白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

71 / 161
投稿遅れてすみません。



(ブラック)トリガー争奪戦 〜ERROR〜

「はぁ…あの人はオレ一人に何人用意したんだ…?」

 

目の前には双月を構えた小南。

後ろには、木崎と弧月を構えた烏丸が立っている。

 

「…あんた、迅を殺す気?」

 

「…だったらどうするんだ?」

 

「っ…あっそ。…それなら何も考えずにあんたを斬れるわね。」

 

小南の双月を綾瀬川に向ける。

 

「…京介、いつも通りだ。小南が暴れて俺たちがサポートする。…相手は風刃を使った迅を圧倒した奴だ。気を抜くなよ。」

 

「了解。」

 

木崎の言葉に烏丸は短く答えた。

 

 

開戦は、小南の双月と、綾瀬川の弧月の衝突からだった。

 

それを受け止めている間に、烏丸が後ろから綾瀬川に切りかかる。

 

綾瀬川は小南の双月を上に弾くとハンドガンを烏丸に向ける。

 

 

──コネクターON。

 

「でりゃああ…!!」

 

小南は双月を素早く連結。

綾瀬川目掛けて振り下ろす。

 

「ちっ…。」

 

烏丸、小南の連携に、綾瀬川は上に飛び退く。

 

そこに、木崎のガトリング砲による、アステロイドが襲いかかる。

 

 

「3対1で大人気ないっすね。」

 

綾瀬川はシールドで受けながら、家屋の壁を走り、木崎に切りかかる。

それを、前に躍り出た、小南が受け止める。

 

空中で小南の双月と綾瀬川の弧月が火花を散らす。

 

「これまでと比にならないくらい重いわね…!手、抜いてたわけ?」

 

「さあな。」

 

「小南先輩!」

 

烏丸の合図で小南は大斧で綾瀬川を弧月諸共、上に弾く。

 

木崎のアステロイド、烏丸のバイパーが綾瀬川を襲う。

 

「…」

 

空中の為逃げ場はない。

 

綾瀬川はフルガードで受けながら、体を強引に捻り、避けきる。

 

しかし、休む暇も無く、着地した所を小南のメテオラが撃ち込まれる。

シールドで受けながら後ずさると、爆風を切り裂きながら小南が双月を横薙ぎに振るった。

 

「…っぶね、物騒だな…。」

 

綾瀬川は体を大きく仰け反らせて避ける。

そんな綾瀬川の視界には、上から拳を振り下ろす木崎が。

手にはレイガストが握りこまれている。

 

飛び退くと、木崎の拳は地面を砕き、土煙をあげる。

 

その土煙を抜けて、木崎はさらに綾瀬川に殴り掛かる。

それを手のひらで捌くか受け流す。

そして、連撃の隙を見て、木崎の側頭部目掛けて蹴りを入れる。

 

「!」

 

木崎はそれを、腕と、シールドで受けるが、あまりの衝撃に吹き飛ばされる。

 

「レイジさん!」

 

「…旋空弧月。」

 

「「!」」

 

0.1秒にも満たない神速の抜刀。

建物を薙ぎ倒しながら放たれた旋空が小南、烏丸に襲いかかった。

 

 

2人はどうにか避けたものの、烏丸は脇腹、小南は太ももからトリオンが漏れ出す。

 

 

 

「…迅さんから聞いてはいましたが…化け物ッスね…。」

 

戻ってきた木崎に烏丸が話す。

 

ボーダー最強の部隊、玉狛。

その3人の連携でも、今のところ綾瀬川には傷1つ付いていない。

 

「予定を繰り上げますか?」

 

「…いや、まだだ。俺たちの目的を忘れるな。…時間を稼ぐ。気張って行けよ、小南、京介。」

 

「「了解!」」

 

そう言って3人は目の前の怪物に視線を向けた。

 

 

 

──

 

「迅、嵐山隊、柿崎隊、諏訪隊に次いで玉狛まで…一体どれだけの刺客を用意しとるんだ…。」

 

ボーダー本部。

司令室で戦場を遠くから見ていた鬼怒田は頭を抱えた。

 

「しかし…彼は一体何者なんですか?」

 

ボーダーのメディア対策室長、根付(ねつき) 栄蔵(えいぞう)は城戸に控えめに尋ねた。

 

「…」

 

しかし、城戸は答えることなく目を閉じる。

 

「城戸さん…。危険すぎる。生身の迅に躊躇なく切りかかるような男を刺客に使うなど…!」

 

忍田は複雑そうな表情で尋ねる。

 

「…」

 

しかし、城戸は何も言わない。

 

「っ…!!」

 

忍田は立ち上がる。

その右手にはトリガーが握られている。

 

「沢村くん、サポートを頼めるか?」

 

「…了解。」

 

忍田の言葉に、本部長補佐、沢村(さわむら) 響子(きょうこ)は短く答える。

 

