白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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遅くなりすいません。
投稿致します。
日常回です。


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無機質なボーダー隊員の日常⑤

「よし、焼けたぞ。遠慮せず食べてくれ。」

 

「よっしゃー!いただきまーす!」

 

「いただきます。」

 

東の言葉に奥寺、小荒井は焼肉に箸を伸ばした。

 

「秀次と綾瀬川も。2人とも遠慮しなくていいからな。」

 

そう言って東は烏龍茶を一口飲む。

 

「はい、いただきます。」

 

「どうも。」

 

そう言ってオレと三輪も焼けた肉を取る。

 

「そう言えば9月から学校通い始めたんだって?」

 

「ええまあ。」

 

「秀次から聞いたよ。学校は慣れたか?」

 

「…どこかの2人組のせいで編入してすぐに「2年生の三バカ」って言う不名誉すぎるあだ名をいただきましたけどね。」

 

「ハハ、出水と米屋か。いいクラスに入れてよかったな。」

 

東は笑いながらそう言う。

 

「いやいや、オレは三輪と同じクラスが良かったですよ。そっちの方が気が休まる。あいつらは騒がしすぎます…。」

 

その言葉に三輪の表情が和らいだ気がする。

 

「そうか?お前は物静かだから丁度いいと思うけどな。」

 

「静かな人間には静かな場所がいいですよ…。」

 

そう言ってオレは肉を頬張る。

そして話を邪魔しないように肉を食べている奥寺と小荒井に目を向けた。

 

「小荒井と奥寺だよな。ちゃんとした自己紹介がまだだったよな。綾瀬川だ。…オレと三輪に気は遣わなくていいから遠慮しないで話してもらって構わないぞ。」

 

「ひっ…!」

 

俺の言葉に小荒井は肩を弾ませた。

 

「?」

 

「おいコアラ!すいません綾瀬川先輩!」

 

奥寺は小荒井を叱ると、すぐにオレに頭を下げた。

 

「ハハハ、小荒井が悪いな。…でもお前のせいだぞ?」

 

「…心当たりが無いんですが。」

 

「ROUND3。随分と小荒井の事を派手な落とし方してただろ。」

 

ROUND3?

 

 

 

「…ああ…。」

 

思い出す。

そう言えば口の中にメテオラ詰め込んだ気がする。

 

「あれ以来トラウマらしいぞ。」

 

「オレの席から1番離れたところに座ったのはそういう訳か…。それは悪かったな。だがあの時は小荒井の奇襲でこっちも必死だったんだよ。」

 

そう言うと東は笑う。

 

「よく言う。今日なんて俺の奇襲を奇襲前に場所を見抜いて対処して見せたじゃないか。…なんで俺の場所が分かったんだ?」

 

東がオレに尋ねた。

 

「…弓場さんが射線コントロールをしっかりしてくれてたおかげですよ。」

 

「弓場のおかげ?」

 

東は疑問符を浮かべる。

 

「弓場隊の狙撃手を落としたのもあれ以上弓場隊に点を渡さないためでしょう?あの時弓場隊と東隊は点が並んでいた。点差的にも落としたかったのは点が並んでいる弓場さんだ。恐らくですけど奥寺がこっちに来たのは予想外だったんでしょう?あの状況ならどう考えても奥寺は潜伏して下手に落とされるようなことはしない方がいい。奥寺が右の路地から出てきた時点で東さんは後ろか左にしかいないのは明白。外岡を落としてからあの時間で弓場さんに後ろに回り込むのはまず不可能。そして弓場さんはあの場所で唯一射線の通るマンション、つまり東さんのいたマンションの射線をオレで切っていた。だからあなたが狙ったのは…」

 

「…2枚抜き…か。」

 

三輪が箸を止めてそう言った。

 

「弓場との1対1の間にそんな事を考えてたのか…?」

 

東さんがオレに尋ねた。

 

「弓場さんよりも東さんの方が怖かっただけですよ。」

 

「…なるほど。」

 

「じゃ、じゃあなんで俺のグラスホッパーの位置が分かったんですか?!」

 

