「太刀川さん!」
ランク戦ブース。
多くのボーダー隊員が互いにポイントをかけてしのぎを削る、戦闘狂御用達のフロア。
そこで1人の隊員が太刀川に話しかけた。
「よう、村上。本部に来てたのか。」
「はい。この後カゲと約束があるので。…綾瀬川と一緒なのは珍しいですね。」
「ふ、この後こいつと本気のランク戦をするんだよ。」
そう言って太刀川はオレの肩に肘を置く。
「!、へぇ。…風間さんもですか?」
村上は後ろにいた風間に視線を移した。
「ああ。太刀川の次にな。」
…あれ?いつの間にか風間さんともやる事になってないか?
「…じゃあその次は俺が綾瀬川とやってもいいですか?」
「いいぜ。そんで、少し休憩して綾瀬川とやりあって、強くなったお前とランク戦をする。一石なんちゃらってヤツだな。」
「一石二鳥だ。馬鹿め。」
「オレ抜きで話進めないでくださいよ。」
…まず村上先輩は太刀川さんじゃなくてオレに確認を取れ。
「二宮さんに勝ったんだ。ここまで来て今までが本気だったとは言わせないぞ?綾瀬川。」
村上は好戦的な笑みを浮かべる。
「…ボーダートップ攻撃手達が寄って集って、ただのB級万能手をいじめるとか、いい趣味してるっすね。」
「ふ、わざと手を抜いていたお前に言われたくないな。」
「…なんか頭痛くなってきたな。」
そう言ってオレはわざとらしく頭を抑える。
「おっと、逃がさねーよ。」
そう言って太刀川はオレの肩をがっちり掴んだ。
「…はあ。」
──
「あれ?何の人集り?」
二宮隊、犬飼澄晴はランク戦ブースの人集りに疑問符を浮かべる。
「あ、おーい、辻ちゃん、イコさん。」
そう言って近くでモニターを見ていた辻と生駒に話しかけた。
「犬飼先輩。…ドリームマッチですよ。」
そう言ってモニターに目をやるとそこには弧月を構えた太刀川と、綾瀬川が立っていた。
「…へぇ。」
そう言って犬飼は興味深そうにモニターを注視した。
「ちなみに次は風間さん、そんで鋼、辻ちゃんがやってその次が俺やねん。」
「へぇー、風間さんもやるんだ。」
──
「おい、とっとと弧月構えろよ。やる気あんのか?」
弧月を構えず、無防備に立ち尽くす綾瀬川に太刀川はイラついた様子で尋ねた。
「…やる気はないですね。心底気乗りしないので。」
太刀川の言葉に綾瀬川は表情も声色も変えることなくそう返した。
「本気でやんなかったらもう1回だからな…。」
太刀川はそう釘を刺す。
…個人ランク戦10本勝負…スタート。
機械音がそう告げると、太刀川は勢いよくこちらに駆けだす。
そのまま、振り抜かれた弧月を綾瀬川は体を巧みに動かして避ける。
「なんで弧月を抜かねえんだ?」
「弧月じゃ勝てなそうなんで。…まあお気になさらず。」
「ちっ、その余裕を無くしてやる。」
NO.1攻撃手太刀川慶の本領、二刀流の弧月による絶え間なく振り下ろされる弧月。
距離を取ったものなら、そこから放たれる鋭い旋空に切り裂かれる。
…さて、どう乗り切るか。
おそらく多くのボーダー隊員がこの試合を見ているのだろう。
でも目の前の男は手を抜いたと分かったらまた絡みに来る。
どうやり過ごす…
「っ…!!」
その途端、鋭い弧月の突きが、綾瀬川のトリオン体の頬を掠めた。
「分かるぜ、綾瀬川。…てめぇ今どうやって乗り切るか考えてんだろ?」
「まさか。避けるのしんどいなとは思ってますけど。」
「集中しろ。無駄な事考えんな…。俺との一騎打ちに集中しやがれ…!」
太刀川の連撃はさらに鋭くなる。
「ちっ…。」
綾瀬川はようやく弧月を抜くと、太刀川の弧月を捌き始める。
そして後ろに飛び退いた。
「旋空弧月。」
太刀川から放たれた2本の旋空。
鋭い連撃に綾瀬川のトリオン体が切り裂かれた。
──
「ヒュウ、さっすがー。清澄くんでも太刀川さんはしんどいのかな?」
犬飼がそう呟く。
「綾瀬川くんが本気を出してれば…ですけどね。」
──
「おし、まず1本。いくらお前の回避能力が高くても俺は当たるまで切るだけだ。」
「…脳筋は米屋で間に合ってますんで。」
「…まだまだ行くぜ…構えろよ。」
「はぁ…。」
綾瀬川は何度目かも分からないため息を着いた。
…個人ランク戦終了10-0勝者、太刀川。
「おいてめえ、本気出せって言っだろ。」
「…いや、避けるので精一杯ですって。」
太刀川の言葉に綾瀬川はそう返した。
「…確かに回避能力は目を張るものがあった。」
風間は綾瀬川を賞賛する。
「だが、それだけで二宮に勝てるとは到底思えないな。」
「辛勝も辛勝ですよ。フルアタックのブラフが上手くいっただけです。次は一瞬で穴だらけですね。」