 

「…止めておけ、忍田くん。…君でも清澄には敵わない。ブラックトリガーは必ず手に入れる。」

 

「…」

 

その言葉に忍田は少し止まるも、司令室を後にした。

 

 

 

 

──

 

「っ…くそ…。」

 

烏丸が短く悪態を着く。

そして、光となって空に打ち上がった。

 

木崎、小南も悔しそうな顔で綾瀬川に目を向けた。

これだけの連戦。

これだけの精鋭を揃えても、未だに綾瀬川には傷1つ付いていなかった。

 

「これだけの連戦だ。…もうトリオンが少ないだろう?綾瀬川。」

 

木崎が綾瀬川に尋ねる。

 

「…そうッスね。」

 

迅の目的。

それは連戦による綾瀬川のトリオン切れ。

そのために時間差で玉狛を当てた。

 

もっとも、ここまで無傷で生き残るのは迅も想定外ではあっただろう。

 

「言っとくけど…まだトリオン使ってもらうわよ...!」

 

小南はそう言って立ち上がる。

 

「やめとけ小南。片手で大斧は振れないだろ?」

 

綾瀬川との戦闘で小南は左腕を失っていた。

 

「余計なお世話よ。それにこのまま引き下がるのも性にあわないわ…!」

 

そう言って小南は双月を振る。

 

「…」

 

綾瀬川は危なげなく躱すと、後ろで木崎が取り出した、アサルトライフルの銃口にハンドガンを発砲。

木崎の右腕ごと吹き飛ばす。

 

「諦めろ、玉狛。あんた達にオレは止められない。」

 

「…」

 

それでも小南はこちらに双月を振るう。

 

「あんた…今までどんな気持ちで私と戦ってたわけ…?」

 

小南が絞り出すように尋ねた。

 

「…本当に…あんた…

 

 

…綾瀬川なの?」

 

「質問の意図が分からないな。オレはオレ以外の何者でもない。」

 

そう言って綾瀬川は小南の持つ双月を上に弾き飛ばした。

 

「っ…」

 

そのまま弧月を振り下ろす。

 

 

ギィン…!

 

しかしそれは、前に出た木崎のレイガストに受け止められる。

 

「スラスターON。」

 

レイガストからトリオンが噴出され、綾瀬川を押す。

 

「…」

 

しかし、綾瀬川が少し力を入れるとそれは止まる。

 

 

「バイパー。」

 

片手でトリオンキューブを分割。

木崎の後ろから、バイパーが襲いかかる。

 

「シールド...!」

 

小南のシールドがそれを受けると、木崎の背中を踏み台に、小南が双月片手に飛び上がる。

 

 

 

「出番だぞ、NO.1狙撃手。」

 

 

──

 

 

 

「…ったく、人遣いがあれーな。」

 

そう言いながら、遠くから戦場を見ていた当真は小南の頭に照準を合わせた。

 

 

 

しかし、引き金は引かれる事無く、当真のトリオン供給機関は切り裂かれる。

 

 

「っ…よくここが分かったな、迅さん。」

 

 

「悪いな当真。俺には予知が付いてる。」

 

当真もここで緊急脱出。

当真を落としたのは、先程、トリガーを解除し消えた迅だった。

その手にはもう遠隔斬撃用の帯は出ていないが、風刃が握られていた。

 

確かにレーダーには映らないが、生身で高台を虱潰しに当たるのは無理がある。

予知のある迅だからこそできる芸当だった。

 

「…さて、予知も大詰めだ。あと少し頼むぜ?小南、レイジさん。」

 

そう言って迅は背伸びをして、本部基地目掛けて走り出した。

 

 

──

 

「ああ、本当にオレ一人になったみたいだな。」

 

綾瀬川は小南の振る双月をヒラヒラと避けながらそう呟く。

 

「っ…!」

 

剣の腕は自信があった。

かつて弧月でNO.1攻撃手となり、ランク戦に参加できなくなった今でもまだ太刀川と風間さんにしか抜かれていない。

 

それでも目の前の男には一太刀も届かない。

 

 

「なん…でよ…!」

 

小南は太刀を止めて俯く。

 

「私とやってた時も…心の中では嘲笑ってたわけ?そうよね、こんなに弱い相手の弟子になって…!毎回毎回弱い私の相手をさせられて…!そうやって私の前では自分を偽り続けてたのね…!」

 

小南は怒り任せに双月を振る。

 

「…」

 

しかし、綾瀬川は何も言わずにそれを避ける。

 

「別に…派閥なんてどうでも良かった。あんたが城戸派でも。玉狛に遊びに来てくれるのが楽しみだった…。文香の事…私に任せてくれて嬉しかった。…でも…それは私だけだった。

 

 

 

…嬉しそうに私のカレーを食べてた…あれも嘘なわけ…?」

 

 

 

「!」

 

儚げに。

寂しそうな泣きそうな。

そんな声と表情。

 