奥寺は俺にそう尋ねる。

 

「オレが展開する前からグラスホッパーを出すのも、出す位置も分かってる動きでした。なんで分かったんですか?」

 

「そうだなぁ…

 

 

 

…それは内緒だな。」

 

「ええ〜!?」

 

「いつ当たるか分からないからな。そう易易と教えてやる訳ないだろ?」

 

「うっ…確かに…。」

 

「綾瀬川、お前は隊を作る気は無いのか?」

 

その問いに俺だけでなく、三輪も箸を止めた。

 

「リアルタイムでバイパーを引けるほどの視野、空間計算能力、旋空を長く伸ばせるほどの技術、ノールックでの狙撃…それに頭の回転の速さ。…お前は隊長に向いてると思うぞ。」

 

「それはないっすね。指揮がてんでダメなんで。」

 

「そうか?俺はお前はまだ何か隠している気がするよ。」

 

「…買い被り過ぎですよ。」

 

そう言って俺は烏龍茶を一口飲む。

 

「それに柿崎隊の雰囲気は割と気に入ってるんで。」

 

「…そうか。野暮なこと聞いて悪かったな。」

 

「いえ。」

 

 

──

 

「今日は邪魔して悪かったな。色々話せて楽しかったよ。」

 

「いえ、ご馳走様でした。」

 

オレは東さんに頭を下げる。

 

「秀次も。飯はちゃんと食えよ?」

 

「はい。ありがとうございます。」

 

「奥寺と小荒井も。いろいろ話せて良かった。…オレはランク戦ブースによくいるから声掛けてくれ。」

 

「は、はい。」

 

「ありがとうございます。次は負けません。」

 

そう言って挨拶を済ませると解散となる。

 

 

「そう言えば三輪と東さんって結構親しい仲なんだな。」

 

帰宅中、オレは三輪に尋ねた。

 

「元々同じチームだからな。」

 

「…ん?」

 

「元々同じチームだった。」

 

「…何それ聞いてないぞ。…ああ、

 

 

 

 

 

…焼肉の師匠って東さんかよ。」

 

 

今日一の驚きだった。

 

 

──

 

「やぁーっと!

 

 

 

…やっと来たわね綾瀬川!!」

 

「よう。」

 

「よう。…じゃないわよ!!顔出しなさいって言ったでしょ?!」

 

ボーダー玉狛支部。

この日は学校終わり、防衛任務の後、文香を玉狛まで送っていた。

 

 

目の前で騒ぐ、小南桐絵はオレの首を絞める。

 

「苦しい…だからこうして顔出しただろ?」

 

「おっそいのよ!!」

 

「あのなぁ、こっちはランク戦の真っ最中なんだよ。」

 

「むぅ…!!」

 

小南は何も言えなくなる。

 

「…ああ、そうだ。小南に頼みがあったんだが…。」

 

「な、何よ…!」

 

「カレー。久しぶりに食べたいと思ってな。」

 

その言葉に小南の表情はみるみる明るくなるが、途中っではっとしたようにそっぽを向く。

 

「は、はあ…?!な、何よそれ…。急にそんなこと言われても…。」

 

「…だよな。無理言って悪かったな。」

 

「べ、別に無理なんて言ってないでしょ?!今日丁度料理当番だし?!アンタがどうしても食べたいって言うなら作ってあげるけど…?!」

 

小南はそっぽ向きながらも横目でオレに尋ねた。

 

「!、それは嬉しいな…。」

 

 

──

「…で、なんで小南先輩はウキウキでカレー作ってるんすか?」

 

「さあ?綾瀬川くんと照屋ちゃんが来てるしご馳走でもするんじゃない?」

 

烏丸の言葉に宇佐美はそう返した。

 

「…綾瀬川先輩と照屋はどこに?」

 

「ああ、綾瀬川くんなら…。」

 

そう言って宇佐美はモニターに目を移す。

 

そこにはスコーピオンで斬り合っている照屋と綾瀬川の姿が。

 

「…前のランク戦で思ったんすけど綾瀬川先輩ってスコーピオンも使えたんすね。」

 

