そろそろ原作。
「韋駄天…!!」
目の前の少女が光を帯びたかと思うと高速でこちらに迫る。
そのまま為す術なく、オレのトリオン体が切り裂かれた。
…トリオン供給機関破損、緊急脱出。2-0黒江リード。
オプショントリガー『韋駄天』か。
駿にチラッと聞いていたが本当に目で追えないな。
それを13歳と言う若さで操る少女、黒江双葉。
「凄いな。本当に速い。」
「!、と、当然です!まだまだ行きますから。」
そう言うと黒江は弧月を構え直す。
そして体が光を帯びる。
「メテオラ。」
その瞬間にオレは、メテオラのトリオンキューブを周りにバラ撒いた。
「っ?!うそ…!」
そのまま黒江はメテオラに突っ込んでしまう。
…やっぱりバイパーと似た感じか。
「ブランチブレードなんかも効果ありそうだな。」
…トリオン供給機関破損、緊急脱出。2-1黒江リード。
「っ…なんで…。」
戻ってきた黒江は悔しさ半分、混乱半分でオレを見る。
「自慢じゃないがこれでもバイパーの扱いはボーダーの中でも自信があるんでね。」
「あ…。」
「目も慣れてきた。…とことん付き合うぞ。」
そう言ってオレは弧月を構える。
「お願いしますっ!」
…個人ランク戦終了。8-2勝者、綾瀬川。
「っ…ありがとうございました…。」
悔しそうに俯きながら黒江はオレに頭を下げた。
「どういたしまして。本当に凄いな。その年であんな難しそうなトリガーを使うなんて。」
「…ありがとうございます…!」
俯いていた黒江はすぐに顔をあげるとお礼を言った。
…気まずい。
さすがのオレでも分かる。
…なんでこんなに目キラキラさせてオレを見てるんだ?
日浦で間に合ってるんだけどな…。
そんな事を考えていると、こちらに歩いてくる影が。
「ほら、あやせセンパイは強いでしょ?」
自慢げに緑川駿は黒江に話した。
「…なんで駿がドヤ顔なのよ。」
「あれ?確かに。でもあやせセンパイが勝ってるの見るとなんか嬉しいんだよね〜。」
「何それ…。」
駿の言葉に黒江は呆れたように返した。
嬉しい事言ってくれるな。
オレは駿の頭をクシャッと撫でると自販機に歩き出す。
「少し休憩にしないか?奢るぞ。」
「!、やっほーい!」
「ありがとうございます…!」
──
「あの…綾瀬川先輩から見て、私になにかアドバイスとかありますか?」
黒江がオレに尋ねる。
「アドバイス?…オレはそんなためになる様な事は言ってやれないぞ?」
「あ、綾瀬川先輩の意見を聞きたいんです…!」
「…そうだな…」
オレは少し考える。
「まぁ一つダメ出しするとしたら…黒江って意外に頭に血が上るのが早いんだな。」
「…なっ…!」
「別に怒りっぽいとか、性格の話をしてる訳じゃない。まぁよく言えば好戦的って言うか…負けず嫌い?だな。…でも、そのせいで視野が狭まってないか?」
「…」
オレの言葉に黒江は黙ってしまう。
「さっきの模擬戦だって3本目のメテオラで落とした後のセットは、動きが単調で分かりやすかった。」
「…確かに。モニターで見てたオレでも分かりやすかったよ。」
オレの言葉に、駿も賛同する。
「負けず嫌いは別に短所じゃないが…勝ちたいんだったら想定外のことが起きた時こそ冷静になればいいんじゃないか?…ま、中1の女の子なら年相応でいいと思うけどな。」
「…」
そう言ってオレは立ち上がり、ペットボトルをゴミ箱に捨てる。
「駿、どうせお前もやるんだろ?」
「もっちろん!今日は絶対勝ってやるんだから!」
「言ってろ。」
そう言って駿の頭を乱暴に掻き回す。
「綾瀬川先輩!」
「ん?どうかしたか?」
後ろから声をかけた黒江に振り返る。
「その…また模擬戦して…アドバイス貰ってもいいですか?」
「…模擬戦は構わないが…アドバイスはしてやれるか分からないぞ?」
「気付いたときで大丈夫ですから!」
「分かった。いつでも誘ってくれ、暇だったら相手になる。」
そう言った途端、黒江の目がキラキラと輝く。
「!…じゃ、じゃあ私は防衛任務があるので失礼します。」
そう言って黒江はそそくさと、ランク戦ブースを後にした。
「あいつ…あやせセンパイの弟子になりたいってハッキリ言えばいいのに。」
去って行く後ろ姿を見て、駿が呟いた。
「…そうなのか?」
「あやせセンパイ鈍感すぎ…。」
「…師匠って器じゃないだろ…オレは。」
「そうかなぁ?俺はあやせセンパイが師匠だったら嬉しいよ。」
駿はそう言って笑う。
「…ま、でも俺はあやせセンパイの弟子になって色々教わるよりは…
…自分の手で超えたいけどね。」
「…お前らしいな。」
そう言ってオレは駿の頭を軽く触る。
「…時間無くなるぞ。」
「あ!うん!」
そうして2人は今日もランク戦に勤しむ。
──
「綾瀬川。…少し付き合え。話がある。」
いつものようにスーツでは無く私服を着たその男は、基地の出口の前で待っていた。
