タイトルがシンプルになってやがる。
…まあシンプルisベストってね〜。
「断る。」
木虎の言葉を綾瀬川はバッサリ切り捨てた。
「っ…!どうしてですか?」
引きつった笑みで木虎は尋ねる。
「やってやればいいんじゃないか?」
そんな木虎を見て柿崎はフォローとばかりに綾瀬川に話しかける。
「ここに来る前に出水と辻、駿と散々バトってきたんですよ…。今日はもう疲れました。」
「…1本だけで良いですから…!」
木虎は我慢の限界とばかりに不機嫌そうに言った。
「…何をそんなに怒ってるんだ?」
「なっ!怒ってません!」
「…はぁ…。」
さらに声を荒らげた木虎に綾瀬川は訳が分からないと言うように嵐山隊の面々に視線を向けた。
「た、確かに綾瀬川先輩と木虎の模擬戦は見てみたいかもー…なんて。」
「そ、そうだよ!お願い綾瀬川くん、やってあげて!」
佐鳥、綾辻が演技っぽくそう言った。
「…分かったよ。1本だけな。…ちょうど試したいこともあったしな。」
そう言ってオレは立ち上がる。
「じゃあ私準備するね!」
「悪いな。」
──
──ランク戦1本勝負…始め。
機械音が響き、綾瀬川と木虎は簡易的な市街地に転送された。
先手必勝。
木虎はハンドガンを構えて綾瀬川に駆け出す。
綾瀬川は弧月を持ってはいるがまるで脱力した様に動かない。
「…無防備じゃない…。」
ボソッとそう呟きながらハンドガンからアステロイドを撃つ。
それと同時に綾瀬川は体を動かしアステロイドを避ける。
「!」
(動き出しが私より早い…?まさか…)
そんな訳が無いと木虎はスコーピオンを取り出し、綾瀬川に突き出す。
「…」
しかしそれも綾瀬川は少ない動きで弧月で捌く。
「面白い形のスコーピオンだな。改良してるのか?」
「私はA級ですから!」
木虎はA級を強調するように言うとさらに連撃を早める。
「っ…!」
(やっぱり当たらない…?それなら…!)
木虎はハンドガンからスパイダーのワイヤーを取り出し高速起動で綾瀬川を翻弄する動きを取る。
「それも改良か。便利そうだな。」
だがどれも弧月で捌かれる。
「バイパー。」
「!」
いつの間にか出来上がっていたトリオンキューブ。木虎は前方面にシールドを構えながら下がる。
「!」
(あれが来る…!)
「旋空弧月。」
木虎は急いでスパイダーを引いて躱した。
「さすがだな。初見で避けられたのはまだ2回目だ。」
木虎は体制を崩す。
「…しまった…!」
しかし綾瀬川は突っ立ったまま動かなかった。
「舐めてるんですか…?」
「いや?オレはお前のトリガーセットを何も知らないからな。迂闊に踏み込んで反撃食らうのは怖いからな。A級なら尚更だ。」
「っ…!」
(その割には…)
「無防備すぎますね。やっぱり舐めてるんですか?」
「…」
「無視ですか…!」
一気に距離を詰めた木虎のスコーピオンが綾瀬川の顔目掛けて迫る。
「っと…悪いな。そういうつもりじゃない。脱力しといた方が体を動かしやすいだけだ。」
綾瀬川は深く踏み込み、一気に距離を詰めた。
「っ!」
木虎はシールドとスコーピオンで受けると距離を取る。
「エスクード。」
「あっ…!」
地面スレスレの塀から横向きにエスクードが飛び出す。
木虎はバランスを崩してしまうが、どうにか手を付き空中で体制を整える。
(綾瀬川先輩は…いない?!でもレーダーには…!)
レーダーには綾瀬川の反応がある。
「…カメレオン…!!」
木虎は綾瀬川のいる方向に視線を向ける。
「…初見で対応されるとは思ってなかったな…。」
カメレオンを解いてスコーピオンで切りかかった綾瀬川に木虎はどうにか対応する。
「丸わかりですよ…!」
強がっているが内心木虎は焦っていた。
(手の内が読めない…!)
木虎は距離を取り、アステロイドを乱射。
だがどこに撃つのか分かっているかのようにその射線にエスクードを展開して封殺する。
「ハウンド。」
そしてトリオンキューブを分割。
木虎にハウンドが降り注いだ。
「っ…!」
木虎はシールドでハウンドを受ける。
(多彩過ぎる…!でも…この違和感は何?)
戦闘の途中から木虎は何かは分からないが違和感を覚えていた。
──
「多彩だな。これだけのトリガーを使いこなしてるのか…。」
「ああ、出来すぎた後輩だよ。」
嵐山の言葉に柿崎は自慢げに答えた。
「でもおかしくないですか?」
そういうのは時枝だ。
「おかしい?時枝くん、何が?」
宇井が時枝に尋ねた。
「これだけトリガー入れてたら…
…シールド入れられなくないですか?」
!!
その言葉にここにいる全員はモニターに視線を移した。
──
「っ!なんで当たらないのよ…!!」
木虎のアステロイド、拘束用のスパイダー、スコーピオンの連撃はどれも綾瀬川に掠りもしなかった。
「…足元がお留守だぞ。」
綾瀬川の足元がひび割れる。
「!」
(大丈夫、モールクローでもこの距離は届かない…!)