 

「っ…綾瀬川…!」

 

 

振り下ろされた双月が、目を見開いた綾瀬川の右腕を飛ばした。

 

 

「っ…!!」

 

初めて入った一撃。

綾瀬川は肩を抑えて飛び退く。

 

「小南!下がれ!」

 

そう言って木崎はガトリング砲を構えて、小南の前に躍り出る。

 

綾瀬川が一瞬見せた隙。

木崎はさらに追い打ちをかける。

 

 

「…は…?」

 

 

…しかし、そこで木崎の視界は低くなる。

 

 

 

「やはり、お前は危険だ。お前から落とすべきだった。

 

 

 

…小南。」

 

 

その声は木崎の後ろ、小南の目の前からだった。

左手には弧月が握られている。

 

訳も分からず、首を落とされた木崎はそのまま緊急脱出した。

 

 

──

 

「…」

 

上から睨むオレに、小南は静かに目を閉じた。

 

「っ…ちっ…!」

 

まただ。

また何か分からない感情が込み上げる。

 

全部こいつのせいだ。

こいつがいるから。

 

オレは小南目掛けて、弧月を振り下ろした。

 

 

 

 

ギィン…!!

 

 

「そこまでだ!綾瀬川くん。」

 

 

弧月を構えた男。

 

俺の弧月を止めたのはノーマルトリガー最強の男。

ボーダー本部本部長、忍田真史だった。

 

「あんたが出る幕じゃないだろ。…引っ込んでろ。」

 

さらに弧月を振り下ろす。

受け太刀されたのでもう一度。

何度も振り下ろすうちに、忍田の表情にも、余裕が無くなってくる。

 

 

 

 

 

『清澄、作戦終了だ。…撤退しろ。』

 

 

そんな時、城戸からの通信が入る。

 

動きを止めたオレに、忍田がさらに切り掛る。

 

 

 

「…ちっ…これがあんたの見た未来か。

 

 

 

…最悪な未来だよ…迅さん。」

 

 

そう言ってオレは弧月を手放し、忍田の弧月に切り裂かれた。

 

 

夜の三門市でひっそりと行われた派閥争い。

その争いはここでついに幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太刀川隊

太刀川慶…綾瀬川清澄のスコーピオンにより緊急脱出。撃破数0。

出水公平…迅悠一の風刃により緊急脱出。撃破数1。

 

冬島隊

当真勇…迅悠一の風刃により緊急脱出。撃破数2。

 

風間隊

風間蒼也…照屋文香の相打ち狙いのモールクローにより緊急脱出。撃破数1。

歌川遼…迅悠一の風刃により緊急脱出。撃破数0。

菊地原士郎…迅悠一の風刃により緊急脱出。撃破数0。

 

三輪隊

三輪秀次…迅悠一の風刃により緊急脱出。撃破数0。

米屋陽介…木虎藍のスコーピオンにより緊急脱出。撃破数0。

小寺章平、奈良坂透…劣勢を見て撤退。撃破数0。

 

嵐山隊

嵐山准…綾瀬川清澄の弧月により緊急脱出。撃破数0。

木虎藍…綾瀬川清澄のスコーピオンにより緊急脱出。撃破数1。

時枝充…当真勇のイーグレットにより緊急脱出。撃破数0。

佐鳥賢…当真勇のイーグレットにより緊急脱出。撃破数0。

 

柿崎隊

柿崎国治…出水公平のトマホークにより緊急脱出。撃破数0。

照屋文香…風間蒼也のスコーピオンにより緊急脱出。撃破数1。

 

諏訪隊

諏訪洸太郎…綾瀬川清澄の弧月により緊急脱出。撃破数0。

堤大地…綾瀬川清澄のスコーピオンにより緊急脱出。撃破数0。

笹森日佐人…綾瀬川清澄の弧月により緊急脱出。撃破数0。

 

玉狛

木崎レイジ…綾瀬川清澄の弧月により緊急脱出。撃破数0。

小南桐絵…最後まで生存。撃破数0。

烏丸京介…綾瀬川清澄のアステロイドにより緊急脱出。撃破数0。

 

 

 

 

 

迅悠一…トリガーOFFをして撤退。撃破数5。

 

 

 

 

綾瀬川清澄…乱入した忍田真史の弧月により緊急脱出。撃破数8(内1は太刀川慶を含む。)

 

 




各キャラからの印象&各キャラへの印象

小南桐絵→だ、騙したわね?!(シリアス)

小南桐絵←???



綾瀬川清澄
パラメーター※1

トリオン 7
攻撃 20
防御・援護 15
機動 15
技術 20
射程 4(13)※2
指揮 10
特殊戦術 4(10)※3
TOTAL 95(110)


※1…とあるボーダー協力者の資料参照。
※2…イーグレット装備時。
※3…特殊工作兵(トラッパー)トリガー装備時。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。