「…ここで…ですか?」
「夕飯はまだか…?」
NO.1射手二宮匡貴のその言葉にオレは、一拍置いた後に頷いた。
「ボサっとしてないで食え。」
そう言って二宮は俺の皿に肉を載せる。
肉の焼けた匂いに食欲がそそられる。
訪れたのは焼肉店。
個室タイプの席を予約していたようだ。
「いや、外食って焼肉っすか?」
「心配しなくても俺の奢りだ。…食え。」
「…じゃあ遠慮無く。」
そう言ってオレは肉を頬張った。
「…ROUND8、何故お前は俺に撃ち合いを挑んだ?」
二宮は箸を置いてオレに尋ねた。
「…」
「お前の旋空とバイパーの合わせ技…あれは1対1の状況なら間違いなく大抵の相手は落とせるだろう。」
「…どうも。」
「だがお前はそうはせずに俺に撃ち合いを挑んできた。…何故だ?」
二宮はオレを睨みながら尋ねる。
「…理由なんて無いですよ。単純な興味です。あなたと撃ち合いをしてみたかった、ただそれだけだ。」
「…そうか。」
一拍置いて二宮はそう答える。
「バイパーは誰に習った?出水か?」
「独学ですよ。…空間計算能力はある方なんで。…那須や出水には敵わないですけどね。」
「あの時のバイパーは出水よりも切れがあった。バイパーは扱いの難しいトリガーだ。リアルタイムでの弾道操作など一朝一夕で身に付くものでは無い。」
「…何が言いたいんですか?」
「単刀直入に聞く。
…お前は休隊中何をしていた?」
二宮の視線がさらに鋭くなる。
「…家の用事で海外に。…なんでそんな事を?」
「お前がボーダーに入り休隊するまでの期間は3週間。そして、復帰したのは今年の4月。つまりお前はボーダーに1年も在籍していない。ROUND2でバイパーを見せたあの時、お前はまだボーダーに半年も在籍していない訳だ。」
「…」
「どこで覚えた?」
「…」
「きびきび答えろ。」
何も話さない俺に二宮はきつく尋ねた。
「…聞きたい事はそれですか?」
「…」
「それを聞いてあなたはどうするんですか?」
そう言うと二宮は1枚の写真を取り出し、俺に見せる。
「…この女に見覚えはないか?」
頬に少しのそばかす。
どこか儚げな雰囲気で笑う女性だった。
「こいつは
「知らないですね。…この人がどうかしたんですか?」
「こいつは民間人にトリガーを横流し、そのまま近界に消えた。記憶封印措置も適用になる最高レベルの違反行為だ。」
「オレの休隊理由とこの人になんの関係が?」
「…上層部はこの隊務規定違反を鳩原が主犯だと結論づけているが…俺に言わせればこの馬鹿がそんな大層な事をできるとは思えない。馬鹿を唆した主犯格がいる。」
「…まぁその鳩原さんがどんな人なのかは知らないですけど…話を聞く限りオレとは全く関係ないと思うんですが…。」
「この日、この女以外に消えたボーダー隊員はいない…。だが…休隊中のお前は別だ。ハッキリ言っておくが…俺はお前を怪しんでいる。」
「…なるほど。でもオレは近界に消えた訳でもなくてここにいますよ。それが何よりの潔白の証拠じゃないですか?」
オレは二宮にそう返す。
「…ゲートの発生位置を予測して向こう側に行くなど…少しの計算、知識でできる芸当じゃない。…近界に行っていないにしても、ボーダー内部に協力者がいる可能性もある。」
「それがオレだと?」
「そうだ。」
二宮ははっきりと肯定する。
「…違います…としか言えないんですが。証拠になるようなものなんて無いですよ。」
「だからお前の休隊理由を聞くために呼んだ。…休隊していたにも関わらずトリガーの扱いが長けている理由もな。」
「…前者は家の用事、後者は…オレの努力を認めて貰うしかないっすね。」
「家の用事と言うのは具体的になんだ?」
「仕事の手伝いですね。」
「3年もか?」
「研究職なんで。…証拠の資料持ち出すとか無理ですからね?」
「だったら両親に会わせろ。証拠を提示出来ないなら証人を出せ。」
その言葉にオレは目を細める。
「母親は死んだ。…父親は…
…オレに父親はいない。」
「…そうか。…まぁお前があの馬鹿に協力する理由も無い…か。気分を害させたなら謝る。…悪かったな。」
「いえ別に。焼肉奢ってもらってるんで。」
そう言ってオレは肉をひっくり返す。
「話は変わるが…B級に残るらしいな。」
「ええ、まぁ。B級1位の肩書きはしばらく預かりますよ。」
「ふん、直ぐに取り返す。慢心はしないことだな。」
「肝に銘じておきますよ。」
「…ほら、もっと食え。出水はもっと遠慮しなかったぞ。」
「どうも。」
各キャラからの印象&各キャラへの印象
黒江双葉→尊敬。師事。
緑川駿→勝ってるとなんか嬉しい。兄貴分。
二宮匡貴→怪しむ。
黒江双葉←目をキラキラさせるな。
緑川駿←可愛い弟分。
二宮匡貴←焼肉ゴチです。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。