか…だ。…帯島ァ!いつまでもクヨクヨしてんじゃねえ!シャキッとしろやコラ!神田もだ!てめえがそんなんだと安心してタイマンできねえだろーがァ!トノ!」

 

「え?俺も?」

 

 

 

 

「外しすぎだコラァ…!!」

 

 

 

──

 

『続いての東隊ですが東さんが相変わらずやばかったですね。』

 

時枝は続ける。

 

『アイビスでの2枚抜き。ランク戦で決めてるところは初めて見ました。』

 

『柿崎隊長、神田はお互いに意識を取られていた。その隙を突いた不可視の砲撃でしたね。おそらく絶好のタイミングを待っていたんでしょう。』

 

『東隊は東隊長の転送位置が厳しかったですが、奥寺隊員の機転で上手く離脱。そこからの立ち回りはいつも通り凄かったですね。さすがは東隊長です。』

 

 

──

 

東隊作戦室

 

「やられたな…。」

 

東はため息をつきながら椅子に腰掛ける。

 

「そんな時もありますよ!」

 

「そうですよ!たまたま綾瀬川先輩と目が合っちゃっただけで…。」

 

「小荒井、奥寺。」

 

東が小荒井と奥寺の言葉を遮る。

 

「俺の労いよりもお前たちの課題からだ。…何故俺の命令を無視して、俺のところに来た?」

 

「それは…東さんがピンチだったから…。」

 

「確かにそうかもしれない。だが、お前らの動きを読んだ柿崎隊が見事俺の位置を突き止めてきたぞ。」

 

「「!」」

 

「何度も言っているが…不利な状況こそ冷静になれ。空回りしてちゃ解決できる問題も解決できない。」

 

「はい…。」

 

「すいません…!」

 

小荒井と奥寺は俯きながら謝る。

 

「…まあ俺も怒れる立場じゃないか…。完敗だったからな。」

 

そう言いながら東は対峙した無機質な天才を思い出していた。

 

 

──

 

『さて、続いての柿崎隊ですが…まず隊全体の動きは良かったと思います。ROUND5からの新戦術、綾瀬川隊員と照屋隊員の2人のエースを軸とした2:2に分かれて点を取る動き、それが今回も上手く合流していました。…照屋隊員と巴隊員は冷静に東隊長の位置を推理していましたから。弓場さんと照屋隊員の1対1は惜しかったですね。どちらが勝ってもおかしくなかったと思います。』

 

蔵内は照屋をそう評した。

 

『僕個人的には柿崎隊長の動きが良かったですね。あ、元チームメイト贔屓じゃないですからね。…柿崎隊長が神田隊員を止めていた。それにより綾瀬川隊員が那須隊相手に神田さんに意識を裂かれることなく戦うことが出来た。これにより生じた2点はでかいです。』

 

『なるほど〜。確かに!スラスターやエスクードの扱いもROUND5より磨きがかかっていたような気がしました!』

 

『綾瀬川に関してはもう言うまでもありませんね。那須隊との戦闘や最後の狙撃。戦闘能力は然ることながら、その戦術、視野、思い切りの良さには感服です。…まだまだ強くなりますよ、柿崎隊は。』

 

『総評ありがとうございます。さて、柿崎隊は順位こそ変わりませんが影浦隊とポイントが並んだ!そんな柿崎隊の次の相手は影浦隊と生駒隊!どちらもトップクラスの攻撃手を抱えたチーム!B級トップクラスのチーム相手にどう戦うか!まだまだ目が離せません!さて!これにてB級ランク戦ROUND6夜の部を終了します!ここまでの実況は私、海老名隊オペレーター、武富桜子が、解説は嵐山隊、時枝隊員と王子隊、蔵内隊員でした!!』

 

 

──

 

「ふう…。」

 

深呼吸して息を整える。

 

久々に緊張感のある試合だった。

 

オレは立ち上がり、作戦室へと戻る。

そこには笑顔を向けた柿崎、文香、虎太郎、真登華の姿が。

 