ブラフだ。
「ブラフだ。…そう思ったか?想像力が足りないな。」
「!」
足元から生えたスコーピオン。
木虎の右足を奪う。
「なん…で…?!」
「こういうカラクリだ。」
綾瀬川はスコーピオンを繋ぎ合わせて木虎目掛けて伸ばした。
「マンティス…!!」
どうにかスコーピオンと拳銃で受けるが、不規則に曲がるマンティスに拳銃を持つ手が落とされる。
「ハウンド。」
「くっ…!」
弾トリガーでの追撃に木虎は苦しそうにシールドを張る。
「旋空弧月。」
しかしハウンドは放たれることなく、代わりに凄まじい速度で弧月が迫った。
「嘘…!」
「結局は初見殺しか。実践的じゃあないな。」
綾瀬川のその言葉を背に木虎は緊急脱出した。
──
「うちのエース相手に被弾0か。やっぱり凄いな綾瀬川。」
戻ってきた綾瀬川を嵐山が賞賛する。
「どうも。」
木虎は悔しさを顕に作戦室に戻ってきた。
「お疲れ様木虎ちゃん。強いでしょ?うちの清澄先輩。」
戻ってきた木虎に宇井が話しかける。
「完敗です…。」
「つーかよー、清澄お前…シールドはどうした?」
「!」
木虎は目を見開く。
そうだ。
試合の途中で感じた違和感。
綾瀬川先輩はこの模擬戦で一度もシールドを使ってない。
「言ったでしょう?試したいことがあるって。サイドエフェクトに頼り切って見たんですよ。まあ木虎がハウンドやバイパーを入れてなかったから何とかなっただけですね。それに結局初見殺しの延長でしかありません。チーム戦では使えないですね。転送位置次第じゃ隊長と合流出来れば強いかもしれませんが…実用性は低いかと。…いや、エスクードをメインとサブ両方に入れる手もあるか…。」
綾瀬川は考え込む。
「無茶なこと言い出すな…お前。」
「まあでも一枠はバッグワームで取られるんでやっぱりなしですね。」
「じゃ、じゃあさっきの試合、シールド入ってなかったんですか…!?」
木虎が綾瀬川に詰め寄る。
「まあお試しでな。」
それだけ言うと綾瀬川は綾辻の隣に座る。
「オレもクッキー貰っていいか?疲れたのか小腹が空いた。」
「…え…あ…う、うん!どうぞ。」
綾辻が寂しそうに答える。
「…やっぱ帰ってからにするよ。」
「うえ?!じゃあ綾瀬川先輩シールドなしで木虎に勝ったってこと?!」
「失礼なんで言うの控えてましたけど…化け物ですね。」
佐鳥と時枝も驚く。
「さっきも言ったが木虎がハウンドやバイパーを入れてたら結果は変わってた。…まあたまたまだ。」
「っ…!私がそのたまたまで負けたって言いたいんですか…?!」
「だからなぜ怒る…?」
「「今のは清澄(先輩)が悪い(わ〜)。」」
柿崎と宇井の言葉が被る。
「?…まあなんか悪かったな。」
「適当に謝らないでください!」
「じゃあどうすればいいんだよ…?」
綾瀬川は呆れたように尋ねる。
「もう1回です!次は負けません!」
「はぁ…ボーダーには戦闘狂しかいないのか…?」
「なっ!誰が戦闘狂ですか…!!」
「清澄、お前もう黙れ。」
「木虎も。先輩に対して失礼でしょーが。」
綾瀬川には柿崎が。
木虎には時枝がチョップを落とした。
「「いて。」」
VS木虎での綾瀬川のトリガー構成
メイン:弧月、旋空、スコーピオン、バイパー
サブ:スコーピオン、ハウンド、エスクード、カメレオン
・サイドエフェクトを使ったシールド無用のゴリ押し回避戦法
文字通りです。
バッグワームはどうしても必要だし、多対1じゃ限度があるのでランク戦じゃ無理だとお蔵入りした。
各オペレーターからの印象(B級編)
氷見亜季→雰囲気が烏丸くんに似てて照れる。あの二宮さんが一目置いてる凄い人。
仁礼光→学校で出水、米屋、三輪と合わせてよく一緒にご飯を食べる仲。強い奴。後弁当が美味い。
細井真織→ええ奴やな。イコさんに勝った凄い人。マリオやなくてマオリやで!いつでもたこ焼き食いにきーや。
藤丸のの→化けもんだな。次は負けねえぞ。
橘高羽矢→実力だけじゃなくて戦術も凄い。アイコン作成中。
人見摩子→東さんに勝っちゃった人。
染井華→凄い。尊敬。
今結花→強い。頭も良さそう。学校で話しかけた時は戦いぶりとは裏腹にめっちゃキョドってた。
小佐野瑠衣→今何かと話題の人。学校で挨拶した時めっちゃキョドってた。可愛い。
加賀美倫→荒船くんのライバル。どっちが先に完璧万能手になるか穂刈と賭けてる。
志岐小夜子→那須さんが注目してる。話してみたい…かも…?
宇井真登華→チームメイト。頼れる先輩。天然。KY
武富桜子→実況しがいがある。今度解説…どうですか?
感想、評価等お待ちしております!
多分バレンタイン回の続き書く。じゃあアンケートの意味無いじゃんって?細かいことは気にすんな。
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日常小話(バレンタイン)
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掲示板形式のやつ(書いてみたい)
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誰かしらの独白
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17歳組のランク戦
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なんでもいいよもう
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しつこい好きに書けって
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アンケート邪魔
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五条先生…