「そんな事はどーでもいい。もう1回だ。」
「ふざけるな。次は俺だ。」
「いや、風間さんとはやる約束してないでしょ。」
風間にそう返した。
「俺とやるのは嫌なのか?」
「嫌ですね。ボコボコにされる未来しか見えません。」
「ふざけんな、本気でやらなかったらもう1回っつったろ!」
「それはますます相手をしてもらう必要があるな。」
太刀川、風間はさらにオレに詰め寄った。
「おーい、綾瀬川〜。」
困っているとそこに助け舟が。
出水がこちらに手を振りながら走ってきた。
「加古さんがお前を指名だ。新作が出来た。ってよ…
…そういえば太刀川さんと風間さんも呼べって言ってたような…。」
出水は太刀川と風間に視線を向ける。
「…やべぇ、俺忍田さんに用事あるんだったわ。またな、綾瀬川、風間さん。」
太刀川はそう言ってそそくさと、どこかに歩いていく。
「…俺もだ。菊地原の勉強を見てやる約束をしていた。じゃあな、綾瀬川。」
「…助かった。」
「たく…もっと上手くやれよな。抜け目無いように見えて抜けてるよな、お前。」
「ほっとけ。これでも人付き合いは上手くなった方だ。」
そう言ってオレは自販機の前に立ち止まる。
「…どれにする?」
「別にいらねーよ。それよりもお前は早く加古隊の作戦室に行った方がいい。」
「加古隊?…そう言えば、さっきも加古さんがとか言ってたな。」
綾瀬川は思い出したように出水に視線を向けた。
「いや、さっきの話マジだから。…てかお前を助けるためにわざわざ加古さんの所に行ってきた。…新作が出来上がってるぞ。」
「?…新作…?」
──
「ふんふふーん…。」
心地よい鼻歌が作戦室に響き渡る。
「そんなに炒飯が好きなのね。出水くんが清澄くんの誕生日がもうすぐって言うから私にわざわざお願いしに来たのよ?」
「…はあ…。」
「友達のために私に頭を下げるなんて…素敵な関係なのね。…そこまでされたら私だって負けてられないわ!」
その途端、中華鍋から異質な音が響き渡る。
そして、黒い液体が加古の頬に飛び散った。
「あら?ごめんなさいね。」
「…熱くないんすか?」
「トリオン体だもの。」
「…なるほど。」
トリオン体になって作る炒飯ってなんだよ。
そう思いながら、オレと一緒に出来上がりを待っている少女に視線を向けた。
「…黒江は駿と幼なじみなんだよな?」
「は、はいっ。」
「…」
ジーッとこちらを見つめてくる黒江にオレはどうしていいか戸惑う。
「ごめんなさいね、双葉ったらこの前のROUND8を見てから、清澄くんに憧れちゃったみたいで…緊張してるのよ。」
「そ、そんなんじゃないですっ!」
黒江は立ち上がり抗議する。
「あら?バイパーをトリガーにセットしようとしてたのは誰だったかしら?」
「そ、それは…っ!」
「ふふ、冗談よ。からかいすぎたわ。…できたわよ。」
コトリと目の前に皿が置かれる。
「さ、おかわりも沢山あるわよ。」
「えっと…これは…?」
「練乳いちご&カレー納豆イカスミ炒飯よ。」
「…」
…前言撤回。
出水、お前だけは絶対に許さん。
──
玉狛支部
「はーい。」
ドアのチャイムが鳴り、小南はエプロン姿のままドアを開けた。
ドサッ…。
「ふえぇ?!」
開けると同時に見知った人物が小南に覆い被さるように倒れ込んできた。
「ちょ、綾瀬川?!いきなり何して…
…綾瀬川?」
ただならぬ様子の綾瀬川に小南は綾瀬川の顔を覗き込んだ。
「…加古さん…炒飯…いちご練乳…カレー…。」
「あー…。」
ボソボソと呟く綾瀬川に小南は察したように目を細める。
なお、小南のチキンカレーを食べて無事に回復した模様。
各キャラからの印象&各キャラへの印象
太刀川慶→本気でやりやがれ。…炒飯のことは少し申し訳ないと思ってる。
風間蒼也→お前…俺の事舐めてるな?炒飯の事は別に悪いと思ってない。
村上鋼→ライバル視。本気でやり合おう。
出水公平→友人。…悪ぃ。
加古望→興味。Kからだったら誘ってた。
黒江双葉→尊敬。憧れ。
小南桐絵→し、死んでる…?!
太刀川慶←警戒。
風間蒼也←チビ。裏切り者。
村上鋼←警戒。
出水公平←友人…だと思っていたんだがな。
加古望←ボーダーNO.1。俺が勝てない相手がいるとは思わなかった。
黒江双葉←ツインテ11秒。駿の幼なじみ。
小南桐絵←天使(カレー)。そういやそのアホ毛どうなってんの?
ちなみに綾瀬川は半年前の太刀川との決戦の事は…
…覚えてます。普通にとぼけてます。
あと2話くらい?で原作行きます。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。