 

「当たり前じゃない。」

 

 

そう尋ねると、一通り仕込み終わった小南がエプロンを外しながらやって来た。

 

 

「…文香にスコーピオン教えたのはアイツなんだから。」

 

 

──

 

「!、っぶね…。」

 

地面から飛び出るスコーピオン。

オレはバク転でそれを躱す。

 

「キレが増してきたな。」

 

「余裕で躱す人に言われても嬉しくないです…!」

 

そう言いながらさらに追撃をかける文香。

 

「まあまだ負けてやる気は無いからな。」

 

そう言いながらオレはスコーピオンを繋げて伸ばす。

 

「!、それってマンティスですか?」

 

「まあな。カゲさんに少し教わった。次の相手は影浦隊だ。…丁度いいだろ?」

 

オレのその言葉に文香の目付きが好戦的なものに変わる。

 

「上等です…!!」

 

 

 

──

 

「お疲れ様です。綾瀬川先輩。」

 

「お疲れ様〜。いやー、やっぱりすごいね綾瀬川くん。」

 

「まあまだ後輩に負ける訳には行かないからな。」

 

訓練室を出ると小南の他に烏丸と宇佐美が待っていた。

 

「晩飯食べて行くんすよね?」

 

「ああ。邪魔して悪いな。」

 

「そんな事ないよ。大人数の方が楽しいし。照屋ちゃんも食べてくでしょ?」

 

宇佐美は文香に尋ねた。

 

「はい。ご馳走になります。」

 

オレと文香は席に着く。

そうしてると皿に盛られたカレーが運ばれて来る。

 

4年半ぶりだな…。

 

「いただきます。」

 

そう言ってカレーを口に運ぶ。

 

小南はゴクリと固唾を飲んだ。

 

「…美味いな。」

 

そう言ってオレはさらにカレーを掻き込む。

 

「?、どうした文香?」

 

食事の合間水を飲みながらオレはオレを見つめる文香に尋ねた。

 

「いや…なんて言うか幸せそうですね。」

 

「?…まあめちゃくちゃ美味しいからな。」

 

「も、もっとゆっくり食べなさいよ!お、おかわりいっぱいあるわよ…!」

 

「!、そうか…。」

 

 

 

 

(もしかして小南先輩が清澄先輩に玉狛に来て欲しい理由って…。)

 

幸せそうなオーラを出しながらカレーを食べる綾瀬川。

おかわりのために綾瀬川から差し出された皿を取る小南の顔はとても嬉しそうだった。

 

 

(((なるほど。謎が1つ解けた気がする…。)))

 

 

後日3人は語った。

 

あの時の(清澄先輩)(綾瀬川先輩)(綾瀬川くん)は笑ってないけど笑っていた…と。




各キャラからの印象&各キャラへの印象

東春秋→面白い。興味。
三輪秀次→…俺も同じクラスが良かった。
小荒井登→トラウマ。でもちょっと克服。
奥寺常幸→強い。小荒井がすいません…!
烏丸京介→スコーピオンも使えるのすごい。
照屋文香→先輩。スコーピオンの師匠。
小南桐絵→やっと来たわね…!!カレーを美味しそうに食べてくれて嬉しい。



東春秋←優しい。焼肉ご馳走様でした。
三輪秀次←気の許せる友人。同じクラスが良かった…。
小荒井登←トラウマにしちゃってごめんね。
奥寺常幸←いい子。気遣いがいい。
烏丸京介←イケメン。今度模擬戦しようね。
照屋文香←後輩。一応スコーピオンの弟子。
小南桐絵←世界一カレー作るのが上手なやつ。チョロい。


この作品の謎のひとつ、小南の綾瀬川への執着の理由は「私のカレー好きでしょ?!食べなさい!!」でした。
でも素直に言えず、「ランク戦しなさい!!」になってたみたいですね可愛い。
カレーをがっつく綾瀬川を見た小南の母性本能がトゥンクしちゃったみたいです。

次回1話挟んでからROUND7に入ります。


感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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