ちょっと忙しくって…。
「遅くなって悪かったな。」
目の前に座る三輪が箸を置いて話す。
「…何がだ?」
「祝勝会だ。防衛任務やら何やらで遅くなった。」
オレの質問に三輪はそう返した。
「謝ることじゃないだろ。こうやって祝ってもらえるだけでオレは嬉しい。謝られるとオレが申し訳なくなる。」
「そうだぜ秀次。それにお前の奢りなんだろ?」
米屋が三輪に肩を組みながら絡む。
「俺が金を出すのは綾瀬川と俺の分だけだ。お前たちは自分で払えよ。」
「「「…え…。」」」
米屋と出水、そして仁礼の箸が止まる。
「そらそーやろ。三輪くんはきよぽんと2人で行くつもりだったんを俺らが面白そーやからって邪魔したんやし。」
そう答えるのは生駒隊の隠岐だ。
「そりゃねーぜ、秀次!俺今月ピンチなんだって!」
「知るか。」
「てか米屋くんはA級やろ?毎日ピンチやない?給料どこに消えとるん…?」
隠岐が呆れたように言った。
「ほら、焼けたぞ綾瀬川。」
「ありがとう。…でも2日連続の焼肉はちょっと太りそうだな。」
「…2日連続?昨日も焼肉だったのか?」
出水が尋ねた。
「ああ。二宮さんに誘われてな。」
「いぃ?!お前二宮さんと焼肉行ったのか?!」
米屋が米粒を飛ばしながら尋ねる。
ちなみに仁礼は話を聞いていないようで肉を頬張っている。
…汚ねえな。
「落ち着きや…。辻ちゃんとか犬飼先輩も一緒に…やろ?」
「いや、2人でだが?」
「いぃ?!2人きり?!」
今度は出水が米粒を飛ばしながら尋ねる。
…いい加減怒るぞ。
「詳しく聞かせてや〜。二宮さんときよぽんの2人で焼肉とか、おもろそうな予感しかせーへんやん。関西の血がそう言っとるわ。」
「別にただ雑談しただけなんだけどな…。」
「そうか、別の場所にすればよかったな…。」
三輪が申し訳なさそうにそう言った。
「別に気にしてない。太るかもとは言ったが、焼肉は好きだし、こうしてみんなと食べるなら焼肉だろ。」
そう言ってオレは肉を頬張る。
「さっきも言ったが祝ってくれるだけで嬉しい。」
「そうだぞ三輪〜。だから綾瀬川に免じてアタシの分も奢ってくれよ〜。」
そう言って仁礼は三輪に肩を組む。
「却下だ。」
「え〜…三輪のケチィ…。」
「そういえばB級に残るらしいな。」
そんな仁礼を無視して、三輪は続ける。
「ああ。柿崎さんの意向でな。」
「おっ、じゃあ次のシーズンも綾瀬川とやれるじゃねーか。」
仁礼は顔を上げる。
「せやな。イコさんも喜ぶと思うわ。」
仁礼の言葉に隠岐も続いた。
「俺としては残念だぜ。せっかく綾瀬川とランク戦の舞台でやり合えると思ったのによ。な?秀次。」
「…まぁ…お前がA級に上がって来たとしても容赦はしない。」
「わかってるよ。
…まぁその時は…
…お手柔らかに頼む。」
──
「スカウト旅?」
「しーっ!これホントはまだ言っちゃいけねえんだよ!」
オレの問に佐伯竜司は人差し指を立てる。
まずその声がデカいけどな。
17歳組との祝勝会の翌日。
佐伯との個人戦を終えた休憩中に、雑談をしていた。
「…なら話すなよ…。いつからなんだ?」
「詳しくは追って伝えるらしい。冬頃になると思うぜ。」
「なるほど。草壁隊で行くのか?」
「草壁隊とあとは片桐隊だな。」
「片桐隊か…。あまり関わりがないから分からないな。」
唯一
「片桐と一条、結束は第二期東隊だからな。戦術に関しちゃ相当だぜ。」
「…そうなのか…。」
東さんの教え子…か。
確か二宮さんとか、月見さん、三輪もだよな?