「すっごい清澄先輩!!本当に勝っちゃうなんて!!」

 

真登華はオレの手をブンブン振り回しながら喜ぶ。

 

「さっさと死んじまって悪かったな。…良くやってくれた。やっぱりすげえな、清澄。」

 

「…まあ、古参なんで。」

 

「私は結局1点も取れなかったです。…悔しいですけど今回の試合のエースは清澄先輩でした…。」

 

文香は目を伏せながら俺にそう言った。

 

「でも!次は絶対清澄先輩より点を取りますから!絶対…負けません…!」

 

文香は悔しそうだが、どこかスッキリした顔でそう言った。

 

「そうだな、頼むぞ、エース。」

 

そう言ってオレは4人の間を抜ける。

 

「?、どこ行くんだ?」

 

「…少し風に辺りに。」

 

「?、風?…まあ、何かあったら言えよ。」

 

「…はい。」

 

 

 

 

 

出水と撃ち合った時と同じ高揚。

オレは手の震えを抑える。

 

オレは一瞬だがあの時本気で戦いに挑んでいた。

普段は絶対にやらない博打のような戦い方。

上手くいったことに安心しているオレがいる。

久しく忘れていた感情だった。

そうして、自販機の前のベンチで手の震えを止めていると、頬に冷たい感触が。

 

「…出水…。」

 

「…よう。飲めよ。落ち着くぞ。」

 

そう言って出水は水を差し出して来た。

 

「…ああ…助かる。」

 

 

 

 

「どういうつもりなんだ?」

 

隣に座りながら出水はオレに尋ねる。

 

「最後のあの数秒、お前本気でやってただろ。」

 

「…何を言ってる。オレはいつだって本気だ。」

 

「…そんな冗談言えるってことは大丈夫か。」

 

そう言って出水はパックジュースを啜る。

 

「まあ俺としては嬉しいけどな。」

 

「…何が…?」

 

「東さんはお前が本気を出せる相手だったって事さ。…東さんだけじゃねえぜ?ボーダーにはまだまだ強い人はわんさかいる。…面白いところだろ?ボーダー。」

 

出水は白い歯を見せながら笑う。

 

 

 

「…そうだな。ここでならオレは…」

 

 

 

 

 

 

 

──

 

「レパートリーが無くなってきたか?オレは別にお祝いなんて…「とっとと食え。焦げるぞ。」…ああ、悪い。」

 

目の前で肉を頬張る三輪はオレの問いを一蹴した。

 

「俺が元いた隊の隊長はよくこうして焼肉を奢ってくれた。」

 

「なるほど。師匠から焼肉も受け継いだってわけね。」

 

オレは1人納得する。

 

「…サイドエフェクトはもう全面に見せつけるつもりなんだな。」

 

「もう隠せないだろ。…まあこれで城戸さんにわがまま言う必要もなくなるか。」

 

「当たり前だ馬鹿。これ以上城戸司令に迷惑をかけるな。」

 

「へいへい。」

 

詫びれながらオレは米を頬張る。

 

 

 

「お、秀次。お前も来てたんだな。」

 

そうしていると横のテーブルに座る団体。

 

先程サイドエフェクトで何度も捉えようと思った男の姿がそこにあった。

 

 

「ふ…綾瀬川も一緒か。丁度いい。東隊(うち)と相席しないか?ランク戦の途中でも言った通りお前とは1度ゆっくり話したかったんだ。」

 

 

そう言いながら小荒井、奥寺を引き連れた東は静かな笑みを見せた。




ROUND6終了後
1位 二宮隊 34P
2位 影浦隊 31P
3位 柿崎隊 31P
4位 生駒隊 29P
5位 弓場隊 27P
6位 東隊 24P
7位 王子隊 24P
8位 鈴鳴第一 23P
9位 荒船隊 22P
10位 香取隊 21P
11位 那須隊 20P
12位 漆間隊 19P
13位 諏訪隊 19P

これからも読んでいただけると幸いです!

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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