「あの人ほんとにすごいな。」
「何を今更。」
「…そうか。じゃあしばらくは寂しくなるな。駿や里見もいなくなるのか。」
「一馬はそうだが…安心しろ。お前の弟はいなくなんねえよ。駿はお留守番。」
話を戻して呟くと、佐伯はそう返した。
「弟じゃないけどな…。…あー、でもまあ、あいつまだ中2だしな。落ち着きがないし心配だ。」
「うんうん。」
オレと佐伯はお互いに頷き合う。
「て言う訳だからよ、たまには一馬ともやってやれよ。」
「…そうだな。今度誘ってみるよ。」
「さて、防衛任務だから俺はそろそろ行くぜ。綾瀬川はどうするんだ?」
「この後約束があるから作戦室に戻る。ちょっとしたら行くよ。」
「そっか。じゃな。…さっきの話は他言無用で頼むな〜!」
そう叫びながら佐伯は手を振りランク戦ブースを後にする。
…だからその声がデカいんだよ。
「分かってるって。頑張れよ。」
「おう!」
──
柿崎隊作戦室
「…やっぱり虎太郎にはアイビスより、イーグレットが向いてると思うぞ?」
「…でもイーグレットは清澄先輩が使えますし…それよりも破壊力のあるアイビスを持てば攻撃のバリエーションが増やせると思ったんですけど…。」
何時だったか約束した、虎太郎に狙撃手トリガーを教えると言う約束。
前のシーズンでは、色々立て込んでおり、教えることは叶わなかったが、ランク戦が終わってしまえば時間は沢山ある。
そのため、オレは虎太郎に頼まれて、狙撃を教えていた。
…まさか本気だったとは。
「それはそうだが…そのためだけに使い辛いアイビス持っても、元も子もないだろ。アイビスは重いしグラスホッパーとの相性も悪いぞ?」
「うっ…。そうですよね…。」
虎太郎は黙り込んでしまう。
「…ならライトニングとかはどうだ?覚えたてじゃ、照準を合わせて、撃つまでに時間がかかるだろ?ライトニングで少しでも速い弾を撃てれば、命中率も上がると思う。…それに恥ずかしい話、オレはアイビスをあまり使った事がなくてな。」
「なるほど…。」
「お、自主練とは感心だな。」
そこに柿崎、文香がやって来る。
「はい。清澄先輩に狙撃を教わってました。」
「…虎太郎、あれ本気だったの?」
文香が呆れたように尋ねた。
「あはは、私も最初はそう思ったわ〜。」
真登華も諦めたように笑う。
「当たり前じゃないですか!前のシーズンでは俺あんまり活躍出来なかったんで!これからは狙撃と立体機動でチームの役に立とうと思います!」
「ははっ、心強いぜ虎太郎。俺も負けてられねーな。清澄、俺も教えて貰っていいか?」
「そ、それなら私も…!」
柿崎に、文香も続く。
「勘弁してください…教えるのは苦手なんですよ…。」
「そーだよ、ザキさん。文香も。全員狙撃手部隊は荒船隊がもうやってるから…。」
「…って、もうこんな時間かよ。ほら、お前ら解散だ。明日の防衛任務は朝からだから忘れんなよ。」
「うわ〜、私も寝坊するかも〜。」
「私が起こしに行くから問題ないわ。」
そう話しながら、柿崎、真登華、照屋は出口に歩き出す。
「あっ、ちょっと待ってくださいよ〜!」
その後に虎太郎も慌てて続く。
俺も虎太郎の後ろに続いた。
「明日も訓練お願い出来ますか?」
「ああ。防衛任務ちゃんとやって、学校が終わったらな。」
「あ、私綾辻先輩と約束あるから遅くなるかも。」
「別に問題ない。ひたすら撃つだけだからな。来なくてもいいぞ。」
「うわっ、何その言い方。清澄先輩冷たーい。」
俺の言葉に真登華は不貞腐れる。
「はははっ、清澄はいつもこんなもんだろ。気にすんな。」
「フォローになってないっすよ…。」
「じゃ、俺と文香はこっちだな。」
「3人ともまた明日。」
柿崎と文香が手を振る。
…一陣の風がボーダー基地の前を抜ける。
それに舞った枯葉を目で追う。
「…」
「どうしました?清澄先輩。」
「せんぱーい、置いてきますよ〜。」
「ああ、悪い…
…今行く。」
歯車は動き出す。
「…よう、無事か?
…メガネくん?」
持たざる者。
逆に多くのトリオンを持つ者。
未来を見据えるブラックトリガー使い。
異世界からの来訪者。
…そして白い部屋で作られた天才。
彼らはついに巡り会う。
『清澄…
…特務だ。』
『…了解。』
そして未来は動き出す。
各キャラからの印象&各キャラへの印象
三輪秀次→気の置ける友人。同期。
米屋陽介→友人。ランク戦仲間。クラスメイト。
出水公平→友人。ランク戦仲間。クラスメイト。すげえ奴。
仁礼光→友人。…今日の弁当のおかずなんだ?
隠岐孝二→友人。おもろい。
佐伯竜司→友人。ランク戦仲間。良い奴。
巴虎太郎→頼れる先輩。狙撃の師匠。
柿崎国治→頼れるチームメイト。エース。
照屋文香→頼れる先輩。スコーピオンの師匠。
宇井真登華→頼れる先輩。ちょっと抜けてて可愛い。
三輪秀次←気の置ける友人。同期。何かと気にかけてくれる。
米屋陽介←友人。クラスメイト。槍バカ。成績大丈夫か?
出水公平←友人。クラスメイト。弾バカ。天才。
仁礼光←友人。今日のおかずはだし巻き玉子だ。
隠岐孝二←友人。猫の写真見せて。
佐伯竜司←友人。ランク戦仲間。声でかい。
巴虎太郎←可愛い後輩。チームメイト。
柿崎国治←頼り甲斐&支え甲斐のある隊長。
照屋文香←頼れる後輩。チームメイト。スコーピオンの弟子。
宇井真登華←生意気な後輩。チームメイト。…猫飼いたいな。
お待たせしました、次回から原作突入致します。
繁忙期のため不定期になるかもしれませんが、長い目で待ってくれると助かります。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。